働くならば福利厚生が充実していて、毎月の給与が高いところが理想的ですよね。また、ボーナスも気になるところだと思います。
今回は、新卒でもボーナスは貰えるのか?というところから、夏と冬のボーナスの平均額についてお伝えしていきますので、ぜひ参考にしてみてください。
新卒でもボーナスは貰えるのか
結論からいうと、新卒でもボーナスは貰えます。ただ、法律による定めがないので、在籍期間などの一定の条件を満たした場合に支給という企業が多いです。
一般的にボーナスは、夏と冬と年に2回の支給されますが、新卒の場合は夏に貰えたとしても寸志程度と思っておいた方が良いです。
なぜならば、企業には試用期間があるからです。試用期間中に企業側は、仕事を覚えてもらうための研修などを通して「採用した人材が自社にとって、利益をもたらすのか?」を見極めます。
またこれは余談ですが、試用期間中に見極めるという意味では、企業側だけでなく新卒社員側にもいえることです。
試用期間の間に、「この会社で長く働いていけるのか?」というのをしっかりと見極めましょう。
それでは話を戻します。夏は支給なし、もしくは支給されても寸志程度です。
ただ、冬はしっかりと支給する企業が多いので期待しても良いでしょう。まずは夏のボーナスの支給率から見ていきます。
夏のボーナスの支給率
先述したように、夏のボーナスは企業によって支給されないところもあります。
2021年に実施した産労総合研究所の調査によると、支給なしの企業と、支給ありの企業の割合は以下のとおりです。
【新入社員に対する夏季賞与・一時金の支給状況】
・何らかの夏季賞与を支給する:83.3%
・夏季賞与は支給しない:9.1%
【支給方法】
・一定額(寸志等)で支給:63.1%
・在籍期間の日割計算で支給:19.7%
・日割以外の一定割合で支給:11.3%
・日割+一定割合または一定額:2.2%
【製造業】
・何らかの夏季賞与を支給する:86.5%
・夏季賞与は支給しない:6.8%
【支給方法】
・一定額(寸志等)で支給:67.8%
・在籍期間の日割計算で支給:21.7%
・日割以外の一定割合で支給:6.1%
・日割+一定割合または一定額:1.7%
【非製造業】
・何らかの夏季賞与を支給する:81.1%
・夏季賞与は支給しない:10.7%
【支給方法】
・一定額(寸志等)で支給:59.7%
・在籍期間の日割計算で支給:18.2%
・日割以外の一定割合で支給:15.1%
・日割+一定割合または一定額:2.5%
出典:産労総合研究所 新入社員に対する夏季賞与・一時金の支給状況
多くの企業が夏のボーナスを支給しているようです。
ボーナスは仕事へのモチベーションにも繋がりますし、新入社員への期待も込めて支給しているのでしょう。
一定額(寸志等)で支給している企業が1番多く、日割や一定額で支給している企業もあるようです。
製造業でも夏のボーナスを支給する企業が多いようです。
また、やはりこちらも一定額(寸志等)で支給するところがほとんど。
非製造業の場合は、夏のボーナスを支給しない企業が若干多いようです。ただ、一定額(寸志等)の割合が低くなり、日割が増加する傾向にあります。
全体で見ると、新卒でも夏のボーナスを支給する企業は多くあり、中でも製造業はその割合が高いです。
非製造業では支給率は若干下がるものの、支給の方法に変化があるということがわかりました。
新卒の夏と冬のボーナスの平均額
それでは次に、新卒の夏のボーナスと冬のボーナスの平均額について解説していきます。
夏のボーナスの平均額
夏のボーナスの平均額を「大学卒」と「高校卒」に分けて見ていきましょう。まずは大学卒からです。
【大学卒】
平均:91,117円
・一定額(寸志等)で支給:78,143円
・在籍期間の日割計算で支給:103,763円
・日割以外の一定割合で支給:128,991円
・日割+一定割合または一定額:192,000円
・その他:80,000円
【高校卒】
平均:73,276円
・一定額(寸志等)で支給:63,145円
・在籍期間の日割計算で支給:90,400円
・日割以外の一定割合で支給:112,142円
・日割+一定割合または一定額:85,000円
出典:産労総合研究所 夏季賞与・一時金の支給額(何らかの夏季賞与を支給する企業)
大学卒の場合、夏のボーナスの平均額は9万円弱となっています。
最大で19万円程度と、平均的な初任給と同じくらいの金額を支給している企業もあるようです。
1番低い額だと、約8万円程ではありますが、今の時代を考えると貰えるだけラッキーと考えるのが良いでしょうか。
高校卒の平均額は7万円弱で、最大は11万程度のようです。
そして、1番低い額になると6万円代にまで下がります。
大学卒との差は大きくあり、今でも学歴社会といわれることが垣間見えます。
冬のボーナスの平均額
次は冬のボーナスの平均額について解説していきます。
新卒の冬のボーナスについては、
給与の2ヵ月分を支給する企業が多いです。
そのため、まずは初任給のデータを見ていきましょう。こちらも「大学卒」と「高校卒」で分けていきます。
【大学卒】
・一律の場合:209,884円
・格差ありの場合:198,703~218,843円
製造業
・一律の場合:209,327円
・格差ありの場合:198,154~216,389円
非製造業
・一律の場合:210,364円
・格差ありの場合:198,946~219,847円
【高校卒】
・一律の場合:172,025円
・格差ありの場合:171,466~183,142円
製造業
・一律の場合:170,529円
・格差ありの場合:165,933~178,987円
非製造業
・一律の場合:173,705円
・格差ありの場合:173,955~184,638円
出典:産労総合研究所 202年度 決定初任給調査の調査結果概要
大学卒の場合は平均して20万円程度、高校卒の場合は18万円程度となっているようです。
一律にしている企業もあれば、職種などで格差を設けている企業も。
大学卒の最高額は218,843円で最低額は198,703円、高校卒の最高額は183,142円で最低額は171,466円となっています。
やはり大学卒と高校卒ではそれなりの差がありますね。
平均額を単純に×2(2ヵ月分)としたならば、以下の金額になります。
・大学卒の冬のボーナス:約40万円
・高校卒の冬のボーナス:約36万円
大学卒、高校卒関係なく、新卒のボーナスでこれだけの金額を貰えるのであれば仕事へのモチベーションも上がるのではないでしょうか。
ただ、これは冬のボーナスだけでなく夏のボーナスにもいえることですが、あくまでも平均値ということ。
都心や地方でも変わってきますし、業界や職種でも変わってきます。
このデータよりも金額が多くて喜ぶことは良いとしても、少ないからといって落ち込む必要はありません。
これらは一定の指標にはなりますが、あなたの価値を決めるものではありませんので安心してください。
まとめ
新卒のボーナスは夏の場合、支給なしかもしくは寸志程度の企業が多いです。また、支給する企業の割合の方が高いというデータがありました。
一方で、冬のボーナスは給与の2ヵ月分を支給する企業も。ただ、コロナ禍において業績が伸びている業界とそうでない業界があります。
業績が伸びている業界であれば、今回お伝えしてきたような形でボーナスの支給があるかもしれません。そうでない業界は、ボーナスの支給額や回数が減っている可能性もあります。
もちろん、ボーナスの面だけで一概にはいえませんが、就職活動をしていく中で、今後も伸びる業界やそうでない業界を見据えて就職先を決めるようにすると良いでしょう。
また、毎月の給与は低いけれどボーナスは高い、もしくはその逆のパターンもありますので、企業研究や情報収集をしっかり行うようにしてください。