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元日本語教員コラムvol.12|フリーランスは税理士事務所を利用すべき?依頼に必要な料金や目安となる年収は

確定申告や月々の売上、経費の記帳など、フリーランスが避けられない事務作業はいくつかあります。ご自身で作業や手続きを行うほか、税理士事務所に依頼をしている方も少なくありません。

今回は、フリーランスが税理士事務所を利用するメリットやデメリット、気になる費用相場などをご紹介します。いくら稼げるようになったら依頼をするとよいのかの、目安になれば幸いです。

税理士は具体的に何をしてくれる?


税理士事務所は会社や個人事業主、フリーランスの方の経理関係の代行をしてくれます。フリーランス、個人事業主の方が主に依頼するのは、確定申告や月々の記帳の代行、税務相談などです。

本業が忙しい、収入が増えたなどさまざまな理由で、自身で経理を行うのが大変な場合、税理士事務所に依頼すれば帳簿への記入や確定申告を行ってくれます。

また、節税・減税のためにどういった対策ができるか相談し、適切な方法が取れるようアドバイスを仰げるのも、税理士事務所に依頼するメリットです。

確定申告は、その年の税金を正しく算出するために欠かせません。確定申告をしない、誤った申告をしてしまうといったことがあると、追徴課税をされたり、さらに重い罰則を受けたりすることもあります。

税理士事務所へ依頼すれば、プライベートとの境界線が曖昧なフリーランスの方も、正当な経費のみを記帳・申告してくれます。

フリーランスが税理士を利用するメリット


フリーランスが税理士事務所を利用するメリットは、大きく5点です。

確定申告の不安がなくなる
確定申告には提出期限があります。忙しいとついつい後回しになってしまいますが、税理士事務所を利用すれば書類作成に関わる手続きを代行してくれるので、焦らず書類を提出できます。

本業に集中できる
経理関係は早めに処理をしないと忘れてしまいがちですが、本業にプラスして日々の経理作業まで行うのはなかなか大変です。税理士を利用すれば、本業に集中でき、安心して経理の仕事を任せられます。

節税に関するアドバイスが受けられる
不正は絶対にNGですが、できる限りの節税はしていきたいところです。税理士を利用すれば、適切な節税対策の方法をアドバイスしてもらうことができます。

税務管理や確定申告の誤りがなくなる
自身で経理や税務関係の作業をしていると、慎重に行っていてもミスをしてしまうことがあります。税理士に依頼すれば、こうしたミスなく、正しい申告をすることが可能です。

信頼獲得にもつながる
税理士が正しい確定申告書類を用意してくれれば、納税証明ができ、社会的信用にもつながります。銀行からの融資や個人での住宅ローンなど、さまざまな場面でお金に関する信頼性は重要ですので、信頼獲得のために税理士を利用するのも1つの方法だといえるでしょう。

フリーランスが税理士を利用するデメリット


税理士を利用することで得られるメリットは多くありますが、一方でデメリットがあることも忘れてはいけません。フリーランスが税理士の利用を検討する際には、次のようなデメリットがあることも念頭に置いておきましょう。

費用がかかる
税理士を利用すれば、当然費用(顧問料)が発生します。依頼内容によって料金は変わってきますが、自身で経理関係の管理や確定申告をすればかからないお金が必要になることを忘れてはいけません。収入によっては、税理士に依頼する費用が高くついて損をしてしまうこともあるので、自身の収入に対し、発生する費用が見合っているかどうかも見極めましょう。

税務関係の知識が得られない
自身で経理や確定申告をすれば、費用がかからないことはもちろん、税務関係の知識を得ることも可能です。しかしはじめから税理士を利用してしまうと、こうした学びの機会を失ってしまうことにもなります。税務関係のことをよく知らなくて困る、ということはありませんが、事業を行う上でお金の流れや税務に関することを知っておいて損はありません。

継続的に税理士に依頼する場合の費用相場

メリット・デメリットを理解したうえで、「税理士に依頼したい!」と思った場合、気になるのは費用です。税理士と契約し、継続的に利用する場合には、どれくらいの費用がかかるのでしょうか。

