こんにちは、フリーライターの永野です!
私は現在、6社と業務委託契約をしてライティングのお仕事をいただいています。ライターをはじめ多くのフリーランスの方々はお仕事前に企業と業務委託契約を結ぶでしょうが、「そもそも業務委託って何?」と思う方もいるでしょう。
今回は、業務委託とアルバイトの違いや業務委託のメリット・デメリットなど、業務委託に関するさまざまな疑問にお答えしていきます!
業務委託とは
業務委託とは、企業から特定の業務を受け、その業務に対して報酬が支払われるというものです。正社員や派遣社員は「労働力」に対して給与が発生しますが、業務委託は依頼された仕事の成果に対して報酬が発生します。
たとえば私のようなライターであれば、「記事を書く」という特定の業務に対し、「1文字○円」「1記事〇円」という報酬が支払われます。
正社員や派遣社員の方のなかにも、社内のライティング業務を請け負っている方、ライティングを行う部署に所属している方もいるでしょう。こういった方々はたとえ月の執筆本数が1本でも10本でも、給与への影響はありません。
しかし、業務委託は1本しか書けなければ1本分、10本なら10本分と、書いた分だけ報酬が出るのが異なる点だといえます。
業務委託とアルバイトの違いは?
業務委託と正社員・派遣社員の違いについては前項で少し触れましたが、「じゃあ業務委託とアルバイトの違いは?」と思う方もいるでしょう。アルバイトも正社員などと同じように、企業などと雇用契約を結んでいる立場です。
労働時間が正社員より短い、月の労働時間ではなく時間で給与が発生するなどの違いはあるものの、アルバイトも「雇用先のために労働をし、それに対し報酬を約束する」といった雇用関係にあります。
一方の業務委託は前述の通り雇用契約ではなく「特定の業務の成果に対する報酬」が保証されているので、アルバイトと業務委託は全く異なる条件で働いていることがわかりますね。
業務委託のメリット・デメリット
業務委託で働くメリット・デメリットは以下の通りです。
【メリット】
・場所や時間を選ばない、自由な働き方を実現できる可能性が高い
・得意分野を生かした働き方ができる
・報酬や業務内容が合わないと感じた仕事をしない、という選択肢もある
・成果次第ではどんどん報酬をアップさせることが可能
【デメリット】
・自分で仕事を見つける必要がある
・収入の保障がない
・契約や確定申告などを自身で行わなければならない
・労働基準法が適用されない
業務委託最大の魅力は、働き方の自由度が高いことでしょう。得意分野を生かせるので、正社員やアルバイトのようにさまざまな業務をこなす必要もなく、ライターならライティング業に集中するといった、「得意」を生かした働き方も可能です。また、固定給ではないので頑張り次第、契約社数などによって報酬をどんどん上げていけるのも業務委託のよい点だといえます。
しかし、逆に言えば業務委託は仕事の量が少なければその分収入が減ってしまい、突如契約を切られてもその分の保障は発生しません。好きな仕事を見つけることはできますが、仕事を探す、契約を結ぶのもすべて自力で行わなければなりませんし、確定申告などの税務りょしも自身で行う必要があります。
正社員やアルバイトなどと違い、労働基準法も適用されないので、トラブルがあった場合などに困ることもあるかもしれません。
副業で業務委託はアリ?
在宅で好きな時間にできる業務内容なら、正社員として会社で働いている方でも副業として業務委託契約を結び、働くことができるでしょう。空いている時間を使って、好きなことをしてお金を稼ぐことができれば、生活費やお小遣いの足しにできます。
少し前までは原則として正社員は副業ができませんでした。しかし、働き方改革以降、副業を容認する会社も増えており、業務に支障がない、ルールの範囲内であれば副業を行ってもよいというケースも少なくありません。
しかし、会社によっては業務委託を禁止しているところもありますし、公務員は原則的に副業は禁止です。「バレなければよい」と思うかもしれませんが、副業による収入が一定額を超えると確定申告の必要があり、その際に会社にも副業をしていることがわかってしまうこともあります。
会社員の方が副業で業務委託の仕事をする場合には、まず職場で副業OKかどうかを確認し、本業に支障がないような働き方を検討しましょう。
契約書のテンプレートが欲しい!そんなときは…
業務委託をする場合には、仕事を頂く会社と契約書を交わすことが多いです。稀に契約書を交わさないケースもありますが、さまざまなリスクを考えると、あらかじめ契約内容を書面にしておいたほうが賢明でしょう。
ちなみに、私も契約書を交わしていない企業が現在も過去もありますが…幸いなことに大きな問題もなかったので、あまり深刻視していませんでした(^^;)
その他の企業さまについては、契約書を用意して頂いており、それに署名・捺印をしてお返しする、最近は電子契約書で契約を交わすということもありました。しかし、業務委託契約書は業務を依頼する企業が必ずしも準備しなければならないわけではなく、依頼を受ける側が準備することもあります。
この場合「契約書の書き方がわからない!」というフリーランスの方も多くいらっしゃいます(当然のことながら私もよくわかっていません…)。そんな方のために、ネット上には業務委託契約書のテンプレートを提供しているサイトが多く存在します。
テンプレートを基に、自身の委託業務や条件に合った契約書を作れば、負担も軽減できるでしょう。
業務委託で仕事をする際は確定申告も忘れずに!
