履歴書の項目にある「自覚している性格」は、何を書けばよいのか迷う方も多いのではないでしょうか。性格については面接などでも聞かれることが多い項目で、十分な自己分析が必要です。
本記事では「自覚している性格」を書くポイントや例文、何を書けばいいかわからないときの対処法をご紹介します。
履歴書で「自覚している性格」を聞かれる理由
履歴書で「自覚している性格」を聞かれるのは、いくつかの理由があります。自社の社風に合うかを確かめ、ミスマッチを防ぎたいというのが大きな理由です。
ここでは、履歴書で「自覚している性格」を聞かれる理由について解説します。
自社の社風に合うかを確認するため
「自覚している性格」を聞かれる理由は、自社の社風に合う人物かを確認するためです。社風や企業理念に合う性格であれば、早く職場に馴染み、早期離職のリスクを抑えられると判断されます。
例えば、チームワークを重視する職場であれば、協調性があることに着目します。新規事業を拡大して成長スピードの速い会社であれば、チャレンジ精神のある人かどうかをチエックするでしょう。
短所とどのように向き合っているかを知るため
応募した学生が「短所にどう向き合っているか」を知りたいという理由もあります。自分の短所に向き合える学生であれば、自分の弱さを乗り越えて成長できると判断できるためです。
誰にでも短所はあり、そのことを自覚して改善しようと考えていれば、入社後にトラブルが起きた場合でもしっかり向き合い、適切に対応できるだろうと推測できます。
そのため、短所について書く場合は自分の弱さを自覚し、改善のための努力していることを示すとよいでしょう。
自己分析ができているかをみるため
しっかり自己分析ができているかを確かめる目的もあります。十分な自己分析ができているということは、入社意欲が高いと判断できるためです。
また、自分自身を客観的に把握できる人物であれば、入社後も周囲とのコミュニケーションも良好に保てると考えられます。また、業務をしながら現状の分析ができ、成長していける人物だと判断されるでしょう。
履歴書に「自覚している性格」を書く5つのポイント
履歴書に「自覚している性格」を書く際は、良い印象を与えるためにいくつか押さえたいポイントがあります。
自己分析をしっかり行うことはもちろん、長所と短所をまとめて考える・エピソードを絡めるなどの工夫することで、プラスのイメージにすることが可能です。
「自覚している性格」を書くときのポイントをみてみましょう。
1.自己分析をして強みを知る
「自覚している性格」を書く上で、入念な自己分析は欠かせません。これまでの経験や考え方を洗い出し、自分の能力や性質、価値観、強み・弱みを見つけましょう。
自己分析により自分の性格や傾向がわかり、向いている、もしくは向いていない仕事がわかります。自分に合った会社を選びやすくなるため、能力を十分に発揮できるでしょう。
自己分析の方法はさまざまありますが、テーマを絞って掘り下げる方法がおすすめです。これまでの人生の中で「頑張ったこと」「楽しかったこと」「苦労したこと」など、どれかひとつのテーマを決め、掘り下げていきます。
掘り下げる手順は、以下のとおりです。
1.テーマについて、思い浮かぶシーンをすべて書き出す
2.それぞれのシーンに対して「なぜそう思うか」を深掘りし、理由を書き出す
例えば「楽しかったこと」がテーマの場合、「高校時代の部活」を書き出したとします。
それを次のように掘り下げていきましょう。
「なぜ楽しかった?」→「メンバーの仲が良く励ましあえたから」→「なぜ仲が良かった?」→「ひとつの目標を目指していたから」
掘り下げていくことで、「人と協力し合うことにやりがいを感じる」「目があるとモチベーションが高まる」といった価値観が見えてきます。
他のテーマも同じように行ってみましょう。書き出したシーンは「自覚している性格」を伝える際のエピソードに使うこともできます。
2.長所と短所をまとめて考える
「自覚している性格」では長所と短所を分けて書くのではなく、まとめて捉えるようにしてみましょう。
例えば「決断力がない」といえば短所になりますが、「何事も慎重に考える」と言い換えて長所にすることができます。「飽きっぽい性格」は「好奇心旺盛」と言い換えられるでしょう。
同じように、長所にできる短所は数多くあります。
- 計画性がない→柔軟に行動できる
- 優柔不断→思慮深い
- 緊張しやすい→真面目な性格
- 気が弱い→人への気遣いができる
- 負けず嫌い→向上心がある
自分が思い込んでいる短所が、実は長所だったということは少なくありません。短所と思えることをポジティブな表現に変えることで、与える印象は大きく変わります。
3.企業の求める人物像を意識する
企業研究をすることで、求める人物像が浮かび上がります。企業によっては公式サイトなどで、どのような人材を求めているかを明確に示している場合もあります。
「求める人物像」と自分の性格の共通点を探し、できるだけ寄せて書くことが良い印象を与えるポイントです。
自覚している性格が企業の業務にどう活かせるかを伝えることも、効果的なアピールになります。
業務内容を絡めることで入社後のイメージをしやすくなり、企業に対する理解が深いということも伝わるでしょう。
4.エピソードを絡める
具体的なエピソードと絡めることで、説得力を持たせられます。アルバイトや部活動などで自分の性格が良い方向に結びついたエピソードを伝えることで、ただ自分が思い込んでいる性格ではないということが伝わります。
短所について書く場合でも、過去の失敗エピソードとともに伝え、改善に向けて努力をしていることを説明すればプラスの印象になるでしょう。
5.結論から書く
「自覚している性格」に限らず、文章は結論から書くことを心がけましょう。履歴書でも面接でも、文字数・時間は限られており、端的でわかりやすい説明が求められます。
先に結論を書き、根拠となる内容を続けて書くとわかりやすい文章になるでしょう。まず自分が自覚している性格を簡潔に述べ、その理由をエピソードと絡めながら記載します。読みやすい文章になり、説得力も高まるでしょう。
