大学後半になると、いよいよ就職活動がはじまりますね。初めてのことで戸惑ったり、悩んだりすることも多いのではないでしょうか。そこで今回は、そんな就職活動のよくある悩みについて、答えていきたいと思います。
人と比べてしまう
現在大学4年生です。周りにはもう内定が出た子が居て、どうしても焦ってしまいます。
私は正直やる気がでないというか・・・やりたい仕事もみつかりません。
僕は大学3年生で、まだいいだろ、と思っていたら、もうインターンシップや企業研究とか、自己分析とかやり始めている生徒がいて、正直焦っています。
なるほど。確かに、成功した人、進んでいる人と自分を、どうしても比べてしまいますよね。
そこでアドバイスなのですが、そもそも「就職活動における成功」ってなんでしょうか?
う〜ん、働きたい会社で働けるようになる・・・。ですかね。
そうですね。それも成功のひとつと言えます。ではもう少し大きい話としますが、あなたの人生における成功は、「働きたい会社で働ける」ことでしょうか?
人生の大半は働いていると思うので、そうだと思います。
確かにそうですね。では、22歳で選んだ会社があなたの一生モノの、まさに「運命の会社」と呼ぶべき会社だ・・・と、自信を持って言えますか?
微妙・・・・・・ですね。気持ちが変わって転職したいと思うかも。今は転職も珍しくないって言うし。
そうです。皆さん新卒入社の方々が、早期に離職する割合はご存じですか?
いえ、一体どれぐらいなんでしょうか。
新卒入社の方々が数年で離職する割合は年々増加傾向にあります。
厚生労働省が2020年に発表した「新規学卒就職者の離職状況(平成29年3月卒業者の状況)」によれば、大学卒業後新卒入社で入社した方々が、就職後3年以内に離職する割合は、なんと、【32.8%】だそうです。
3割も!?
理由はさまざまあると思いますが、それだけの人たちが大学時に選んだ進路を変更しているのです。
大学の中にいると同世代の人も多く、焦ることも多いかと思います。ですが、大学を卒業してからの方が人生も長く、何よりさまざまな変更が可能な社会です。
ぜひもっと気を楽にして、まずはこの会社で経験を積んで、次のステップはこの会社へ、というような、長いスパンで自分の人生プランを立ててみるのもオススメです。
【ポイント】
人と比べてしまうのは、焦っている証拠!
あの子はもう内定もらってる、アイツはもう就活始めてる・・・。と、どうしても就活は焦りがちになります。どうか、その時は一呼吸おいて。
そもそも就職活動は早くに内定をもらえたから良い、というものでもありません。きっちり自分が満足できる、納得できる結果を得ることが大事です。
そして何より、大学時代に得た内定で人生全てが決まるわけでもありません。人と結果を比べてしまうときは、長いスパンで自分の人生設計を考えてみましょう。
やる気が出ない
正直なところ、就職活動にやる気がでません。やりたい仕事とかも特になくて。
もちろん、それを悪いことのように捉える必要はありません。ただ、働かなければ食べていけないのも事実です。
それを踏まえて、「やりたい」ではなく、「向いている」仕事探しから行っていってはいかがでしょうか。
向いている、ですか?
そうです。この仕事なら「上手くできそう」だったり、「楽しくやれそう」、あるいは「心地良くやれそう」という仕事です。
人生の大半は労働、という言葉もありましたが、だからと言って労働を人生のメインに置く必要はまったくありません。ぜひその観点から、仕事を探してみてください。
なるほど・・・・・・。
おそらくそういう企業が見つかることで、次に自己分析や企業分析の必要性がわかると思います。
やる気が出ない、ということはやるべきことが分からない、または分かっていても面倒そう手につかない、という状況ではないでしょうか。
まずはやれるところからで大丈夫ですので、積み重ねていきましょう。
【ポイント】
「自分を鍛える」だけが就職活動じゃない。
企業研究、自己分析、インターンシップ、面接、試験・・・。やることがたくさんで、逆に何から手をつけるべきかわからないし、やることがありすぎてやる気を無くす・・・。あるあるですね。
やりたい仕事が明確であればそれに向かって頑張れますが、そうでなければモチベーションを維持することは難しいでしょう。
そのような時は、まず会社の情報だけコツコツと集めていきましょう。「いけそうかな」「やれそうだな」という仕事から集めていくのも立派な就職活動です。
自己分析につまずく
自己分析ってなんなんですかね。特に書くことなくて。
確かに、履歴書や職務経歴書に書こうとすると、難しいですよね。
人に誇れるキラキラした成果はわかりやすいですが、実は履歴書や職務経歴書を見る人たちは、何も「成果」が知りたいわけではないのです。
そうなんですか?
