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コラム

フリーライターは食べていけないって本当?現役フリーランスライターの見解は

こんにちは、フリーライターの永野です!

フリーランスを目指す方、目指したいと思っている方が最も気になることの1つに「稼げるのか」という問題があります。「フリーライター」と検索すると「食べていけない」というワードが多く目に入りますが、フリーライター1本で食べていくのは本当に難しいことなのでしょうか。

今回は、筆者の実情や食べていけるフリーライターになるためにやるべきことなどをお話したいと思います!

世間で語られるフリーライターに関する事実


「フリーライターは食べていけない」とよく言われますが、食べていけるかいけないかのラインは、「20万円稼げるか」です。総務省が公表する単身世帯の住居費を除いた生活費の平均額はおよそ13万円。家賃の全国平均は4万7000円ですので、20万円あれば生活をしていくことはできるといえます。

ちなみに、厚生労働省のレポートによると、サラリーマンの令和3年の平均給与は27万4000円です。20万円稼ぐことができても、サラリーマンの月収には届いていないことがわかります。

そして、多くのフリーライターがこの20万円の壁を超えることができていないというのは事実で、この結論だけを見ると「食べていけない」ということになります。

「フリーライターが食えない」ということはほぼない!


フリーライターの3人に1人は、年収が200万円未満と、「食べていけない」というカテゴリーに分類されます。しかし平均年収を見てみると300万円程度で、月収にすると25万円。それなりに食べていける人も一定数存在することがわかります。

しかし、日本の平均年収は400万円ほどですので、やはり前項の通り、多くのフリーライターがサラリーマンよりも稼げていないのは事実です。また、フリーライターといっても隙間時間に単価の安いお仕事をこなしてお小遣い程度の収入を得ている方から、テクニカルライターとしてバリバリ稼いでいる方まで収入の差が大きいことも、「食べていけない」といわれる理由だといえます。

フリーライターとして「食えている」筆者の実情


筆者の実情をお伝えすると、現在は「食えている」部類に入っています。しかし、フリーライターを始めた2018年、2年目の2019年の収入は200万円以下で、「食べていけない」部類であった過去があります。

2018年7月から12月までの平均月収は3万円程度。当時は次男の夜間授乳の合間に執筆を行っており、まさに「お小遣い稼ぎ」という感覚でした。また、初心者向けの単価の安い案件ばかりをこなしていたので、以前にもお話した通り時給換算すると300円~500円と、アルバイトをするよりも安い報酬でした。

2019年はやや単価の高い案件に挑戦できるようになったこと、書き方のコツを覚え要領もよくなってきたことから、平均月収は6万円程度にアップ。2020年は新型コロナウイルス感染症の影響で在宅案件が急増したことや、多くの仕事をご依頼くださるクライアントに巡り合えたことから20万円を超える月もありましたが、突然の契約解除などもあり、平均月収は15万円前後と、まだまだ「食べていけない」ライターでした。

2021年は「長年お世話になったから」と続けていた低単価の案件をお断りし、新たな案件に挑戦するなどの工夫をし、平均月収は22万円ほどにアップ。2022年は執筆現在5か月目が終了しようとしていますが、サラリーマンの平均月収を超える程度には稼げるようになってきています。

結論、私が「食べていける」ライターになるまでには3年がかかりました。これは結婚して夫がいたこと、Uターンで収入ゼロから始められたこと、コロナ禍で在宅の仕事が増えたことなどがよい影響にもなっていたと考えられます。

もし1人暮らしでそれまでの仕事を辞め、ゼロからフリーライターに転身していたら、と考えると3年も安定しない低収入のまま頑張れたかどうかは定かではありません。

なぜ「食えない」ライターが多いのか


低収入のフリーライターが多いのには、大きく2つの理由があります。1つはそもそも隙間時間で扶養内の仕事がしたいという方が多いということです。私がSNSでつながったフリーライターの方の半数は、子育て中のママでした。パパが働いているので、家事や育児の合間に扶養内で稼ぐ、お小遣いを稼ぐといった目的の方も多く、そもそも「食えるフリーライター」を目指していなかったのです。

フリーライターをはじめ、フリーランスがママに人気なのには、時間の融通が利くというのが大きいでしょう。シフト制のアルバイトのほうが稼げることもあるでしょうが、納期を守れば作業時間は自由、というフリーランスは子どもの行事や急な体調不良への対応なども比較的柔軟に対応でき、自分の自由時間も作りやすいです。こうしたママたちの収入が、フリーライター全体の平均収入を低い結果にしているといえます。

2つ目の理由は、「案件の探し方や働き方に問題がある」という点です。食えないライターには、低単価の案件ばかりをこなし新規の案件に挑戦しない、スケジュール管理がうまくできていないという特徴があります。

確かに、低単価の案件はハードルが低く、こなしやすいものが多いです。しかし、1記事500円の仕事で20万円稼ぐとなると、1カ月あたりの執筆本数は400本。1本の執筆に1時間かかるとしたら、休みなく毎日13時間働かなければならず、あまりにも現実的とはいえないでしょう。

