タクシードライバーと聞くと、多くの方が中高年・シニアの運転手をイメージするのではないでしょうか?
そんな中、東京都足立区に本社を構えるすばる交通株式会社では、20代〜30代の未経験ドライバーが多く活躍しているそう。
今回は人事の塩原さんに、なぜ今多くの若者がタクシードライバーの道を、中でもすばる交通を選んでいるのかインタビューを行いました。
■プロフィール
塩原 さやか(しおばら さやか)
1993年生まれ/東京都出身
都内の四年生大学を卒業後、新卒ですばる交通株式会社に入社。
タクシードライバーとして活躍したのち、現在は人事として採用全般に携わる。
ひとつきに、たった12回しかない出勤日
編集部
タクシードライバーって、1ヶ月のうち12日しか出勤しないんですか?!
塩原さん
はい。でもこれにはカラクリがあって、すばる交通のドライバーさんは1日約17時間勤務です。
例えば朝の7時に出社すると、業務を終えるのは深夜の12時。大変だと思われがちですが、その翌日は「明け番(アケバン)」と言って必ずお休みになります。
なので、2日分のお仕事を1日にまとめて済ませるという感覚に近いかもしれません。
編集部
それだと「明け番」はほとんど疲れて眠ってしまう方が多いのでは?
塩原さん
慣れない最初のうちはそうかもしれませんね。
ただ、すばる交通に応募してくれる若い人の中には「前職でも1日12時間くらい働いていました」という方もいます。
残業込みで1日12時間働いたとしても、普通の会社なら翌日には出勤ですよね。
すばる交通では、1日の勤務時間が約17時間(うち3時間は休憩)にはなりますが、翌日は必ずお休みなので「案外こっちのがラク」という方が少なからずいるんです。
編集部
そう聞くと確かに良いかも…!
塩原さん
ふふふ(笑)
それで入社1年目の社員の平均月収が40万円くらい。3年目、4年目にもなると月収60万円を超える人も珍しくありません。
加えて1ヶ月に3連休が2回あるので、旅行や温泉巡りを趣味にしている方も多いです。
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会社が学校みたいになる研修制度
塩原さん
あと若い方に選ばれる理由のひとつに、弊社の研修制度が挙げられます。
すばる交通には現在、東京都足立区に3箇所の営業所がありますが、どこで働くことになっても入社したらまずは本社で研修を受けていただきます。
編集部
他の会社も比較的そうであるイメージなのですが‥
塩原さん
はい。その違いは『研修期間と研修内容』にあります!
一般的なタクシー会社の研修期間はおおよそ1ヶ月と言われているんですが、うちでは研修期間を約2ヶ月半〜3ヶ月間設けています。
編集部
長いですね。一般企業でも研修期間は1ヶ月くらいな気がします。
塩原さん
そうですよね。弊社ではドライバーとして独り立ちするまでの研修を全て自社で行っています。
地理試験合格までの勉強や、二種免許の学科・技能講習の全てを社内で行うことで、新人の技術レベルを社員が把握し、個々のクセを直してからデビューしてもらえるんです。
編集部
それは若い人や未経験者も安心できますね。
塩原さん
はい!この研修制度にしてから新人の事故も減りました。ペーパードライバーの方でも、自信をもって働ける環境ができているんだと思います。
加えて実際に運転を教えてくれるのも元教習所の先生だったりと、講師もスペシャリスト揃い。ほとんど100%に近い確率でみんな二種免許を取得できています。
編集部
まさに手厚い研修だ‥!
塩原さん
ありがとうございます(笑)
研修中はみんながここの会社を、学校のように思ってくれたらいいなと思ってるんです。
編集部
学校ですか?
塩原さん
はい。授業が終わったら友達と喋ったり、模擬試験の後には「テストどうだったー?」って声を掛け合ったり。
今はコロナで機会も減りましたが、休みの日にみんなでBBQやキャンプ、スノーボードへ行ったこともありました。単純に私が遊びたくて企画したんですけどね(笑)
編集部
研修中って、同期や仲間のことを一番よく知れるタイミングですよね!
塩原さん
私もそう思います。
特に現場に出てからは、個々が車の運転に就くことになるので、研修中ほど毎日顔を合わせることもありません。
『仕事中はひとりでも、一喜一憂できる仲間と毎日繋がっている。』そんな関係を作ることが私の使命であるとも考えています。
お客様に喜んでもらうということ
編集部
塩原さんはどうしてすばる交通に入ろうと思ったのですか?
