生まれ育った環境によって、将来の夢、進む道がなんとなく決まるというのもよくある話です。幼少期から音楽家としてのレールの上を歩いてきたTiffanyさんもそのひとりでした。しかし、現在ではバイオリニストとモデルを両立しながら、ライブ配信アプリで自己表現をしていると言います。
今回はそんなTiffanyさんにインタビューを行い、現在までの軌跡を辿ってみました。
■プロフィール
・Tiffany(ティファニー/ロサンゼルス生まれ)
・7歳からバイオリンをスタート
・「兵庫県立西宮高等学校」バイオリン専攻に進学
・高校卒業後、バイオリンと並行しながらモデル業を開始
・表現者としてさまざまなイベントやコンサートに出演
・現在もモデルとバイオリニストとして活躍しながら、人気ライブ配信アプリのライバーとして多くのファンと知名度を獲得している
音楽中心に回っていた世界
―小さい頃はどんな子どもでしたか?
音楽がとっても好きな子どもでした。母が音楽会社でマネジメントしていた関係で、幼少期からよくクラシックコンサートに連れて行ってもらっていました。おそらく、その影響が大きかったのだと思います。
そのときは一切バイオリンはしておらず、7歳からスタートしました。
とは言っても、はじめの頃は練習をよくさぼっていましたが。
また、アメリカと日本のハーフで生まれはロサンゼルスですが、1歳になる前から関西に来たので英語はまったく話せないので、英語で話しかけられたときは「どうしよう」って困っちゃっていました。
―幼少期から音楽一筋の人生を過ごしてきたのでしょうか?
いいえ。バイオリンは7歳からずっと続けていますが、音楽と同じくらいアニメが大好きなんです。いわゆるアニメオタクで。
バイオリンを始めた同時期に、テレビで放送されていた少年漫画系のアニメにどハマりしました。中学に入ってからも音楽とアニメだけで生きてきたような子ども時代でしたね。
今でもアニメ愛は健在で、コアなアニメから流行りのものまでチェックしています(笑)
ただ、中学3年生になると、受験勉強が始まり、バイオリンの練習時間も増えて、6時間くらい毎日練習していました。そのときには自ずと趣味の時間を削っていましたね。
―お忙しい中学生時代を過ごされてきたのですね…!それだけの練習量を重ねていたのは、目標があったからでしょうか?
そうなんです。音楽系の高校に進学しようと決心していて。
それも「兵庫県立西宮高等学校」のバイオリン専攻にこだわっていたので、必死に勉強していました。
―念願の高校生活はいかがでしたか?
受験勉強から解き放たれたかのように、たくさん遊びました!
部活の帰り道にクレープを食べたり、どこかに立ち寄ったり。
また、放課後は音楽の練習場を自由に借りられたので、そこで友だちと集まってアニソンやJPOPの演奏を楽しんでいました。高校に入るまでは、クラシック以外弾いたことがなかったので、新しい音楽との出会いは新鮮でしたね。
音楽科にはオーケストラがあり、放課後は練習がありました。厳しい練習で大変なことも多かったですが、本当に友人に恵まれていたので救われました。
モデルとバイオリニストを両立するようになったきっかけ
―モデルをするようになったのはいつからですか?
高校卒業してすぐくらいです。
高校3年生の終わりごろに、美容師さんに声かけられたのがきっかけで、サロンモデルからスタートしました。撮影をきっかけにインスタを開設し、他の依頼も受けられるように一生懸命工夫していました。
サロンモデルの依頼が安定してきたときに、着物・ブライダルの撮影も増えてきましたね。この頃は事務所にも所属していなくて、その後に出演したヘアショーで事務所にスカウトされたんです。
―フリーと事務所に所属する違いは?
事務所に入ってからは、ショーのようなイベントだけではなく、洋服のお仕事がいただけるようになって仕事の幅が広がりました。一人でやっていくよりもマネージャーや他のモデルがいてくれるのが何より心強いです。
大阪のモデルが多い事務所なのですが、東京で活躍している人も合わせて25名いるので、同士のような存在がたくさんいて嬉しいなあと思っています。
―バイオリニストとしてはどんなスタートでしたか?
