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デベロッパーとは?仕事内容や大手デベロッパー企業を紹介

デベロッパーは、大型の複合施設やマンション、公社などを建てる際に欠かせない存在です。デベロッパーには大きく3種類に分かれており、明確な定義はないものの種類によって扱う建物に違いがあります。

本記事ではデベロッパーとはどのような職業なのかについて、その概要や種類、仕事内容、代表的な3つの企業について解説します。

デベロッパーとは

渋谷の街並み

デベロッパーとは主に不動産業界において、「土地や街の開発事業者」と位置付けられている職業のことです。複合施設はもちろんのこと、マンション建設などにも携わっています。

本章では、デベロッパーの特徴やゼネコンとの違いなどを解説します。デベロッパーの役割を理解し、ゼネコンとの違いや不動産業界における立ち位置などをチェックしてください。

デベロッパーの特徴

デベロッパーという職業は「developer=開発者、造成業者」に由来しており、不動産業界だけなく、IT業界においてもWebサービス・アプリの開発者は、デベロッパーと呼ばれます。

不動産業界におけるデベロッパーとは、「土地や街の開発事業者」と認識されている職業です。

例にあげると「六本木ヒルズ」や「アクアシティお台場」などが、デベロッパーが関与することで誕生した商業施設です。大型の分譲マンションを開発する際にも、デベロッパーが携わっていることは多くあります。

不動産業の仕事内容は、「土地の取得」「建築」「販売(貸出)」「管理」の4段階に分類されます。デベロッパーのなかにはこれらすべてを引き受けている企業も多くありますが、基本的には「土地の取得」「建築」「販売」を請け負うことが多いです。

デベロッパーとゼネコンの違い

デベロッパーと似たものとして、「ゼネコン」と呼ばれる企業もあります。ゼネコンもまた、建物の建設を総合的におこなうイメージが強い業種です。

しかし、ゼネコンが請け負うのは「建築段階」を総合的に担当する企業のことで、土地の取得から請け負うデベロッパーとは異なります。

そのためゼネコンとは、基本的にデベロッパーからの依頼を受け、建築予算を決め、工事を執り行う企業のことです。したがってデベロッパーとゼネコンは、扱う業務の範囲が異なるとわかります。

主なデベロッパーの種類は3つ

商業施設

「デベロッパー」は、「総合デベロッパー」「マンションデベロッパー」「公的デベロッパー」の3種類に分類されます

総合デベロッパーがマンションも取り扱うなど、それぞれの種類は明確な定義付けによって分類されてはいません。ここでは一般的に認識されている3種類について、どのような建物を扱うデベロッパーなのか解説します。

1.総合デベロッパー

一般的にデベロッパーとして認識されている企業は、この「総合デベロッパー」に分類される会社です。総合デベロッパーは、さまざまな用途の施設を総合的に扱う企業であり、建物はもちろんのこと、街づくりそのものを担うといった役割をもちます。

建物だけでなく街そのものを作るといったニュアンスが強く、扱う建造物の種類が幅広いことから、総合デベロッパーに分類されている企業は必然的に大企業となる傾向があります。

企業の規模が大きく知名度も高いことも、デベロッパー=総合デベロッパーと認識される理由のひとつでしょう。

2.マンションデベロッパー

特定の建物をメインに取り扱っているデベロッパーのことを「専門デベロッパー」と呼び、総合デベロッパーと区別することもあります。

専門デベロッパーは、マンションに特化していれば「マンションデベロッパー」、オフィスビルに特化している企業は「オフィスデベロッパー」などと呼ばれます。そして専門デベロッパーとして代表的なものが、「マンションデベロッパー」です。

主に分譲マンションの開発をおこなう企業が分類され、マンションが必要とされている土地を購入したうえで、建設から販売までを一貫して担います。

ただし、この専門デベロッパーには明確な定義があるわけではありません。そのため総合デベロッパーが、マンション建設をおこなうこともあります。

3.公的デベロッパー

専門デベロッパーと似たものに、「公的デベロッパー」というものがあります。公的デベロッパーとは、主に公共団体や公社、住宅都市整備公団などを手がける企業のことです。

公共団体や公社を建設する際は、国や自治体のもとで企画・開発をおこなわれます。そのため、基盤整備などにも携わっている点が、他の専門デベロッパーとは異なるポイントです。

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デベロッパーの仕事内容


デベロッパーの仕事内容は「土地の取得」「建築」「販売(貸出)」「管理」の4段階に分類されますが、デベロッパーの仕事には、「マーケティング」や「法務・財務管理」などもが含まれることもあります。

本章では、基本業務に加えて「マーケティング」と「法務・税務管理」といった2つも合わせて、のデベロッパーの業務を解説します。

用地取得

用途取得とは簡単にいうと、「土地を手に入れること」です。建造物を建てる際には土地が必要となるため、デベロッパーはまず、情報収集をおこないます。

不動産流通会社や地権者にまつわる情報はもちろんのこと、現場へ赴き現地調査をおこない、その土地がもつ「ポテンシャル」を精査し、その土地が適しているか検討します。

企画・開発

土地を入手したら、次におこなうのが「企画・開発」です。エリアの歴史や周囲の環境などを含めた、その土地のポテンシャルやニーズを調査したうえで、街づくりのコンセプトなどを決めていきます。

