歴史的建造物と現代的なおしゃれスポットが混在する大阪・中之島。
「与太呂 本店」は、そんな移り変わる大阪のまちを昭和2年から見守り続けている人気の天ぷら店です。
今回は、株式会社与太呂の執行役員であり本店料理長も務める名倉さんと、スーパーバイザー(以下SV)の杉山さんにインタビュー。
入社したきっかけや職場環境、会社への想いなど、リアルな声を対談形式でお伺いしました。
●プロフィール
名倉 弘樹|株式会社与太呂 執行役員兼事業開発担当(本店料理長)
・大学卒業後、タイの和食屋で勤務
・本格的な和食の知識や技術を身に付けようと、帰国し株式会社与太呂に入社
・その後、さらなる知見を広げるべく、さまざまな業態の飲食店で修行を重ねる
・2020年から株式会社与太呂に復職し、現在は執行役員兼事業開発担当(本店料理長)として、経営の舵を切る
杉山 絵美|株式会社与太呂 スーパーバイザー(本店・あびこ店)
・高校卒業後、ホテルに勤務
・退職後は数年間、フリーターとして飲食店で従事
・2015年から株式会社与太呂に入社し、現在SVとして複数店舗のマネジメントを担当
きっかけは偶然だけど、長く続けているのは必然
―おふたりの入社の経緯は。
杉山:与太呂に入社するまでは、長年飲食業界でフリーターとして働いていました。でも、30歳になる時に「自分も何か肩書きがほしい!」と唐突に感じたんです。
正社員になることを決意し、たまたま知り合いから紹介してもらったのが与太呂でした。
名倉:私は23歳の時に一度、入社しています。昔から海外で挑戦したい気持ちがあり、大学卒業してすぐは就職せず、タイの和食屋で働いていました。
しかし、海外でしっかり勝負するなら、日本での経験・学びがあった方が良いと思い帰国し、そのタイミングで見つけた与太呂に入社。
4年間働きましたが、天ぷら以外の飲食にも興味があったので、自分の知見を広げるために、数年間別の店で働きました。
別の店で働いていた時も与太呂の上層部とは付き合いがあり、ご飯に行った時に「そろそろ帰ってこない?」と声をかけてもらったのがきっかけで現在に至ります。
杉山:私は、飲食業界は長かったものの、正社員という肩書きをもらうのは初めて。しかも、入社して半年で「店長」という肩書きまでいただきました。
思ってもみないキャリアアップに戸惑いはあったものの、年次ではなく頑張りをしっかり見てくれる会社なんだと、嬉しかったです。
入社7年目になりますが、今も昔も変わらず、不安なところは助言しながら、認めてくれる環境があるので続けられています。
人生は短いから。やりたいことを実現できる場所を選ぶ
―与太呂の魅力と現在の仕事内容について。
名倉:やってみたいことがあったらとにかく挑戦してきたのは「人生は短い」と感じているから。いろんな経験をして、さらに自分の経験やスキルを磨いていける環境と感じたのが与太呂でした。
復職してからは、営業部長を数年間経験し、2年前に今のポジションに。店舗を回って経営状態や運営方法などのチェックを行うのがメインの業務です。
杉山:会社は、昭和2年に創業した老舗。だけど、コロナウイルスが流行し始めて飲食店がすべて営業自粛せざるをえなかった当時、当社はいち早くテイクアウト事業をスタートさせました。歴史はありながらも柔軟に変化していけることはすごく強みだと思います。
そして新しいことを始める時に、それぞれの特性を見極めながら声をかけてくれることも魅力のひとつです。
私は、現在はSVとして、主に店舗の従業員やアルバイトのマネジメント・教育を担当していますが、新業態をスタートさせる際に私も声をかけてもらって。お店づくりに携わったのは初めてで、こんなことにもチャレンジできるんだとすごくワクワクしました。
兼任することで得られる成長や人との繋がり
―与太呂の働き方の特徴は?
杉山:うちの会社の特徴としてあるのは、複数店舗のかけ持ちや助け合いなどが多いこと。デメリットと思われる方もいるかもしれませんが、どこに行っても顔見知りがいる安心感がありますし、店舗の風通しが良くなります。
名倉:店舗間交流が盛んだと、情報共有されやすく技術向上にもつながりやすい。いろいろな人と関わることで刺激を受けながら効率よく成長できると思います。
従業員に共通するのは「想いを継ぐ」を大切にする意志
―与太呂の歴史について。
名倉:あるお客様から「昔おじいちゃんに連れてきてもらったことがあるんです」と言われたことがあります。もうすぐ100周年を迎える会社なので、3世代4世代で利用してくれている方も多く、改めて繋いできている歴史に感慨深くなりました。
お店のあり方や、提供する料理に変化はあっても、「食」への想いは変わらず、今後も継いでいきたいと思っています。どこまで続けていけるかというのも、モチベーションの一つですね。
杉山:歴史があるからといって堅苦しさはなく、社長や上司、料理長とも距離が近くてアットホームな雰囲気。できないことがあれば「無理です!」ってはっきり言えちゃうくらい、居心地が良く、働きやすい職場環境です(笑)
名倉:飲食業界は働き方がハードなイメージがありますが、働くためには体が資本なので、うちでは有給休暇や時間管理などを徹底しています。
飲食の接客・調理スキルをしっかり学べることはもちろん「お客様にとって良いか悪いか」おもてなしの心や人として大切なことも学んでいただけると思っています。
これからの展望
―今後の目標と一緒に働いてくれる方へのメッセージ。
杉山:もともと会社にはSVはなく、私が店長に就任した際につくってくれたポジション。しなやかに組織の構造を変えながら、やりたいことを応援してくれている会社なので、私も経験を活かせることはすべて活かしながら、貢献していけたらと思っています。
今後もっと上にいけるのであれば、経営にも携わってみたいですし、新しい店舗運営にもチャレンジしたい。まずは、現在任されているお店の売上1000万円を目指して頑張りたいですね。
名倉:変わりゆく大阪のまちで、 変わらぬ「食」への想いを持って天ぷらを提供してきた与太呂には、100年の歴史や継いできた職人のワザやノウハウがあります。
代々受け継いできた想いやワザは、時代が変わっても変わらない価値があるとも信じています。こうした想いに共感し、同じ熱量を持って働いてくださる方なら、経験は問いません。共に成長し、楽しみながらぜひ、一緒に働きましょう。