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女性のキャリアプランはなぜ必要?立て方のポイントや例文を紹介

女性は結婚や出産、育児などのライフイベントに関わる人も多く、キャリアプランを作るのが難しい側面はあります。また、年代によってもキャリアプランは異なるという点に注意が必要です。

本記事では女性に多いキャリアプランの悩みや解決策、タイプ別・年代別の立て方などを解説します。

女性がキャリアプランを考えるべき理由


キャリアプランとは、将来どのような仕事をしていきたいかを計画することです。転職活動ではキャリアプランについて聞かれることも多く、キャリアアップに意欲的かなどを判断する材料とされます。

キャリアプランは人それぞれですが、女性の場合は結婚や出産などのライフイベントで環境が変わる可能性もあり、家庭と仕事をどう両立させるかを考えるためにもキャリアプランは重要です。

また、キャリアプランを立てることで目標に向けた行動が明確になります。例えば、3年後・5年後の目標を立てた場合、それに向けた具体的な計画を策定できます。

明確な目標があれば、日々の仕事も意味のあるものになり、モチベーションが高まるでしょう。キャリアプランがあることで、転職すべきかどうかというタイミングを正しく判断できます。

女性に多いキャリアの悩みと解決策


近年は女性の社会進出が推進されていますが、女性にとってキャリアに関する悩みは依然として多いのが現状です。

例えば、出産後の育児など家庭と仕事の両立が忙しい、男女間に待遇や昇格の格差があるといった悩みがあげられます。

ここでは、女性に多いキャリアの悩みと解決策をみていきましょう。

家庭と仕事の両立が難しい

女性は結婚や出産などのライフイベントを迎える人も多く、生活環境が大きく変化しやすいという特徴があります。

結婚や出産で家事・育児が忙しくなり、仕事と両立できなくなる女性も少なくありません。企業が産休・育休の体制を整えているか、柔軟な働き方を採用しているかでも状況は変わります。

キャリアアップにより業務内容は変わり、責任も大きくなります。家庭を持つ女性にとっては大きな負担となることもあるでしょう。

男女間に給与・昇格の格差がある

女性のキャリアアップでは、男女間に賃金や昇格の格差があるのも悩みのひとつです。一般労働者のうち、男性の平均賃金水準を100としたとき、女性の水準は2021年の時点で75.2という調査結果があります。格差は長期的にみると縮小傾向にあるものの、先進諸外国と比べると依然として大きいのが実情です。

政府ではこのような男女間の格差を是正するため、男女雇用機会均等法の施行により男女均等取扱いの法的枠組みを整備するなどの取り組みを行っています。法整備の進展によって企業でも女性の職域が拡大し、管理職に占める割合も上昇傾向にあるなど女性の活躍が進んできました。

ただし、このような推進が行われながらも、労働者全体を平均した場合には男女間の賃金格差は存在します。不公平感に悩まされる女性も多いでしょう。

参考:男女共同参画局「男女間賃金格差(我が国の現状)」

ロールモデルになる女性管理職が少ない

2022年における日本の管理職における女性の割合は9.4%で、上昇傾向にはあるもののまだまだ低い状況です。政府は2020年代に30%程度となることを目指していますが、30%以上の企業は1割もないという現実があります。

そのため、キャリアを考える上で参考にできるロールモデルは多くありません。

管理職を目指す女性が自身のキャリアプランを考えるためには、男女関係なく複数の社員を参考にするという方法があります。それぞれのキャリアアップの良い部分を取り入れることで、キャリアプランを考えられるでしょう。

参考:帝国データバンク「女性登用に対する企業の意識調査(2022年)」

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【タイプ別】女性のキャリアプラン


女性のキャリアプランといっても、目指す方向はさまざまです。キャリアを中断しても復職してスペシャリストを目指す場合もあれば、順調にキャリアアップして管理職を目指すというプランもあります。転職しながらキャリアアップしていく方法もあるでしょう。

ここではタイプ別のキャリアプランをご紹介します。

スペシャリストになる

資格を取得したり専門スキルを身に付けたりして、スペシャリストを目指すというキャリアプランがあります。スペシャリストになれば、結婚や育児でキャリアを中断する時期があっても復職しやすく、転居で職場を変える場合にも仕事を見つけやすいのがメリットです。

