
三井不動産株式会社は、求職者からの人気が非常に高い大手ディベロッパーです。転職難易度も高く、転職するためには入念な準備が欠かせません。
今回は、三井不動産への転職を志望している方に向けて、三井不動産の平均年収や福利厚生、転職に成功するためのポイントなどを解説します。
三井不動産の平均年収はいくら?
三井不動産株式会社は、日本を代表する総合ディベロッパーです。1941年に設立され、従業員数は2022年3月31日時点で1,898名にのぼります。
2022年3月期の売上高は約2兆1,008億円、グループ企業は国内外あわせて367と、非常に規模の大きい企業です。
事業領域は多岐にわたり、オフィスビル事業や商業施設事業のほか、ホテル・リゾート事業や物流事業なども手がけています。
三井不動産は知名度が高く、多くの就活生・転職者が憧れる人気企業です。東洋経済が発表した「入社が難しい有名企業ランキング」では、有名な外資系コンサルティングファームや総合商社などが名を連ねる中、三井不動産は9位にランクインしています。
また、同じ東洋経済が上場企業約3230社を対象に作成した平均年収ランキングでは、2022年三井不動産は12位という結果です。
このように、三井不動産は入社難易度・平均年収ともに高い人気企業です。福利厚生も充実しており、働きやすい環境といえます。
ここでは、三井不動産の平均年収と、平均年収の推移について解説します。
参考:東洋経済ONLINE「『入社が難しい有名企業ランキング』トップ200社」
参考:東洋経済ONLINE「平均年収『全国トップ500社』最新ランキング」
平均年収は約1274万円
2021年4月1日から2022年3月31日における、三井不動産の有価証券報告書によると、三井不動産の平均年間給与は1,273万8千円でした。
dodaが発表している業種別の平均年収によると、建設/プラント/不動産全体の平均年収は421万円です。そのうち、三井不動産と同じディベロッパーは、497万という結果です。
ここから、三井不動産の平均年収約1274万円が、かなり高い水準であることがわかります。
参考:有価証券報告書 第110期
参考:doda「平均年収ランキング(業種別の平均年収/生涯賃金)【最新版】」
平均年収の推移
三井不動産の有価証券報告書をもとに、2017年度から2021年度にかけての平均年収の推移をまとめました。
2021年度 |
1,273万8千円 |
2020年度 |
1,273万7千円 |
2019年度 |
1,273万4千円 |
2018年度 |
1,263万4千円 |
2017年度 |
1,112万5千円 |
このように、平均年収は毎年高い水準を保っており、上昇傾向にあることがわかります。
三井不動産の条件別の平均年収
上記の平均年収は、すべての従業員を対象に算出されたデータです。転職先を決める際は、自身と同じ職種や年齢の平均年収についても調査しましょう。
以下では、三井不動産の年収目安について、年齢別・職種別・役職別のデータを紹介します。
なお、下記で紹介するデータは、三井不動産が公式に発表しているものではありません。また、中央値を求めると、平均年収とは違う結果になる可能性があります。あくまでも目安として、転職活動の参考にしてください。
年齢別平均年収
Openworkのデータをもとに、三井不動産の年齢別年収目安を紹介します。あわせて、dodaが発表している年代別の平均年収も掲載するため、ぜひ参考にしてください。
年代 |
三井不動産の年収レンジ |
一般的な平均年収 |
20代 |
約400〜1,000万円 |
342万円 |
30代 |
約1,000〜1,500万円 |
435万円 |
40代 |
約1,500〜2,000万円 |
495万円 |
50代 |
約1,500〜2,000万円 |
596万円 |
年収は、個人の成果や部署、契約形態などによって異なるため、上記はあくまでも目安です。しかし、一般的な平均年収と比べても、三井不動産の年収水準が非常に高いことがわかります。
とくに、30代からは年収1,000万円を安定して超えるようになり、40代以降は年収2,000万円に達するケースも少なくありません。