塩原さん
これ言っていいのかな‥(笑)
私本当はウエディングプランナーになりたかったんですよね。
大学では心理学を専攻していたんですが、とにかく人に喜んでもらえる仕事がしたかった。今思うと世の中の仕事はほとんどそうだろ、って感じなんですけど。
編集部
確かにそうだ‥(笑)
塩原さん
それで就活中にとあるブライダル企業の採用担当の方とお話しする機会があって、その方が本当に親身になって私と向き合ってくれたんです。
それで私もこんな風に人に喜んでもらえる人になりたいと思って、他の仕事も視野に入れはじめました。
編集部
それですばる交通に?
塩原さん
はい。ちょうど身近にタクシードライバーをやってる人がいて、私もやってみようと思って。
いざ始めると、些細な気遣いが本当にお客様に喜んでもらえる仕事だなと気づきました。
例えばお客様が車内で暑そうにしていたら「空調は大丈夫ですか?」とお声がけしたり、足の不自由なお客様が乗車されていれば、カーブ前で「少しスピード下げて曲がりますね」とお声がけをしますよね。
そうすると、本当に「またあなたの車に乗りたい」って言ってくれるんです。
編集部
とっても素敵な気づきです!
塩原さん
ありがとうございます。
これはすばる交通の理念にもある言葉ですが「すべてのお客様からありがとう(をもらう)」というのは、まさにそういうことだと思います。
タクシー業界人しか知らないココだけの話
編集部
そのほか面接時に「こんなところに惹かれました」なんてお話はありますか?
塩原さん
すばる交通が業界トップクラスの日本交通グループに属している、ということですかね。
これは経験者の方の志望動機に多い傾向にありますが、タクシーがお客様を乗せる方法って何があるか分かりますか?
編集部
自由に道を走って、手を挙げているお客様を見つける‥ですかね?
塩原さん
正解!それは「流し(ながし)」と言ってお客様を乗せる手段のひとつです。
一般的にはあと二つあって、予約のお客様対応をする「無線(むせん)」と、特定のタクシー乗り場で順番を待ってお客様を乗せる「専用乗り場(のりば)」があります。
編集部
ほう‥それがどう関係するのでしょうか?
塩原さん
世の中のタクシー会社はうちと同じで、ほとんどが給与形態に歩合制をとっています。
お客様を乗せれば乗せるほど、給与が上がっていくというシステムですが、ドライバーがタクシー会社を選ぶ上で重要なことのひとつが『無線と専用乗り場をどれだけ会社が確保できているか』ということなんです。
編集部
確かに「流し」だけで歩合制はキツそうな感じがします。
塩原さん
はい。まず日本交通は業界トップクラスの会社です。
つまり何が言いたいかと言うと、予約が入る無線の数と専用乗り場の数が圧倒的に多いので、お客様に乗ってもらいやすいんです。
東京都内には日本交通グループのタクシーしか入れない乗り場がいくつもあります。
六本木ヒルズや慶應義塾大学病院、東京ミッドタウンなどタクシー利用が多いスポットもこれに該当します。
経験者の方の中にはこれを知っていて「日本交通グループで働きたい」と、言ってくれる方も少なくありません。
編集部
なんだか業界の裏事情を知ってしまった気がします‥!
タクシー業界の未来について
編集部
そんなタクシー業界も、コロナの影響を大きく受けたのではないでしょうか?
塩原さん
そうですね。特に外国人観光客向けサービスである観光タクシーは、大きな打撃を受けました。
それでもタクシーの需要は決して無くならない。タクシーは皆様の生活に必要不可欠なものになりつつあると思うんです。
編集部
確かに車を持たない若者や、免許を返納されたご年配の方にも需要はありそうです。
塩原さん
はい。タクシーは私たちの日常に当たり前にあります。だからこそ、私たちはお客様を安全に送り届けるだけではいけないと考えています。
たった数分の移動時間でも、人にしかできない「おもてなし」がある。
自動運転もまもなく主流になるかもしれませんが、人と人との出会いや気遣い、お客様に対する思いやりは、決してロボットでは叶わないと考えています。
編集部
なるほど‥!
塩原さん
ドライバーが利用者の状況に合わせた声掛け、適切な判断や行動をすることで、単なる移動が特別な空間となり、お客様の記憶に残ります。
私はここにすばる交通の未来があると思っています。
だからこそ、すばる交通は「すべてのお客様からありがとう」を掲げ、お客様に喜んで頂けるサービスを提供し続けているのです。
編集部
塩原さんのような若き精鋭がいる限り、未来のタクシー業界はきっと輝かしいものだと思います。ありがとうございました。