TG-WEBと呼ばれるものをご存知でしょうか?就活生が企業から内定をもらうためには、まず適性テストに合格しなければなりません。このなかでも最難関といわれているものが「TG-WEB」です。TG-WEBの問題形式は非常に独特なもので、高校や大学では目にすることが少ない問題も含まれています。本記事ではTG-WEBの概要や出題科目、対策方法、導入企業などを解説します。
TG-WEBとは
TG-WEBは非常に難しいため、何の対策もしていなければ高得点は望めず、試験に落ちてしまう可能性が高いでしょう。本章ではTG-WEBがどのような試験であり、導入している企業はどこなのか、TG-WEBか否かの見分け方などを解説します。
「TG-WEB」は最難関と言われる適性テスト
TG-WEBはWEBで実施される試験のひとつですが、その難易度の高さから、就活生にとっては強敵といえます。最難関といわれているTG-WEBは『ヒューマネージ』という、コンサルティング会社から販売されているWEBテストです。
難易度が高いだけでなく、高校・大学で勉強する問題とは性質が異なるため、相応の対策が必要となります。「初めて見て戸惑った」と答える就活生も多く見られます。TG-WEBは「言語問題」「非言語問題」「性格適性検査」3つのジャンルから構成されています。
TG-WEBを導入している企業
WEBテストのなかでも最難関のTG-WEBですが、すべての企業で導入されているわけではありません。では、どのような企業、または業界で導入されているのでしょうか。ここでは「コンサル」「メーカー」「金融」「広告・マスコミ」「不動産」といった5つの業界ごとに、TG-WEBを導入している代表的な企業を紹介します。
業種 |
企業名 |
コンサル業界 |
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メーカー業界 |
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金融業界 |
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広告・マスコミ業界 |
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不動産業界 |
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上記の他にも、『ソニーミュージック』『三井物産』『JALスカイ』といった企業でも、TG-WEBが導入されています。
TG-WEBの見分け方
TG-WEBには、専用の対策が必要だと説明しました。しかし、すべての企業でTG-WEBが導入されているわけではありません。そのため、対策といわれても自分がTG-WEBを受ける可能性があるのか否か、事前にわからなければ対策の必要性を実感することは難しいでしょう。本章では、自身がTG-WEBを受けるか否か、その見分け方を紹介します。
URLから見分ける方法
企業に応募したあと、WEBテストのURLが送られてくるでしょう。このURLから、TG-WEBか否かを判断できます。以下2種類のURLに該当する場合は、TG-WEBである可能性が高いでしょう。
- http://assessment.c-personal.com/
- http://assessment.e-gitest.com/
上記どちらかのURLであった場合は、TG-WEBである可能性が高いため、対策が必要かもしれません。就活生は事前にチェックしておきましょう。
事前情報から見分ける方法
事前情報からも、自身にTG-WEBへの対策が必要かどうか判断できます。導入企業の一覧からもわかるように、TG-WEBは多くの大手・有名企業で導入されています。ただし、TG-WEBはその他の適性テストよりも認知度が低いため、導入している企業数はそれほど多くはありません。しかし、導入している企業のほとんどが、大手企業である点が特徴です。
前述した導入企業の例の他にも、TG-WEBを導入している会社は多くあります。自身が志望する企業に、TG-WEBが導入されているかどうか、事前に確認しておきましょう。
TG-WEBには2種類がある
TG-WEBには「新型」と「旧型」の2つがあります。それぞれの試験は、出題内容が異なります。一般的には、新型よりも旧型の方が難易度は高いといわれています。新型のTG-WEBは、SPIの勉強をしっかりとしておけば、対策できます。本章では新型と旧型、それぞれのTG-WEBに出題される問題について解説します。
新型
新型TG-WEBで出題される問題は、以下の通りです。
科目 |
出題内容 |
問題数(所要時間) |
言語 |
|
34問(7分) |
英語 |
|
10問(15分) |
計数 |
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36問(8分) |
それぞれ、問題数や解答に使える時間には決まりがあります。また、新型TG-WEBの特徴としては、一つひとつの問題の難易度がそれほど高くないものの、問題数は多いことが挙げられます。時間内に全ての解答を終えるためには、効率的に進める必要があるでしょう。
旧型
旧型のTG-WEBは新型に対して、難易度が高いとされています。その理由としては、出題形式が一般的な試験とは異なり、多くの就活生にとって、馴染みのないものであるためです。以下が、旧型のTG-WEBで出題される問題です。
科目 |
出題内容 |
問題数(所要時間) |
言語 |
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12問(12分) |
英語 |
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10問(15分) |
計数 |
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9問(18分) |
