こんにちは、フリーライターの永野です!
在宅ライターを始めて3年とちょっとの私ですが、情報発信系の記事やこうしたコラムだけでなく、書き起こしのお仕事にも多く関わらせて頂いています。書き起こしは大変なこともありますが、慣れてしまうととても楽しいですよ!
今回は、「書き起こしって何?」「書き起こしの仕事をしてみたい!」という方に、書き起こしの仕事のやりがいや苦労、仕事の探し方などをご紹介したいと思います。
書き起こしの仕事とは
書き起こしの仕事とは、音源を聞いて話の内容を文字にしてワードなどに打ち込み、読みやすい記事にまとめるものです。「テープ起こし」「文字起こし」と呼ばれることもあります。
テープ起こしと書き起こしは基本的には同じものですが、自分のなかでは、テープ起こしは音源の余分な部分を取り除き文字にするまでの作業、書き起こしは文字にするだけでなく記事としてまとめるまでの作業を指していると認識しています。
実際、一度「テープ起こし」という名目のお仕事をさせていただいたときは「アー」「えっと」などの言葉を取り除くこと以外は音源を忠実に文字にすることが求められました。一方、記事にまとめる系の仕事は募集時に「テープ起こし」とは言われませんでした。
書き起こし系の仕事はライターを始めて半年経った頃に初めて応募し、ハレダスの記事も含め4社ほどで携わらせて頂きました。私が経験した書き起こしの記事は大きく2つです。
書き起こしの仕事①ラジオニュースの書き起こし
ラジオニュースの書き起こしは、知り合いのライターから「人手不足だからやってみないか」と声をかけてもらい、2年ほど継続してお仕事を頂いています。始めは担当者不足の際に週に1本程度発注がありましたが、現在は毎週決まった番組を担当させて頂けるようになり、週3~4本ほど執筆しています。
指定されたラジオ番組のコーナーを聞いて文字に起こし、ニュースとして発信できるようにタイトルや見出しをつける、読みやすくまとめる、といった作業内容です。執筆した記事はサイトに掲載されるのはもちろん、LINEの公式アカウントでもニュースとして流れてきます。
また、「radiko」というアプリの視聴リンクも貼るため、読みやすさを重視しつつもパーソナリティやゲストの言葉を比較的忠実に書かなければいけないのが難しい点です。
このお仕事は記名記事ではないので、私が書いたことがわからないのがライターとしては残念ではあります(笑)。しかし、好きな番組を担当させていただけたり、ゲストの芸能人が好きな方だったりすると、ワクワクしながらお仕事に取り組めるのが魅力です。
また、これまでの担当番組よりも長いコーナーや人気の番組の担当が回ってくることで、クライアントに自身の記事を評価して頂けていることを実感できるのも、嬉しいポイントだといえます。
書き起こしの仕事②インタビュー音源からの記事執筆
ラジオニュース以外の書き起こしのお仕事は、インタビュー音源を聞き、そこから記事を執筆する形式のものです。医療機関紹介サイトでの医師のインタビュー音源からの記事執筆から始まり、他社でもさまざまな方のインタビュー記事を書かせて頂きました。
インタビュー音源の書き起こしは、読み手が元の音源を聞くことがないため、読みやすさ重視である程度自由な表現ができるのがラジオニュースとは異なる点です。とはいえ、そのなかにインタビューを受けた方の思いや伝えたいことをしっかりと盛り込むことも忘れてはいけないのが、執筆に際し悩むところだといえます。
書き起こしのよいところ
書き起こし以外の記事執筆と比較して「書き起こしはいいな」と思う点は2つあります。1つは、調べる内容が少ないことです。話のなかでわからない言葉や内容に関してはもちろんネットなどで調べる必要がありますが、書き起こしではない記事執筆のように下調べをする必要はありません。
担当の番組やインタビュー音源を聞き、内容を忠実に文字にしていくのがメインの作業なので、表現に深く悩んだり、完成した記事がコピペチェックに引っかからないか心配したりしなくてよいのは、書いていて「楽だな」と感じます。
もう1つは、話し手に喜んで頂けることです。ラジオニュースに関しては話し手が芸能界の方であることがほとんどなので、直接記事の感想を頂けることはありませんが、前述のように担当番組がレベルアップする、担当本数が増えることにやりがいを感じられます。
インタビュー記事は完成した記事を、インタビューを受けた方に確認していただくのが基本です。始めは修正を求められることもありましたが、徐々に「とても喜んでいました」「いい記事だとほめて頂けました」という嬉しいお声を頂けるようになりました。自分の書いた記事の感想をうかがえる機会はなかなかないので、こうしたお話が聞けるのは大変貴重です。