業務委託で働く場合、確定申告を自身で行う必要があります。しかしこれは報酬が基礎控除の48万円を超えた場合で、48万円に到達しなければ確定申告は不要です。「主婦だけど自由なお小遣いが欲しい」など、少額の報酬を得たいというだけの方は、この額を超えないよう注意して働いた方がよいでしょう。
ちなみに、前述の通り副業として働く方は20万円を超えたら確定申告をしなければなりません。正社員として働きながら、副業もして、確定申告もして、というのが大変な場合は20万円のラインを超えないよう注意しましょう。
私は2018年7月からライターを始め、確定申告は2019年分・2020年分2度行いました。ネットで調べたり、確定申告の本を買ったり、人に聞いたりしてなんとなく必要な情報や経費に使えるものなどがわかりましたが、ゼロからすべて自分で処理するのは難しいと感じ、確定申告用のソフトを利用しています。
1年目はまだまだ報酬も少なかったので、フリーの白色申告用のソフト、2年目は報酬額がアップしたので青色申告に切り替え、年間1万円程度で利用できるソフトで確定申告をしました。入ってきたお金(報酬)と出て行ったお金(経費)を入力し、質問に答えていくと簡単に確定申告用の書類ができあがり、とても便利です。
この他、青色申告会に入って確定申告のアドバイスを受ける、税務署で相談をして書き方を指導してもらうなど、知識があまりない方が確定申告を行うためのさまざまなサポートが各所で行われています。
もちろん、税理士さんに依頼するのもよいですが、多額の費用がかかる場合も多いです。報酬額が非常に多い方にはおすすめですが、そうでない方は無料の相談コーナーや確定申告ソフトの活用をおすすめします。
私が感じる「業務委託」という働き方
私が在宅ライターを始めたのは、「子どもがいて働きに行けないけどお小遣いが欲しい」と思ったからです。最初は必死に働いても雀の涙ほどの報酬しか発生せず、「内職」「お小遣い稼ぎ」という感覚でしかありませんでした。
経験を積んでいくうちに報酬もどんどんアップし、現在は「フリーランス」と名乗れるようになりましたが、業務委託での働き方はとても自由で、特に子どもが小さい今はメリットを感じることのほうが多く、自分に合っている働き方だなと思っています。
頑張った分だけ報酬もアップするので、「去年よりもっと稼ごう」「もっと条件のよい仕事を見つけよう」と前向きに取り組めるのも、業務委託のよさだと感じますが、一方で「この案件はいつまで続くのか」「10年後も安定した収入を得られているのか」といった不安にかられることもあります。
実際、1社から突如契約を切られ、前月から10万円以上報酬がダウンしたこともありますし、契約したものの蓋を開けてみたら報酬に全く見合っていないライティング内容で、心苦しくもお断りさせていただいた、ということも過去にはありました。
業務委託は時間の自由、好きなことを仕事にできる自由を得られる魅力的な働き方です。しかし反面、常に仕事の終わりが来ることや、新たな契約先との相性などへの不安を常に抱えています。
もちろん、正社員や派遣社員、アルバイトなど、それぞれの働き方にはそれぞれのよいところや苦労もあるので、「業務委託が偉い」「業務委託がいちばん大変だ」ということはありません。ただ、業務委託、フリーランスとして3年半働いて感じたのは、スキルや報酬をアップさせるための努力ができる人、ひとつのことに常に打ち込める人が、業務委託に向いているということです。
働き方に悩んでいる方は、自身の性格や得意などを改めて分析し、どういった働き方が向いているのかを今一度考えてみるとよいかもしれませんね。
おわりに
業務委託は特定の業務への成果に対して報酬が支払われるという働き方で、メリットや魅力がたくさんあります。一昔前は正社員で働くことが最もよいという風潮がありましたが、最近はアルバイトを複数掛け持ちする、派遣社員でさまざまな会社の業務を経験するなど、多様な働き方が認められている時代です。
業務委託で得意を生かした働き方が自分に合っているなと思う方は、ぜひ新たな道への一歩を踏み出し、よりよい労働環境を手に入れましょう。