アッパー年収層・アッパーミドル年収層・ミドル年収層・ロウアーミドル年収層・ロウアー年収層からなる、年収ピラミッドに当てはめてみると、20代の時点ですでにアッパーミドル年収層(年収700〜1,000万円)に該当し、30代からはアッパー年収層(年収1,000万円〜)に位置します。
このように、三井不動産で着実に成果をあげていれば、日系企業の中ではトップクラスの給与を受け取れます。
参考:doda「平均年収ランキング(年齢・年代別の年収情報)【最新版】」
参考:平均年収.jp「三井不動産の年収」
職種別平均年収
Openworkでは、三井不動産の職種別平均年収は以下のように掲載されています。
総合職 |
1,055万円 |
営業 |
1,164万円 |
事務職の給与については、総合職に比べて安く、同じくらいの年齢の総合職と比べると3分の1ほどしかない、という口コミが寄せられています。
また、平均年収.jpによると、総合職・技術職・事務職の年収予測値は以下のとおりです。
総合職 |
1,629〜1,729万円 |
技術職 |
1,110〜1,210万円 |
事務職 |
1,135〜1,235万円 |
一部の社員のデータや予測値ではありますが、三井不動産では、総合職の年収がとくに高いことを理解しておきましょう。
役職別平均年収
三井不動産の役職別年収について、平均年収.jpが独自に算出した予測値は以下のとおりです。
主任 |
1,203万円 |
係長 |
1,359万円 |
課長 |
1,795万円 |
部長 |
1,984万円 |
管理職になると年収も上がり、部長クラスでは2,000万円に迫ると算出されています。
上記は予測値ではありますが、転職先を検討する際の参考にしてください。
三井不動産と競合企業との年収比較
三井不動産の平均年収と、同じ不動産業界の主要な競合企業のデータを比較してみましょう。
「年収チェッカー」の調査によると、競合企業とその平均年収は以下のとおりです。
三井不動産 |
1,273万円 |
三菱地所株式会社 |
1,264万円 |
野村不動産ホールディングス株式会社 |
1,017万円 |
東京建物株式会社 |
1,008万円 |
エヌ・ティ・ティ都市開発株式会社 |
924万円 |
森ビル株式会社 |
878万円 |
このように、同業他社と比較すると、三井不動産の平均年収は非常に高い水準であることがわかります。
参考:年収チェッカー「三井不動産の年収は1273万円|年齢帯別・役職別年収やボーナスなどを徹底調査【最新版】」
三井不動産の給与や福利厚生について
転職先を検討するうえで重要なポイントとなるのが、給与や福利厚生です。もちろん、仕事内容ややりがいを重視する方も多いでしょう。
しかし、給与や福利厚生はモチベーションに直結するポイントであり、働きやすい職場を探すうえではチェックしておくことが大切です。
ここでは、三井不動産の初任給やボーナス、昇給制度、福利厚生について解説します。
初任給
三井不動産によると、初任給の2022年4月実績は以下のとおりです。
大卒 |
院卒 |
|
総合職 |
255,000円 |
290,000円 |
業務職 |
210,000円 |
ー |
三井不動産の初任給は、不動産業界内ではトップレベルの高さです。後述のボーナスと合わせると、初年度の年収は500〜600万円程度と想定されます。
日本の平均年収は、「令和3年分国税局民間給与実態統計調査」によると443万円です。1年目から日本の平均年収を超えられる計算であり、三井不動産の給与水準が高いことがわかります。
ボーナス
Openworkによると、三井不動産では、基本的に年に2回ボーナスが支給されます。正社員の場合、8〜8.5か月ほど出る場合が多く、高額なボーナスを受け取れるのは大きな魅力です。
ボーナスは会社の業績に大きく左右されます。ここで、三井不動産の総資産・営業利益の推移を見てみましょう。(単位:百万円)
総資産 |
営業利益 |
|
2018年3月期 |
6,284,723 |
245,902 |
2019年3月期 |
6,802,731 |
262,147 |
2020年3月期 |
7,395,359 |
280,617 |
2021年3月期 |
7,741,972 |
203,770 |
2022年3月期 |
8,208,012 |
244,978 |
コロナの影響で落ち込んだと考えられる部分はありますが、おおむね順調に推移していることがわかります。毎年比較的安定しており、ボーナスも安定的に受け取れるでしょう。
