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インタビュー

自己表現のための「機会」・夢や希望を持てる「基盤」づくりを行う|TARUSHIRU 辰巳涼さんインタビュー

近年、若手起業家に期待が集まる中で今回取材した辰巳涼さんもまた、未来を担う起業家の一人です。

合同会社TARUSHIRUの代表である辰巳さんは、ひとり親向け就労支援プログラムや子ども達の学びの環境を整える支援などを行っています。

TARUSHIRUというユニークな会社名には「足るを知る」を元に、今ある現場に感謝し、自分の特性や良さを活かし世の中に貢献する、という意味が込められているそうです。

今回は辰巳さんにこの事業を始めるに至ったきっかけ、そして今後の展望について伺ってみました。

●プロフィール
辰巳 涼(たつみ りょう/1993.6.26生/兵庫県)
・2016年:ネオキャリア株式会社 海外事業に入社し、インドネシア支店・シンガポール支店・インド支店にて勤務。
・2019年:ネオキャリア株式会社を退職し、インドで起業したのちに帰国。個人事業主として合同会社DMM海外人材事業を立ち上げ。
・2021年:合同会社TARUSHIRU設立。

若手起業家・辰巳さんの学生時代

辰巳さん:

全然勉強しない子供でしたね。興味が持てなかったんです。

ですが、サッカーだけは熱中して取り組んでいました。高校卒業までずっとやっていたんですが、大学在学中に怪我をしてしまって。そこから自分の興味のあるものを見失ってしまいました。

そんな時、とある企業のインターンシップの一環で“起業をする”というプログラムに出会ったんです。

そこでは通信系の営業に取り組みました。その時に「仕事って楽しい…!」と思い始めたんです。

具体的には、アイデアを出したり自分の成長を感じられることに楽しさを見出していきました。

初めてサッカー以外に楽しいと思えることを見いだせた瞬間でしたね。

楽しいことと出会える機会を提供したい、と考えるように


挫折を乗り越え、インターンシップでの活動を通じて働く楽しさを見出したという辰巳さん。

たとえ一つの道が閉ざされたとしても、他にもいろんな道があることを知り、その営業の道で活躍するようになる…、というわけではありませんでした。

その時辰巳さんは、こんなことを考えていたそうです。

辰巳さん:

この世界には自分が知らない色々な道がある。それぞれの人が持つ能力を引き出したり、活躍できる道と出会う機会を、若い方を中心に僕も作ってみたい。

それが今の会社を立ち上げるに至った最初のきっかけです。

他の人にも自分と同じように新しい道に出会って欲しい。その想いからは、辰巳さんの温かく思いやりのある人柄が伝わってきます。

そんな辰巳さんに、もう一つの転機が訪れます。

3ヶ国での海外経験を経て感じたこと

辰巳さん:

インターン先で、ある程度の成果を出した人たちには海外へ連れて行ってもらえることになっていたんです。それに選ばれて、シリコンバレーや東南アジアを巡りました。

東南アジアなんかは特に生活が困窮している方が多く、子供が学校に行けないこともあります。

いろんな国を訪れ、触れ合う中で「仕事に対してポジティブなイメージを持ってもらいたい」、「機会をつくりたい」という気持ちがさらに強まりました。

大学卒業後、人材系企業に入社した辰巳さんは海外事業部に配属されます。

その企業を選んだきっかけは、いずれは海外で起業したいという想いからでした。

とはいうものの、英語は全く話せなかったとのこと。

辰巳さん:

とりあえず、配属が決まったので3週間だけフィリピンに語学留学に行きました。「僕は英語ができる」という証明になるようなものというか…笑、そういう事実を作る目的でした。

結局、英語はできるようになりませんでしたが…。

そのまま最初に配属されたインドネシア支店では、テレアポに挑むも相手の言葉が分からず、隣の席の同僚に電話をパスしたり、アポイント先では英語が話せないことを隠すためあえて無言でどっしりと構え大物感を出してみたりしました。笑

インドネシア、シンガポール、インドと、会社員時代は三ヶ国での勤務経歴をお持ちですが、それぞれ働き方や仕事に対する価値観は異なるのでしょうか?