履歴書に書く「自覚している性格」の例文
履歴書に「自覚している性格」を上手に書くには、実際の例文を参考にしてみるのもおすすめです。
ここでは、多くの企業で求められる「協調性」「行動力」「積極性」について例文をご紹介します。
書くポイントをチェックし、実際に書くときの参考にしてください。
協調性を伝える例文
協調性はどの企業でも求められる性格です。業務を進めるにはチームワークが大切であり、周囲の人とコミュニケーションできる協調性が必要とされます。
「自覚している性格」で協調性があることを伝えるには、ただ「周囲の人に合わせられる」と伝えるだけでは長所としての説得力がありません。
協調性が発揮できたエピソードを交え、具体的にイメージできるようにしましょう。
私は協調性がある性格です。周りの人の意見を聞いて考えをまとめ、誰もが納得する提案を作ることができます。
大学2年のとき学園祭の実行委員になりましたが、初日に開催するメインイベントの内容で意見が分かれました。それぞれが自分の意見を強く主張し、収拾がつかなくなったため、私は各自の言い分を聞いて折衷案を提案しました。その結果、全員の納得を得ることができ、提案の内容通りにイベント開催することができました。
御社の業務でも協調性を発揮し、チームの意見をまとめて業務をうまく進めるよう貢献したいと考えています。
行動力を伝える例文
行動力は、さまざまな人々と仕事をしていくために必要な力です。自発的に物事に取り組み、課題を解決するために行動できる能力であり、行動力のある人材を求める企業は少なくありません。
行動力のアピールでは、能力を発揮できたエピソードを紹介し、企業の業務にも行動力で貢献できることを伝えましょう。
私には目標に向かって最後までやり切る行動力があります。
高校時代、私はイギリスが好きで、いつか旅行に行って現地の人と話したいと考えていました。そこで英語を習得しようと思い、TOEICで高いスコアを出そうと勉強を始めました。
試験日から逆算し、当日までに必要な勉強を終えられるようスケジュールを立てて勉強を進めた結果、TOEICで900点という高いスコアをとることができたのです。
この経験から、目標を達成するための努力をすることの大切さと喜びを学びました。御社の業務でも高い目標を持ち、達成に向けて努力したいと考えています。
積極性を伝える例文
積極性も多くに企業で求められる性格のひとつです。何事にも積極的に取り組む人材は、仕事で活躍できると判断されます。積極性をアピールすることで、入社意欲や熱意も伝えやすくなるでしょう。
「自覚している性格」で積極性をアピールするには、実際に積極性を活かして何をしたのか具体的に伝えなければなりません。
私はどんなことにも積極的に取り組む性格です。
大学1年生のとき、居酒屋でアルバイトをしていました。
勤めてからしばらくすると近所にライバル店が開業し、目に見えて来客が減った時期もありました。私は集客のために店長に新しいメニューや先着順の特典を提案し、チラシでPRもした結果、集客が以前より1.5倍増えたという経験があります。
御社でもこの積極性を活かし、業績アップに貢献したいと考えています。
「自覚している性格」がわからない場合の対処法
どうしても「自覚している性格」がわからないという方は、自分史でこれまでの経験を洗い出す、第三者に分析してもらうといった方法があります。自己分析ツールを利用するのもおすすめです。
「自覚している性格」がわからないときの対処法をみていきましょう。
これまでの経験を洗い出す
「自覚している性格」がわからないときに試したいのが、自分史を作成してみる方法です。自分史とは、これまでの経験・出来事を時系列に整理してまとめたものです。
小学校から大学まで項目を作り、それぞれの時期に起こった出来事のうち、自分がしてきたことや感じたこと、学んだことなどを書き出します。自分が経験してきたことを思い出して一覧化するだけで、難しく考える必要はありません。
自分史を作ることで自分を客観的に見ることができ、強みや弱みがわかります。
第三者に分析してもらう
自分のことをよく知る友人や親など、第三者に分析してもらう方法もおすすめです。これを他己分析といいます。自己分析はつい主観的な視点になりがちですが、他己分析は第三者が分析することで、より客観的な分析ができるのがメリットです。
「第三者から見た自分」を知ることで他者の認識と自分の認識のズレを理解し、自己理解を深められます。
他己分析では1人の意見を聞くのではなく、 面識が深い人と面識が浅い人に分け、できるだけ複数人からの意見をもらうことがおすすめです。回答が偏らないよう、年齢や立場の異なるさまざまな人に聞くとよいでしょう。
ツールを利用する
ネット上には無料で利用できる自己分析ツールが豊富にあるため、それらを利用してみるのも効果的です。会員登録をして利用するツールも多く、会員登録の情報に合わせて求人を紹介してくれる、あるいは企業からスカウトが届くサイトもあります。
ツールによって結果が違うこともあるため、複数のツールを利用してみるとよいでしょう。結果を比較して、重複する強み・弱みを洗い出します。
また、自分で行った自己分析の結果が正しいかを判断するため、ツールを活用するという方法もあります。例えば自己分析と他己分析の結果がまったく異なる場合、最後にツールを使って何が正しいかを判断することが可能です。本当の強みや、自分に合う仕事は何かを確認しておきましょう。
「自覚している性格」を上手に伝えよう
履歴書に書く「自覚している性格」は、自社に合う人材か、しっかり自己分析ができているかをチェックされる重要な部分です。応募先企業が求める人物像を把握し、それに絡めて記載すると良い印象を与えられます。
「自覚している性格」を知るには、十分な自己分析が必要です。わからない場合は周りの人に分析してもらうなど、多角的な判断で本当の自分の強み・弱みを見つけましょう。
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