蒸し暑い夏場の就活は汗ばんでしまうため、ジャケットを羽織りたくないと考える方は多いでしょう。しかし、一般的なビジネスマナーでは、どんなに暑い時期でもスーツの着用は必須とされています。
今回は、夏場の就活におけるスーツ着用のマナーや暑さを乗り切るための便利アイテムをお伝えします。
就活中は夏場でもスーツ(ジャケット)が必須
残念ながら、就活にはクールビズは適用されません。どんなに灼熱の熱い日でも、上着を着用した状態で面接に臨む必要があります。加えて男性なら、ネクタイの着用も必須です。
クールビズは企業が各自の基準で認めている制限付きの服装なので、社会人の正装とは呼びにくい面があります。
クールビズを実施していない企業もあるため、面接では正装であるスーツで出向く必要があります。面接官も正装なので、崩したラフな恰好だと失礼に当たるかもしれません。
夏用のリクルートスーツがおすすめ
夏場に面接へ臨む際は、夏用のリクルートスーツがおすすめです。夏用のリクルートスーツは生地が薄くて涼しく、自宅で洗えるのでニオイ対策もできます。
夏場の面接を見据えて新たにスーツの購入を検討しているなら、素材に着目してみましょう。
素材によっては吸湿性や通気性が異なりますが、特におすすめは吸湿性・保湿性・通気性の全てが優れているコットンです。
コットン素材は、度重なる洗濯やハードな利用にも耐えうる強さも有しています。
就活における身だしなみのポイント
就活全般に当てはまる身だしなみのポイントとして、スーツの色を意識しましょう。夏場の就活での注意点として、ネクタイやジャケットは必要なとき以外脱いでおくのも重要です。
また遅刻の恐れから汗をかかないように、時間に余裕を持った行動も大切になります。
スーツの色は黒・紺・グレーのいずれかが無難
どのような企業・職種でも浮かない服装と考えると、リクルートスーツの色は黒・紺・グレーが無難です。
ブルーやブラウン、ライトグレーといった明るい、もしくは派手目の色合いはフォーマルな面接の場面には適していません。
なかにはアピールが目的で奇抜なスーツを着ていこうと考える人もいるかもしれませんが、就活では逆効果です。悪目立ちしないように、無難で安心感がある服装を選びましょう。
ネクタイやジャケットは会場周辺で着用
ネクタイやジャケットは就活中常に着用している必要はなく、面接会場が近づいたら身につければOKです。
電車の中や街中を歩いているときは、ジャケットを脱いでいても構いません。むしろ暑さや汗対策になるので、会場が近づくまで着ない方が良いでしょう。
ジャケットを脱ぐだけでも体感温度はグッと下がり、通気性が良くなってリラックス効果も期待できます。
汗を抑えるためにも時間に余裕をもった行動が重要
緊張や焦りで汗をかいてしまうのは、誰でも経験する現象です。夏場の移動はただでさえ汗をかくので、遅刻を恐れて走ることがないように、時間に余裕をもって行動した方が良いでしょう。
会場には早めの到着を心がけ、周辺のカフェやデパートなどで気持ちと体を涼めることをおすすめします。暑さでボーッとした状態で面接に臨むと、本気のパフォーマンスが出ない恐れもあるためです。
冷たいドリンクを飲む時間を確保し、クールな頭を取り戻す努力をしておきましょう。
就活スーツで押さえるべきマナー
就活では、スーツ以外のアイテムでもマナーを意識する必要があります。ワイシャツはボタンダウンや半そでを避け、必ずインナーを着ましょう。女性の場合は、ストッキングの着用も必須マナーの一つです。
ボタンダウンや半そでシャツはNG
襟元にボタンが付いて、ワイシャツ姿でも様になるボタンダウンは好んで着用する方も多いですが、カジュアルなイメージが強いため、就活で着るのはNGだと見なされています。
また、就活では半そでシャツの着用も不可です。スーツを着る際はジャケットの袖口からシャツの袖が少し見えるのが良いので、半そでシャツでは面接官が違和感を抱く可能性が高いでしょう。
シャツの袖をまくったり、第一ボタンを外したりするのも良くありません。
シャツの下にはインナーを着用
ワイシャツの下のインナー着用は必須です。インナーがないと汗でシャツが貼りつき、見た目の印象が悪くなります。
清潔感が重要な就活でこのようなだらしない状態で臨むのは、不採用の確率を自分から高めているようなものです。
インナーは、吸湿性や速乾性に優れた素材を選びましょう。着ている服の枚数は増えますが、涼しく感じられる場合も多いです。
女性はストッキングを着用
女性の就活では、ストッキングを履くのがマナーです。素足はカジュアル過ぎるので、フォーマルな装いが求められる就活では必須アイテムといえます。夏でも扱いは変わらないため、どんなに暑くても素足はNGです。
涼しくストッキングを履きこなしたいなら、素材や特殊加工の有無にこだわると良いでしょう。冷感加工やUV加工、抗菌・消臭タイプなど、さまざまなタイプが販売されています。
夏の就活を乗り切るための便利アイテム4選
夏場の猛烈な暑さや湿気を乗り切るには、着用アイテムの工夫だけでは不十分かもしれません。
冷感インナーに加えて、冷却スプレーや汗じみ防止シート、日傘も合わせて使用して酷暑を乗り越えましょう。各便利アイテムの効果や選び方などを解説します。
1.冷感インナー
