
人材業界の事業は人材紹介・人材派遣・人材広告・人材コンサルティングの4つです。人とコミュニケーションを取るのが好きな人や、メンタルが強い人は向いています。
今回は人材業界に適性がある人や不向きな人の特徴、求められるスキルについて解説します。
人材業界とは?主な仕事の種類は4つ
人材業界は企業の採用活動をサポートしたり、求職者の転職活動を支援したりするのが仕事です。事業内容やビジネスモデルは次の4つに大分されます。
- 人材紹介
- 人材派遣
- 人材広告
- 人材コンサルティング
それぞれの事業や業務内容を紹介します。
1.人材紹介
企業と求職者をマッチングさせ、紹介先の会社から紹介料を得る形態のビジネスです。取引先やデータベースから求人情報を集め、相談を受けた新採や中途に対して、条件に合致する求人を紹介します。
まず人材コーディネーターが面談し、希望の仕事や今までのキャリアなどをヒアリングします。応募先が決まった後は面接対策を行うほか、担当者との日程調整や条件交渉なども業務の一つです。
何年も付き合うことになる企業を決めるサポートが仕事のため、求職者の人生に与える影響は計り知れません。人材紹介会社で働くには、強い責任感や高いヒアリング能力が求められます。
人材紹介会社は転職エージェントやヘッドハンティング会社とも呼ばれます。
2.人材派遣
人材派遣会社に登録した人材を企業に派遣し、紹介先から紹介料を得ることで成り立つビジネスです。派遣の場合、仕事上の指揮命令権は派遣先が持ちますが、雇用関係は人材派遣会社との間で成立するのが特徴です。
紹介予定派遣といって、一定期間派遣社員として勤務した後、派遣先で正社員を目指す制度もあります。人材紹介会社は派遣先と求職者をマッチングさせるだけでなく、問題なく働けているか見守る役目も担います。
ヒアリングの機会を設け、労働環境に問題があるなら派遣先に確認を入れることも重要な業務です。
3.人材広告
転職サイトや求人誌などの求人媒体を持ち、営業をかけて求人広告の掲載元を見つけるビジネスです。
人材広告会社の仕事には、営業やマネージャー、Web媒体の開発を行うエンジニアが必要です。求人を掲載した企業からの報酬が収益源であり、近年は成果報酬制を導入する企業も登場しています。
世界中の求人を扱うIndeed社は、1クリック当たりの単価で報酬を決めている企業です。掲載元にとっては応募に意欲的なターゲットに絞って広告を打てるため、コストの無駄を防げます。
上記の仕組みが注目され、Indeedは短期間で著しい売上アップに成功しました。
4.人材コンサルティング
人材コンサルティングは、クライアントに対して採用や人事制度のコンサルティングを行い、対価としてコンサルティングフィーを得る仕組みです。
人材業界のなかでも業務範囲が広く、評価制度の立案や研修まで幅広く業務をこなします。課題を解決に導くアイデアを考えるだけでなく、実行支援や外注化などにも関与します。
依頼先企業に常駐して業務に取り組む場合もあり、人材コンサルティング会社で活躍するには、クライアントの利益アップを目指して並走する姿勢が重要です。
就活相談をご希望の方はこちら人材業界の特徴
他人の人生に深く関わることでやりがいを感じやすい業界です。働く時間は長い人生のなかでも大きなウェイトを占め、仕事次第で価値観まで性格が変わってしまう場合も珍しくありません。
求職者に仕事を紹介する人材コーディネーターの責任は非常に重大です。大変さもありますが、他人の人生をより良くするサポートができるのは大きな魅力です。
一方で相手が人である以上、うまくいかないケースも多々あります。一生懸命サポートした求職者と突然音信不通になる場合も珍しくなく、裏切られたと感じる場合もあるでしょう。
一人のキャリアと向き合いたいという熱い想いと、数をさばくことが求められるギャップに戸惑いを覚えることも少なくありません。
人材業界の市場動向や将来性は、おおむね良好だといえるでしょう。一昔前と比べて転職が一般的になってきたため、人材紹介業者や派遣会社の需要が増えています。
ただし新規参入も多いため、この領域で成功するには多角的な事業展開や差別化などの工夫が必要です。
人材業界に向いている人とは
