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コラム

Chat GPTでライターの仕事が減る!?AIの進化とライターの今後

こんにちは、フリーライターの永野です!

近頃、世間を騒がせている存在といえば「Chat GPT」ですよね。ライター同士やクライアントとのなかでも話題になりますし、ニュースでもChat GPT関連の内容をよく目にします。

「英語ならテーマと文字数を設定すると、大学の論文を普通に書けるレベル」という恐ろしい話も聞きましたが、もっと恐ろしいのは「日々進化している」ということでしょう。既に「簡単な文章はChat GPTに任せている」という企業もあり、「ライターの仕事、なくなるんじゃない?」と心配の声をいただいたり…。

私自身も、Chat GPTの登場で自分の仕事が減る、なくなる日がくるのではとやや不安にはなっています。

そこで今回は、Chat GPTがどういったものか、そして本当にライター業はChat GPTに奪われてしまうのかを調べましたので、解説したいと思います。また、私が考えるAIに負けないライターになるための要素なども提示しているので、ライターとして危機感を覚えている方の参考になれば幸いです。

Chat GPTとは

Chat GPTは質問型チャットボットの1つで、質問を入力するとAIが文章で回答してくれるツールです。質問型チャットボットはこれまでも存在していますが、Chat GPTが注目されたのは、文章の完成度が非常に高いことによります。

従来のチャットボットは文章の構成がおかしい、内容が支離滅裂、質問に対する正しい回答をしてもらえないといった問題がありました。しかしChat GPTはこうした問題が少なく、人が書いた文章と変わらない精度を持っています。特に英語の場合は人間が書いたかChat GPTが書いたか判別するのが非常に難しく、論文にも利用されているほどです。

実際にChat GPTを使ってみた感想

Chat GPTの存在を知ってから、私も仕事で利用することがあります。最初は興味本位で「どんなものか試してみよう」と、アニメや芸能関係の質問をしていましたが、「文章がおかしい」と感じることはありませんでした。

最近は、記事の構成についてChat GPTに相談しています。自分が作った構成を貼り付けて、「SEOの観点から修正してほしい」とお願いしてみたり、「~というキーワードで上位表示を狙える構成を考えて」と言ってみたり…。

実用的な質問をしてみると、Chat GPTの精度がいかに高いかを実感できます。ただし、そのままコピペして使うことはせず、自分が作った構成にプラスαできる内容はないか、もしくは不要な見出しはないかなど、あくまでも「よりよい記事にするための参考」として活用するのが基本です。

ほかにも、「日本で起こった災害の被災者ランキングを教えて」「~という映画のあらすじを教えて」など、執筆にあたって必要な情報を収集するのにも、Chat GPTは重宝します。

しかし、以前にあるアニメのあらすじを教えてほしいとお願いしたところ、「私が知っている限りそのようなアニメは存在しません」と回答がありました。また、別のアニメについても概要をまとめてほしいと質問をすると、実在するアニメなのかフィクションなのかは定かではありませんが、まったく異なる登場人物とストーリーが文章化されました。

Chat GPTの文章力は英語だけでなく日本語も特に問題が見られず、さまざまな文章作成のシーンで活用される可能性があります。しかし、「情報の正しさ」や「情報量」については、まだまだ不完全な部分もあるというのが、筆者が使っていて思うところです。

Chat GPTがライターの仕事を奪う!?

高い文章能力だけでなく、質問に即時に回答してくれるという有能さも持ち合わせたChat GPT。無料で、しかも素早くライティングを行ってくれるAIが、ライターの仕事を奪うのではないかと、しばしばささやかれています。実際、筆者も直接的に「仕事減りました?」「今後大丈夫ですか?」と心配のお声をいただくことがあり、「将来的にマズいかなぁ」と不安を覚えないわけではありません。

副業の自由や場所を選ばない在宅ワークなどが促進されるなか、私のようなWebライターは年々増加傾向です。クラウドソーシングサイトの登録者数は増えており、フリーランスとして活動する方もいます。以前は雑誌など、紙媒体で執筆するライターの価値が明らかに高いとされていましたが、オンライン、インターネットが中心になりつつある昨今、Webライターの価値も見直され、「文字情報を扱うWebライターは将来的にも必要な職業だ」といわれるようになってきています。

安価に、そして迅速に文章作成を行ってくれるChat GPTが今後より成長すれば、せっかく需要が拡大しているライターの仕事は、本当に奪われてしまうのでしょうか。

さまざまな見解と私自身の意見では、「すべて奪われることはない」というのが結論です。

Chat GPTは確かに、正確かつ迅速な文章作成が可能です。文字や見出しの数の指定をすれば、指示に従った記事も書けます。人間が調べて、考えて、書くよりもはるかに速く文章を書き上げることができますし、「疲れた」「眠い」「家事をしないと」と仕事を中断することもありません。

しかし、Chat GPTにも得意とする分野とそうでないものがあります。たとえば、簡単な内容の記事やニュースなどを自動で生成することは、Chat GPTにとっては朝飯前です。また、長文のコンテンツを要約して記事化するのも、Chat GPTにとっては得意分野だといえます。誤字脱字のチェックも、人の目で見て行うよりも速く、そして正確に進められるでしょう。

