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転職・副業

女性が管理職として働くメリットとデメリット。理想的な自己実現をしていくための手段

男性社会と言われてきた日本も、近年では男女平等社会に向けて大きく変わろうとしています。

その改革のひとつとして、多くの企業で女性管理職を増やそうとする動きが見られますが、当の女性たちは不安やネガティブな感情を持っている人もいるでしょう。

そこで今回は、日本における女性管理職の実態をとりあげながら、管理職になるメリットやデメリット、理想的な自己実現をしていくための方法をお伝えしていきます。

日本における女性管理職の実態

まずは日本における管理職の実態から、一緒に見ていきましょう。

日本の女性管理職比率は10%台

2016年に、女性の社会進出・活躍を後押しするための「女性活躍推進法」が施行されました。具体的には、仕事で活躍を願うすべての女性が、個性やスキルを十分に発揮できる社会の実現を目指し制定されたもの。

「2020年までに指導的地位に占める女性の割合を30%にする」と期限付きで具体的な目標が掲げられたものの、達成の見通しが立たず、20年12月に「可能な限り早期に(20年代中)」と期限が改められました。

実際に、19年に発表された内閣府の資料によると、日本の女性管理職比率は10%台にとどまっています。世界と比較してみても非常に低い割合で、主要7カ国(G7)で最下位。また、2021年3月末に世界経済フォーラム(WEF)が発表した「ジェンダー・ギャップ指数」(世界各国の男女平等がどのくらい実現できているかを数値化したもの)においても、日本は調査対象の156カ国のうち、120位という結果でした。

過半数以上の女性が「管理職になりたくない」と回答

女性の社会進出や活躍を後押しする風潮はあるものの、なかなか円滑には進まない現状。この原因のひとつに、管理職を望まない女性たちの想いがあります。

2021年にある企業が、20代から30代の正社員(総合職)の男女700人(女性500人・男性200人)に向けて、「女性の管理職に対する意識調査」を実施しました。

「今後、管理職・マネージャー(自分の下に評価対象の部下がいるポジション)になりたいか」と尋ねたところ、「なりたい」「ややなりたい」と回答した女性は、32%という結果に。

つまり、約7割もの女性が管理職・マネージャーになりたくないと感じていることがわかりました。「管理職・マネージャーになりたくない」と回答した女性に理由を聞くと、「重責を担うのが嫌だから」「長時間労働になりそうだから」「自分には向いてないと思うから」などといった回答が多く見られました。

女性が管理職として働くメリット


先述した「女性の管理職に対する意識調査」の結果から、管理職・マネージャーになることに後ろ向きな女性が多いことがわかりましたが、実は女性が管理職になるメリットは多くあります。では、管理職になるとどんなメリットがあるのか、具体的に整理していきたいと思います。

年収が上がる

厚生労働省から発表された「令和2年賃金構造基本統計調査」をもとに、役職者と非役職者の年収を比較してみると、大きな差があることがわかりました。

女性の非役職者の平均年収は248.1万円、係長クラスの役職に就く女性の平均年収は337.3万円でした。その差約90万円。部長クラスの役職に就くと、さらに平均年収は上がり、非役職者と役職者の平均年収は、270万円ほどの年収差があるのです。

もちろん、所属する企業や勤続年数によって年収は異なりますが、役職に就くことで確実に年収はアップするでしょう。

転職・仕事の幅が広がる

大企業をはじめに、企業は女性管理職を増やす努力を求められています。だからこそ、マネジメント経験や管理職経験のある女性は、各業界・企業から重宝され、転職市場においても需要が高まり、待遇面や仕事面で有利になる傾向があります。

人生100年時代を生きる糧が築ける

年々平均寿命や健康寿命が延びている日本では、今後定年退職の年齢も伸びる可能性があります。人生100年時代とも言われる現代、男女関係なくできるだけ長く働くことが求められるでしょう。

女性は結婚、出産、子育てなどのライフイベントの影響を受けやすく、一般的にキャリアを築いていくことが難しいと言われていますが、管理職経験で積み重ねたキャリアは、必ず将来に活かせる武器になります。子育てが一段落したとき、離婚して第二の人生を歩もうとするときなど、管理職を経験して培ったマネジメント能力やスキルは、必ず自分の人生を支える糧になってくれるでしょう。