演奏活動をはじめたての頃は、ボランティアが多かったです。
まずは顔を知ってもらえるように、知り合いが主催したものや、老人ホームや施設でのボランティアなどに出向いていました。
その縁がつながって、会社のパーティーやイベントに呼ばれるようになりました。
その後、自分もコンサートを開くようになって、みんなに楽しんでもらえるようにJPOPやアニソンを中心に、私の原点でもあるクラシックもたまに弾いています。
そうした活動を広げているうちに、今の事務所とも出会いました。
活動を派生していくことでバイオリンのお仕事も増えてきたので何事にもチャレンジしてみるって大切なんだなと思いました。
―モデルとしてもバイオリニストとしても順調に活躍してきたTiffanyさん。
「BIGO LIVE」でさら注目度を上げたように思うのですが、ご自身では何がきっかけだと思われていますか?
実は高校生のときにもさまざまなコンテンツを使って音楽配信していたのですが、長続きしなかったんです。
そこから今の情勢下になる前に「もう一度やってみよう!」と思い立ち、配信を始めました。
ただ音楽を配信するのではなく、コスプレも一緒にしたら面白いんじゃないかと思い、最近ではバイオリンの演奏とコスプレを合わせて発表しています。
これまで、「約束のネバーランド」の主人公になったり、「鬼滅の刃」のコスプレをして主題歌を演奏したりしました。
そういった工夫をするようになってから、配信アプリ内のイベントで何度か賞をいただくようにもなっているので、それがきっかけかなと、思っています。
―今の情勢下になってご自身の活動(仕事)に変化はありましたか?
昨年の緊急事態宣言発令直後には、すべての仕事がなくなってしまいました。
自粛ムードの広がりと目に見えないウイルスへの恐怖から、リアルでの仕事はできなかったですね。
ただ、そんな状況だったからこそ、ライブ配信に力を入れて工夫しました。
おうち時間が増えていることもあって、人に見ていただく機会も増えたんです。
今もまだバイオリニストとしてのイベントでのお仕事や、モデル撮影の仕事は停滞気味。寂しさもありますが、少しずつでも復活してきているので嬉しいです。
今はできることから着実に頑張りたいと思っています。
将来の目標と決意表明
―制限がある中でも輝き続けるTiffanyさんですが、今後のお仕事の目標を教えてください。
今は大阪が拠点なので、東京でもいろいろなお仕事に挑戦していきたいです。
モデルとしての活動も全国にどんどん広げながら、モデルとしての表現力、魅力を磨きたいと思っています。今後は様々なお仕事にもチャレンジしていければと思っています。
また、SNSが主流になっている時代なので、SNSも強化してフォロワーを増やしていければと。今はまだまだフォロワーが少ないので、もっとたくさんの方に知っていただけるように頑張ります!
バイオリニストとしては、状況を見つつ、日本中のいろんな地域にいって音楽を届けたいです。動画配信やライブアプリで私のことを知ってくださった方が多いので、そんな人たち会いに行って演奏を聞いてほしいな、と強く思っています。
リアルのお仕事が忙しくなってくると、ライブ配信が難しくなってくるのかなと感じているんですけど、できる限り見てもらえるように頑張ります。
近年、演奏の際にコスプレにもチャレンジしているのですが、今よりもアニメキャラに近づけるように完成度を高めていきたいですね。
―目標がたくさんあるって素敵ですね。最後に人生の目標やこの記事を読む方に伝えたいことはありますか?
今、アイルランドの音楽も勉強しているんです。フィドルの勉強をしていて。
北欧で受け継がれてきた奥深い伝統音楽をつないでいけるように、フィドラーとしても活動していきたいと思っています。
ひとりの人間としての目標は、元気を与えられる人になりたいです。
今は内面的な部分ではなく、モデルやバイオリンといった外面的なものが中心なので、私が持つ楽観的な性格とポジティブさ、その内面的な部分でも発信していければと感じています。
先の見えない今だからこそ、元気さとか明るさって大切だと思うんです。
そんな私が持つパワーを伝えていきたいです!