一方でChat GPTは現状、専門的な分野の記事執筆があまり得意とはいえません。前述のように特に専門性が高いわけではないアニメについても「知らない」と回答するケースもあり、「学習していない内容」をライティングさせるのは困難だといえます。また、複雑な分析結果などを記事化するのも今のところ容易ではないといえます。さらにChat GPTは、学習はできても自ら経験・体験することはできないため、コラムのように「その人だけの経験・体験」を文字にすることはできません。

Chat GPTの登場により「ライターの仕事が減る」可能性は非常に高いといえます。しかし、後述しますが「すべてのライティング作業が奪われる」ということは、現状ないと思ってよいでしょう。

Chat GPTが役に立つのはライター業だけじゃない

Chat GPTは文章作成に特化している印象ですが、ライティングだけでなく以下のようにさまざまな活用法があります。

・翻訳
・プログラミング
・情報収集
・詩や物語の創作
・アイデアの提案
・問題点の洗い出し
・アドバイス など

文章を書くときはもちろん、ビジネスシーンや日常生活のなかでなど、さまざまな活用が可能です。実際、私もエクセルの数式をネット検索しても全くわからずお手上げ状態だったときに、Chat GPTに状況を説明しながら「こういう数式にしたい」と相談したところ、正しい数式を提示してくれました。

ライター業はもちろん経理などの事務作業、企業のホームページ制作、パンフレットに載せるキャッチコピーの作成、営業活動のための勉強など、多くの職種・業種にChat GPTは役立つでしょう。

結局、Chat GPTでライターはどうなるの?

既にChat GPTはライター業の一端を担っており、今後Webライターの需要が減っていく可能性は大いにあります。1年後と5年後、10年後ではChat GPTの持つ能力も変わっているため、「来年には危ない」「10年後も大丈夫」という判断は一概にはできません。

前述の通り、「ライター」という仕事すべてがChat GPTに奪われることはないでしょう。しかし、「日本語ができれば誰でもライティングができる」という現在の風潮は確実になくなっていくと、私は考えています。つまり、Chat GPTが取って代われない一定の能力を持った、厳選されたライターのみが生き残るというのが濃厚です。

ライターとして今後も頑張っていきたい方は、生き残れるライターを目指してスキルを磨くことが求められます。しかし、世の中にはさまざまな仕事があるので「AIにできない仕事」をほかに見つけ、新しい道を切り開いていくのも1つの選択肢でしょう。

AIに負けないライターになるために

ライターとして長く生き残っていきたいと考える方は、Chat GPTをはじめとしたAIに負けない「強み」を持ったライターになるために、どういった力を磨けばよいのでしょうか。

ライターのなかでも、やはり専門性の高い分野の執筆ができる人は重宝されます。文字単価も高くなりますし、Chat GPTが得ていない情報を文章化できるのは大きな強みです。得意分野があまりない、専門性の高い分野のライティングはできないという場合も、自身の経験や体験を生かした「コラム」などを執筆して一定の人気を得ていれば、「知名度」で勝ち残っていける可能性があります。

ライターとしてだけでなくディレクターとしての力を磨くのも、長くライター業に携わっていく方法の1つです。いくらChat GPTが賢くても、「どういった記事を書くのか」「何をまとめるのか」といった指示がなければ、ニーズに沿った記事を執筆することはできません。今後Chat GPTが文字起こしをできるようになっても、起こした文字をどう記事化するかというところまで考えるのも難しいでしょう。

執筆内容や要約ポイント、修正点など、ライティングにおけるさまざまな指示を出せる能力が養われていれば、Chat GPTに指示を出す立場として、長く生き残っていけるのではないでしょうか。

おわりに

Chat GPTとライターの今後について調べるためにさまざまな記事を読みましたが、そのなかで「AIが東大を目指す」と内容を見つけました。AIなら東大の試験問題も余裕だろうと思って読んだのですが、「現代文の読解問題がある限り、AIが東大に合格するのは難しい」とのこと。

Chat GPTは文章力をはじめ、優れた能力で私たちの生活や仕事をサポートしてくれますが、「体験する」「行間を読む」「心情を理解する」といったことは今のところできません。専門性を高めることはもちろん、こうした「人間(や動物)にしかできない」部分を高めていくことも、ライターとして生き残るために必要なのではないかと、私は考えます。

Chat GPTの進歩は著しく、今後も瞬く間にアップデートしていくでしょう。将来もライターとして頑張れる自分であるために、令和5年度はChat GPTの活用方法やライターとしての自分の立ち位置を見つめ直していきたいと、改めて感じています。

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Written by

永野 栄里子

永野 栄里子

大学・大学院にて日本語学を専攻。日本語学校での非常勤講師を経て、2018年よりライター業を開始。さまざまなメディアで記事を手がけながら「田舎の在宅ママライター」として新たな働き方を確立すべく、日々育児に仕事に奮闘中。

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