希望を持って転職したけれど、企業風土や業務内容が合わず、「前の会社に戻りたい」と思ったことがある人もいるのではないでしょうか。しかし、一度辞めた手前、同僚や上司に合わせる顔がないと感じるはず。
そこで今回は、出戻り転職を成功させる方法を、出戻り転職のメリットやデメリットと併せて紹介します。
出戻り転職は多くの企業で受け入れられている
近年広がる売り手市場の傾向により、人材不足の問題を抱える企業も多く、出戻りの社員を受け入れる企業は増えています。
出戻り社員であれば、業務の流れや内容も理解しており、即戦力としての活躍も期待できるなど、企業側からしてもメリットが多いため、「出戻り制度」を設けている企業もあるほどです。
熱意を持って戻りたい意志をしっかり説明できれば、出戻り転職は受け入れられることが多いと言えます。
出戻り転職するメリット
企業側にもメリットのある出戻り転職ですが、出戻り転職する当事者にとってはどんなメリットがあるのか具体的に見ていきましょう。
1.これまでの実績・スキルを活かせる
企業側が即戦力として働ける人材を確保できるメリットがあるように、当事者にとってもかつての勤務先への復帰は、実績やスキルを活かして働きやすいもの。
それに加えて、一度転職したからこそ、他社で培った経験やスキルなども活かして働けます。
2.転職活動が短期化できる
また新たな転職先を探し、応募書類の作成から入社に至るまでには、一般的に数ヶ月から半年程かかると言われています。スムーズに選考が進まない場合には、さらなる長期戦になり、精神的にも生活面にも影響が出る可能性も。
その点、出戻り転職は、企業側も応募者の経歴・スキル・人間性などを把握しているため、採用までの道のりがスムーズです。
3.ミスマッチが少なく腰を据えて働ける
新しい企業に転職すると、また企業風土や業務内容が合わず「失敗した」と感じてしまう可能性もあります。しかし、以前勤めていた会社であれば、仕事内容や社内の雰囲気などは熟知しているはず。
前回の退職理由と折り合いがつけられれば、他の企業への転職に比べて、ミスマッチが起こることなく、長期的に働けるでしょう。
出戻り転職するデメリット
出戻り転職には多くのメリットがあるからといって、デメリットがないわけではありません。一度辞めたわけですので、それなりのハードルがある場合も、ここではそのデメリットを紹介していきます。
1.以前と雇用条件が変化する場合がある
出戻り転職で懸念されるのは、以前と同じ雇用条件で復帰できると限らないということ。
以前の業務は、同僚が引き継いでいる可能性が高く、ポストにも空きがない場合もあるでしょう。もし、以前の雇用条件以下で働きたくないと感じているのであれば、出戻る前にしっかりと確認するようにしましょう。
反対に、他社での経験やスキルも考慮され、以前よりも給与や役職が上がるケースもまれにあります。どちらにせよ、入社前に雇用条件を確認しておくことが大切です。
2.あたたかく迎えられない可能性もある
以前の勤務先に復帰するわけなので、上司や同僚、後輩なども以前と同じメンバーである場合が大半でしょう。
もちろん快く迎え入れ、昔のように接してくれる場合が多いと思いますが、中には出戻りを面白く思わない人もいます。そのため、出戻り転職の際には、人間関係を再構築する覚悟も必要です。
出戻り転職を成功させる方法
出戻り転職を成功させるには、いくつか方法があります。方法やポイント知っておくことで、スムーズな出戻りが可能です。順を追って方法を紹介します。
1.以前勤めていた会社の状況を把握する
以前勤めていた会社に戻りたいと感じたら、まずは転職サイトや企業HPにて求人募集が出ているかチェックしてみましょう。
もし、求人募集が出ているのであれば、通常の転職活動と同様、応募書類を送付してもOKです。
2.元上司や同僚に連絡をとってみる
もし求人募集が出ていない場合、連絡が取れる関係性の上司や同僚がいるのであれば、連絡をとってみるのがおすすめです。
現在の会社の状況を聞き、復帰したい旨をやんわり伝えれば採用担当につなげてもらえる可能性もあります。
3.面接では前向きな出戻り理由を伝える
面接やコンタクトの時間をもらえたら、出戻りしたいと感じた理由を前向きに伝えられるように準備してください。
出戻りするときには、必ず出戻りの理由を聞かれます。その際に、「転職先でうまくいかなかったから」「結局こっちの方が働きやすいと思ったから」のような理由では、悪い印象を与えます。
そのため、「転職してこの会社のこんな魅力に改めて気づかされた」「転職先の会社でこんな経験を培ったので、改めてこの会社で活かしたいと思った」など、前向きな理由に置き換えてください。
特に、転職先と出戻りを望む会社を比較し、出戻りしたい会社の魅力をうまく説明できれば、前向きに受け入れてくれるでしょう。
4.出戻りの挨拶は丁寧さを重視する
無事に出戻りができたら、復帰の際に挨拶が必要です。ここで照れ隠しや罪悪感から茶化すような挨拶をしてしまえば、例えあたたかく迎えようとしてくれていた上司や同僚であっても「誠実さに欠ける人」だと見なし、呆れられてしまいます。
以前は茶目っ気あるキャラだった人でも、復帰初日の挨拶は、丁寧さを重視し、冗談を交えることなく挨拶するのがベターです。
「他社で過ごした経験から、この会社の良さが改めて実感できました。仕事で結果を出し、出戻らせていただいた会社に貢献したい気持ちで一杯です。新たな気持ちで精進しますので、よろしくお願いいたします!」のように感謝と再出発への真摯な気持ちを述べると、好印象を与え、良いスタートが切れるはずです。
まとめ
出戻り転職は、企業側のメリットも大きく受け入れてもらえることが多いもの。しかし、以前と同じ立場や雇用形態とは限らず、社内の人からはあたたかく受け入れてもらえない場合もあります。
いずれにしても、なぜ自分が以前勤めていた会社に出戻りたいのか理由を明確にし、自信を持ってその旨を伝えられるようにしておく必要があります。出戻りを成功させる方法を取り入れ、より良いビジネスライフが送れることを願っています。