女性が管理職として働くデメリット


人生100年時代を生きる私たちにとって、女性も管理職になるメリットが多くあることがわかりました。もしあなたが現在の勤め先で、管理職への打診を受けていたり、将来的に管理職を目指していたりするのなら、改めてデメリットとも向き合い、自分の中で整理しておく必要があります。ここでは、女性が管理職として働くデメリットを紹介します。

責任が増える

仕事の決断を委ねていた立場から委ねられる立場になるので、必然的に責任が重くなります。また決断によってもたらされる影響が社内のみならば、心身の負担も最小限に抑えられるかもしれません。

しかし、時にはクライアントや取引先などに影響を及ぼすような大きな決断を強いられることも。非役職にはなかった責任を感じることが増えるでしょう。

相談できる人材が少なくなる

男女問わず役職が上がり、部下を統括するポジションになれば、孤独を感じる場面も増えるはず。女性の管理職となるとさらに数が少ないので、悩みを理解し、アドバイスしてくれるような相談相手がほぼいなくなります。仕事をする上で、思いを分かち合いながら相談できる人がいることは重要ですから、心細く感じてしまう人も多いのかもしれません。

私生活との両立が難しくなる

管理職になると、非役職時代と比べてイレギュラー対応が増加します。部下が起こしたトラブルや、経営陣から急な課題に対応しなければいけない場面も増え、残業時間が増えたり、休暇が取りにくくなったりする場合も。

そのため、出産・子育て制度の整っていない会社では、私生活を大切にしながら管理職として働きづらいでしょう。

女性管理職として理想的な自己実現をしていくためには

ここまでお伝えしてきたように、日本における女性管理職の数は少なく、デメリットも多いのが事実です。しかし、アプローチの仕方や環境づくりによって、キャリアやスキルを磨きながら自己実現することは可能。ここでは、女性管理職として自己実現しながら活躍するための手段を紹介します。

多様性を理解し、得意を共有する

日本はまだまだ男性社会で、ビジネスも男性主体のルールで動いています。だからといって、男性と同じような働き方をする必要はなし。そもそも性別によって特性は違い、人それぞれ得意・不得意は異なるもの。

女性は男性に比べて、共感力や調和性に優れている傾向にあるので、この違いを存分に活かし、組織に新しい風を吹かせましょう。また、自分の得意・不得意も周囲に積極的に共有することで、働きやすい環境を構築していけるはずです。

論理的なコミュニケーションを意識する

女性は共感力や調和性に優れている分、感情的と言われることもあります。管理職のポジションに就いた際に、感情的に怒られた、評価を下されたと思われてしまえば、部下との信頼関係を築いていくことはできません。部下指導の際は、目の前の事実だけに目を向けるように意識し、論理的なコミュニケーションを心がけましょう。

承諾する前に交渉する

もしもあなたが会社から管理職への打診を受けている最中なのであれば、承諾する前に自分が働きやすい条件を提示するのもひとつの方法です。

例えば、転勤はしない、週に1回はテレワークを導入するなど。交渉の際には自分だけの願いではなく、女性社員が今後長く活躍するために必要な制度であることを伝え、将来的に会社にとってもメリットにつながると述べることが大切です。

まとめ

働く環境・受け入れ態勢が不十分なことから、日本における女性管理職の数は少なく、ネガティブな印象を持つ女性が多いです。しかし、人生100年時代と言われる今、年収が上がったり、自立した生き方ができるようになったりする管理職のポジションは、現代を生きる女性にとって多くのメリットになります。今回紹介した女性管理職として自己実現しながら活躍するための手段を参考に、自分らしいキャリアと人生を謳歌してください。

参照情報
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC1454K0U1A510C2000000/
https://news.yahoo.co.jp/articles/72ce9b3dd8231e9ac1b5be6f80233ef0af28e0ec

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Written by

山本 恵美

山本 恵美

大学卒業後、生活情報誌やファッション雑誌の記者・編集を経て、株式会社マイナビに入社。 15年間、人材サービス(就職・転職・障がい者採用)の分野において5000社以上の企業広告を担当。 2020年に起業し「合同会社綴」を設立。現在は企業取材・広報のほか、採用コンサルティングやキャリアアドバイザー業務等も行っている。

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