進路や就職先など、今後の人生を左右する大きな決断に迫られるタイミングは、誰にだって訪れるものです。「自分は何をしたいのか?」を自問自答し答えを探す日々…。
今回インタビューした門崎一樹さんは、柔道整復師・鍼灸師になるため6年間専門学校に通い、国家試験に合格し、晴れて柔道整復師になり就職したもののどこか物足りない…。そう思っている矢先に飲食店オープンのオファーの声が掛かり、ジェラート店を開業させることとなりました。
“国家資格は一生もの”そう思い柔道整復師1本で過ごしていた門崎さんに訪れた転機。未経験だった飲食業界に入り、和歌山にはまだ数店舗しかないジェラート店を選んだ経緯とは?
今新しいことにチャレンジする一歩が踏み出せない方に届けたい!勇気を出すために必要なのは、自分の限界を決めないこと。そんな生き方を教えてくれる門崎一樹さんのインタビューをお届けします。
卒業を目前に進路に悩んだ高校時代
高校在学中、柔道部に入っていた門崎さん。社交的で明るい性格の門崎さんは、いつも賑やかな友人達に囲まれて過ごしていました。3年生となり各々が進路に悩む時期がやってきます。
「自分は将来何がしたいんだろう?」
叶えたい大きな夢があるわけでもなく、必ずこの道を歩みたいという強い願望もない。ただやんわりと、「将来長い目で見た時に手に職をつけたい、そのためには一生ものである国家資格を持ちたい」と思い始めます。
悶々とする中で、柔道部の顧問に今の心境を相談しました。「柔道整復師」という職業について教えてもらい、好きだった柔道と関係する職に興味を持ちます。
さらに偶然にも、高校時代毎日一緒に過ごした親友の父親が、腕の立つ柔道整復師で鍼灸師もこなす方でした。実際に身近で彼の父親の存在を目の当たりにしたことで「この仕事がしたい」と強く影響を受け、柔道整復師の道に進むことを決意します。
高校卒業後、大阪へ。3年間通った専門学校で学んだ経験
高校卒業後、柔道整復師になるため大阪・岸和田の専門学校へ入学します。和歌山から通える距離ではありましたが、憧れだった一人暮らしを始めました。
専門学校には全国から生徒が集まり、3年間みっちり勉強します。柔道整復師は、骨折・脱臼・打撲・捻挫など、ケガした箇所を柔道整復術を使い治療する職業。そのため基礎である骨・関節・筋肉・靱帯の動きや仕組みについて学ぶだけでなく、研修や実践を繰り返し学びを深めました。
就職後、鍼灸師になるためさらに3年間専門学校へ通う
無事に国家試験に合格し、晴れて柔道整復師となった門崎さん。専門学校卒業後は整骨院へ就職。「もっとこの仕事を活かしたい」と思い、更なる向上心のため鍼灸師の資格を取ることを決意。昼間は仕事をしながら、夜間は再び専門学校へ通い始めます。
鍼灸師は鍼(はり)や灸(きゅう)を使うため、柔道整復師とは治療方法が異なりますが、同時に治療ができることで活躍の幅が広がることを視野に入れていました。同じ職種でも自分ができる幅や視野が広がり、やりがいを感じる毎日を過ごしていました。
もともと人と話すことが得意だった門崎さんは、さらに会話力や人との接し方に磨きがかかります。子どもからお年寄りまで年代問わず来院される患者とのやりとりが、とにかく楽しかったのだとか。
未経験だった飲食に転職!風向きが変わった社会人3年目
整骨院のお仕事は基本的にシフト制。営業時間があり、日曜日は休院日。来院する患者は違えど、自分の仕事ルーティンは毎日同じ…。
3年目を過ぎた頃、「新しいことにチャレンジしたい」と思う気持ちが芽生え始めます。決して悪い環境ではないし、福利厚生もしっかりしてる。休日には趣味に没頭する時間もあるし、旅行にも行き充実した人生を送っている。でも何かが足りない…。
“タイミングを逃せば、転職のチャンスは来ないかもしれない”
そう思っていた矢先、「新しい事業として、飲食関係を立ち上げようと思っている」と勤めていた会社の社長から声が掛かります。門崎さんにとって、この一言が人生を変えるきっかけでありチャンスとなります。
何度も話し合いを重ね、門崎さんの出身地・和歌山を拠点とし、まだ数店舗しかないカフェ&ジェラートを融合したお店の開業が決定しました。ここから門崎さんの人生の風向きが変わり、新しいチャレンジが始まります。
カフェブームの和歌山!ジェラートを融合させた長く愛されるお店へ
飲食業は、現地のニーズに合わせた世界観がカギとなってきます。ここ数年和歌山ではカフェブームが沸騰しており、リノベーション古民家や海外風などインパクトのある店舗が大人気。「和歌山にもこんなお店あったんだ!」とSNSで拡散され、口コミで広がり話題となります。
そこで目に止まったジェラート。和歌山にはジェラート店が数店舗あるものの、少し足を運ぶ立地や山奥にあるため、県外の観光客もアクセスしやすい場所にお店を構えることに。
1からジェラートの作り方を独学で学ぶには、時間も能力も追い付かない…。そこで大阪府・堺市に店舗を構える、社長がファンで個人的に通うお気に入りのジェラート店『ジェラッテリア&カフェ ricarica』にアポを取り今回の経緯を説明しました。
急なお願いにもかかわらず事情を理解してくださり、『ジェラッテリア&カフェ ricarica』監修の味を和歌山で広めるため、門崎さんは約半年間みっちりと修行をすることに。ジェラートの作り方だけでなく、ラテアートの練習、接客やお店の基盤となる運営なども学びました。
いよいよオープン!地元の人の反応は?
