インターネットとさまざまなモノをつなげるIoTの発展が進み、今やIoTは日常生活に不可欠なものになっています。
さらなる利便性を高めるために、IoTエンジニアが求められるシーンが増える可能性が高いです。そこで今回は、IoTエンジニアを目指す方に役立つ知識を紹介します。
IoTエンジニアとは?仕事内容や需要を解説
IoTエンジニアはその名の通り、IoTの開発を担う仕事です。IoTは防犯や医療、農業、工業など数多くの領域で導入が進んでおり、これからの需要の高まりも期待されています。
本章では、IoTの意味やエンジニアの仕事内容、需要や将来性を解説します。
IoTとはインターネットを通じてモノをつなげること
IoTは「Internet of Things」の略で、インターネットを通じてあらゆるモノが通信することです。IoTの対象物にはセンサーやカメラが搭載され、状態や動きを観察してデータを取得します。
例えば、外出先から家のエアコンや照明機器を操作したり、センサーが感知した土壌や日射量などの情報を元に自動で農薬を散布したりといった活用方法が挙げられます。
他にも医療現場での遠隔診療や、外出先からの施錠の確認などIoTの活躍が期待される領域は非常に幅広いです。
IoTエンジニアの仕事内容
IoTエンジニアはプログラミングにとどまらず、企画や設計等の上流工程まで担う仕事です。
IoTといってもハードウェアからソフトウェアまで携わる範囲は幅広く、組み込みやセキュリティ、ネットワークなど広範な技術が求められます。
実際、IoTエンジニアとして活躍されている方は各分野にバックグラウンドを持つ方もいらっしゃいます。
少なくともIoTエンジニアを目指すなら、ハードウェアとソフトウェア、双方の知識を持っておいたほうがよいでしょう。
IoTエンジニアは不足している
IoT分野では需要と供給が一致しておらず、担い手として重要なIoTエンジニアの数が不足しています。
今やIoTはあらゆる領域で注目の的となっており、その旺盛な需要にエンジニアの数が追いついていません。
広範な分野の深い知識が求められる仕事でもあるため、IoTエンジニアの人材としての価値は非常に高いです。
特にクラウドや人工知能など新しい領域は元々のエンジニアの数が少なく、とりわけチャンスが大きい市場だといえます。
IoTエンジニアに必要な能力
プログラミングだけでなく、企画や開発からタッチするIoTエンジニアに求められる能力は数多いです。具体的には組み込みやネットワーク、セキュリティ、アプリ構築などのスキルが必要です。
ここではIoTエンジニアに必要な4つの能力を解説します。
組み込みに関する知識・技術
組み込みに関する技術・知識とは、物理的な「モノ」とインターネットを接続させるために必要なスキルです。具体的には必要な機能に特化したソフトウェアを開発する技術を指します。
このソフトウェアは組み込みシステムとも呼ばれ、軽量で安定性が高く、消費電力も少ない点が特徴です。
この組み込みシステムがデータの処理を担うため、組み込みに関する知識・技術の習得は不可欠でしょう。プログラミング言語ではAndroidやLinuxなどのOSに関する知識を習得する必要があります。
ネットワークに関する深い知識
IoTでは機器同士をネットワークでつなげて情報の伝達や制御を行います。したがって、IoTエンジニアはネットワークに精通していなければなりません。
単に接続を可能にするだけでなく、データの送受信を効率的に行えるような仕組みの構築が求められます。
近年はWi-Fiやモバイル通信、Bluetoothなど通信方式が多岐に渡ります。どの通信方法が求められても対応できるように広範な知識を身につけましょう。
外部からの脅威を防ぐセキュリティの知識
近年はハッキングの技術が発達し、パソコンだけでなくIoTでつないだ機器も攻撃の対象となっています。
外部の脅威を遠ざけ、ウイルスを駆逐するにはIoTエンジニアにもセキュリティの知識が不可欠です。
IoT機器を使えば住宅にある家電や鍵などを外部から操作できますが、見方を変えるとハッカー集団が自宅の情報を確認可能だということです。
機器の情報が外部に漏れるだけでなく、家の中の金品や物品が盗難に遭う可能性があるため注意が必要です。
アプリを構築できるスキル
IoTエンジニアがスマホやパソコンなどで使用するアプリケーションの開発に取り組む場合があります。
