就職活動をしていると、日常的に聞かない言葉が多く出てくるので、戸惑う方も少なくありません。
俗に「就活用語」と呼ばれるこうした用語は、意味を把握しておくとスムーズに就職活動が進められます。
今回は、略語や簡単なビジネス用語を含む、さまざまな就活用語をご紹介します。
これから就職活動を始める皆さんは、この記事を読んで事前に用語の意味をチェックしましょう!
就活用語とは
就活用語とはその名の通り「就職活動で使用する用語」のことです。
普段あまり使用しない就職活動に関連する用語そのままを指すこともあれば、用語を略す、ほかの言い方に替えることもあります。
就活用語は就職活動中の学生のあいだで主に使用される言葉ですので、社会人の方や就職活動前の学生の方はほとんど使用しません。
しかし、学生のあいだだけでなく、会社説明会や面接などで企業側が就活用語を出してくるケースもあります。
就職活動が進むにつれて就活用語を耳にする機会は増えるので、あらかじめ覚えておくと、都度戸惑うことがありません。
よく使われる就活用語
まずは基本の就活用語を確認しましょう。
就職活動中によく使用される就活用語は、次の通りです。
・インターン:インターンシップ(職業体験)のこと。実際に企業で働き、マッチングを図る。大学3年生、大学院1年生対象で、6~12月に実施。
・WEBテスト:インターネット上で実施される筆記試験。国語と数学、時々英語も含まれる。
・SPI:WEBテストの1つで、国語と数学のほか適性検査が行われる。
・◎◎卒:学生の卒業年度を指すワード。2022年9月現在大学3年生の学生は、2024年3月に卒業予定で24卒となる。就活生向けのイベントなどで「24卒対象」のように使用される。
・お祈りメール:不採用のメール。「益々のご活躍をお祈りいたします」といった言葉が添えられることに由来。不採用通知が来ない場合は「サイレントお祈り」などという。
・合説:合同説明会。複数企業が大きな会場に集まり、合同で実施する説明会のこと。企業の講演を聞くだけでなく、個別ブースで相談も可能。
・ガクチカ:「学生時代に力を入れていたこと」の略。面接では自己PRと志望動機のほか、ガクチカも高確率で聞かれる。
・ES:エントリーシート。企業に出す資料で、自身の経歴のほか、自己PRや志望動機、学生時代の取り組みなどを記載する。
・グルディス・GD:グループディスカッション。インターンや選考などで、数人のグループで1つのテーマについて話し合う選考方法。
・業界研究:興味を持った業界の年収や仕事内容、今後の業界動向などを徹底的に調べること。
・自己分析:これまでの経歴や実績、人生を振り返り、自身の性質を分析すること。自己分析をすることで、どういった業界や職種が合っているかが見えてくる。
・自己PR:学生時代に頑張ったことを指す。夢の実現のために、何をしてきたかを語り、最終的には「実現のためには御社で働くことが重要だ」と志望動機につなげる。
・就活サイト:企業の新卒採用情報が集まったサイト。マイナビ、リクナビなどが有名。
・内々定:「内定を出す」旨を約束してもらうこと。経団連の取り決めにより正式な内定は10月1日以降に出さなければならないため、それ以前に採用が決定した場合に使用する。
・二次募集:一次募集での欠員を補うために企業が再度面接の応募を実施すること。一次募集よりも競争率が高い。
・ブラック企業:労働基準法などを無視した、過酷な労働環境にある企業。
意味を知っておくと安心の略語
ES、ガクチカなど、就活の基本用語にも略語はありますが、この他にも就職活動ならではの個性的な略語は多く存在します。
耳慣れない略語も、意味を知っておくと会話のなかで東上した際にもスムーズに理解できるでしょう。
・持ち駒:選考中で、内定をもらえる可能性のある企業があること。
・就留:就職留年。就職活動に失敗する、思うような内定がもらえなかったため、あえて留年すること。翌年も「新卒」として就職活動が可能。
