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新卒の離職率は高い?早期離職が多い理由や離職しない心得なども紹介

新卒で3年以内の離職率は平均3割と高く、3ヵ月以内の早期離職も少なくありません。離職率が高い企業は、主に労働条件が悪い、平均年収が低めといった特徴があります。

本記事では新卒の離職率が高い理由や離職率が高い企業の特徴、早期離職を防ぐ方法などを紹介します。

新卒の離職率はどのくらい?

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新卒が就職してから3年以内に離職する割合は約3割程度と高く、3ヶ月以内の早期離職も多い傾向です。採用には高いコストがかかり、早期離職は大きな損失となります。また、人材不足の時代にあっては新しい人材の確保も容易ではありません。

そのため、多くの企業にとって離職率を下げることが課題となっています。ここでは、新卒の離職率や、特に離職率が高い業種について見ていきましょう。

新卒で3年以内の離職率は平均3割

離職率とは一定期間内に会社を退職した人の割合で、優良企業を判断する指標のひとつです。

厚生労働省の調査によれば、令和2年度における新卒の離職率は高卒就職者が36.9%、大卒就職者が31.2%となり、平均3割となっています。令和2年度はどの学歴でも例年に比べて低下しているものの、近年は3割程度で推移している状況です。

参考:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況を公表します

3ヵ月以内の早期離職も多い

さらに、大卒就職者の11.6%が1年以内に離職しているという数字もあり、3ヵ月以内の早期離職も少なくありません。早期離職は特に高卒に多く見られます。

早期離職は仕事のミスマッチを理由とするものが多く、入社から半年ほどは試用期間としている企業が多いなか、正式な配属先が決まらないまま退職するという状況です。

参考:厚生労働省「新規大卒就職者の事業所規模別離職状況

離職率が高い業種のランキング

離職率は事業規模が小さいほど高い傾向があり、令和2年度では5人未満の会社における大卒者の離職率は56.3%という高い数字になっています。

離職率は業種によっても開きがあり、高卒、大卒ともに離職率の高い上位の業種は以下のとおりです。

  • 宿泊業・飲食サービス業
  • 生活関連サービス業・娯楽業
  • 教育・学習支援業
  • 医療、福祉
  • 小売業

ただし、離職率はあくまで平均であり、これらの業種のなかでも離職率の低い企業はあります。そのため、離職率が高いからといって業種自体を避ける必要はないでしょう。反対に離職率の低い業種であっても、労働条件が悪いなどの理由で離職者が多い企業は存在します。

新卒の離職率が高い主な理由

オフィスのイメージ

会社を辞める理由は人によりさまざまですが、新卒が離職する理由として特に多いのは次のような内容です。

  • 仕事内容が希望と合わない
  • 職場の人間関係が良くない
  • 労働環境や待遇、福利厚生に不満がある

仕事内容が希望と異なる、自分の適性に合わないという理由が多く、採用段階でのミスマッチが多いことを物語っています。入社してから職場の人間関係に悩む人も少なくありません。

新卒の離職率が高くなる理由について、紹介します。

1.仕事内容が合わない

内閣府が就労等に関する若者の意識を調査した結果によると、初めて就いた仕事の離職理由は「仕事が自分に合わなかったため」という回答が最も多く、半数近くにも及んでいます。

採用段階で事業内容が自分に合うと思っていても、入社してからの人材配置が的確に行われずにミスマッチがあると、早期退職につながりやすくなるでしょう。

参考:内閣府「特集 就労等に関する若者の意識

2.人間関係が良くない

職場の人間関係が良くないことを理由に離職するケースも少なくありません。上司や既存社員とうまくコミュニケーションをとれない、同期が少なく仕事の悩みを相談できる相手がいない、社風が合わず職場になじめないといった事情があると、離職につながりやすくなります。

初めて社会に出る新卒の場合、特に人間関係が大きなストレスになる場合もあるでしょう。

3.労働環境や待遇が悪い

残業が多く労働時間が長い、休暇が取れないなど労働条件が悪いことも、離職の原因になります。まだ仕事に慣れない時期に多くの業務を割り当てられると、うまくこなすことができません。大きなプレッシャーを感じてしまうでしょう。

昇給のタイミングで、業務に対して給与が少ないことに不満を感じる場合もあります。同じ時期に就職した友人と比較し、給与や福利厚生などの待遇が悪いことも離職率を考える要因になるでしょう。

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離職率が高い企業の特徴

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業種とは関係なく、離職率が高い企業には以下のような特徴があります。

  • 労働条件が悪い
  • 平均年収が低い
  • 教育体制や福利厚生が行き届いていない

すべてではありませんが、離職率の高い企業はこれらのうちいずれかの要素が少なからずあると考えてよいかもしれません。離職率を調べれば、そのような企業を選ぶことを回避できます。

離職率が高い企業の特徴を見ていきましょう。

労働条件が悪い

労働条件の悪い企業は社員が定着しません。残業が多く土日も出勤するといった労働条件では心身ともに疲れ、離職率も高まります。特に近年は、人手不足から社員の業務量が増える傾向があり、適切な労務管理ができない会社では一部の社員に負担が大きくなる場合もあるでしょう。

ただし、必ずしも残業が多いから離職率が高まるわけではありません。責任のある仕事を任せられて多くの業務を抱える場合もあります。仕事をこなすことがキャリアアップにもつながり、モチベーションが高まる場合もあるでしょう。

平均年収が低め

労働時間や業務量に対して年収が低いのも、離職率が高くなる理由です。労働時間が長く休日出勤などがあっても、その分が報酬に反映されていれば納得して働くこともできるでしょう。