触ると冷たく感じる素材で作られた、冷感インナーをセレクトするのがおすすめです。着た瞬間に涼しい感覚を得られ、長時間身につけ続けていると効果は薄れますが、暑さ対策には一定の力を発揮します。
また、夏ならではの高温多湿な環境を乗り切るには、通気性の高さも重要です。通気性が高ければ、涼しい風が中に入り込むので、蒸れを防いで爽やかな着心地を得られます。
インナー選びでは、速乾性も重要です。蒸発性に優れるのでかいた汗がすぐ乾き、汗冷えの影響も防げます。
2.冷却スプレー
さらっと吹きかけるだけで暑さ対策になる冷却スプレーは、手軽で便利です。スプレー選びでは噴射口に注意を向け、霧状のトリガータイプと一気に発射するジェットタイプに分かれます。
霧状は広範囲に成分が広がるため、体を全体的に冷やしたい場面に適切で、ジェットタイプは素早く冷却したいときに向いています。体温の低下に効果的な脇下や首筋、足の付け根を重点的に冷やしましょう。
より強い冷却効果を得たい人は、爽快感をもたらすメントールを配合した冷却スプレーの選択がおすすめです。
3.汗じみ防止シート
夏の脇汗対策に有効なアイテムが、汗じみ防止シートです。就活の身だしなみはスーツの着こなしだけでなく、ニオイや汗じみの有無もチェックされています。
汗じみがスーツに付いた状態では、面接官に清潔感がないと判断されても仕方ありません。
体温を下げて汗の量を減らすのは限度がありますし、いちいち拭き取るのも手間を要します。汗じみ防止シートで上から蓋をしてしまうのが、効果的な対処法です。
4.日傘
日傘は近年、熱中症への効果が注目されているアイテムです。太陽の日差しをシャットダウンできるのはもちろん、日傘の中は周囲と比べてぐっと温度が下がります。
また日差しの影響を和らげることで、汗の減少にも効果的です。
日傘は女性が使うイメージを持たれるかもしれませんが、近年は日傘男子も増えてきました。環境省が推奨していることもあり、日傘のパワーが市民権を得つつあります。
クールビズを指定されたときの対応
企業から「クールビズでお越し下さい」と案内が出されたら、本当にスーツを着なくて良いのか迷ってしまうかもしれません。
結論からいうと、会社から指定を受けている場合はノージャケット・ノーネクタイで問題ありません。女性は白シャツにパンツ、もしくはスカートの着用が基本です。
クールビズと同様、応募者を戸惑わせる言い回しが「私服でお越し下さい」です。
「私服ってどこまで崩していいものなの?」と迷ってしまいがちですが、端的にいうと「私服でお越し下さい」は、オフィスカジュアルと同様の意味を持っています。
クールビズや私服指定の面接の服装について、詳しく解説します。
男性:ノージャケット・ノーネクタイが基本
クールビズの指定を受けたらノージャケット・ノーネクタイで臨むのが基本ですが、「クールビズ」の基準が企業によって異なることに注意が必要です。
例えば、半そでシャツがOKだったり、長そでしか認めていなかったり、ルールに差異が生じています。
事前確認ができる状況なら行うべきですが、無理そうなら一応、ジャケットとネクタイを持参した方が良いでしょう。
クールビズ指定の面接に一般的なスーツ姿で出向いても、減点とはならないので心配なら準備しておくのが好ましい選択です。
女性:白シャツ+パンツ、スカートが基本
女性の場合は、白無地シャツに、グレーや黒などの落ち着いた色合いのスカートやパンツを組み合わせるのが基本です。
上はノージャケットの指定がなければ、えりがないカットソーにジャケットを羽織るスタイルでも構いません。
汗で下着が透けるのを防ぐために、キャミソールの着用も必須です。目立ちにくい、白やベージュの製品を身に付けることをおすすめします。
「私服でお越し下さい」はオフィスカジュアルと同義
言葉を額面通りに捉えて、プライベートで身につけるような私服で臨むのではなく、面接での私服指定はオフィスカジュアルと考えると上手くいきます。
オフィスカジュアルは普段着よりきちんとした服装でありながら、スーツよりくだけた恰好を指します。これだけだと抽象的ですので、スタンダードなスタイルを紹介しましょう。
夏の場合、ポロシャツ+チノパン+革靴のシンプルな服装がおすすめです。シャツの色はホワイトやブルー系が無難で、チノパンはベージュやネイビーなどが合わせやすい組み合わせが良いでしょう。
ポロシャツやチノパンを私服で持っていない方も、就職後を考えるなら今のうちに揃えておきましょう。飽きずに長く着続けるために、流行に関係ないシンプルなデザインをおすすめします。
就活ではジャケットが必須!万全の暑さ対策で乗り切ろう
地球温暖化の影響で年々暑さは厳しくなってきていますが、就活ではネクタイ・ジャケットの着用が必須です。一般的なビジネスマナーなので、暑さ対策を駆使して乗り越えましょう。
暑さ対策におすすめのアイテムが、冷感インナーや冷却スプレー、汗じみ防止シート、日傘などです。
注意点は暑いからといって、スーツの中を半そでシャツで臨むのはNGです。またインナーも必ず着用しましょう。
「私服でお越し下さい」をはじめ、服装に関して、企業側から曖昧な指定がなされる場合があります。もしどのような服装でいけばいいか分からなくなったら、転職エージェントに相談してはいかがでしょうか。
ハレダスは若いアドバイザーが揃っているので、自分自身の直近の経験も踏まえて、適切なアドバイスをすることが可能です。