スペシャリストの方向性は、自分の好きなことを極めていく方法と、今後、需要が高まりそうなスキルに焦点をあてる方法という2通りがあります。

得意なことや仕事でやりたいことがある、注目されていて気になる専門職があるという場合は、資格取得を目指してみるのもよいでしょう。

管理職になる

女性の管理職はまだ少ないものの、政府の推進により増えつつある状況にあります。特に保険会社など女性社員が多い企業であれば女性の管理職も多く、ロールモデルが身近にいます。管理職になるチャンスも多いでしょう。

また、外資系企業は男女間の格差が比較的小さいため、管理職に就く女性も多くみられます。管理職候補として女性を雇用する企業も多く、現在の会社が女性の管理職登用に消極的な場合は、女性管理職の採用を行っている外資系企業への転職も視野に入れるとよいでしょう。

女性の管理職も、男性の場合と職務が異なるわけではありません。リーダーシップやマネジメントスキル、コミュニケーション能力など、管理職に求められる能力は男女にかかわらず同じです。

特に女性はコミュニケーション能力が高い傾向にあり、人の気持ちを察して部下とのコミュニケーションをスムーズに行うなども得意といえるでしょう。部下のワークライフバランスについても、理解を示しやすいといえます。

転職でキャリアアップする

現在の会社で思うようなキャリアアップが望めない場合、転職でキャリアアップするというプランもおすすめです。キャリアアップのための転職は、担当する仕事の範囲を広げられる、あるいは任せられるポジションを高められる企業に転職してキャリアを上げていく方法です。実際に転職を重ねながら昇給し、地位を上げているケースも多くみられます。

キャリアアップを目的とする転職では未経験もOKの企業を選ぶのではなく、スキルや実績が評価され、現在よりもレベルの上がる仕事を選ばなければなりません。現時点の自分に足りない経験・スキルを積める企業を見つけることがポイントです。

転職によって年収が下がる可能性もありますが、中長期的に実現したいことを優先しましょう。キャリアアップできれば、現在以上の収入を目指すことも可能です。

キャリアプランを伝える際は、キャリアアップのみを強調しすぎないようにしましょう。成長意欲を見せると同時に、自分の働きで組織にどう貢献できるのかを示すことも大切です。

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【年代別】キャリアプランの立て方と例文


女性が転職する際、キャリアプランの立て方やアピールポイントは年代により異なります。

また、キャリアプランは結婚後や出産後も想定した内容にすることが大切です。企業はできるだけ長く働いてくれる人材を求めており、結婚や出産も考えたキャリアプランを提示すれば、企業は具体的に働くイメージができ、採用を前向きに検討しやすくなるでしょう。

ここでは、年代別にキャリアプランの立て方や例文をご紹介します。

20代後半

経験の浅い20代後半は、まだアピールできる実績がないことも多いでしょう。そのように十分な実績がない場合、あるいは異業種に転職する際は、これからスキルを身につけて成長するというキャリアプランを提示して成長意欲を見せると効果的です。

【例文:派遣社員から正社員に転職する場合】

私は派遣社員としてさまざまな企業の仕事に従事してきましたが、そこで携わった経理の仕事に魅力を感じました。そのため、経理担当としてひとつの会社を支える仕事がしたいと思い、簿記2級を取得しました。
まだ十分な実績はありませんが、3年後には決算書を作成できるまでになりたいと考えています。さらに、5年後には部署のリーダーとなって進捗管理も行えるようになりたいです。
また、ITの勉強も進めており、将来的にはIT化による業務の効率化にも対応していきたいと考えています。

【例文:異なる職種に転職する場合】

私は前職で販売員をしており、店舗に出向くお客様に商品を提案して満足していただけることにやりがいを感じていました。自分にはお客様の課題や悩みを把握して適切な提案をする仕事に向いていると感じ、さらに積極的な提案ができる営業の仕事でキャリアを積みたいと考え、御社に応募いたしました。
まずは営業活動のノウハウを学ぶことから始め、3年以内には売上のトップに立てるよう、頑張りたいと考えています。
将来は結婚や出産の機会があるかもしれませんが、御社は育児休暇の制度も充実しており、安心して働き続けられるというのも応募した理由です。制度を上手に活用しながら、営業のキャリアアップを図りたいと考えています。