しかし、年収も低いままでは報われず、働く意欲をなくすでしょう。その業務にやりがいや使命を感じるなど特段の意味がなければ、離職につながりやすくなります。

教育体制や福利厚生が不十分

離職率の高い企業は常に人材が不足している傾向があり、教育に十分な時間をかけることができません。満足な教育を受けられない状態では仕事を覚えられず、スキルアップも望めないでしょう。さらに離職を加速させてしまいます。

また、人事評価や福利厚生のシステムも不十分というケースも離職率の高い企業にありがちです。評価基準が曖昧で正当な評価を受けられないのであれば、働くモチベーションは上がらないでしょう。

福利厚生が充実しているかどうかも、モチベーションに関わります。通勤費や住宅手当など法定外福利厚生を導入するのは企業の任意ですが、一切ないのでは社員に不満を与えることにもなるでしょう。

また、育児・介護休暇など仕事と家庭生活の両立をサポートする制度がなければ、家庭の事情で離職せざるを得なくなる場合もあります。

離職率の調べ方

パソコンのイメージ

長く働ける職場に就職するためには、離職率を調べることが不可欠です。ただし、企業の面接などで離職率を確認するのは避けましょう。印象を悪くする可能性があります。

離職率は、企業に直接聞かなくても調べることが可能です。まず、就職四季報には各企業の離職率が掲載されています。また、上場企業であれば、毎年発行している有価証券報告書で離職率を調べることが可能です。

ここでは、離職率の調べ方について紹介します。

就職四季報で調べる

離職率は就職四季報で調べることができます。就職四季報とは、約5,000社にわたる​​企業の基礎情報を掲載している書籍です。四季報はほかに上場企業をすべて掲載している会社四季報があり、1年に4回刊行されています。

就職四季報はこの会社四季報の情報から、採用実績や残業時間、有給取得状況など就職活動で確認したいデータをピックアップしたもので、年に1回刊行されている出版物です。

就職四季報には「3年後離職率」という項目があり、企業に入社して3年で辞めた人の割合が掲載されています。新卒3年目を対象とした数字であり、会社全体での総合的な離職率ではありません。なお、離職率はリストラによる早期退職を募集した際に一時的に高くなる場合もあるため、注意が必要です。

就職四季報を参照する際は、離職率だけで判断するのではなく、給与や福利厚生、平均残業時間、有給消化年平均なども確認するようにしましょう。離職率が高くてもほかの労働条件や待遇が良い場合、キャリアアップを図るために離職しているとも考えられるからです。

離職率はあくまでも判断材料のひとつであり、業務内容や社風、待遇面など総合的に見て判断するようにしてください。

有価証券報告書で確認する

上場企業であれば、​​有価証券報告書でも離職率がわかります。有価証券報告書とは上場企業が開示する企業情報で、企業の概況や事業の状況、財務諸表などを掲載している文書です。

有価証券報告書には従業員数や平均年齢など従業員の状況も記載されており、そのなかにある平均勤続年数を見ることで離職の状況がわかります。平均勤続年数が短いほど離職率が高いことがわかり、長いほど会社を辞める人が少なく、定着率が良い企業ということです。

有価証券報告書は金融庁が公開している閲覧システム「EDINET」で、いつでも検索ができます。

早期離職しないための心得

ノートにメモする男性のイメージ

早期離職しないためには、離職率の高い企業を避けるだけでなく、自らの対策も必要です。自分の強みは何かを調べ、その強みが活かせる仕事を見つけるようにしましょう。

また、インターンシップに参加して、実際に希望する企業の仕事を体験してみることも有効です。

ここでは、早期離職しないための2つのポイントを紹介します。

自分の強みを知る

仕事を長く続けるには、給与や労働条件だけでなく、やりがいを感じられる仕事であることが大切です。やりがいのある仕事であれば、業務がきついなど多少の問題があっても乗り越えることができます。

ただし、やりがいはあっても、その仕事が得意でなければ長続きしません。そのため、自分の強みを知り、強みを活かせる仕事であることが重要です。

自分の強みが何なのかは、自分でわからない場合もあります。自分の中では当たり前で、それを長所だと気づいていないことがあるからです。自分の強みがわからない場合は、以下の方法を試してみるとよいでしょう。

  • 部活動やアルバイトなど過去の経験で成功した経験を振り返る
  • 自分の短所を書き出して長所に言い換えてみる
  • 家族や友人など周囲の人に聞いてみる

過去の経験でリーダーシップを発揮した、努力をして成し遂げたという経験があれば、それが強みになります。

短所の言い換えとは、「心配性」であれば慎重な性格に、「頑固」であれば信念が強いといった長所に言い換えることです。

インターンで仕事内容を確認する

企業についてよく知るためには、インターンシップに参加するのが効果的です。インターンシップは興味のある企業で実際に働くなどの職業体験です。働く環境を体験することで、業務内容の理解を深めることができます。

実際に職場で働いてみれば自分に向いているかどうかがわかり、採用段階のミスマッチを防ぐことが可能です。

近年、インターンを実施している企業は増えているため、志望する企業がインターンを募集しているか調べてみるとよいでしょう。

就活における新卒離職率の確認は必須

デスク上の手帳のイメージ

新卒の3年以内離職率は約3割と高く、1年以内、3ヵ月以内といった早期離職も少なくありません。就活では、新卒の離職率を確認することが必須といえるでしょう。

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Written by

山本 恵美

山本 恵美

大学卒業後、生活情報誌やファッション雑誌の記者・編集を経て、株式会社マイナビに入社。 15年間、人材サービス(就職・転職・障がい者採用)の分野において5000社以上の企業広告を担当。 2020年に起業し「合同会社綴」を設立。現在は企業取材・広報のほか、採用コンサルティングやキャリアアドバイザー業務等も行っている。

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