言語で出題される「長文読解」では、専門的な内容であったり、抽象的な内容であったりするケースも多く、難易度が高く設定されています。
TG-WEBの問題は、4科目で構成されている
ここからはTG-WEBの問題について説明していきます。TG-WEBは、先ほどからも登場している「計数」「英語」「言語」のほかに「性格」という科目もあります。本章では、それぞれの科目について、問題傾向や例題などを解説します。どの科目でどんな問題が出るのか、事前に知っておくことで、より効率的にTG-WEBの対策ができるでしょう。
科目1.計数
まず計数で出題される問題について、解説します。計数で出題される問題は、新型と旧型で大きく異なります。しかし新型の計数においては、SPIの対策と同様であるため、ここでは旧型の出題例を紹介します。
アメリカ、中国、オーストラリア、韓国、カナダへ行ったことがあるかどうかを、A~Eの5人に尋ねた。アメリカ、中国、オーストラリア、韓国、カナダに行ったことがある人数がこの順にそれぞれ、3人、2人、2人、2人、1人とする。この情報から、確実に言えるものは、以下のうちどれでしょうか。
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科目2.英語
英語については、新型・旧型のどちらであっても、TOEICと似た形式の問題が出題されます。以下がTG-WEBの英語における出題例です。
As the end of 21th-century approaches, the world is more connected than ever. National boundaries once limited the regions where people were able to participate in economic activities. However, today, globalization has geared and brought cross-border trade of economics. (①) the meaning of national boundaries is different from what it used to be. Now, you can buy whatever you want, regardless of national borders. Nonetheless, the globalization of the economy has not brought an equitable distribution of wealth. Many countries are still facing seriously poverty, and the ② pilled up effect of poverty is increasing in the number of malnourished children. 以下、設問 (1)Choose the most suitable words from those given below to fill in the blank (①) A. On the other hand B. As a result C. But (2)Choose the most suitable words from those given below with the same meaning as underlined word ② A. accumulative B. identified C. restrictive (3)Choose the sentence from those given below which best agrees with what is mentioned above. A. The significance of national boundaries has faded. B. The globalization of the economy has facilitated the fairness distribution of wealth. C. Economic globalization and equal distribution of economy do not always occur simultaneously. |
科目3.言語
TG-WEBの言語では、以下のような問題が出題されます。
次の()内に入る語句で、適切な組み合わせのものはどれか。 「Aという事象を理解する」ためには、「“Aでない”事象を理解する」必要があります。( X )、「表」という概念を理解するには、表ではないもの、つまり「裏」を知らなければならない、ということです。 この原理をもとに考えると、私たちが理解したつもりでいるさまざまな事象についても、それと相対する存在について( Y )である場合は、本質的に理解したとは言えない。 「きれい」を理解するには、きれいでないもの、つまり「きたない」も分かってないといけないのです。「正しい」を見つけるには、「正しくない」を知らないと、完全に理解できているとは言えない。
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科目4.性格
「性格」についてのテストでは、以下のような問題が出題されます。
テスト名 |
項目 |
出題数 |
所要時間 |
A8 |
コンピテンシー |
182問 |
30分 |
W8 |
社会性 |
40問 |
10分 |
G9 |
ストレス状態 ストレス対処法 |
60問 |
10分 |
T4 |
仕事に熱中する力 |
35問 |
10分 |
CAM |
対人や組織面での性格 |
161問 |
20分 |
CP |
キャリアパーソナリティー |
125問 |
15分 |
Vision |
会社との適合度 |
54問 |
20分 |
TG-WEBの合格ラインは?
