メガベンチャーは大企業へと成長しながらも、ベンチャーマインドを持つ企業のことです。裁量権があり成長の機会が多く与えられるといったメリットがあります。
今回はメガベンチャーの特徴や代表的な企業、就職する方法などを紹介します。
メガベンチャーとは成長したベンチャー企業
メガベンチャーは、大企業のレベルまでに成長したベンチャー企業のことです。大手企業の安定性と、ベンチャーの柔軟性を併せ持ちます。
新人でも責任ある仕事を任せられることが多く、成長の機会が多い点が特徴です。また、組織構造がフラットで風通しの良い社風なども、人気が高い要素といえるでしょう。
ここでは、メガベンチャーの特徴や大企業との違いについて詳しく紹介します。
大企業との違い
メガベンチャーは大手企業に成長したベンチャーですが、古くからある大手企業とは異なります。
大手企業は長い歴史で培われた独特の社風があり、年功序列の文化も根強く残っている会社が少なくありません。決裁を得る場合にも何段階もの承認を得るというルールがあり、厳正に行われます。
メガベンチャーの場合、上下関係がフラットなため、意思決定も効率的でスピーディーに進むのが特徴です。
また、メガベンチャーは働き方の自由度が高いのも大手企業と異なります。既存のルールにとらわれず、テレワークやシフト勤務などの選択肢が豊富です。福利厚生でも、これまでにないユニークな制度を設けているところも多く見られます。
ランキング上位のメガベンチャー
メガベンチャーは小さい企業から急成長を遂げ、市場が伸び続けている企業です。経営者にカリスマ性があり、優秀な人材が集まっているという特徴もあります。掲げるビジョンが社員に浸透していて組織力が高いのも、メガベンチャーによく見られる特性です。
メガベンチャーに特別な定義はありませんが、中小企業が従業員300人以下の会社であることから、一般的に300人以上のベンチャー企業がメガベンチャーといわれることが多いようです。
ここでは、数多くのメガベンチャーのなかでも平均年収などでランキング上位を占める代表的なメガベンチャーを紹介します。
楽天
楽天は1997年に創業し、3年後の2000年に上場を果たしているメガベンチャーです。インターネットサービスの提供から始まり、現在ではネット通販や金融、旅行業など、幅広い事業を展開しています。
2020年12月期の売上高は1兆4555億3,800万円を記録している、文字通りの大企業です。社内公用語が英語というのも、他にはない特徴です。
「エンパワーメント」を基本理念とし、多様性に富んだ社員が集まる職場環境で、若いうちから責任ある仕事を任されることも少なくありません。
楽天は福利厚生も充実しています。カフェテリアのあるオフィスでは、朝・昼・夜の3食分の食事がすべて無料で提供され、メインメニューはすべて日替わりです。
また、ヘアサロンやネイルサロン、フィットネスジムなど、プロによるサービスを優待価格で受けられる施設を完備しています。
サイバーエージェント
サイバーエージェントはインターネット広告事業やメディア事業、ゲーム事業を展開し、Amebaブログなどを運営するメガベンチャーです。1998年の創業からわずか2年で上場しています。
2021年の平均年収は771万円と高く、業績も好調です。特にゲーム事業における営業利益や売上高は2021年第二期で過去最高の数値をあげるなど、今後も大きな成長が期待できる企業といえるでしょう。
また、同社では、安心して長く働き続けるための人事制度や福利厚生の充実に力を入れています。
女性が出産・育児を経ても働き続けられる独自制度や、専属のマッサージ師による施術が無料で月4回まで受けられるマッサージルームをすべてのオフィスに完備するなど、働きやすい環境を整えています。
Zホールディングス
Zホールディングスは、ソフトバンクグループ傘下の会社です。2019年に持ち株会社体制に移行し、ヤフー株式会社から社名を変更しています。メディア事業としてYahoo!ジャパンを運営し、コマース事業としてヤフオクやヤフーショッピングの運営を行っています。
2021年度の平均年収は1,080万円と、メガベンチャーのなかではトップクラスです。また、月に1回Webフォームによるアンケート方式でエンゲージメントサーベイを実施し、組織マネジメントに活用するなど働きやすい職場づくりへの取り組みを積極的に行っています。
同社は、社内コミュニケーションも積極的に推進しているのが特徴です。さまざまな手法を用いて「経営陣と従業員」や「従業員同士」のコミュニケーションを促進しており、従業員同士のコミュニケーションにはオンライン懇親会のサポートなどユニークな取り組みも行っています。
リクルート
1963年創立のリクルートは2014年に上場を果たしており、メガベンチャーの代表ともいえる企業です。人材派遣や求人広告、生活に関するサービスなど、幅広いサービスを展開しています。
新規事業の社内公募制度を設けるなど事業の創出に積極的です。歴史のある大企業ですが、今でもベンチャー気質の高いメガベンチャーといえるでしょう。
2021年度の平均年収は950万円とランキングの上位に位置しており、福利厚生が手厚いのも特徴です。新しい働き方に向けた取り組みとして、理由・回数を問わないリモートワークを全社に導入しています。さらに、取得する日を自分で決められる年間休日を増やし、年間平均週休約3日を実現しているのも特徴です。
