外資系企業を目指す場合は、それに応じた就活スケジュールを組む必要があります。詳しいスケジュールや就活を成功させるために知っておきたいポイントについてまとめて紹介するので、ぜひ参考にしてください。
古田 将史(ふるた まさし)
そもそも外資系企業とは?
外資系企業とは、外国企業もしくは外国資本の比率が一定以上の日本企業のことを指すことが一般的です。具体的には次の形態の企業を含みます。
- 外国企業の日本法人
- 外国企業が一部出資して設立した日本企業
- 外国企業が買収した日本企業
外国企業の中には、日本法人を設立してから日本に進出することがあります。この場合の日本法人は、日本の会社法に基づいて設立されても外資系企業と呼ぶことが一般的です。
また、外国企業が一部出資して設立した日本企業も、外資系企業に含めることがあります。出資額の割合によって経営方針や決定権を左右する企業が変わる点が特徴です。
国際的なM&Aなどにより、海外企業が日本企業を買収することがあります。この場合は、日本企業名が買収後の社名として残っているときでも外資系企業とみなすことが多いです。
外資系企業の就活スケジュール
外資系企業と日本企業の就活スケジュールは異なります。企業によっても差はありますが、外資系企業は選考や内定の時期が日本企業よりも早いことが多いです。
外資系企業への就職を目指すのであれば、少なくとも大学3年になったらすぐに就活を始めるようにしましょう。一般的なスケジュールは以下のとおりです。
- 【大学3年4月】エントリーシート対策
- 【大学3年6月】インターンエントリー
- 【大学3年8月】インターン参加
- 【大学3年10月】説明会、早期選考
- 【大学3年1月】本選考
- 【大学3年3月】内定
それぞれ順を追って解説します。
【大学3年4月】エントリーシート対策
外資系企業では、インターンのときの評価が選考に大きな影響を与えます。インターンへのエントリーが大学3年の6月頃に始まるため、大学3年の4月になったらすぐにエントリーシートの対策に着手するようにしましょう。
エントリーシートでは、次の内容についての記入を求められることが一般的です。
- 志望動機
- 自己PR
- 長所、短所
- 学生時代に打ち込んだこと
いずれの内容も、丁寧に自己分析を行うことでより深みを増します。例えば、自分の強みや弱点などを客観的に自己分析すると、何をするためにその企業に就職したいのか明確になり、採用担当者を納得させる志望動機を記載できるようになるでしょう。
また、客観的に自己分析をするためには、第三者からの意見も参考になります。エントリーシートに記載した内容を内定者や友人、OB、OGなどに見せ、説得力のある志望動機や自己PRになっているのかチェックしてもらいましょう。
より魅力的なエントリーシートに仕上げるためにも、自己分析だけでなく企業分析が不可欠です。企業の事業内容や社風、今後の展望などをホームページなどから分析すると、自分自身が企業に合う人材なのか、何をアピールすれば採用担当者に響くのかが見えてくるようになります。時間をかけて丁寧に自己分析と企業分析を行い、エントリーシートを完成させましょう。
【大学3年6月】インターンエントリー
外資系企業への就職を希望する方は、積極的にインターンに参加するようにしましょう。企業によってはインターンに参加していないと採用選考に応募できないこともあるため、エントリー時期を逃さないように早めに調べておきます。
ただし、インターンに応募しても、必ずしも参加できるとは限りません。人気の高い外資系企業はインターンの応募倍率も高いことが多く、参加の難易度も高くなります。丁寧に作成したエントリーシートを複数の企業に送り、インターン参加の可能性を広げておきましょう。
【大学3年8月】インターン参加
企業によっては、エントリーシートと面接の2つの選考を突破した場合のみインターンに参加できます。希望する外資系企業のインターンに参加するためにも、エントリーシート対策だけでなく面接対策もしておきましょう。
企業によっても異なりますが、8月~9月にインターンを実施することが多いです。時期が重ならないときは複数の企業のインターンに参加することもできるので、可能な限り多くのインターンに参加して、企業について知る機会を逃さないようにしましょう。