では、TG-WEBの合格・不合格はどのように決まるのでしょうか?また、合格ラインも気になるところでしょう。本章ではTG-WEBにおける合格ラインや解答に対する間違いの割合、つまり「誤謬率」について解説します。TG-WEBの合格ラインがどのような仕組みで設定されているのかを理解して、対策しましょう。
合格ラインは企業による
TG-WEBの合格ラインは企業が独自に決めているものであるため、明確な基準は存在しません。自身が志望する企業それぞれの合格ラインに達していれば、試験をクリアできます。また、具体的な合格ラインに関する情報を非公開にしている企業も多くあります。事前にしっかりと情報収集をしておくことで、より詳しい合格ラインを知ることができるかもしれません。
誤謬率は無関係
本章の冒頭でも解説したように、誤謬率とは、解答に対する間違えの割合のことをさします。適性テストのなかでも「誤謬率」を測定しているテストでは、間違えた問題の比率が多ければ多いほど減点に繋がります。しかし、TG-WEBにおいては、誤謬率の測定はされません。つまり、解答に自信がない場合でも、解答しておくことで得点アップに繋がります。
TG-WEBの対策方法
TG-WEBで合格ラインに達するには、どのような対策をおこなえばよいのでしょうか。TG-WEBの対策方法としては「問題集を使う」「センター試験の過去問を使う」「出題内容を記録しておく」の3つが考えられます。それぞれの対策方法について解説するので、これから対策をしようと考えている就活生は参考にしてください。
問題集で勉強する
TG-WEBの一番オーソドックスな対策方法は「問題集」を活用することです。受験勉強などと同じように、問題集を繰り返し解くことで、TG-WEBの対策につながります。過去に出題された問題はもちろん、問題の解き方や解答の説明などが詳しく解説されているため、とても参考になるでしょう。さまざまな出版社から、複数の問題集が販売されているので、ぜひ探してみてください。
センター試験の過去問を活用
TG-WEBのなかでも「言語科目」はSPIなどと比べ、難易度の高いものとなっています。そのため、センター試験の現代文の問題を活用することがおすすめです。TG-WEBとセンター試験の現代文には、共通点も多く見られます。そのため、TG-WEBの「言語科目」に限っては、センター試験の現代文を参考にすることで対策につながるわけです。
出題内容を記録する
出題内容を記録し、分析することもTG-WEBの対策としては有効です。通常WEBテストでは、問題を記録することは禁止となっています。そのため、悪意ある第三者が情報を漏えいしない限りは、過去の出題問題が流出する可能性は低いでしょう。したがって、ある程度問題を記録し、自分が解き終わった後、しっかりとやり直すことで試験対策につなげるほかないでしょう。
TG-WEBを受ける際の3つのポイント
TG-WEBで落とされないためには、次の3つのポイントを押さえるのが重要です。
- 情報収集を行う
- とにかく回答する
- 電卓や筆算に慣れておく
TG-WEBの場合、制限時間が短く、スピーディーな回答を求められることが最大の特徴です。上記のポイントについて、深掘りしていきます。
情報収集を行う
自分の受ける企業がTG-WEBを使っているかどうか、インターネットで調べる、もしくは先輩に聞くなどして情報収集をすることが大切です。
SPIや玉手箱と比較して導入企業数は少なく、下調べを怠ると、せっかく勉強したのに試験に対応していなかったというケースが起こり得ます。
解法パターンはある程度決まっているため、情報収集でTG-WEBが課されると分かったら問題演習に取り組みましょう。
とにかく回答する
答えられない問題が出てきた場合や、回答時間が足りない場合でも、とにかく回答しておいたほうが好ましいです。問題数に対して制限時間が非常に短く、考え込んでしまうと致命傷になり得ます。
TG-WEBでは間違いの割合を示す誤謬率は測定されないため、空欄を埋めることが重要です。闇雲に回答するのは避けるべきですが、素早く回答を進めないとすべての問題に対応できない恐れがあります。
電卓や筆算に慣れておく
TG-WEBでは、基本的な四則演算を正確・かつスピーディーに行う必要があるため、電卓や筆算にも慣れておくことが大切です。ただし、電卓を使えるのは自宅で受験する場合に限られるため、注意しましょう。
テストセンター受験では電卓を使用できないため、人によっては筆算の訓練が必要です。自宅受験ではメモ用紙の使用も認められており、受験環境的には恵まれています。
一方で、電卓が使えないテストセンター受験は難易度が高く、早めの準備・対策が必要です。
TG-WEBを受ける際の注意点は?
TG-WEBを受ける際は、いくつかの注意点があります。注意点を考慮しておくことで、効率的に得点を伸ばせます。以下の点を踏まえてTG-WEBを受けましょう。
- 新型か旧型かを見分ける
- 電卓に頼りきりにならない
- ときには諦めて、次の問題にあたる
新型・旧型の見分け方について、補足します。まず自身が受けている試験が、新型か旧型かを見極めましょう。
URLからは見分けられませんが、所要時間が異なるため、そこで判断しましょう。旧型の「言語」は所要時間が12分であることに対し、新型は7分です。また計数は、旧型が18分であり、新型は8分です。
TG-WEBの対策をしっかり行って内定をもらおう
TG-WEBについて解説しました。試験についての概要はもちろんのこと、新型と旧型の違いや各科目の出題内容など、お分かりいただけたでしょう。またTG-WEBについてはもちろんのこと『ハレダス』では、就職・転職活動に関するさまざまな情報を提供しております。ぜひ本記事を含めて参考にしたうえで、希望の企業への就職を決めてください。