お問い合わせ

インタビュー

「在宅で叶えられることがある」フリーランスライター・Sakuraさん

コロナ禍の影響もあり広がった在宅ワーク。さまざまな働き方が生まれるなかで、これまで働けなかった人が自宅で仕事ができるようになったり、新しいスタイルで働くという選択をしたりということは増えているのではないでしょうか。

今回、インタビューを受けてくださったSakuraさんも、新たな働き方に挑戦している1人です。就職、出産、再就職などを経て、なぜ在宅ワークという道を選んだのでしょうか。

Sakuraさんにはこれまでの経歴や在宅ワーカーに転身しようと思ったきっかけ、在宅ワークのやりがいなどを語っていただきました。

Sakura(サクラ/1993年3月4日生/秋田県)
・高校卒業後、秋田県内のレンズ加工会社にて3年間従事
・その後、デザイン事務所の営業職、飲食店でのアルバイトを経て、結婚・妊娠を機に退職
・産後1年半で就職を検討し、保育園入園と同時に秋田県内の旅館に就職
・5年ほど働き、2022年12月よりフリーライターに転身
・趣味:弾き語り

さまざまな職業を経験し、感じたこと

これまで携わった仕事について、詳しく教えてください

高校を卒業して就職したレンズ加工会社では、レンズの研磨を担当していました。毎日同じことの繰り返しで、だんだんとやりがいを感じられなくなり、3年頑張ったのちに退職しました。

その後、デザイン事務所に転職し、営業職に就きました。名刺やパンフレット、お店の看板、ロゴ、ホームページなど幅広く手がけていて、小さいけど最先端を行くような会社だった記憶です。

営業は初めてだったのですが、ノウハウもないまま飛び込み営業をしてこい!と言われ、わからないままやっていたのですが、それがつらくなって退職しました。でも、営業職やデザインという自分の知らない世界を知ることができ、よい経験や学びのある時間だったと思います。

産後、再就職された旅館は、いちばん長く勤務されたのですね

はい、5年くらい働きました。旅館では宿泊客の朝食の片付けから始まり、温泉や館内の掃除、客室のシーツ交換と掃除、夕食の準備を主に担当していました。長く働くなかで、ちょっとした不満もありましたが、退職を検討しだしたいちばんの理由はコロナです。

娘が小学校1年生なのですが、4月に入学してからは小学校から急な呼び出しが来ても早退して迎えに行くことが難しい状況でした。土曜日も働いていたので土曜も学童に預けたかったのですが、周りは祖父母に見てもらっていて、結局子どもが1人になってしまう。これはまずいと思って、毎週土曜日に悩まなければいけないのも、子どもに申し訳ないと思うのも苦痛で、転職しようと思うようになりました。

副業からライター業を開始し、フリーランスへ

転職を検討するなかで、在宅ライターになろうと思ったきっかけは何だったのですか

転職先を探すなかで、いろいろな企業に応募しようとも考えました。在宅での仕事をしようと思ったきっかけは、転職に向けて動くタイミングでたまたまパソコンを入手し、たまたまクラウドソーシングサイトを開いたことではないでしょうか。とはいえ、はじめから「ライターをやろう!」と思ったわけではありません。

在宅ワークといっても、文字起こしやデータ入力などさまざまな仕事があるなかで、どれが自分に合っているのかを模索しながら、今年の7月頃から旅館の勤務と並行して、副業としてやっていました。そのなかで、執筆作業がいちばんしっくりくるなと思うようになり、メインでやっています。

本業と副業を両立するのは大変ではなかったですか

本業と家事、育児の合間に副業としてやるのは、実際大変でした。睡眠時間を削ってやることもあったし…。でも、在宅ワークを本業にするなら副業から始めないと、いきなり収入がなくなってゼロから始めるほうが大変だと思います。だから副業としてやりながら苦労もして、そこで慣れてから本格的に転身したほうがいいと、経験してみて感じています。

リズムを整え、仕事に打ち込む

実際にフリーランスのライターになって、感じることを教えてください

気分的にすごく楽になりました。子どもの面倒を自宅で見られるようになったし、何かあってもいつでも駆けつけられるので、気持ちに余裕ができたと思います。秋田県は雪が多く、私が住んでいる地域は高齢者も多いので、いつでも除雪に行けるのもうれしいですね(笑)。若い人手が少ない分、地域に貢献できるのもよいところではないでしょうか。

しかし、収入面はまだまだ安定しておらず、そこが苦労している点です。今までの仕事のように時給、月給制ではなく、やった分しかお金になりません。だから頑張りすぎてしまうのは、ちょっと大変かなと感じています。

働くうえで、大切にしていることは何でしょうか

生活リズムをしっかりと作ることです。いつでも仕事や家事ができる環境になって、フリーランスとして始めたばかりだから楽しい、稼ぎたいと思って仕事ばかりになってしまい、逆に家事をやらなくなってしまった時期がありました。これはよくないなと思い、子どもを送り出してから10時までは家事をする、それ以降は仕事にのめり込む、というリズムを作るように心がけています。

仕事に関しては、早めのレスポンスや納期を守ることを意識しています。副業の頃は1週間に1本ペースで納品をしていましたが、今は慣れてきたのと時間もできたので、1つのお客様に対して3日に1本ペースで納品できるようになってきました。これからもっと早く書けるようにしていきたいですね。