自分が人材業界に向いているかわからない人は、次の素質を持っているか確認してみましょう。
- 人とコミュニケーションをとることが好き
- メンタルが強い
- 情報収集力に長けている
- 交渉やプレゼンテーションが得意
上記に当てはまると、人材業界でどのように有利に働くか解説します。
人とコミュニケーションをとることが好き
人をメインに扱う人材業界では求職者やクライアントの経営層などさまざまな人と関わりを持つため、高いコミュニケーションスキルが必要です。
元々会話や協調して動くことが好きな人の方が有利に働きます。愛嬌や会話力などはもちろん、こまめな連絡を欠かさないマメさも重要です。
働いてみるとわかりますが、人材業界では他者と関わりながら進める業務がほとんどです。人と話すことでストレスを解消できたり、密なやり取りを通じてやりがいを感じたりできる人は適性があるといえます。
メンタルが強い
新規開拓では何社にも営業をかける必要があるため、強いメンタルが求められます。どうしても百発百中とはいかず、断られることは避けられません。
あからさまに拒否されても挫けずに、何度もチャレンジを繰り返すタフさが必要です。さまざまな関係者と関わりを持つ仕事のため、クレームやトラブルと隣り合わせです。
取引先に怒られると自分に原因があると落ち込むかもしれませんが、ズルズルと引きずっても良いことはありません。
必要以上に自分を追い込まず、再発防止に切り替えられるためにメンタルの強さが重要です。
情報収集能力に長けている
人材業界では、常にトレンドをキャッチアップする姿勢が求められます。クライアントのニーズを把握しておくことによって、適切な人材(求職者)をアサインしやすくなるためです。
研修が終わり現場に配属になると、一人で複数の業界の案件をこなすことも珍しくありません。
ジャンルを限定せず幅広い知識が必要なため、常にアンテナを高く張り、自分で積極的に情報をつかんでこられる人が向いています。
交渉やプレゼンテーションが得意
人材業界では求職者とクライアント双方の要望を満たす必要があるため、交渉やプレゼンテーション力に自信を持っている人が向いています。
企業は採用コストを抑えたいと考えているものですが、「稼ぎたい」と願う人材は少なくありません。両者の利害を考慮しつつも、妥協を促して落としどころを探る力が求められます。
相手の立場や役割に応じて、わかりやすく説得力のある主張を展開できる人は重宝されます。
就活相談をご希望の方はこちら人材業界に向いていない人とは
働くなかで「自分には適性がない」と感じ、離職してしまう場合があります。
以下の3つの特徴に当てはまる人は人材業界に合わない可能性が高いです。
- 人の性格やテンションによって苦手意識をもってしまう
- 一人で淡々と仕事をこなすのが好き
- 臨機応変に柔軟な対応ができない
それぞれ不向きといえる理由や、向いていない人の具体的な特徴を解説します。
人の性格やテンションによって苦手意識をもってしまう
さまざまな人とコミュニケーションをとる機会が多い人材業界では、幅広い付き合いが求められます。人を選ばずオールマイティーに接することができると有利に働くでしょう。
コミュニケーションの取り方には個人差があり、テンションが高い人や落ち着いている人など多種多様です。
雰囲気やテンションが自分と合わない人と遭遇したときに、苦手意識が態度に出てしまうようだと厳しいかもしれません。
一人で淡々と仕事をこなすことが好き
対人業務が非常に多い業界のため、一人で黙々と仕事をこなしたい人はストレスを感じやすいでしょう。
人と関わらない業務は得てしてルーティンが多いものですが、人材業界ではHRテックの進歩によって、事務作業のような定型業務の自動化・省力化が進んでいます。
コミュニケーションを取るのが得意ではないなら、人材業界以外の道を選んだ方が幸せに働けるかもしれません。
ドライバーやライター、エンジニアのように、一人でこなせる仕事は少なくありません。
人材業界は、常に多くの人と意思疎通を図る環境といえるため、入社後のミスマッチを防ぐためにも事前に適性を見極めましょう。
状況の変化に柔軟に対応できない
景気変動の影響を受けやすい業界のため、トラブルや大きな変化があった際には柔軟な対応が求められます。