IoT機器から取得したデータをデスクトップで確認・操作する際に、アプリと連携するケースは少なくありません。
今やスマートフォンは先進国にとどまらず世界中でも採用が進んでいるため、今後はさらにスマホを活用したIoT機器の増加も見込まれます。
これからIoTエンジニアを目指すなら、スマホアプリの開発経験やスキルを持っていると重宝されるでしょう。
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IoTエンジニアに有利な資格
前提としてIoTエンジニアになるために必須の資格はありません。ただ資格を取得すると、一定レベルの知識が備わっていることを証明する材料が得られます。
したがって、余裕があれば関連する資格を取っておいて損はないでしょう。ここではIoTエンジニアに有利な資格を2つ紹介します。
IoT検定
エンジニアをはじめ、IoTに携わる全ての人がそれぞれの立場から企画や開発を行うために必要な知識が備わっていると証明する資格です。
IoT検定は「ユーザー試験」「レベル1」「レベル2」「レベル3」の4段階に分かれている点が特徴です。
サービスやマーケティングに関する内容も出題されるため、IoTエンジニアで就職を目指すならおすすめの資格といえるでしょう。
そこまで難易度が高いわけではなく、市販のテキスト等を活用して独学で合格も目指せます。
IoTシステム技術検定試験
IoTの中でも技術面に特化した資格であり、システムの構築や改善、運用に関する出題が中心です。
基礎知識が問われる基礎検定、基本技術に関する中級検定、専門技術に関する上級検定の3つの区分に分かれています。
ビジネスやユーザー視点からの出題が行われるIoT検定と比較して、エンジニア向けの資格です。
また、IoT検定は通年受験できるのに対して、IoTシステム技術検定試験は年2回の実施にとどまります。受験のタイミングも考慮し、資格の取得を目指しましょう。
IoTエンジニアのQ&A
これからIoTエンジニアを目指す方は「IoTエンジニアの年収はどれくらい?」「どうやって就職するの?」「将来的なキャリアプランは?」などの疑問を抱くでしょう。
年収や未経験から目指す方法、キャリアパスなど気になることに回答します。
年収はどれくらい?
IoTエンジニアの年収は求人によって差があり、低いものは300万円から、高ければ700万円までさまざまです。売り手市場であるため、他のエンジニアと比較して年収が高い傾向があります。
未経験で採用された場合、はじめのうちは低水準の賃金を余儀なくされるでしょう。
しかし経験を積めば年収はぐんぐん上がっていく可能性があり、他に代替が効かないほどのスキルや知識があれば、年収1,000万円を狙えます。
参考:「IoT」とは? どんな事例があるの? IoTエンジニアに必要な知識や注目の業界も合わせて解説!/エンジニアtype
未経験から目指す方法は?
幅広い知識が必要なIoTエンジニアは、中途採用ではフルスタックエンジニアが持つスキルセットと同等のレベルを求められる可能性があります。
未経験からでは不可能ではないにしろ、非常に高い壁が立ちはだかっていると言えるでしょう。そこでおすすめしたいのはWebエンジニアやITエンジニアを経由して、IoTエンジニアに転職する方法です。
これらのエンジニアはIoTエンジニアと比べて未経験からチャレンジしやすく、一見遠回りにはなりますが、目的の達成確率は上がります。
キャリアパスは?
専門性が高いIoTエンジニアは、考えられるキャリアパスのプランが豊富です。例えば、事業会社やSIer(エスアイヤー:システムインテグレーター)への転職、フリーランスでの独立などが可能です。
事業会社は選択肢が多い反面、開発環境が整っていない可能性があります。またSIerは高いレベルの開発環境が備わっている場合が多いかもしれませんが、作業の自由度が低いリスクがあります。
フリーランスはスキルアップに適している一方で、本来の業務以外も自分でこなさなければならないデメリットが大きいです。
IoTエンジニアはこれから伸びる可能性が高い仕事
あらゆる領域でIoT化が進んでいる昨今、IoTエンジニアへの需要は高まっています。この流れは今後も加速する可能性が高く、幅広いスキルを持つIoTエンジニアは引く手あまたになるでしょう。
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