インターンで高い評価を得ると、採用選考でも有利になることがあります。インターンの参加が決まったら、内定者やOB、OGの協力も得てインターン対策を始めましょう。
【大学3年10月】説明会、早期選考
大学3年の10月頃になると、企業説明会やインターンの成果を反映した早期選考が実施されるようになります。早期選考でも通常の採用選考と同じく、エントリーシートの提出から筆記試験、面接と進んでいくことが一般的です。気になる企業の説明会には可能な限り参加し、採用選考を受ける企業を絞り込んでいきましょう。
なお、企業によっては8月~9月のインターン(夏季インターン)とは別に、1月頃にもインターン(冬季インターン)を実施します。冬季のインターンは10月頃から募集が始まるので、参加を検討している方は応募時期を確認しておきましょう。
【大学3年1月】本選考
大学3年の1月~2月頃には本選考が始まります。早期選考と同じく本選考でも、筆記試験やオンラインテストなどを通過した場合のみ、面接に進むことが可能です。過去のテストの内容などもチェックし、準備しておくようにしましょう。
面接対策としては、自己分析と企業分析を丁寧に行い、自分の考えを企業の事業内容や将来的展望に絡めながら話せるようにしておくことができます。また、時事問題について尋ねられることもあるため、新聞やニュースをチェックして概要を把握し、自分の意見を述べられるようにしておきましょう。
外資系企業では、面接の際に英語で質問されることがあります。少なくとも志望動機や自己PRなどは英語でスムーズに話せるように準備しておきましょう。
【大学3年3月】内定
外資系企業では、大学3年の3月までには内定が出るようにスケジュールが組まれていることが多いです。ただし、一部企業では3月以降に募集を開始することもあるため、応募時期を逃さないためにも、こまめに企業のホームページなどをチェックしておきましょう。
なお、内定の時期は採用試験の時期によって異なります。12月に本試験を受けた方であれば1月頃、1月に本試験を受けた方は2月~3月頃に内定が出ることが一般的です。冬季のインターンに参加する場合は本試験や内定の時期と重なることがあるので、無理のないスケジュールを立てておきましょう。
外資系企業の就活時の注意点
外資系企業への就職を目指す方は、次のポイントに留意して就活を進めていきましょう。
- 大学3年でほぼ内定が決まる
- インターンに参加することが重要
- 冬季にインターンを実施する企業もある
それぞれのポイントについて解説します。
大学3年でほぼ内定が決まる
外資系企業の新卒採用は、大学3年の時点でほぼ内定が決まります。大学4年生は採用選考やインターンに参加できないこともあるので、外資系企業を目指すのであれば乗り遅れないように早めに準備を始めましょう。
また、早めに就活の準備を始めても、応募者多数の場合はインターンに参加できない可能性があります。複数の企業に応募することや、エントリーシートを丁寧に作成することでも、インターンに参加できる確率を高めておきましょう。
インターンに参加することが重要
外資系企業では、インターンへの参加が採用選考に大きな影響を及ぼします。多くの企業でインターンを選考の一過程と位置づけているので、こまめに企業のホームページを確認し、応募時期内に申込みを行えるようにしておきましょう。
なお、インターンに参加さえすれば良いのではありません。インターンの期間を通して、企業側から高く評価されることが大切です。インターンに参加する前に丁寧に企業研究を行い、企業がどのような人材を求めているのか正確に分析しておくようにしましょう。また、提起された課題に丁寧に取り組むことや他の参加者と適切にコミュニケーションを取ることなどでも、企業側からの評価を高めることができます。
冬季にインターンを実施する企業もある
外資系企業の多くは、8月~9月にインターンを実施します。しかし、企業によっては1月頃にインターンを実施することもあるので、企業ホームページなどで確認しておきましょう。