また、勤続3年で28日間の長期休暇を付与し、一律30万円を支給するといったユニークな福利厚生制度も設けています。
メガベンチャーに入社するメリット4つ
メガベンチャーは成長の機会が多い、裁量権が与えられるなど、一般的な大手企業とは異なるいくつものメリットがあります。
ほかにはないユニークな福利厚生の制度を設けている会社も多く、テレワークをはじめ、働き方の選択肢が多いのも特徴です。ここでは、メガベンチャーに入社するメリットについて、4つ紹介します。
1.成長機会が多い
メガベンチャーは新規事業に対し積極的に取り組む傾向があり、M&Aによる事業の拡大も盛んです。さまざまな仕事に関わる機会が多く、会社の成長とともに自身も成長する機会が多いというメリットがあります。
古くからある大手企業では、与えられた仕事をしっかりこなすことが求められますが、メガベンチャーではやりたいことに挑戦し、成果が出れば評価されるという仕組みを持つ会社が主流です。自分の努力次第で、大きく成長できる可能性があります。
また、多くの大手企業では年功序列の体制が残り、役職につくためには一定の勤続年数が必要です。しかし、メガベンチャーでは若くても役職を与えられる場合があり、責任のある仕事を任される場合も少なくありません。
2.多くの裁量権が与えられる
メガベンチャーは若いうちから仕事に裁量権が与えられ、自主的に業務を行うことが推奨される風潮があります。活躍できる環境が整っており、能力を発揮すれば評価され、早い段階で昇格することも可能です。
メガベンチャーはベンチャーとしてのチャレンジ精神を持ちながら、大企業となったことで資金が豊富になり、より新しい事業に挑戦しやすくなっています。新規事業の立ち上げに関わる機会も多くなり、幅広い業務の経験ができるのもメリットです。
キャリアアップの機会が多く用意されており、能力と向上心があれば大きく飛躍できます。給与アップなど、成果に見合った対価も得られるのも魅力です。
3.福利厚生が充実している
メガベンチャーは、福利厚生が充実していることもメリットです。大企業として資金的にも余裕ができ、働きやすい環境づくりに資金を投入する会社が多く見られます。
社内設備を充実させる、長期休暇制度を設ける、女性が働きやすい職場づくりをするなど、各社がオリジナリティのある福利厚生を創設しています。
大手企業と異なるのは、それぞれメガベンチャーごとに創意工夫を凝らした独自の福利厚生を創設している点です。新しいことに挑戦するというベンチャーの特徴が、福利厚生にも発揮されているといえるでしょう。
4.働き方の選択肢が多い
メガベンチャーの特徴は、多様な働き方を取り入れているという点です。リモートワークやフレックスタイム制の導入、さまざまな休暇制度など、ワークライフバランスを重視した体制を整えているところも多くあります。
働きやすい環境を整えることも業務の成果をあげる条件のひとつと考え、各社ごとに独自の取り組みが積極的に行われているのです。
メガベンチャーの問題点
メリットの多いメガベンチャーですが、問題点もあります。これからも成長を目指すメガベンチャーは事業の拡大に伴い業務量が多くなり、残業なども多くなりがちです。また、歴史が浅くルールが確立していないため、変化しやすい傾向もあるでしょう。
どのような問題があるのか、しっかり把握してから就活することも大切です。メガベンチャーの問題点を3つ紹介しましょう。
仕事量が多い可能性がある
メガベンチャーの多くは成長段階にあり、さらなる成長を目指して事業を拡大させていく傾向があります。それに伴い、業務量が増える可能性があるでしょう。
新規事業への参入で業務の幅も広がり、覚えることもたくさんあります。新しいことに挑戦できるのはメリットですが、それだけ仕事量も増えるということは認識しておかなければなりません。
ルールが変わりやすい
古くからある大手企業はルールが確立していますが、創業からそれほど年月を経ていないメガベンチャーの場合は今後変わっていく場合もあります。
現状の体制や福利厚生の制度に共感して入社しても、変化する可能性があることを把握しておくことが大切です。メガベンチャーはM&Aにも積極的であり、組織体制が根本的に変わる場合もあるでしょう。
どのような変化があっても、柔軟に対応できるようにしておかなければなりません。
ベンチャーマインドが薄れている場合もある
メガベンチャーは大手企業のような安定基盤とベンチャーのような柔軟性が魅力ですが、なかには大きくなりすぎてベンチャーマインドが薄れている会社も存在します。規模が大きくなればそれだけ意思決定にも時間がかかり、柔軟性がなくなっている可能性があるでしょう。
ベンチャーマインドを期待して入社したのに、既存の大手企業と違いがなかったという場合もありえます。ベンチャー気質にこだわりたい場合は、小規模なベンチャー企業を目指すという選択肢もあるでしょう。
メガベンチャーになる前のベンチャー企業は、会社を立ち上げたばかりの「アーリーベンチャー」や、ある程度成長した「ミドルベンチャー」に分類されます。これらのベンチャー企業を目指すという選択も視野に入れてみるとよいでしょう。
メガベンチャーが向いている人