昇給制度
三井不動産は、基本的には年功序列の昇給制度を設けています。毎年5万円ずつ昇給するという口コミも寄せられており、着実に昇給できる仕組みです。
営業職については、数字がすべてであり、契約すればするほど給料が高くなる、という口コミもありました。数字に対しての意識はシビアですが、成果が給与にしっかり反映されるため、モチベーション高く働けるのはメリットです。
福利厚生
三井不動産の総合職募集要項によると、以下のような福利厚生が完備されています。
- 研修制度(各種研修、海外研修など)
- 自己啓発制度(資格取得奨励、通信教育、各種社外講座に派遣)
- 退職金制度
- カフェテリアプラン(旅行での宿泊費や交通費の補助、ベビーシッター費用に対する補助など)
- 時間勤務制度
- 事業所内保育所
- リターンエントリー制度
このように、福利厚生が充実しているのが魅力です。
ほかにも、若手社員用の独身寮を整備していたり、テレワークでは三井不動産が運営するサテライトオフィス「WORKSTYLING」を利用できたりと、一人ひとりが高いパフォーマンスを発揮できるよう福利厚生がそろっています。
ワークライフバランスも実現しやすく、過去20年以上、育児休業からの復帰率100%を継続しているのもポイントです。
参考:三井不動産 キャリア採用「募集要項」
参考:三井不動産「ワークライフバランス支援について」
三井不動産の転職事情
三井不動産への転職を考えるにあたって、以下の項目について理解しておきましょう。
- 離職率
- 転職難易度
- 中途採用で募集を行っている職種
とくに、職種については確認が必要です。自身が希望する職種の募集が行われていない可能性もあるため、必ず募集要項をチェックしましょう。
ここでは、三井不動産の転職事情について解説します。
離職率
三井不動産によると、正社員(総合職・技術職・業務職)の離職率は以下のとおりです。
2019年度 |
2020年度 |
2021年度 |
0.53% |
0.51% |
0.81% |
勤続年数は以下のとおりです。
2020年度 |
2021年度 |
2022年度 |
|
男性 |
19.8年 |
19.5年 |
19.5年 |
女性 |
13.4年 |
12.6年 |
12.5年 |
このように、三井不動産の離職率は低く、長く働きやすい職場環境であることがわかります。三井不動産は、環境整備や制度の充実に向けて積極的に取り組んでいるのが特徴です。
参考:三井不動産「人事データ」
転職難易度
三井不動産は、求職者から人気が高い企業であり、採用基準も高い傾向にあります。そのため、転職難易度は非常に高いです。
三井不動産によると、キャリア採用における採用人数実績は以下のとおりであり、採用されるのは50人弱であることがわかります。
2019年度 |
2020年度 |
2021年度 |
35人 |
49人 |
49人 |
三井不動産は、知名度が高く、福利厚生も充実していて働きやすい企業です。そのため、競争率が高く、転職に成功するのは難しいでしょう。
また、三井不動産は募集趣旨について「多様な業界で活躍されてきた方から募集します」としており、各業界で成果をあげた、即戦力となる人材を求めていることがわかります。
このように、三井不動産は競争率・採用基準ともに高く、転職が難しい企業の1つです。
参考:三井不動産「人事データ」
中途採用で募集を行っている職種
2022年度の中途採用において、三井不動産が募集を実施したのは、以下の2つの職種です。
- 総合職
- 技術職
正社員は、オフィスビル、商業施設、ホテルリゾート、すまいとくらし、不動産ソリューション、ロジスティクス、ベンチャー共創、ライフサイエンス、グローバル、ビジネスイノベーションの企画・開発・営業・運営ならびに、コーポレート(総務・経理・広報・人事ほか)業務などに従事する職種です。
応募資格として、「大学卒業後または大学院修了後の就業経験満4年以上の方」と定められています。
技術職は、さまざまな領域のPM業務・システムコンサルティング・セキュリティ・インフラ構築などを担当し、DXを推進するポジションです。
求める人材は「大卒以上/SIer・ITコンサル・情報システム部門等でのエンジニア・PM・PL経験がある方」です。