特に、インタビューを受けたご本人が喜んでくださっているということは、その方の思いをしっかりと形にできた、ということを意味するのでより大きな喜びを感じることができます。
書き起こしで苦労すること
私が書き起こしをしていてまず苦労をしたのは、聞くことに慣れるまででした。私は決してタイピングが遅くない、というかむしろかなり早い方ですが、それでも音源を聞きながら話すのと同じスピードでキーボードを打つのはとても難しいです。
書き起こしのお仕事を始めてすぐの頃は聞いて打つ、という作業に慣れていなかったため、10分のラジオニュースのコーナーの文字起こしをし、まとめるのに2時間ほどかかっていました。しかし、現在は10分程度のコーナーであれば、40分もあれば執筆が完了しますので、やはり「慣れ」が大切なんだなと感じます。
そんな現在でも苦労するのは、「早口の方にあたったとき」です。ラジオニュースの場合、パーソナリティはラジオで聞きやすい話し方に慣れているため聞いていて大変だなと思うことはあまりありません。しかし、専門家の方など、メディア慣れしていない方がゲストに登場すると、話すスピードが速い、ボソボソと話していて何を言っているかわからないといったことも多々あり、同じところを何度も聞き直さなければいけないこともあります。
インタビューも同様で、ゆっくりと話す方の音源は聞き取りやすく作業もスムーズですが、早口の方はその分時間がかかります。あるとき担当させて頂いた記事では、インタビューを受けた方が非常に早口なうえに音源が1時間半もあり、すべてを起こし終わるのに5時間もかかったことがありました。
書き起こしは慣れればスピードを上げて取り組むことができますが、一方で音源が当たりか、そうではないかというのも作業効率に影響してくるのです。
書き起こしの仕事に向いているのはどんな人?
やりがいも苦労もある書き起こしの仕事ですが、いったいどんな人に向いているのか考えてみました。書き起こしの仕事に向いているのは、ズバリ「真面目な人」「コツコツ取り組める人」だと思います。
通常の記事執筆はもちろん、書き起こしも記事にまとめるためにある程度の文章力や記事の構成をする能力が求められます。これはライターとして当然の能力ですので、そういった力を持っているのは大前提です。
テーマに沿って情報を収集し、それをわかりやすくまとめるタイプの記事執筆は、これに加え正しい情報を集める力、似たような記事と被らないような表現や構成をする力が必要になります。
書き起こしの場合、下調べは必要ありませんが、まず聞いた言葉を間違いのないように文字にしなければなりません。その後、話の内容でわからないことを調べて追記したり、話し手の思いを汲みながら読み手にわかりやすい記事にしたりすることが求められます。ゼロから記事を作るよりも作業が単純な部分もありますが、内容にオリジナリティを出す、聞いた内容を大きく曲げてしまうようではよい記事になりません。
また、前述のように書き起こしは音源を聞いて打ち込むことに慣れるまでは、多くの時間を要します。こうした下積みの時点であきらめず、努力をしてスムーズな書き起こしができるようになり、聞いた言葉に真剣に向き合い、最適な表現を見つけ出せる人が、書き起こしに向いているといえるのではないでしょうか。
書き起こしの仕事を探すなら
在宅ワークが増加する昨今は、クラウドソーシングサイトをはじめ、さまざまなサイトで在宅ワークに関する募集をしています。しかし、私が見た限りでは書き起こしの仕事を専門的に募集しているサイトは存在しません。
しかし「書き起こし 募集」などのワードでネット検索をすると、テープ起こしや音源からの記事執筆ができる人を募集している会社が多くあることがわかります。
会社概要や作業内容、報酬などをよく確認し、自分に合っていると思ったら応募をしてみるとよいのではないでしょうか。
ちなみに、テープ起こし、書き起こしの相場は「10分1000円」です。これより安いものは初心者の方にとってはあまりにも割に合わないこともあります。反対に、報酬がよすぎると初心者の方には対応できないような作業も求められる場合がありますので、相場に近い報酬のお仕事を探すことをおすすめします。
おわりに
書き起こしの仕事は慣れるまでは大変ですが、慣れるととても楽しい仕事です。通常の記事執筆もやりがいがありますが、私は個人的に書き起こしの仕事がとても好きだなと思います。
経験を積む中で作業効率もアップし、短時間でそれなりの報酬が頂けるようになったのも理由の1つですが、何よりもインタビューを受けている方、ラジオでお話をしている方の思いが直接自分の心に届くからです。
これからも多くの方の思いを文字という形にして、わかりやすく読み手の方に伝えていけたらなと思います。