
結論からいうと、産休や育休中に現職を退職して、転職活動することは可能です。しかし給付金を受けられなくなったり、保育園の入園が困難になったりするリスクも。
今回は、「育休中の転職に伴うリスク」や「転職理由」について解説します。しっかりと知識を得て慎重に行動すれば、育児と仕事を両立できる理想の職場へ転職成功するでしょう。
産休中や育休中に転職はできるの?
産休・育休中であっても、現職を退職して転職することができます。育休とは、原則子どもが1歳になるまでの間に、子育てに専念できるように休みを取得できる制度のことです。
一定期間の休みを経て、現職に戻る労働者を対象としています。しかし産後に何らかの事情で現職に戻れなくなる場合もあり、復職せずに転職するケースも。
産休中・育児休業中の退職は、法に触れるわけではないので、本人の意思により転職できるのです。
育休中に転職・退職を検討する3つの理由
育休中に転職・退職をする理由は、共通していることが多いようです。転職を検討する人の理由として下記の3つがあげられます。
- 子育てと仕事の両立が難しい
- 育休明けに戻るポジションがない
- 家庭の状況で転職せざるを得ない
共感できる転職理由もあるはずですので、気になる項目からご覧ください。
子育てと仕事の両立が難しい
子育てと仕事を両立しながら働くイメージが持てず、退職を考えはじめる人が多いです。
育児ははじめてみないと大変さを理解しにくいもの。赤ちゃんのお世話が想像以上に大変で、復職後にキャパオーバーになる自分をイメージしてしまう方も多いでしょう。
ワーママが多い職場で「働くママ」への理解があれば、復職して会社に貢献したい気持ちが持続するはず。しかし現職に良いイメージを持っていない場合は、退職したい気持ちが高まるようです。
育休明けに戻るポジションがない
厚生労働省の「育児・介護休業法のあらまし」によると、産休や育休は「原職または原職相当に復帰させることが望ましい」とされており、業務内容に対しては触れられていません。
そのため、育休明けに自分のポジションがほかの人に奪われているケースも珍しくないのです。産休と育休を2年間取得した場合は、穴埋めをするために新しい人材を採用しているケースも。
新人社員が自分のポジションに就いて成果を出していれば、産休明けに居場所がなくなり、転職せざるを得ない状況の人もいるでしょう。
家庭の状況で転職せざるを得ない
産休・育休中に旦那の転勤が決まり、引越しが原因で復職できない人もいます。また親の介護や生まれた子どもの身体が弱く、復職が難しくなり退職を考えるケースも。
産後の肥立ちが悪く、産休前のように活躍できる自信がなく「退職した方が良いのでは?」と思う人もいます。
「現職を辞めたくない」気持ちが少しでもあるなら信頼できる上司や人事の人に事情を相談するのも1つの手です。ポジションを変更するなどで現職に復職できるような解決策が見つかるかもしれません。
転職相談をご希望の方はこちら育休中の退職・転職に伴う4つのリスク
育休中でも退職できますが、4つのリスクが潜んでいるので把握しておきましょう。
知らないまま行動に移して、後から悔いてしまう方も多いようです。転職前に知識を深めて、慎重に進めることが大切。
下記の4つのリスクを知っておけば、安心して転職活動を進められるでしょう。
- 育児休業給付金を受け取ることができない
- 現職の人間関係が崩れる可能性がある
- 保育園の入園が困難になる
- 転職活動を挫折してしまう可能性がある
上から順に解説します。
育児休業給付金を受け取ることができない
「育児休業給付金」とは、育休中に雇用保険から支払われる給付金のことです。下記の2つを目的としています。
- 出産後も仕事が継続できるように保証
- 子どもを養育している間に減少する収入をサポート
受給資格確認後に退職をした場合は、退職日の1つ前の月までが支給対象となります。
しかしその後は給付対象から外れるので、育児休業給付金を受け取ることはできません。
現職の人間関係が崩れる可能性がある
産休や育休は、「休み明けの職場復帰」が前提の制度です。会社側もそのつもりで休業中に仕事のフォローをしています。
しかし自己都合で途中退職するとなれば、復帰スケジュールが崩れてしまううえに、代わりの人員確保が必要になるのです。人員確保には最低でも2ヶ月かかるので、早めに意向と謝辞を伝えましょう。
保育園の入園が困難になる
育休中に転職する場合、保育園の入園が難しくなる可能性があります。
自治体によっては、「収入の安定性」で入園の優先順位が決まるところも。ですので現職を退職したあとで入園届を出す場合は、不利になってしまいます。
さらに育休後に復職することを条件に在園を認める自治体もあります。その場合、現職を退職すると、在園中のお子さま(第一子)も退園を迫られるケースも。
転職活動を挫折してしまう可能性がある
育休中の転職活動は、赤ちゃんのお世話をしながら進めるので、通常の転職活動より難易度が高くなります。面接を受ける場合には、一時保育や家族、親戚などに赤ちゃんを預けなければなりません。
一時保育の予約を取れなかったり、家族の協力を得られなかったりと突発的な面接実施に対応できないケースも。子育てと仕事を両立しなければならないので、転職先に求める条件が未婚のときよりも増えるはずです。
自分の条件にあう職場を見つけられず、転職活動を途中で断念してしまう可能性があります。
育休中に転職する具体的な流れ
育休中に転職する具体的な流れは下記の通りです。
STEP1. 子どもの入園する保育園を決める
STEP2. 転職活動しやすい環境を整える
STEP3. ワーママ特化の転職エージェントを利用する
STEP4. 面談・面接
STEP5. 内定確定
とくに、STEP3の「ワーママ特化の転職エージェントを利用する」ことが重要です。ワーママ特化の転職エージェントでは、育休明けに働くママの気持ちに寄り添ったアドバイスをもらえます。
ワーママにとって働きやすい環境の職場を紹介してくれたり、勤務時間や年収を代理交渉してくれたりといった手厚いサポートを受けられるのです。
育休中の転職は慎重に進めよう
育休中の転職は、育児休業給付金を受けられなくなったり、円満退職が困難だったりといったリスクが伴います。さらに、自治体によっては保育園の入園が難しく、転職活動が難航する可能性も。
育休中に退職することのリスクを把握したうえで、転職活動を進めてくださいね。慎重に行動すれば、育児と仕事の両立が可能な職場に転職できるでしょう。
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