もし1記事2000円の案件を獲得すれば、1カ月の執筆本数は100本になります。単価が上がれば作業量が増え、執筆にも工夫などが必要になりますが、もし1本の執筆に2時間かかったとしても、月24日の稼働で、1日当たり8~9時間働けば20万円を稼ぐことができます。

高単価の案件を獲得するためには、クラウドソーシングサイトやライター募集をしている企業に応募するといった営業活動が必要です。営業をせず、現在抱えている案件にしがみついていては、収入もスキルも向上は見込めないでしょう。

また、スケジュール管理もフリーランスの方には必要な力です。期日を守って納品するためには、いつ、どの記事を執筆するのか、時間の使い方をどうするかなどの調整をする必要があります。在宅ワークの場合、誰かがみていることもないので、ダラダラとして仕事に手が付けられないと、稼ぐことはできません。

スケジュールをしっかりと組むこと、そのスケジュールに沿って日々仕事を進められること、誘惑に負けず、切り替えて仕事に取り組めることなどができなければ、「食える」フリーライターになるのは難しいかもしれません。

稼げるフリーライターになるためにやるべきこと


フリーライターとして食べていけるようになるには、次の3点を積極的に実践していきましょう。

・多くの記事を執筆して実績を作る
・高単価の継続案件を獲得する
・複数の企業と契約する

ゼロからライターに転身するには、執筆実績を作ることが大切です。クラウドソーシングサイトの募集要項を見てみると、経験者のみの案件は必ずと言っていいほど過去に執筆した記事の提出を求められます。

個人ブログの代行でも、実績は実績です。「こんな安い案件はいやだ」と思うかもしれませんが、まずは何かしらの案件に挑戦し、実績を作るとともに、Webライティングの方法を学ぶことが求められます。

低単価でもフィードバックがしっかりとしている、低単価のなかでも比較的単価が高いといった案件を選び、どんどん記事を執筆していきましょう。

ある程度経験を積んだら、高単価の案件を探していきましょう。高単価の案件はSEOライティングや専門的な知識を求められることも多いですので、得意分野の案件に応募することをおすすめします。また、SEOに関しては知っていて損はないので、ブログなどで簡単な部分だけでも知っておくとよいでしょう。

高単価案件でも、単発では安定した収入にはつながりません。継続案件であることも重要ですので、そこにも注目してください。

ライティングに慣れないあいだは、1つのクライアントの案件だけでも手一杯でしょうが、慣れてきたら複数の企業と契約することも大切です。フリーランスは業務委託契約を結ぶことが多いですが、この契約はいつ切られてしまうかわかりません。筆者も月10万円分ほどのお仕事を頂いていた企業に、突如契約を終了された経験があり、このとき他案件をほとんど抱えていなかったので、翌月の収入が激減しました。

複数の企業と契約していれば、その分収入は増えますし、もし1つの企業との契約が終了しても、翌月の収入がゼロになることはありません。残った企業からの仕事をこなしながら、精神的にも落ち着いた状態で新しい案件を探すこともできるでしょう。

フリーライターになりたいという方はここに注意


フリーライターとして食べていきたいという方は、次のポイントに注意しましょう。

・連絡は密に、納期は厳守
・確定申告などの事務作業もしなければならない
・積極性を持って営業を行う

クライアントとの信頼関係を築かなければ、継続した仕事にはつながりません。連絡を密にとること、リアクションは早めにすることなどを徹底しましょう。また、納期を守れないと信頼を損なう可能性は大きいですので、納期は必ず守るようにしてください。もし体調や家庭の事情で遅れてしまいそうなときは、分かった段階で早めに伝えることが大切です。

フリーライターはただライティングだけをしていればよいというわけではありません。確定申告や請求書の作成など、さまざまな事務的な作業も、自身で行う必要があります。こうした事務作業の時間を設けること、確定申告などの知識をつけることも、フリーライターには求められます。

自身のスキルについて過剰評価をするのはよくありませんが、ある程度自信をもって自分を売り込むことも重要です。ただ待っていて仕事が舞い込んでくるということはほとんどありません。新たな案件に挑戦することはもちろん、既存のクライアントに「ほかに私にできる仕事はありませんか?」と積極的に自分を売り込むことも大切です。

実際、筆者も案件がなく困っていたときに「お仕事ください!」と恥を捨ててお願いをしたことで、よい案件を頂けた経験があります。こうしたお願いをするためには、やはり信頼関係の構築が必要です。誠実に仕事をこなし、必要な知識を身に着ける努力ができる人は、フリーライターとして成功するのではないでしょうか。

おわりに

フリーライターとして食べていくことは決して簡単なことではありませんが、地道な努力の積み重ねは、必ず結果として現れます。「食える」フリーライターを目指す方は、まずは現職と並行しながら初心者向けの記事に挑戦してみてはいかがでしょうか。

フリーランスは大変な部分も少なくありませんが、ライター業はとても楽しいものです。フリーライターに挑戦してみたいという方は、ぜひ一緒にお仕事を頑張りましょう!

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Written by

永野 栄里子

永野 栄里子

大学・大学院にて日本語学を専攻。日本語学校での非常勤講師を経て、2018年よりライター業を開始。さまざまなメディアで記事を手がけながら「田舎の在宅ママライター」として新たな働き方を確立すべく、日々育児に仕事に奮闘中。

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