30代

30代はこれまでの実績・経験をもとに、専門性を高めていく時期です。転職活動では即戦力としてできることをアピールしましょう。

また、30代は結婚・出産なども重なりやすく、キャリアプランとライフプランを合わせた検討が必要です。

妊娠・出産を検討する場合、育児休暇を取得するには同一の事業主に引き続き1年以上雇用されていなければなりません。転職をするタイミングには気をつけましょう。

【例文:一度結婚退職して復職する場合】

私は結婚と出産に伴い、前職の事務職を退職しました。子どもが保育園に行くようになり、前職の経験を活かして再び仕事をしたいと考え、応募した次第です。
前職では帳簿管理や書類作成など毎月の定型業務を行ってきましたが、子育て中は復帰後に向けてさらにスキルを身につけるため、マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)のExcel資格やITパスポートの資格を取得しました。これらの資格はDX化に取り組む御社の業務に貢献できると考えています。

【例文:年代ごとのキャリアプランを明確にしている場合】

エンジニアとしてキャリアアップしていきたいと考えています。20代ではWebシステム構築の技術を学び、ITパスポートや基本情報技術者試験など基礎的な資格も取得してきました。
30代になった現在では、幅広い知識を身につけ、フルスタックエンジニアを目指したいと考えています。また、40代までにはマネジメントスキルを身に付け、最終的にはCTOとしての活躍が目標です。

40代

40代の転職は管理職としての求人も多く、指導者としてのキャリアや専門性を活かした即戦力をアピールできます。20代、30代に比べて再就職のハードルは高いため、これまでの経験やスキルをいかにアピールできるかがポイントになるでしょう。

【例文:リーダーの経験をもとに管理職に応募する場合】

私は法人営業に13年勤務したあと、出産を機に退職しました。子どもの手がかからなくなったため、再び営業の仕事に携わりたいと思ったのが応募の理由です。前職では入社4年目にチームリーダーとなり、新入社員の指導にあたりました。
前職を辞めてからのブランクはありますが、パートタイムでコールセンターのアウトバウンド業務に携わっており、営業の感覚は健在です。リーダーとして社員をマネジメントしていた経験を活かし、御社の業務に貢献したいと考えています。

【例文:管理職からさらにレベルアップするために転職する場合】

私は育児の期間を除き、保険会社の営業職に10年間携わってきました。管理職となって多くの若手社員を指導してきた経験を活かし、新規開拓や販路拡大など、営業のさまざまなノウハウを営業職の育成に役立てたいと考えています。
御社は特に女性のキャリアアップや管理職の登用に積極的であることも応募した理由のひとつです。
管理職として、一緒に働く女性社員のロールモデルになれるよう努力したいと考えています。

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女性がキャリアプランを立てるポイント


女性がキャリアプランを立てる際は、結婚や出産という大きなライフイベントがあることを考慮し、以下の3点をポイントにすることが大切です。

 ● 結婚や出産・育児と合わせて考える
 ● 高い目標を設定して達成までのプランを考える
 ● 長期的視点でプランを立てる

それぞれ、具体的にみていきましょう。

結婚や出産・育児と合わせて考える

結婚や出産を今後の予定とする場合、その後の仕事と家庭をどう両立していくのかプランを立てる大きなポイントです。出産後は育児と仕事の両立ができず、職場を離れる女性も少なくありません。

現在の職場や転職先の企業で産休・育休・職場復帰についてどのような体制が取られているかを調べ、家庭と仕事を両立できるかを検討しましょう。

会社の制度だけでは両立が難しそうであれば、周囲の支援が受けられるかどうかも考えなければなりません。結婚や育児でキャリアを中断したくない場合は、ライフバランスに理解のある職場を見つけることが必要になるでしょう。