「企画」とはニーズや歴史に沿って、方向性や適した建物を作るために計画を立てていくことです。その後、企画段階で決定したコンセプトや計画に沿って、具体的な設計図やデザインの作成などの段階に入ります。この段階のことを「開発」といいます。

マーケティング

一般的に特定の商品に関する市場調査をおこない、それをもとにした「販売戦略」を練るといった工程を「マーケティング」といいます。

デベロッパーが取り扱う商品とは完成後の建物のことで、マンションであれば販売価格、商業施設の場合はテナント料などを決定する際も、マーケティングによる調査結果をもとにします。

法務・総務管理

デベロッパーに限らず、不動産業界ではひとつの契約をおこなう際にも、数多くの書類を用意しますが、この書類が増えるほどその管理は複雑化していきます。

デベロッパーが扱うような大型商業施設などになれば、書類の数は膨大になり、その管理をするにも専門部署が必要です。

また、契約の際に使用する書類は、秘密保持や個人情報保護の観点から管理を外部へ委託できないため、自社で管理する必要があります。

販売

調査を積み重ね工事に着手し、建物が完成した後も、デベロッパーの仕事は続きます。次におこなうのは「販売」です。

マンションであれば、一般の顧客を対象に販売していきます。しかし、オフィスビルや商業施設などの場合は、街づくりの観点からそのエリアのコンセプトに沿った会社や店舗を対象に、物件を販売、または賃貸契約を結ばなければなりません。

管理

完成したビルの管理も、デベロッパーの仕事です。管理といってもその意味は広く、建物のメンテナンスをおこなうだけではなく、建物がある街の価値をさらに向上させるよう努めることも管理に含まれます。

せっかく大型の商業施設ができたとしても、その街自体に魅力が少なければ、多くの利用者をつかむことはできません。またマンションであっても、今後どんどん発展していく街であれば買い手もつきやすくなります。

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大手デベロッパー企業3選

オフィスビル

最後に、大手デベロッパー企業と呼ばれる会社として代表例として、「三井不動産株式会社」「三菱地所株式会社」「野村不動産ホールディングス株式会社」の3社を紹介します。

三井不動産株式会社

三井不動産株式会社は、主にオフィスビルや商業施設、ホテルなどの建設をおこなう大手企業です。総合デベロッパーである同社は、幅広いノウハウをもつことが強みです。

同社が主要開発エリアとしているのは東京都・日本橋で、同エリアではこれまでに東京ミッドタウンやコレド室町などの建設をおこなっています。

同社の売上高(2019年3月末時点)は、賃貸物件32%、分譲物件29%、マネジメント業務20%、三井ホーム14%、その他5%とされています。

三菱地所株式会社

三菱地所株式会社は1890年から、東京都の丸の内一帯を購入して開発を進めた歴史をもつ不動産デベロッパー企業です。</span>

同社の主要開発エリアは丸の内と大手町で、同社が手がけた代表的な物件は丸ビル(東京都千代田区)です。とくに丸の内エリアに多くの不動産を保有している企業であり、賃貸事業で大きな利益を得ています。

しかし、主要エリアとは異なる横浜市でも、横浜ランドマークタワーの建設にも携わっています。

また、海外事業を積極的に展開していることも同社の特徴といえるでしょう。今後はアジアを中心に、さらなる開発を進めていく方針だそうです。

野村不動産ホールディングス株式会社

野村不動産ホールディングス株式会社は、マンションデベロッパーとしての側面が強い企業です。これは分譲マンションによる利益が、売上高の半分以上を占めることからもわかります。

同社の特徴としては、マンションにおける建設から販売、管理までを一貫しておこなっていることです。主要開発エリアは東京都・新宿区としており、同エリアを中心に「PROUD」をはじめとしたブランドマンションを供給しています。

デベロッパーの仕事内容を理解しよう

土地や街の開発事業者とされているデベロッパーとは、主に「総合デベロッパー」「マンションデベロッパー」「公的デベロッパー」の3つに分類されます。

またその仕事内容は、用地取得や企画・開発、マーケティング、法務・総務管理、販売、管理と幅広く、建物やエリアの開発に長く携わる仕事です。

建物だけでなく、「街そのもの」を作る仕事といっても差し支えないでしょう。本記事を参考に、ぜひデベロッパーという職業への理解を深めていってください。

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Written by

古橋直樹

古橋直樹

関西大学を卒業後、大手人材会社で営業・新卒採用の人事を経て、求人検索エンジン会社で大阪支社の立ち上げを経験。2021年に起業し、現在は、20代~30代前半を中心にキャリアアドバイザーとして転職を支援。

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