・みん就:「みんなの就職活動日記」。楽天が運営する掲示板で、就活の情報交換が可能。
・エレオク:面接官がエレベーターまで見送ること。面接語にエレベーターまで見送られると選考を通過できないというジンクスがあるが、実際のところは見送りと選考の関係性は不明。
・オワハラ:「就活終われハラスメント」。内定者が自体しないよう、企業が学生に他の企業の選考を受けないような働きかけをすること。
・キチョハナカンシャ:「貴重なお話、ありがとうございます(感謝します)」。質疑応答で「貴重なお話ありがとうございます」と言ってから質問に移ることに由来。講演中にあった内容を質問する、見当違いな質問をする人への皮肉。
・オヤカク:入社を親に確認する。内定辞退、入社後のミスマッチによる退社を防ぐため、企業が保護者に連絡・確認すること。
・ANT:ある(A)内(N)定(T)。既に内定をもらっていること。
・NNT:ない(N)内(N)定(T)。内定をまだ1つももらえていないこと。
・Uターン就活:地方出身の学生が、地元に戻って就職活動をすること。
・Iターン就活:都市部出身の学生が地方に行って就職活動をすること。
初歩的なビジネス用語も覚えておこう
就活用語ではないものの、知っておかないと就職活動に影響する言葉もあります。
特にビジネス用語は、面接で使用される、業界や企業研究で登場することも多く、入社後もたびたび耳にするものですので、初歩的なものを覚えておくとよいでしょう。
・初任給:入社後の初めてもらえる給与。求人票に記載している初任給は、「基本給+各種手当-社会保険料-各種税金」。手取りとは異なる。
・退職金:退職時に支払われるお金。勤続年数によるものと、役職や成果によるものがある。
・BtoB:企業が企業に対してサービスや商品を提供するビジネスモデル。
・BtoC:企業が個人に対してサービスや商品を提供する。
・裁量労働制度:労働時間を一定時間とみなすもの。一部の職種に限られる。
・フレックスタイム制:始業・就業時間を自由に決められる働き方。
・IR情報:投資家に対する広報活動。企業の売上推移や業務計画などが記載されており、企業研究にも役立つ。
・コンプラ:「コンプライアンス」の略。法令遵守のことで、法律や社会のルールなどに沿った経営を意味する。
上級者向け就活用語も紹介!
一般的な就活用語以外にも、ネットや一部の就活生のあいだで使用される用語があります。
上級者向けの就活用語も知っておくと、就活話がより盛り上がるのではないでしょうか。
・学歴フィルター:採用基準で学歴に比重を置くこと。「足切り」とも。
・逆お祈り:内定辞退を企業に申し出ること。「お祈りメール」の反対という意味から。
・ソー活:SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を利用した就活。
・リクラブ:リクルートラブ。就活で知り合って恋愛をすること。
・メガンテ:グループディスカッションで場を乱す人。ゲーム、ドラゴンクエストの呪文に由来。
・リクメン:リクルーター面接。人事以外で採用活動をサポートする社員をリクルーターという。
・大手病:大手企業への就職に強いこだわりを持つ状態。
・ノンバイザー:サークルやアルバイトなどを何もやっていない大学生。
・Fラン:就職に強いといえない、あまりメジャーではない大学。
おわりに
就職活動は自己分析、業種や職種、企業の研究などからはじまり、エントリーシートや面接など内定をもらうまでにやることがたくさんあります。
内定がなかなかもらえないなど苦労が多い方もいますが、ちょっとユニークな就活用語を使って同じ就活生と交流すれば、つらい道のりを乗り越えることもできるのではないでしょうか。
就活用語のなかには長年使用されているもの、日常生活でも耳にするものもありますが、流行語のようにその年ならではの用語が作られることもあります。
さまざまな就活用語の意味を知り、就活生同士の会話や面接などで困らないようにしましょう。