高い目標を設定して達成までのプランを考える

キャリアプランは実現可能でありつつ、高い目標を設定することが大切です。女性の場合は管理職を目指すなど、出世を目標にする人は少ないかもしれません。しかし、高い目標を示すことは面接官に強い印象を与えられるでしょう。

高い目標を設定したら、それを達成するまでには何をすればよいか、どのくらいの年月が必要なのかを逆算します。

逆算することで、現在の自分がなにをするべきかがわかり、目標達成に向けて具体的な行動ができます。キャリアプランについて聞かれた際は、実現させるために行っていることを伝えることで、よりプランの説得力が増すでしょう。

長期的視点でプランを立てる

キャリアプランは長期的視点で考え、結婚や育児なども含めて10年間程度のキャリアプランを立てておくことをおすすめします。

結婚や出産を機に退職すると考えていても、キャリアプランについて聞かれたときにそのまま伝えるのは控えましょう。基本的に企業は長く働いてくれる人材を求めており、結婚・出産後に退職を予定する人を積極的に採用したいとは考えません。

面接でキャリアプランを伝えるときの注意点


面接ではキャリアプランを聞かれることは少なくありませんが、自身のキャリアプランを伝える際は、いくつか注意したいことがあります。具体性のある内容で答えること、応募企業の方向性や求める人物像に合わせることなどがあげられます。

面接でキャリアプランを伝える際に注意すべき点を解説します。

具体性のある内容で答える

転職活動の際は、具体的なキャリアプランをしっかり立てて臨む必要があります。面接でキャリアプランについて聞かれた際に、「わからない」と答えたり、具体性のない内容だったりしては、良い評価は得られません。将来の目標を持っていないと判断され、自社で働いても長続きしないと判断されてしまいます。

また、面接では、単にキャリアプランについて聞かれるケースばかりではありません。「5年後にはどのような活躍をしていたいか?」「結婚や育児のあとの仕事をどう考えるか?」といった形で質問されることもあります。どのような方向で質問されても答えられるよう、キャリアプランの内容は詳細作り上げておきましょう。

志望する企業に合わせる

キャリアプランは、応募先企業の目指す方向性とかけ離れていては意味がありません。企業で働いていても叶えられない内容のプランを伝えてしまっては、本当に自社を志望しているのか疑問に思われます。

まずは、自分が目指すキャリアプランに合う企業を探しましょう。

志望する企業を見つけたら、企業研究をしっかり行います。その企業が求める人物像や目的に合わせ、企業理念に沿ったキャリアプランを立ててください。

現在努力していることも伝える

キャリアプランを示す際は、実現させるためにどのような努力をしているかを一緒に伝えることも大切です。実現に向けて行動しているという点が重要であり、行動の内容が些細なことだからと評価が下がることはありません。

資格取得に向けて勉強している、自分の強みを知るために自己分析を行っているなど、キャリアプランを実現するために何らかの行動を行っていることがアピールになります。どのようなことをしているか聞かれたとき、返答に迷うことのないようにしましょう。

女性のキャリアプランはライフスタイルとあわせて考えよう


女性のキャリアプランは、結婚や出産などのライフプランと合わせて考えなければなりません。家庭と仕事の両立が難しい、管理職を目指したくてもロールモデルがいないなど、キャリアプランを立てる上でハードルとなることも多々あります。それらを踏まえ、長期的な視野でキャリアを考えることが必要です。

年代によってもキャリアプランの考え方は異なります。現在の状況や将来目指したいことを考え、具体的なキャリアプランを作りましょう。

ハレダスの就職相談『CHOICE!』にはさまざまな経歴を持つキャリアアドバイザーが在籍しており、女性の転職に関する相談に対応しています。相談やサポートはすべて無料で行っているため、キャリアプランについて悩みがある方は、ぜひお問い合わせください。

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Written by

山本 恵美

山本 恵美

大学卒業後、生活情報誌やファッション雑誌の記者・編集を経て、株式会社マイナビに入社。 15年間、人材サービス(就職・転職・障がい者採用)の分野において5000社以上の企業広告を担当。 2020年に起業し「合同会社綴」を設立。現在は企業取材・広報のほか、採用コンサルティングやキャリアアドバイザー業務等も行っている。

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