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スタートアップ企業とは?ベンチャー企業との違いや向いている人の特徴を解説

革新的なビジネスに携われるスタートアップ企業は、転職先として今注目を集めています。

ベンチャーと混同される方も多いですが、両者は同じものではないので、違いをきちんと理解しましょう。

今回はスタートアップの定義、働くメリットやデメリット、向いている人の特徴、代表的な企業を紹介します。

この記事の監修者
山本 恵美(やまもと めぐみ)

【経歴】
大学卒業後、生活情報誌やファッション雑誌の記者・編集を経て、株式会社マイナビに入社。人材サービス(就職・転職・障がい者採用)の分野において、5000社以上の企業広告を15年にわたって担当。
2020年に起業し「合同会社綴」を設立。現在は、採用コンサルティング業務に加え、すべての子どもたちの進学の支援を行う「一般社団法人ゆめさぽ」の理事としても従事。

スタートアップ企業とは


スタートアップ企業とは、斬新なアイデアを武器に新たな製品やサービスを世に出すことで、著しい成長を遂げる企業のことです。

誕生して間もない会社を意味していると思われている方は少なくありませんが、定義に設立年数や企業規模は含まれていませんので、これは誤った理解です。

スタートアップ企業と呼ばれるには、誰も考えつかないビジネスを手掛け、急成長を遂げている必要があります。

ベンチャー企業との違い

ベンチャー企業とスタートアップ企業はどうちがうのでしょうか?

たしかにベンチャー企業とスタートアップ企業は混同しやすいですが、両者は似て非なるものです。
端的に違いを述べると、ビジネスモデルが異なります

スタートアップ企業は革新的なアイデアを武器にゼロからビジネスを構築しますが、ベンチャーは既存のビジネスモデルや商品を軸に、それらに改良を加えて新しいサービスを産み出します。

スタートアップ企業は「破壊的イノベーション」とも呼ばれ、前例のない事業に取り組む革新性が特徴です。

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スタートアップ企業で働くメリット


スタートアップ企業では、入社間もないときから幅広い経験を積むことが可能です。そのため、成長にうってつけの環境だといえるでしょう。若い年齢から裁量をもって、経営者に近い立場で働けるのは大企業ではありえないことです。

「自身の市場価値を高めたい」「将来的に自分の会社を持ちたい」と考えている人には、特におすすめします。

企業の成長過程が見られる

スタートアップ企業は土台が不安定で、企業として未成熟な段階であるともいえます。しかし、裏を返せば、働くなかで一企業が成長していく過程を目の当たりにできる環境が得られるとも考えられます。

目の前に立ちはだかるさまざまな困難やリスクを乗り越えるのは、大変なことです。一方でその苦しみに打ち勝ち、事業を軌道に乗せたときは大きな感動ややりがいを味わえるでしょう。

新しいことに果敢に取り組むスタートアップなら、企業だけでなく個人の成長も期待できるため、向上心が高い人には適した環境です。

経営者視点で仕事に取り組める

資金や人材のリソースが不足しやすいスタートアップ企業では、従業員一人ひとりの仕事の幅や責任が大きい傾向にあります。

良くも悪くも、日々の仕事の質が会社や事業に影響を与える可能性が高いです。激しいプレッシャーに苛まれる反面、どの立場でも経営者視点が身に付きやすいのはメリットでもあります。

企業を取り巻く環境の変化が激しくなるなか、判断や行動のスピードを上げていかねば競合との差は開いていく一方です。現場に経営者視点を携えた人材がいれば、迅速に正確な判断が可能なので、会社から重宝されるでしょう。

個人の裁量が大きく幅広い仕事に携われる

スタートアップ企業は規模が小さいため、従業員一人当たりの裁量が大きくなりがちです。必然的に携わる仕事の幅も広がり、専門内外問わず多くのことにチャレンジする機会を得られます。

会社にもよりますが、20代でチームリーダーに抜擢されたり、役員や管理職に就任したりするケースも少なくありません。自分の意見を事業に反映させたいとの希望を持つ人なら、魅力的な環境があるといえるでしょう。


向上心が養われる

幅広い業務を担当し、経営にも携われる可能性が高いスタートアップ企業では、自然と向上心が養われます。ハードな働き方が求められるため、ベースに向上心を備えていないと勤まらないかもしれません。

同僚も成長意欲やモチベーションに溢れている人が多く、「自分も頑張ろう」と良い刺激を受けることも多いでしょう。逆にいうと、生活費を得る手段として割り切って仕事をする姿勢だと、スタートアップ企業に合わない可能性があります。

社長や上司との距離が近く意見を言いやすい

少数精鋭のスタートアップ企業では、社長や経営層と従業員の距離が近く、上司に進言しやすい環境があります。

大企業では経営陣と一般的な社員が日常的に接する場面は少なく、経営に関して従業員が意見を述べる機会はそうそう持てません。

正面から意見を伝えるのはいざこざや摩擦を産む原因にもなりますが、その厳しい経験はあなたを成長させる契機にもなるでしょう。

また、自分よりスキルや経験が豊富な先輩や上司の仕事ぶりを間近で見られるのも貴重な体験です。

起業に向けたトレーニングができる

将来的に起業や独立を考えている人にも、スタートアップ企業はおすすめです。小規模な組織なので、会社がどのように動いているか、事業を軌道に乗せるにはどのような人材が必要かなどを学べます。