辰巳さん:

日系企業に勤める外国人となると、ある程度日系企業に馴染んでいるというか、日本っぽい働き方でした。

ただ、仕事より家族が第一優先だったり、みんなの前で注意をしてはいけなかったり、お祈りの時間があったりと、やはり違いは大きかったですね。

中でもインドはカオスでした。パワーがすごい国で、生きる力も強い国です。たくさんの刺激を受けました。

嫌なことを克服するより、得意なことを!


辰巳さんが今の事業をやろうと思ったきっかけは、何だったのでしょうか?

辰巳さん:

僕は苦手なことがたくさんあって、不器用なタイプだと自分でも思います。忘れっぽかったり、できないことも多いんです。

ただ、一つのことに熱中したり、コレだ!と決めたことに対しては行動力を発揮できるのが強みです。興味を持ったことは徹底してやります!

苦手なことは得意な人に任せればいいって思っています。

今後、辰巳さんが挑戦したいことはありますでしょうか?

辰巳さん:

会社として今は「機会づくり」を行なっています。やりたいことや興味のあることに向かえるきっかけづくりを仕事という分野で力を入れていますが、今後は趣味や旅行などの分野でも機会づくりとなるようなことをしていきたいですね。

大規模なサービスではなく、少数でも困っている人の課題解決に挑戦したいです。

僕は持病でここ3年ほど体調の悪い日が続いていました。けれどそのおかげで体に問題を抱える人や、その他いろんな事情がある人に対しても理解できる力が備わりました。

自分自身に経験があったり、同じ痛みを知るからこそできることってあると思うんです。

時給がマイナスになった学生時代

常にチャレンジや失敗を恐れない辰巳さんはまさに経営者といった雰囲気ですが、一方でいろいろな失敗談についても話してくださいました。

辰巳さん:

飲食店でバイトをしていた学生時代、時給が750円でした。そこではお皿を割ったりすると時給から引かれていくシステムだったのですが、割りすぎて時給がマイナスになりました。笑

他にも銭湯で働いていた時、アルコールで行うはずの除菌作業を間違えてアロマのミストでやってしまって、いい匂いにしてしまいました。

でも、周りは「なんかいいい匂いするな???」くらいな感じで。評価は上々でしたね。笑

失敗は多い方なのですが、周りに助けてもらっています!

リスクを恐れて動かないことこそ、最大のリスク

最後に、読者の方々へメッセージをお願いします!

辰巳さん:

いろんな仕事に挑戦して欲しいです!ちょっとでも興味があれば、動ける内に動いた方が良い。

明日死ぬかもしれない、と考えて生きている人は日本では少ないと思います。けれどインドで暮らしていた時、交通事故が頻発していて、大袈裟な話ではなく本当にいつ死ぬか分からない、そんな状況だったんです。

日本にいる限り、そんなに簡単に死ぬことってあんまりないですよね。

失敗って、しても全然大丈夫なんです。生きてたらとりあえず大丈夫ですから!

リスクを考えて動けない人もいるかもしれませんが、いろんな経験をしない、スキルを伸ばさない、動かないことこそが僕はリスクだと思います。

食いっぱぐれないようなスキルや、いっそ事業を自分で作れるくらいの経験を積んだ方がずっといいです。

インタビューを終えて

世間では“嫌なことから逃げるな”、“立ち向かって行け” という風潮がありますが、それぞれの特技や良いところを発揮して支え合いながら物事に取り組んだほうがきっと上手くいく、という考え方に感銘を受けました。

人生の時間は限られていますし、生まれ持った才能も違います。

嫌なことよりもやりたいことに全力で努力し、時間を惜しまない。苦手なことを闇雲に頑張るのではなく、戦略的に人生を選択していく。

そんな生き方ができれば、今よりもっと仕事や人生が面白くなるのかもしれません。

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Written by

櫻子

櫻子

大阪市在住。神戸女学院大学卒業後、広告代理店勤務を経て、フリーライターへ転向。趣味はワイン、宝塚歌劇、ヨガ、囲碁、アニメ鑑賞。漫画をきっかけに囲碁を始めたり、ワインエキスパートの資格を取得したりと好奇心旺盛でアクティブなオタク。その人の持つ想いやパワーを言語化し、読む人の心に火が灯るような記事をお届けしていきたいです。

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