門崎さんは修行を終え、和歌山に戻りお店のオープン準備に追われます。物件探し、店内のデザイナー探し、営業などを1人で動き回り、たくさんの人に出会い想いを伝える忙しい日々。
「やることがたくさんあったり、初めてのことばかりで忙しなかったですが、新たな出会いや、人脈が繋がりたくさんの方に助けられてここまで来れました」と語る門崎さん。
1人のようで1人ではない。門崎さんは、振り返るといつも誰かが側にいてくれる。そして支えられ助けられている環境に改めて気付いた瞬間でした。
コロナ禍のオープンとなり地元の人の反応が心配でしたが、アクセスしやすい立地で周りはカレー屋やラーメン店ばかり。ちょうどデザートにぴったり!と、客足は止まることがありません。
ジェラートは毎日ショーケースに16種類並び、日替わりでメニューを入れ替え、飽きがこないアイデアを組み込みました。
メインのジェラートだけでなく、カフェメニューもこだわっています。厳選した珈琲豆を使用したカフェラテは絶品!オープン後1ヶ月が経過し、すでにリピーターも少しずつ増えてきたのだとか。
店長として、お店を守る立場になって感じたこと
当初の準備期間中は1人でやりくりしていましたが、今では社員を抱えそれぞれの役割を与えています。「1人でやるには限界があります。徐々に信頼が生まれ、スタッフに任せられることも増えてきました」
人を束ねる存在であり、お手本とならなければいけない「店長」という立場。今まで経験したことのない時間を過ごし、常に意識していることは『個を見ること』。
最初はお店やスタッフ全体を見ようと思っていたものの、限界がある…。全体を一括りにまとめようにも、意見の食い違いやズレに気付き始めました。そこでスタッフ1人1人の意見や、価値観を尊重することを優先することに。スタッフ達が働きやすい環境を作ることの大切さも、今の立場になって感じたことでした。
そしてメリハリも心がけていることのひとつ。怒るときはしっかり怒る、話し合いをする時はお互いが納得するまでしっかり。想像以上に大変な時もあるものの、門崎さんの中でさらに視野が広がり、自分の限界の幅が広がったのだとか。
「柔道整復師になるために勉強に励んだ時間も、整骨院で働いた時間も後悔は全くありません。ですが、新たなるチャレンジでジェラート店の店長となり、経営や接客もこなし、今まで気付けなかった新しい自分にも気付くことができました。」
新しいチャレンジは続く!すでに2店舗目オープンも検討中
現在「con panna」では10〜40代と幅広い年代のスタッフとお店を盛り上げています。今後は更に認知度を高め、2店舗目のオープンもすでに視野に入れているのだとか。和歌山に限らず関西内も視野に入っているそうで、ますます今後の活躍が楽しみです。
「con panna」では、お店のブランドや世界観に合う方、明るく人のペースに合わせられ方、配慮ができる方を求めています。店舗数を増やしていきたいため、役割を任せられる責任感のある正社員を募集中です。
現在働いているスタッフの中には、大阪から片道1時間半かけて通っている方も居るのだとか!お住まい、年代問わずスタッフを募集中。オシャレなカフェ・ジェラート店で働きたい方のご応募、お待ちしています!
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