内部に身を置いた経験があれば、実際に自分が起業するときに何が必要か瞬時に判断を下せるようになるでしょう。本で成功した起業家のエピソードを追体験するのもよいですが、実体験で学ぶことも大事です。

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スタートアップ企業で働くデメリット


スタートアップ企業は経営状態が不安定なため、従業員の待遇を考慮する余裕がないところも多いです。基本的に教育体制や基盤が整っていないので、効率的にスキルを身に付ける環境がないこともデメリットといえるでしょう。

従業員が少なく一人当たりの業務負担が多くなりがちで、ハードワークになりやすいことにも注意が必要です。

経営状態が不安定な場合がある

前例がないビジネスモデルに取り組むスタートアップ企業は、経営が不安定になりがちです。事業が軌道に乗る保証はなく、やむなく倒産するケースも少なくないでしょう。

事業開始直後なら方針転換も可能ですが、その判断が正しいかはやってみないとわかりません。スタートアップ企業は基本的にリソースが少ないため、後から参入した競合にシェアを奪われるリスクもあります。

給与面や待遇面は良くない場合もある

資金や人材の確保が難しいスタートアップ企業は、高給や充実した福利厚生を求めるのは厳しい環境です。

特に大企業から転職する場合、前職より給与水準が落ちる可能性は高いといえます。企業に安定した売上が入るようにならなければ、人件費や福利厚生に回す資金が確保できないからです。

福利厚生面では大手企業のような退職金制度やカフェテリアプランはない場合が多いため、待遇で期待しすぎないようにしてください。

キャリアアップには不向き

なかには「スタートアップ企業でキャリアを積んで、より良い条件の企業に転職しよう」と考えている人もいるでしょう。しかし実際のところ、スタートアップ企業は足かけには向いていないとされます。

スタートアップは企業として未成熟であり、教育体制や基盤は整っていない場合が多いからです。一般の会社なら働き続けてスキルを身に付けることで転職を実現するのは難しくありません。

しかしスタートアップ企業は個人のスキルアップに主眼を置いていないため、ぐんぐんと成長を遂げるのは難しいという事情があります。

ハードワークになりやすい

スタートアップ企業は基本的に人員不足のため、従業員一人当たりに大きな負担がのしかかる傾向はあります。

業務の幅が広く、多くのタスクをこなす必要があるので、残業もかさみがちです。一人でも休んでしまうと、会社全体の動きがストップしてしまう恐れもあります。

有給も思うように行使できないと、心身に支障を来たす可能性も少なくありません。スタートアップ企業で働くなら、能力や実績もさることながら、高いバイタリティが必要です。

スタートアップ企業に向いている人の特徴

スタートアップ企業に向いている人の特徴

自己成長を重視している人は、スタートアップ企業と相性が良いでしょう。

旺盛な好奇心やモチベーション、成長意欲などはスタートアップで働きたい方には、不可欠な素質だからです。また、将来的に起業や独立を考えている人にも適しています。

新しいビジネスを手掛けたい人

スタートアップは革新的なアイデアをもとに、未だかってない製品やサービスを展開するビジネスモデルです。リスクを承知でも新しいことへ積極的に挑戦したい人は、喜びを感じて働ける可能性が高いでしょう。

はじめは数人規模の小さい会社でも、うまく事業を軌道に乗せられれば、将来的にIPOを目指す規模まで成長させることも可能です。

裁量大きく幅広い業務に取り組みたい人

人員不足に陥りがちなスタートアップ企業では、一人当たりの業務の幅が広くなります。例えば、営業職でもマーケティングや経理などに携わる可能性があります。

前職が業務に関して上司に提案できる会社でなかった方は、そのフラストレーションを解消しやすい環境だといえるでしょう。

さまざまな業務を経験しているうちに、専門外の知識やスキルも自然と身に付いていきます。

自分で考えて仕事を作り出せる人

未知の領域に挑むスタートアップ企業の場合、必ず成功が保証されるという正解がありません。会社を成長させるには何をすべきか、ゼロから産み出すつもりで仕事に励む必要があります。

もちろんビジネスパーソンとして、手順やルール・マニュアルに従って業務を進める力は大切です。

しかし新しいことに取り組むスタートアップ企業では、指示待ちだったりマニュアル人間だったりすると、上司や同僚に負けてしまいます。

成長意欲・モチベーションが高い人

企業成長が著しいスタートアップ企業は、個人の成長機会にも恵まれている場合が多いです。成長意欲やモチベーションが高い人は、その性質をいかんなく発揮できるでしょう。

逆境に立たされても成長しようと意志を保てるのは、一種の才能です。業績が安定しないときでも、意欲的に仕事に取り組める人材は多くありません。

浮き沈みが激しいスタートアップ企業では、辛いときにもパフォーマンスが落ちない人材は重宝されます。

好奇心旺盛な人

好奇心が旺盛な人は幅広い業務に対しても意欲的に取り組めるので、スタートアップ企業に向いています。

事業拡大のために新しい業界や分野に参入する場合もあるスタートアップ企業において、旺盛な好奇心は未知の知識を吸収する場面で役立つでしょう。

学校の勉強でも、興味がある科目は知識が定着しやすいのに、興味がないとなかなか覚えられないことがあります。幅広いことに好奇心を向けられると、短時間で知識を習得しやすいのです。