一般的な相場は、月3万円前後、年間で20~50万円程度だといわれています。税理士事務所にもよりますが、顧問料や記帳代行、確定申告や決算申告それぞれの費用相場は、毎月1~3万円です。これらをすべて足すと、安くても3万円はかかります。

代行業務を絞り、もっと安価に利用できる税理士事務所もありますし、反対に訪問による相談、年末調整などは別途費用を請求するという税理士事務所も存在します。

費用は依頼する税理士事務所や事業の規模、依頼内容などにより変動することも忘れないようにしましょう。

確定申告などスポット的に依頼する場合の費用相場


年間の業務を依頼するのではなく、確定申告の書類作成のみなど、スポットで税理士事務所を利用する場合の費用相場は、10~20万円ほどです。

フリーランスといっても、売上や業務の範囲には大きな幅があるので一概には言えませんが、売上が1000万円未満であれば、この金額で依頼できると思ってよいでしょう。

事業規模が大きい場合には、30万円以上かかることもありますので、無料相談などを利用しながら、依頼するかどうかを検討することをおすすめします。

結局、フリーランスは年収いくらくらいで税理士を利用したほうがいいの?


前述の通り、税理士への依頼にかかる費用は10~50万円程度なので、総収入から問題なく捻出できるのであれば、年収に関わらず依頼する価値はあるといえます。確定申告書類の作成のみなど、可能な範囲で利用するのも、1つの方法です。

とはいえ、できるだけ経費を抑えてさまざまな業務をこなしたい、という方もおおいでしょう。そのような場合は、以下のいずれかに当てはまる、検討するタイミングを見越して税理士に依頼をすることをおすすめします。

・年間の売上が1000万円を超えた
・課税所得が600万円を超えた
・法人化を検討している
・銀行からの融資やローンを検討している

売上額が大きくなればなるほど、経理関係の作業にかかる時間は取られがちですので、本業以外の業務を外注するメリットは大きくなります。

また、法人化の際にはさまざまな手続きが必要で、時間も手間もかかるので、そういった手続きの相談や依頼からはじめ、長期的な付き合いを検討するのもよいでしょう。

融資などの際には社会的信用はもちろん、必要書類もありますので、税理士を利用するとスムーズです。ご自身のタイミングで、ぜひ利用を検討してみてください。

自身で経理関係の管理をする場合は・・・


フリーランスとして活動を始めてから数年は、自身で経理関係の管理や確定申告をされるという方も少なくありません。その場合、手書きやテンプレートのエクセルデータでの経理管理もよいですが、迷ったら確定申告ソフトの利用をおすすめします。

「やよい」や「freee」などの会計ソフトは、ブラウザから簡単にログインや経理管理が可能で、無料で始められるもの、割引があるものも。有料でも年間で1万円程度から利用でき、経費の仕分け、確定申告書類の作成も簡単です。

契約コースによっては、わからないことを電話などで相談することもできますので、活用しましょう。

また、青色申告会や商工会、税務署などでは、確定申告書類作成のお手伝いをしてくれます。商工会に加入していると、地域で事業を行う上での役立つ情報を収集することもできますので、加入を検討するのもよいのではないでしょうか。

自身の事業スタイルなどに合った方法で、経理関係や確定申告を確実かつスムーズに行える工夫をしてくださいね。

おわりに

税理士事務所を利用すると、さまざまなメリットがあります。収入や事業の規模などに合わせ、依頼するかどうかを考えましょう。

ちなみに、筆者は現在フリーランス4年目ですが、今のところオンラインでの確定申告用ソフトを使いながら経理の管理などを行っています。まだまだ自身で管理できる範囲ですし、不要な経費はかけたくありませんが、税理士事務所を利用できるくらい活躍できればとも思っています。

フリーランスの皆さんは、法人化や税理士への依頼なども視野にいれながら、一緒に事業拡大、売上増加に向けて頑張っていきましょう!

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Written by

永野 栄里子

永野 栄里子

大学・大学院にて日本語学を専攻。日本語学校での非常勤講師を経て、2018年よりライター業を開始。さまざまなメディアで記事を手がけながら「田舎の在宅ママライター」として新たな働き方を確立すべく、日々育児に仕事に奮闘中。

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