そう、まずは履歴書や職務経歴書を見る人は、あなたのどのような情報を欲しいのか考えてみましょう。
「人事の知りたい情報」と「あなたが教えたい自分の情報」は必ずしもイコールとは限りません。
「こんなことを頑張りました!」と知って欲しい気持ちはわかりますが、人事が欲しい情報でなかった場合、内定にはつながりにくいでしょう。
でもどうやって人事の知りたい情報なんて探るんです?・・・・・・あ、だから企業研究か。
すごいですね、そうです。企業研究と一概に言われますが、これは「企業がどのような人材を欲しがっているか」を見極めることです。
一口に事務と言っても、電話対応や来客対応が多い事務と、経理も兼ねたパソコン仕事が多い事務では求める人材も少し変わってくるのはわかりますね?
企業研究とは、企業はどのような人材が欲しいのか見極めること。そして自己分析とは、自分のどんな活動がその企業のニーズとマッチングするのか整理することと言えるでしょう。
なるほど・・・・・・。難しいですね。そんな華々しい成果なんてないし。
繰り返しますが、あなたがアピールしたいことが、必ずしも人事の採用要件につながるとは限りません。
一方で、「え?こんなことで?」と思うことがアピールにつながることもあります。
そんなこと、あるんですか?
ガクチカでも充分ですし、成果では無く「気づき」でも充分な収穫です。学生時代の学びや気づきを活かして働きたい、というだけでも充分なアピールになります。
例えば、「ゼミの発表で、協力しあった」ことをアピールしたいとします。会議する上で、強い言葉になりがちだったり、また自分のアイデアが否定されると自分自身を否定された気がして落ち込んだり……。
「集団で何かを作ることへの難しさを感じた」というのも充分な気づきであり、同時に「この経験を活かしてよりよい集団活動ができると思った」というのも充分なアピールポイントです。
この気づきや学びは学生ならではのアピールポイントですので、ぜひそれらも活用してみてくださいね。
なるほど、わかりました。
【ポイント】
自己PRの時に「相手の欲しい情報を出す」ことを意識しよう!
自己分析をしても上手く生かせる気がしない・・・・・・。と思う人は多いと思います。それもそのはず、自分の情報がきちんとPRになるかどうかわからないし、そもそもPRしようと思って日々を過ごしていないですもんね。
覚えておいてほしいのは、就職活動とは「企業とのマッチング度を示す」ことです。そのため、自己PRにおいて必要なことは、相手の知りたい情報を提示すること。
そのためにはまず相手を知ることも大事ですから、企業研究も必要となってくるでしょう。自己分析は、いわば情報の母集団と言ったところ。その上で、自分の情報をピックアップし、相手の知りたい情報を提示しましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は就活でよくある悩みについてお答えしました。
就職活動というのは自分のことを書くので、自分とはどういう人間なのか、ということに向き合わざるを得ません。比べたり、逃げたくなったり、焦ったりすることが当然です。
その中で大事にしてほしいのは、「自分らしく働ける、いられること」。
転職も当たり前になってきた時代、会社からの内定は勿論のこと、努める会社だけで自分の価値を決める時代も過ぎています。どうか今回の情報を活かして、実りある就職活動をしていただけたら幸いです。