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インタビュー

モデル・田尻夏樹さんインタビューvol.1|「モデル」から「ママモデル」になった10代

人気恋愛リアリティ番組の出演をきっかけに、一躍有名となったモデル・田尻夏樹さん。

10代で結婚、出産、離婚を経験し、30代となった現在は、モデル業をこなしながらキャスティング業を起業されています。

ハレダスではそんな田尻さんに「働く」をテーマにインタビューを行い、これまでの人生とキャリアについてお話をお伺いしました。

モデル業を開始した10代から30代まで。さまざまな経験をしてきた彼女は、その時々をどんな心境でどうやって乗り越えてきたのか、そして、彼女の仕事観とは。

ありのままを語ってくれた田尻夏樹さんのインタビューを、全4回にわたってお届けします。ぜひご覧ください。

初めて自分から行動を起こそうと思った“モデル”という職業

スラっとしたスタイルと笑顔が魅力的な田尻さん。モデルを始めたきっかけについてお伺いしました。

モデルを始めたのは、高校1年生の終わり頃です。

昔から背が高かったのもあって、友達のお母さんに「モデルになったらいいじゃん」ってよく言われたりしていて。それならちょっとやってみようかな、と街にある小さなモデル募集のフライヤーに応募しました。

そうしたらうれしいことに合格して、プリクラ機のモデルや、ローカル番組の街角インタビューなどのお仕事をさせてもらえるようになりました。

昔から好奇心が旺盛だったので、色んな職業に興味があって、ケーキ屋さん、花屋さん、看護師さんになりたい時期もありました(笑)

でも、どれも “絶対になりたい” みたいな強い想いは無かったんです。やったことがないからやってみたいなくらいの感覚でした。

そんな中で唯一、自分から行動して応募したいと思えたのがモデルだったんです。でも恥ずかしくて親には言い出せなくて、内緒で応募して合格してから話しましたね。

仕事のひとつで家族も一緒に映らないといけない番組があったので、そのときに「モデルに受かったから、番組に一緒に映ってもらってもいい?」って初めて伝えました。

そしたら案外喜んで出てくれて、そこからは特に反対もされず応援してくれています。

結婚、出産、離婚と対峙した孤独感

10代で経験した妊娠、結婚、離婚。当時を振り返り、心境を語ってくれました。

18歳のときに妊娠が発覚してもうびっくりですよね。モデル業を始めて1年ぐらいでしたし、どうしようって。でも「出来たからには産みたい」という気持ちが強かったです。

ただ、当時の私は、結婚することは考えていませんでした。「結婚はできないけど、絶対産んで育てる」そう思ってましたね。

でもやっぱり18歳っていうこともあって、私の親も彼の親も、結婚をしないという選択は許してくれませんでした。当時の私には説得する力も無かったので、結婚することに。

モデルの仕事も一度辞めることにしました。初めての子育てに奮闘しながら努力していたんですが、旦那とは上手くいかず、結局19歳で離婚することに。

そこからは「この子は私が一人で育てるんだ」と思って、必死に頑張っていたんですけど、子どもが1歳になる頃にどうしても辛くなったことがあったんです。

当時は友だちにも連絡できなくて、頑張って一人で育てるって決めた以上、親も頼りづらくて。気が付いたら「私一人ぼっちじゃん」って思いました。

子どもがいてくれましたけど、まだ1歳だからちゃんとした意思疎通もできなくて、どんどんしんどくなってしまったんです。

「全然笑えてないけど、大丈夫?」母親の言葉で、モデル業再開を決意

しんどい状況の中で田尻さんを救ったのは母の言葉だったそう。一度離れたモデル業の再開を決めた経緯とは。

しばらくは 一人で子育てに励んでいたんですけど、ある時に久しぶりに母に会うことになって、その時に「全然笑えてないけど、大丈夫?」って母に言われたんです。

そこで、ハッとしました。 私笑えてなかったんだ。って。

私としては、楽しく子育てをしていると思い込んでいたんですけど、思い返すとただただ必死な毎日だったんです。「ちゃんと育てなきゃ」「ちゃんとしなきゃ」って。

10代ママっていうだけで偏見も多くて、知らない方に色々言われることもあったりしたので、「私は一人でちゃんと育てられる」と意地になっていた部分もあったと思います。

母がそんな私を見て、「1人で育てるのが大変なら、私も手伝うから、自分の好きなことを一つくらい見つけてやってみたらどう?」と言ってくれました。

自分の好きなこと…。なんだろう。

子育てに必死になっていたので、好きなこと、やりたいことと言われてもなかなか出てこなかったんですけど、一筋の光のように頭によぎったのが、モデルの仕事でした。

あのまま続けていたら今頃もっと楽しくできていたのかな、もっと色々な経験ができていたのかな、もう一度やりたいな、そう思ったんです。

そこから母も協力してくれて、モデル募集しているところを探して再開することになりました。

モデルの仕事は私の心を毎日ワクワクさせてくれた

小さな子どもを育てながらモデル業をこなすことはそう簡単ではないことでしょう。田尻さんが両立できた理由はなんだったのでしょうか。

子どもが小さいこともあり、大変なことももちろんありました。仕事から帰って、買い物に行って、ご飯を作って、寝かしつけして。毎日本当にバタバタでした。

でも、モデルに復帰してからは母親も支えていてくれたし、事務所も理解してくれていたので、仕事の合間にお迎えに行かせてもらえたり、環境に助けられた部分も多かったです。

そして何より、好きな仕事ができているということが一番大きかった。自分が好きなことだからこそ、毎日心がワクワクしていたんです。

仕事場で色んな人と何気ない話をするだけでストレス発散になりましたし、 自分の時間を大切にすることも必要なんだなと改めて気が付きました。

一人で子どもを育てることだけに必死になっていた時期は余裕が持てなかったんですが、自分の時間も大事にするようにしてからは、子どもとの向き合い方も自然と変わっていきましたね。

もちろん、子どもという存在にも何度も助けられました。結婚、離婚をしてしばらくは本当にきつかった。もし子どもがいなかったら、立ち直れなかったかもしれません。

どんなにしんどくても、子どもの顔を見たらもう一度頑張ろうと思えた。「生まれてきてくれてありがとう」と心から思っています。


田尻夏樹さんのリンク集
・Instagram: tajiri_natsuki
・Twitter:@tajiri_natuki

田尻夏樹さんインタビュー集
モデル・田尻夏樹さんインタビューvol.2|ギャルママの卒業、キャスティング業という新たなステップ モデル・田尻夏樹さんインタビューvol.3|女性に寄り添う婚活パーティーの運営と、子育て。そして田尻さん流の夢の叶え方とは。

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Written by

フジオカユウキ

フジオカユウキ

大阪府在住のライター・コピーライター。suPRin!(すっぴん)という屋号で、人や企業のありのままの魅力を惹きだして、世の中に届ける活動をしています。日本酒の魅力を男性のタイプで表現した「ポン酒カレシ」も企画。すべての人がありのままで輝けますように。

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