冬季のインターンに参加するときは、他の外資系企業の本選考と重なる可能性があるため注意が必要です。事前に丁寧に自己分析と企業分析を実施しておくなら、本当に行きたい企業や自分に合う企業がどこなのかが明確になるので、万が一スケジュールが重なったときも迷いなく優先順位を決めることができるでしょう。
外資系企業から内定を取るポイント
外資系企業から内定を取るためには、次の4つのポイントに注目し、適切な準備をすることが必要です。
- 丁寧に自己分析をしておく
- 企業研究も丁寧にしておく
- 英語対策は必須
- コミュニケーションスキルを磨く
それぞれのポイントについて詳しく解説します。
丁寧に自己分析をしておく
就活への成功は、自己分析にかかっているといっても過言ではありません。自己分析を丁寧に行うと、得意分野や取り組みたい仕事、できれば避けたい仕事などを理解できるようになります。志望動機や自己PR、長所、短所などもより説得力のある内容になるため、採用担当者の印象に残るエントリーシートに仕上げることが可能です。
自己分析により自分自身をより深く理解すると、面接での受け答えも説得力があるものになります。どのようなビジョンを持っているのか、また企業にどのような貢献ができるのかについてもスムーズに説明できるように、深く自己分析をしておきましょう。
企業研究も丁寧にしておく
企業研究を丁寧に行うことで、企業がどのような人材を求めているのか正確に把握できるようになります。インターンや面接の際に自己アピールをする方向性も定まるので、時間をかけて深く企業研究をするようにしましょう。
また、企業研究を行うと、入社後のミスマッチも回避することができます。満足度の高い就職を実現するためにも、企業研究に時間を割くようにしましょう。次の記事では企業研究のやり方を具体的に解説しています。信頼できる情報源も紹介していますので、ぜひご覧ください。
関連記事企業研究のやり方を詳しく解説!内定につなげるポイントも紹介英語対策は必須
英語力を必須としない外資系企業もありますが、多くの外資系企業では英語対策が不可欠です。海外のクライアントを抱える企業も多いため、ビジネスに対応できるレベルの英語力を有しているかどうかチェックされることがあります。
外資系企業では英語力をTOEICの点数で判断することもあるので、学生のうちに受験してスコアを出しておきましょう。また、次のような国際的な資格や学位を有していることも、就活にプラスに働くことがあります。
- MBA(経営学修士)
- USCPA(米国公認会計士)
コミュニケーションスキルを磨く
外資系企業では、コミュニケーションスキルを重視する傾向にあります。グループディスカッションでコミュニケーションスキルをチェックするケースも多いので、慣れておくようにしましょう。
なお、コミュニケーションスキルとは、単に相手と適切に関わることではなく、自分の意見を明確に相手に伝え、なおかつ相手の意見も適切に採り入れる能力のことです。協調性を持ちつつも確固とした自己を持ち、コミュニケーションスキルを磨いていきましょう。
外資系企業への就活は早めに始めよう
外資系企業の就活スケジュールは、日本企業よりも早めに始まることが一般的です。大学3年の4月には開始することが多いため、大学2年の冬には採用情報を集め始めるようにしましょう。
外資系企業への就職を目指している方は、ぜひハレダスの転職相談チョイスにご相談ください。転職相談チョイスでは経験豊富なキャリアアドバイザーが就職を希望するすべての方に向けてご自身に合う仕事の見つけ方や、エントリーシート対策や面接対策について丁寧にアドバイスを実施しています。相談料は無料です。ぜひお気軽にお問い合わせください。
【経歴】
2005年:新卒で大手求人メディアを運営する会社に入社。大手スポンサー専属の営業を担当する。
2009年:京都のパチンコ企業に転職。営業職を離れ人事担当として新卒採用を担当する。
2015年:株式会社ファーストブランドに入社。採用成功型求人サイト「マイベストジョブ」の営業に携わる。
2019年:営業部長に就任。営業統括、サービス企画、コンテンツ設計などの業務を担当する。
2021年:デジタルマーケティングに本格着手。更なる新規顧客開拓に注力する。