ライター業を始めてから、成長したことはありますか

高校生のときにパソコンの授業があったんですけど、3年間やっていてもブラインドタッチができませんでした。ライターとして頑張ろうと思ってからも、できないけどとりあえずやってみようと思って取り組んでいたら、3ヵ月くらいでブラインドタッチができるようになったんです。若いときにできなかったことが、今やろうと思って毎日やればできるようになったというのはびっくりしましたし、自分に感心しました。

今は抱えている案件とともに、新たな仕事も探していると思いますが、仕事を探すときにはどういって点に注目していますか

単価などの条件に納得がいくことはもちろん、執筆ジャンルが一般的で、そこまでマニアックではないものを選んで応募しています。主にランサーズを利用しているのですが、ランサーズは案件の内容ももちろんのこと、クライアントの評価や発注率も重要です。クラウドソーシングサイトで仕事を探す方は、マニュアルや対応がしっかりとしているかという点にも注目するといいと思います。

在宅ワークで、家庭も自分自身も快適に

Sakuraさんは旦那さんや娘さんもいらっしゃいますが、家庭との両立についてはいかがでしょうか

旅館で働いているときは、娘を送り出してそのまま出勤して、16時に仕事が終わってすぐに学童に迎えに行って、というスタイルでした。休みも平日1日と日曜日しかなかったので、平日休みに家事を済ませてから出かけたり、日曜はほぼ毎週実家に行っていたのであまり家事の時間がとれなかったりで、いっぱいいっぱいだったところもあります。

在宅になってからも、娘のお迎えの時間は変わっていません。でも、毎朝家事をする時間を確保できるようになったので、時間に余裕ができたなと思います。

在宅ワークをする、ということに対して、ご家族はどういった反応でしたか

夫には転職を考えていると相談したときに、「自分で決めろ」といわれました。結局、副業としてパソコンで仕事をし始めたのですが、しっかりとした転職先になるかもわからなかったので、夫には最初、何をしているかは話していませんでしたし、夫も特に聞いてきませんでした。

旅館の仕事を辞めて本格的にフリーランスとして働くとなってから、在宅ライターの話をしたのですが、今も何を書いているのかはよく分かっていないと思います(笑)。でも、私が夜中も仕事をしているのを知っているので、娘の寝かしつけなどを率先してやってくれるようになり、よいこともあると感じています。

娘は最初、ママがパソコンをしていて自分のことを構ってくれないという状況がいやみたいでした。しかし、だんだん慣れてきて何も言わなくなり、今は「家で仕事をしていても土曜日もママといたい」と言っています。将来はママみたいにおうちで仕事がしたいとも話してくれます。

「毎日が楽しい」という感覚を大切にしたい

働くうえでモチベーションになっているものは何ですか

いちばんは、やはり「お金」ですね。自分が小学生のときに、みんなが買ってもらっていたものを買ってもらえなかった経験があって、娘にはそういう思いをさせたくない、みんなが持っているものは持たせてあげたいとずっと思っていました。それができる暮らしを実現したいということが、モチベーションになっています。

ライターを始めて半年、フリーランスになって1ヵ月が経ちますが、続けていけそうですか

そうですね。もともと副業から始めて、本業の休みやスキマ時間にやるという感覚だったのですが、ライターが本業になった今も、やっていることは基本的に変わらないので、ずっと休みみたいな感覚があります。もちろん仕事だという意識を持って取り組んではいますが、とても楽しいので、これからも自分が作ったリズムを大切にしながら、続けていきたいと思っています。

今後の目標を教えてください

まずは収入アップですね。文字単価、記事単価をアップさせるとともに、より多くの案件に取り組めるようになりたいと思っています。家族がより豊かに暮らせるくらいには稼ぎたいですし、年齢相応、それ以上の収入も目指していきたいです。

ライターとしては、今はクラウドソーシングサイトを通しての仕事がほとんどなので、いずれこういったサイトから卒業して、直接契約を取ることが目標です。経験を重ねてスキルアップし、「この人にお願いしたい」と言われるようなライターになれたらうれしいです。

フリーランス×在宅で実現できることは多い

ありがとうございました。最後にハレダス読者、働くママへのメッセージをお願いします

田舎だからかもしれませんが、車でどこかに通勤しないと、仕事をする場所が見つからないとずっと思っていました。今も、「在宅で働いているよ」というと、「在宅って何やってるの?内職?」と言われることも多く、特に地方では「外に出ないと仕事ができない」という考えの人が、世代を問わずまだまだいるように感じます。

でもパソコンを使って家で作業できる仕事はたくさんあるし、コロナ禍で大変な思いをしているお母さんたちはいると思うので、「在宅で働く」ということを1つの選択肢としてみるのは、アリだなと自分の経験を通して伝えたいです。

フリーランスは大変なこともありますが、平日に子どもの行事に足を運んだり、プライベートの予定を優先したりもできます。平日は仕事という方、サービス業で土日お子さんと一緒にいられないお母さんたちも多くいらっしゃると思いますが、在宅ワーク、フリーランスなら叶えられることも少なくありません。

都会の方はもちろん、働く場所が限られてしまう地域の方にも、「こういう働き方もあるんだよ」ということを知っていただければ幸いです。

TAG

Written by

永野 栄里子

永野 栄里子

大学・大学院にて日本語学を専攻。日本語学校での非常勤講師を経て、2018年よりライター業を開始。さまざまなメディアで記事を手がけながら「田舎の在宅ママライター」として新たな働き方を確立すべく、日々育児に仕事に奮闘中。

ハレダスでは
無料で就職・転職の相談
を承っています

しごと相談する LINEで相談する