人によっては、急な方針変更や状況の変化にパニックを起こし、パフォーマンスが一気に低下する場合もあります。
臨機応変な対応を求められる仕事がメインのため、マニュアルに沿って淡々と進めたい人は苦手意識を持つ可能性が高いです。
また、他人と多く関わる必要があるため、マイペースに進めていてはクレームを招きます。基本的にクライアントや休職者の予定に合わせねばならず、土日祝日に面談が入るのも日常茶飯事です。
周囲の状況に合わせて臨機応変に対応できる人でなければ、人材業界で食べていくのは難しいでしょう。
人材業界で求められる4つのスキル
人材業界で働くために必要なスキルは次の4つです。
- コミュニケーション能力
- 営業能力
- 情報収集能力
- マルチタスク能力
関係者と良好な関係を築くコミュニケーション力や新規案件を獲得する営業力、素早く正確に情報を収集する力、複数の案件を同時にこなす力などが求められます。
各スキルの具体的な内容や、どのようなシーンで求められるのか説明します。
1.コミュニケーション能力
クライアントや求職者から信頼感を得たり、ヒアリングを成功に導いたりするためには高いコミュニケーション力が必要です。
人材業界では、求職者の労働力やスキル、技術力などの見えないものが商材です。実体がない商材は実際の使用感を事前に確認できないため、売り込むのが難しいという特徴があります。
営業マンの話術によって商品の魅力を伝えねばならず、数ある営業商材のなかでも高い説明力が求められます。
2.営業能力
人材業界はクライアントがあって成立するサービスばかりのため、案件を獲得する力が非常に重要です。
架電の件数や成約数のノルマを課された上でのテレアポや、特定の企業について入念なリサーチを行った上での提案形式の営業などが存在します。
とくに新人は業務に慣れる意味で、テレアポを任される機会が多いでしょう。人材業界において営業力は自社媒体の広告枠への掲載をお願いする場合のほか、人材紹介や人材派遣でも必須スキルです。
クライアントと求職者の希望が一致するとは限らず、その差分を双方との交渉で埋めていかねばなりません。営業で成功するには、プレゼンテーションスキルや提案力を有している必要があります。
3.情報収集能力
人材業界では以下のように高い情報収集能力が求められます。
- 複数の情報源を参考にする
- 情報の取捨選択ができる
とくに情報収集能力が活きるのは、ジャンルをまたいで案件をこなす際や、関係者と信頼関係を築きたい場面です。日頃からアンテナを高く張り、話のネタを集めておけば、話しやすい関係の構築に役立ちます。
複数の情報源を持つことで、情報に対する正確性や信頼性が高まります。熟練者になれば、ジャンルに応じて適切なソースを使い分けられるようになるでしょう。
インターネット上に存在する膨大な情報から、必要なものだけ取捨選択する力も重要です。用途や知りたい内容などの判断軸を持つことで、正確な情報をピンポイントでつかみ取れます。
4.マルチタスク能力
複数の種類の業務を同時にこなすマルチタスク能力があると、人材業界では重宝されるでしょう。人材紹介の場合、多数のクライアントや求職者を管理しつつ、新規営業や業界研究をこなす必要があります。
マルチタスク状態が常のため、同時に複数の案件を処理するのが苦ではない人の方が向いています。
細かい部分に目を向けると、人との会話もマルチタスクの一種です。求職者との面談で相手の話を聞きながらメモを取り、アドバイスや質問をするというように同時並行で複数の作業をこなしています。
スムーズにやり取りを進め、求職者の魅力を最大限引き出すためにマルチタスク力は重要です。
人材業界の特徴や必要なスキルを理解しよう
人材業界はどのような仕事でも、日々さまざまな人とやり取りを交わす必要があります。相手の要望を把握して会話できる高いコミュニケーション力や、トラブルやクレームでもへこたれないメンタルの強さが求められます。
地味な部分かもしれませんが、情報収集力やマルチタスク力も重要です。日々着実に努力を重ねていくことで、スキルアップが実現してスムーズに仕事をこなせるようになるでしょう。
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