退職を決意したものの、上司に直接伝えづらいと悩む人も少なくありません。そんな人のために「上司への退職連絡はメールで伝えてもOKなのか」を解説。
その他、退職の連絡はどの範囲まで行えばいいのか、社内・社外別の挨拶メールの例文を紹介していきます。
メールで退職の意志を伝えるのは「法律上問題なし」
上司に退職の意思を伝えるためにメールを使うのは、法律上問題ありません。民法第627条には、「当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申し入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申し入れの日から2週間を経過することによって終了する。」と記載されています。
つまり、雇用期間が定められてない社員は、2週間前までに退職の意思を伝えることで会社の都合問わず退職が認められるということ。退職を申し出る方法については、法律で指定されていませんので、メールでも問題ないのです。
しかし、お世話になった会社ですので、できる限り対面で退職の意志を伝えるのがビジネスマナー。よほどのことがない限り、直接退職の意思を伝えるのがベターです。
退職メールを送るときの注意点
退職を申し出る際には上司に直接申し出るのが良いですが、関係性がそれほど深くない相手や、別の支社の上司など、直接顔を合わせて挨拶するのが難しい場合もあります。その際にはメールで退職を伝えても問題ありません。ここでは、退職の挨拶メールを送るときの注意点を紹介します。
1.送信のタイミングは社内と社外で分ける
社内向けの退職の挨拶メールは、退職日ではなく出社最終日に送信するのが一般的です。社外の取引先には、引き継ぎなどの調整もありますから、出社最終日の2週間から3週間前に送るようにしましょう。
2.お世話になった人全員に送る
退職の挨拶メールを送るときに、どの範囲まで送れば良いのかと悩む人も多いはず。退職のメールはただの報告ではなく、お世話になった人への感謝を述べるものでもあります。そのため、上司、同僚をはじめ、お客様、関連会社の担当者など、お世話になった方すべてに送るのが基本です。
対面で挨拶できる人には改めて送る必要はありませんが、感謝の気持ちはいくら伝えても相手を不快にさせることはないので、お世話になった人にはできるだけ全員に挨拶メールを送りましょう。
3.一斉送信の場合は必ずbccで送る
退職の挨拶メールは個別に送信が理想ですが、あまりにも送る相手が多い場合には一斉送信でもOKです。ただし、ccではなく必ずbccで送るのがビジネスマナーです。その際には、特にお世話になった人だけでも個別に感謝の気持ちを伝えるのがおすすめです。
上司への退職申し出メールの例文
まずは、どうしても対面で退職を伝えられない人のために、退職を申し出るためのメールの例文を紹介します。状況に合わせて適宜内容を見合わせながら活用してくださいね。
【件名】退職のお願い
【本文】
〇〇部長
お疲れ様です。△△です。
休暇を頂戴し、ご迷惑をおかけしております。
突然の申し出で大変心苦しいのですが、体調不良の理由により
×月をめどに退職させていただきたくメールを差し上げました。
本来であれば直接お話すべきことですが、出社が難しく
メールでのご連絡になりますことをお詫び申し上げます。
誠に身勝手ではありますが、今後について
メールでご相談させていただければと考えております。
お忙しいところ大変恐縮ではありますが、よろしくお願い申し上げます。
【社内・社外別】退職挨拶メールの例文
上司に退職の承諾を得たら、お世話になった各所へ退職の挨拶メールを送りましょう。ここでは社内・社外別の挨拶メールの例文を紹介します。
1.上席
【件名】退職のご挨拶(名前)
【本文】
〇〇部 部長 〇〇様
お疲れさまです。△△支社の△△です。
一身上の都合により、本日をもちまして
退職する運びとなりました。
本来であれば直接ご挨拶に伺わなければならないところ、
メールでのご挨拶になりましたことお詫び申し上げます。
〇〇部長には、新卒入社時に
仕事の基礎から丁寧にお教えいただき、
本当にたくさんのことを勉強させていただきました。
これまで部長から教えていただいたことを、
今後の人生の糧にしていきたいと思います。
最後になりましたが、これまでのご支援、ご鞭撻に感謝申し上げるとともに皆様のさらなるご健勝とご活躍を心よりお祈り申し上げます。
2.身近な上司
【件名】退職のご挨拶(名前)
【本文】
〇〇課長
お疲れさまです。△△です。
一身上の都合により、〇月〇日をもちまして
退職する運びになり本日が出社最終日となりました。
〇〇課長には、ご迷惑ばかりおかけし、
大変申し訳ございませんでした。
ノルマが達成できず、落ち込んでいる私に
励ましの言葉をかけてくださったり、
××の案件では、熱心にプレゼン指導をしていただき
誠にありがとうございました。
課長の教えを今後に活かし、より一層精進したいと思います。
最後になりましたが、〇〇課長のご健勝とご活躍をお祈り申し上げます。
本当にありがとうございました。
3.社内
【件名】退職のご挨拶(名前)
【本文】
〇〇部〇〇課の皆様
お疲れ様です。
私事で恐縮ですが、一身上の都合により
△月末で退社の運びとなり、本日が出社最終日となりました。
本来であれば直接ご挨拶すべきところ、メールでのご挨拶にて失礼致します。
在職中、皆様には大変お世話になり、心より感謝申し上げます。
業務を通じて皆様からさまざまなことを学ばせていただきました。
この会社で培った経験を、今後も活かしていきたいと感じております。
退職後の連絡先は以下の通りです。
何かございましたら、こちらにご連絡いただけると幸いです。
メール:××××××××@××××
携帯:×××-××××-××××
最後になりましたが、皆様のさらなるご健勝とご活躍、心よりお祈り申し上げます。
本当にありがとうございました。
4.社外
【件名】退職のご挨拶(株式会社△△ 名前)
【本文】
株式会社〇〇 〇〇部
〇〇 〇〇様
いつもお世話になっております。株式会社△△の△△です。
私事で大変恐縮ですが、一身上の都合により、
×月末で株式会社△△を退職することになりました。
最終出社日は×月×日の予定です。
〇〇様にはたくさんお力添えをいただき、感謝しております。
改めて心よりお礼を申し上げます。
後任は、同じ部署の◎◎が務めさせていただきます。
退職までにきちんと引き継ぎを行いますので、どうぞご安心くださいませ。
つきましては、後日、◎◎とともにご挨拶にお伺いいたします。
残りわずかとなりましたが、何卒よろしくお願い申し上げます。
まとめ
上司にメールで退職を申し出るのは、法律的には問題ありません。しかし、対面で伝えることができるのであれば、これまでお世話になった感謝とともに直接伝えるのが望ましいでしょう。退職が決まったら、社内・社外問わず退職の挨拶メールを送ります。どんな文面で送れば良いか、悩んだときには今回紹介した例文を参考にしてみてくださいね。