貴社と御社、どちらも相手先の企業を指すビジネス用語ですが、どのような違いがあるか使い方などに悩む人は多いでしょう。今回は貴社と御社の違いや例文、使う際の注意点や間違いやすい言葉との違いをご紹介します。
転職活動や仕事でメールを打つ際にスムーズに使い分けられるよう、ぜひご確認ください。
▼この記事を読めばわかること
・貴社と御社を使う場面
・貴社や御社が当てはまらない場面
・貴社と御社の使い方を間違えた時の対処
貴社と御社の違い
貴社と御社はどちらも相手企業を指す言葉ですが、使用する場面が異なります。貴社は書き言葉で、書類やメールなどで利用する言葉です。貴社にはほかにも「記者」「汽車」「帰社」など同音異義語が存在しており、会話の中で混乱を避けるために話す場面では使用を避けるのが良いでしょう。御社は話し言葉となるため、面接や口頭で説明をする際に使用します。
貴社と御社を使った例文
それぞれの違いを知ったうえで、使用する際の例文をご紹介します。適切な場面でスムーズに利用できるよう、ご確認ください。
貴社の例文
貴社は書き言葉のため、履歴書やメールなどで使用します。
● 貴社の会社説明会でものづくりの仕事に興味をもち、応募いたしました
● 貴社のますますのご発展をお祈り申し上げます
● 先ほど、貴社から資料を受け取りました
御社の例文
御社は話し言葉のため、会社説明会や電話、面接といった場面で使用します。
● 御社の面接時に必要な持ち物はありますか?
● 自身の強みを活かして働けると思い、御社を志望しました
● ⚪️⚪️の件について確認したい点があり、御社に連絡いたしました
● 御社で活躍する人に共通するスキルはありますか?
貴社と御社を使う時の注意点
貴社と御社を使う際には、いくつか注意点があります。間違えて使ってしまった時の対処法や、一般企業以外で相手先を指す際の呼び方、間違いやすい言葉についてご紹介します。
一般企業以外では呼び方が変わる
貴社や御社は一般企業を指す言葉であるため、相手先が銀行や協会、組合などの場合は呼び方が変わります。以下の例を確認し、相手先に応じた呼び方を使い分けしましょう。
● 銀行:御行/貴行
● 協会:御協会/貴協会
● 組合:御組合/貴組合
● 病院:御院/貴院
● 省庁:御省、御庁、御局/貴省、貴庁、貴局
使い方を間違えてしまった際の対処法
もし貴社と御社を間違えて使用してしまった場合は、状況に応じた訂正が必要です。例えばメールや書類などで間違えた場合、訂正をして新たに送付し直しましょう。また、メールなどの場合は送る前に入念に確認して、ミスがないかの確認も重要です。間違いがある状態で送ると相手側からは、注意力が足りないと判断される可能性もあります。
面接など直接会話している場面で間違えてしまった場合は、間違いに気づいた時に「失礼しました」と言って訂正しましょう。基本的に、言い間違いで採用の合否は決まらず、会話の内容や持っているスキルによって決定します。しかし、場合によっては一般常識が欠けていると悪い印象を持たれる可能性もあるため、できるだけ言い間違えないように練習する必要があります。
二重敬語に気を付ける
貴社や御社を使う際は、二重敬語にならないよう気をつけましょう。貴や御はすでに相手を敬う意味があるため、その後に「様」や「殿」などをつけると過剰な敬語となります。二重敬語は相手側に失礼だ、常識がないと取られる可能性もあるため、使い方には注意しましょう。
また、メールなどで担当者の役職名を記載する際も、二重敬語にならないよう注意が必要です。「⚪️⚪️部長様」や「⚪️⚪️課長殿」といった表現は、二重敬語です。役職名が敬称の役割を果たしているため、そのまま、「⚪️⚪️部長」や「⚪️⚪️課長」で問題ありません。
自社を指す言葉と混同しない
貴社と御社のほかにも似たような言葉として、自社を指す言葉があります。自社を示す場合は、「当社」または「弊社」のどちらかを使用します。当社は自身の会社を指す、弊社は自身の会社をへりくだって表現する言葉です。
そのため、当社は社内で自社を指す場合、弊社は社外で自社を指す場合に使用されます。例えば相手先に自社の説明をする際は「弊社の強みは⚪️⚪️に関して、高いシェアを持っており〜」、社内で会社としての目標を説明する際は「当社の今期の目標は〜」といった使い方です。
もし転職活動中の場合に自身の会社を説明する場合は、当社や弊社ではなく現職、退職済みの場合は前職を使いましょう。
様や御中の使い方にも気を付ける
メールや書類で連絡をする際は、「様」と「御中」の使い方にも注意が必要です。「御中」は組織や団体宛に、「様」は個人宛に使用します。
連絡をする相手の名前がわかっている場合は「⚪️⚪️株式会社⚪️⚪️様」、個人名がわからない場合は「⚪️⚪️株式会社御中」が正しい表記です。
敬語を使用したメールの例文
転職活動の面接に関するメールを送る際は、以下のような敬語を使用しましょう。
⚪️⚪️株式会社⚪️⚪️様
お世話になっております。
先日貴社の求人へ応募した、⚪️⚪️と申します。
面接の日程について、ご連絡いただきありがとうございます。
ご提示いただいた日程のなかから、⚪️月⚪️日⚪️時にお伺いさせていただきたく思います。
当日は何卒よろしくお願い申し上げます。
正しい敬語を使用し良い印象を残そう
ビジネスシーンでは、正しい言葉遣いで信頼できる人間であるかが判断されます。マナーを身につけた人であると思ってもらうためにも、正しい敬語の使い分けをマスターしましょう。
ただし、面接では人柄や情熱のアピールも大切です。言葉遣いを気にしすぎてしまい、思うように伝えられなかったとならないよう、自然に敬語を使う練習も行いましょう。