起業や独立をしたいと考えている人

従業員が少ないスタートアップ企業では、必然的に経営者や役員との距離が近くなります。社長の考え方や知見を間近で学べるため、将来的に起業や独立を目指している方にとって貴重な経験が得られます。

資金繰りやビジネスに役立つノウハウを教えてもらえるほか、経営者同士の集まりに同伴させてもらえば、人脈も手に入るかもしれません。ただし自分の目的にばかり捉われ、相手を利用しようとするのは慎みましょう。

自らをアップデートし続けられる人

スタートアップ企業にかかわらず、会社を取り巻く環境の変化は年々激しくなっています。以前は成功していた方法でも、今は通用せず形骸化してしまうパターンも少なくありません。

現在のビジネスは過去の成功に捉われず、変わり続けることが重要になっています。各従業員の仕事ぶりが事業や会社全体に影響を与えるスタートアップ企業の場合、より自らをアップデートする力が求められます。

事業や会社の変化に応じて、ふさわしい自分に刷新できる能力は非常に重要です

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日本のスタートアップ企業例5選


ここでは目覚ましい発展を遂げ、スタートアップ企業の模範とも呼べるような存在の会社を紹介します。 事業内容やミッション、求める人物像を紹介するので、ぜひ企業研究にお役立てください。

Spiber株式会社

クモの糸に含まれるたんぱく質を活用した、新素材の大量生産を可能とする独自技術を産み出したスタートアップ企業です。

「会社は社会のためにある」をミッションに掲げ、地球規模で問題になっている社会課題に対して、解決の一助になる事業を目指しています。

Spiberは何よりも会社のビジョンに共感し、その実現に向けて邁進できる人材を求めています。選考対策としては、一定のスキルは必要ですが、マインドセットの方がより重要です。

株式会社メルカリ

日本最大級のフリマアプリを手掛けるメルカリは、輝かしい成功を収めたスタートアップ企業だといえます。

2013年の創業以来、10年にも満たない期間で大躍進を遂げました。しかも現状の地位にあぐらをかかず、世界へ通用する企業となるためにさらなるチャレンジに取り組んでいます。

メルカリは「新たな価値を産み出すグローバルなマーケットプレイスを作る」という、創業以来揺るがないミッションを達成させるために、人への投資を大切にする会社です。

採用ではバリューへの理解や共感を重視しているので、志望動機や自己PRを考える際には留意しましょう。

BASE株式会社

誰でも使えるネットショップ作成サービスや、Eコマースプラットフォームを主軸に事業を展開している会社です。

「Stay Geek」という哲学を掲げており、働く仲間にもGeekであることを求めています。BASEが考えるGeekの定義は、妥協しない人、探求心がある人、遊び心がある人などいくつかの要素を備えた人物の総称です。

BASEは、こだわりがあってさまざまなことにチャレンジできる人を好んで採用しています。我こそはGeekの定義に合致するという方は、応募を検討してはいかがでしょうか。

株式会社SmartHR

入社手続き・雇用契約・年末調整など、労務周りを一手に担うクラウドソフト「SmartHR」を提供している会社です。

「SmartHR」は労務管理クラウドソフトで4年連続シェアNo.1を獲得し、この領域では確固たる地位を得ています。

昨今、働き方改革の推進が重視されるなか、人事・労務関連のルーティン業務が大きな足かせとなっています。

人事・労務関連のペーパーレス化・効率化に寄与する「SmartHR」は、今後も継続的な需要を期待できるので、将来性が高い企業だといえるでしょう。

株式会社PR TIMES

企業や省庁、自治体などが作成した広報資料やプレスリリースを広く配信するメディアを運営している会社です。

「行動者発の情報が、人の心を揺さぶる時代へ」をミッションに掲げ、色々なことへ日々挑戦しています。

従業員に対して、事業を前進させるために自分で考え行動することを求めています。選考では主体性や行動力をアピールできると有利に働くでしょう。

起業するならスタートアップ企業への就職がおすすめ

将来的に起業や独立を目指しているのであれば、スキルアップのためにいったん、スタートアップ企業への就職をおすすめします。

経営者との距離が近く、経営のことや資金繰りなどを学びやすいだけでなく、人脈の形成にも有利に働くでしょう。

ひと口にスタートアップ企業といっても、その数は1,800社以上にもおよびます。莫大な数の中から自分に合った会社を見つけるのは難易度が高いことです。

転職のプロであるキャリアアドバイザーのサポートを受ければ、自身のキャリアや経験とマッチする企業を見つけやすくなります。

ハレダスの「転職相談チョイス」では求職者の方が抱えるどのような悩みにも真摯に対応いたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。

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Written by

ハレダス編集部

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