メガベンチャーは誰でも向いているとは限りません。入社後に活躍できるかどうかは、メガベンチャーが向いていることも重要な要素です。
裁量権の広いメガベンチャーは行動力のある人がより大きな成果をあげられる傾向があり、成果主義のもとでは高い評価を受けることができるでしょう。ここでは、メガベンチャーが向いている人について紹介します。
行動力がある人
メガベンチャーは年齢や学歴を問わず、アイデアや能力、やる気があればチャレンジできる環境が整っています。そこで成果を出せば、高いポジションを得ることも可能です。
これまでの大手企業は、与えられた仕事を正確にこなすことが求められてきました。それに対し、メガベンチャーは自分で考えて動くなど、行動力がある人が求められています。積極的に動く人が成功をつかみやすい職場といえるでしょう。
また、メガベンチャーでは新規に事業を立ち上げる場合も多く、先例のない仕事を手探りの状態で進めることもあります。上司からの指示やマニュアルがなければ仕事ができないという方は、このようなメガベンチャーの仕事には向いていないでしょう。
成長意欲がある人
メガベンチャーは今後も成長を続けていく会社です。そこで働くには、自分も成長しようという意欲がなければなりません。広い裁量権があるため、早いスピードで成長することが可能です。そのようなメリットを活かし、成長しようという意思があることが求められます。
メガベンチャーでスキルアップを図って高い役職につく、あるいは将来独立起業するなど高い目標を持っている方に向いているでしょう。
実際に、多くの起業家・スタートアップを見てきた投資家の方は、以下のように語っています。
「深い考え」を持って「真摯に」行動できる人は起業してもやっていけると思います。
本気でビジネスに取り組む真摯さがあって、始めたい事業にも深い考えがあれば将来成功するかもしれないので、投資してみようかなと思えますね。
メガベンチャーという環境を大いに活用すれば、「深く考え行動する能力」を習得できます。そこで習得した能力を活かせば、将来の起業や転職にも繋がることでしょう。
新卒でメガベンチャーに就職する方法
新卒でメガベンチャーに就職しようと考える場合、これだけは押さえておきたいポイントがあります。まず、多くの競争相手に差をつけるためには、より強くアピールしなければなりません。
自己PRにつながる経験を積む、インターンに参加するなどは必須といえるでしょう。早めに就活することも大切です。新卒でメガベンチャーに就職する方法について紹介します。
自己PRにつながる経験を積む
メガベンチャーに就職するには、会社が求める人材に合わせた自己PRができなければなりません。行動力がある、成長意欲が高いといったメガベンチャーが求めるような人材であることをアピールできるようにしましょう。
また、目指すメガベンチャーの文化や目指すもの、社風などを調べ「どのような人が活躍しているか」「求められているか」をよく研究しておいてください。それらをアピールができるような経験を積むことも大切です。
インターンに参加する
メガベンチャーの多くはインターンシップを開催しています。実際に職場を見て業務を体験し、社員とも交流できる機会です。メガベンチャーは複数の事業を行なっているところも多く、情報を集めただけでは全体を把握するのは難しい側面もあります。インターンで実際に体験することで、より業務への理解を深められるでしょう。
メガベンチャーごとに職場の雰囲気は異なり、実際に働いてみるとイメージと違う場合もあります。インターンは入社後のミスマッチを避ける意味でも有用です。
できるだけ多くのインターンを経験することで、本当に自分に合うメガベンチャーを知ることができます。インターンシップの経験が、自己PRにつながることもあるでしょう。
早めに就活を始める
メガベンチャーは早くから新卒募集を開始する企業も多く、できるだけ早めに就活を始めることが成功のポイントです。
通常とは異なる採用方法を行なっている企業もあります。例えば、Zホールディングスグループのヤフーは「新卒一括採用」を廃止しており、新卒、既卒などの経歴に関わらず30歳以下であれば応募できる通年採用を行っています。
志望するメガベンチャーを決めたら、どのような採用を行なっているかを調べ、早めに活動を開始するようにしましょう。
メガベンチャーの就活を成功させるには、プロが適切なアドバイスを行う転職サービスの利用もおすすめです。自分に合うメガベンチャーの探し方や自己PRの書き方、面接対策など、なんでも相談してみるとよいでしょう。
メガベンチャーに就職してスキルを高めよう
メガベンチャーは大企業に成長したベンチャー企業のことで、大手企業のような安定基盤がありながらベンチャー気質があり、成長する機会が多いというメリットがあります。
行動力があり、成長への意欲が高い方に向いている会社です。将来起業を目指している場合にも、メガベンチャーで働けば短期間に事業を行うためのスキルを身につけることが可能です。
成長を続けるメガベンチャーとともに自身も成長したいと考えている方は、就職を目指してみるとよいでしょう。
メガベンチャーに就職を考えている方は、転職支援サービスの利用も検討してみてください。ハレダスでは、メガベンチャーへの転職を考えている方の無料相談も受け付けています。メガベンチャーの就職に必要なことなど、気軽にご相談ください。