いずれも、不動産業務に関する経験は不問としていますが、多くの実務経験や高いスキルが求められていることがわかります。
参考:三井不動産 キャリア採用「募集要項」
参考:リクナビNEXT「DX推進エンジニア/PM・PL、インフラ、クラウド、コンサル」
三井不動産への転職を成功させるための4つのポイント
三井不動産の転職難易度は非常に高く、転職するためには入念な準備や対策が欠かせません。転職を成功させるためには、以下の4つのポイントを押さえましょう。
- 筆記試験対策をしておく
- 面接対策をしておく
- 明確なキャリアビジョンを持っておく
- 転職エージェントに登録する
ここでは、それぞれのポイントについて解説します。
1.筆記試験対策をしておく
三井不動産は、面接の前に筆記試験を設けています。三井不動産は、中途採用の枠が少なく、競争率が非常に高い人気企業です。そのため、筆記試験で高得点を取得しなければ、面接には進めない可能性が高いです。
筆記試験は、中途採用における筆記試験は、面接では測りにくい、応募者の基礎的な能力を見極めるために実施されます。基礎知識の出題がメインですが、合格のボーダーが高いため、しっかり対策しておきましょう。
なお、三井不動産の筆記試験では、不動産の専門知識が問われることはありません。
2.面接対策をしておく
三井不動産の選考では、面接が複数回にわたって実施されます。面接に成功するためには、質問を想定し、何度も練習することが大切です。
三井不動産は、コンピテンシー面接を採用しています。コンピテンシー面接とは、応募者の行動特性を確認するための面接のことです。過去の出来事を掘り下げ、どのような考えによってどのような行動に至ったかが確認されます。
コンピテンシー面接に対応するためには、徹底的な自己分析が欠かせません。また、三井不動産が求める人材要件に当てはまっていることをアピールできるよう、自身の実績やスキルについても言語化できるようにしましょう。
3.明確なキャリアビジョンを持っておく
三井不動産への転職に成功するためには、明確なキャリアビジョンを持って選考にのぞむことがポイントです。
三井不動産は、中途採用を実施する趣旨について、「経営計画を実現するため、将来会社の中核を担う人材を募集する」としています。
また、社員からは「年功序列というよりも成果主義」という口コミが寄せられていることから、成果をあげて会社の成長に貢献できる社員を求めていることがわかります。
長く活躍できる人材を見極めるために、面接でキャリアビジョンについて聞かれる確率が高いです。キャリアビジョンが不十分では、仮に入社できたとしても信念を持って働けず、成果をあげられない可能性があります。
このように、事前にキャリアビジョンを明確化しておくことが重要です。
4.転職エージェントに登録する
転職難易度が高い三井不動産への転職に成功するためには、転職エージェントを活用しましょう。転職エージェントへの登録には、以下のようなメリットがあります。
- エージェントのアドバイスのもと、転職活動を進められる
- 非公開求人を紹介してもらえる
- 面接対策ができる
転職エージェントは、求職者それぞれに有益な情報を提供してくれます。転職に成功するためのアドバイスもしてくれるため、着実に転職活動を進められるのがメリットです。
また、一般的な転職サイトには出ない、非公開求人を紹介してくれる可能性があります。非公開求人は、転職エージェントを利用しないと見られず、オープンな求人よりも競争率が低いのが特徴です。
さらに、模擬面接を実施してくれるため、万全な状態で選考にのぞめるのも魅力です。コンピテンシー面接にも対応できます。
このように、転職活動の成功率を高めるためには、転職エージェントに登録するのがおすすめです。
三井不動産への転職には転職エージェントを活用しよう
今回は、三井不動産への転職を志望している方に向けて、平均年収や福利厚生、転職に成功するためのポイントなどを解説しました。
三井不動産は、求職者からの人気が非常に高く、転職難易度も高い傾向にあります。三井不動産への転職を実現するためには、筆記試験や面接対策を徹底して行うことが大切です。
転職エージェントを活用すれば、難しい転職活動にも成功する確率が高まります。ハレダスでは、転職に関するさまざまな情報を提供しています。詳しくは、以下をチェックしてください。