【この記事を読めばわかること】
・即戦力となる経験者の採用意向が高いが、同業種に転職する人と異業種に転職する人は近年ほぼ半々
・即戦力がほしい企業に対しては、スキルや経験のアピールが有効
・第二新卒のような若手で、なおかつ未経験歓迎の求人であれば「意欲の高さ」をアピールすることが大変有用
・「きっかけ」はきちんと言語化&リサーチは念入りに
転職を決意し、さまざまな求人を探す中で、全く別の職業、「異業種」もいいかも。と思われる方は多いのではないでしょうか。
しかし今の業種で経験を積んでいればいるほど、異業種の転職へのハードルは高くなりそうなイメージもありますよね。
そこで今回は異業種からの転職の実態と、転職理由として使える「きっかけ」に着目。気をつけるべきポイントも一緒にご紹介していくので、ぜひ参考にしていただけたらと思います。
異業種からの転職、実際のところは?
株式会社マイナビが「2021年に転職した20代~50代の男女1500名」を対象にした調査(※1)によると、2021年に異業種に転職した人の割合は、全転職者のうちの47.4%と、ほぼ半数にのぼることが明らかになっています。
ちなみに2020年は48.8%、2019年は48.2%と数値に大きな変動はないため、同業種に転職する人と異業種に転職する人は近年ほぼ半々だということがわかります。
※1 株式会社マイナビ 転職動向調査 2022年版(2021年実績)
よって、「異業種」が理由で転職が不利になるということはなく、きちんと準備をしていれば充分異業種への転職は可能だと言えます。
ニーズを知ろう
一方、企業側も中途採用には意欲的で、株式会社マイナビが2021年1~7月に中途採用を行った企業の人事担当者を対象に実施した調査(※2)によれば、「今後は積極的になる」が46.1%と、前年(23.3%)から22.8pt増加。今後ますます中途採用が活発化していくことが伺えます。
中途採用に意欲的な業界は?
同調査によれば、業種別では『IT・通信・インターネット』業界が最も中途採用に意欲的で、次いで意欲的な業界が『不動産・建設・設備・住宅関連』でした。
もし業種にこだわらず、異業種にチャレンジしてみたい!という方は、まずニーズのある業界に応募するのもひとつの手段でしょう。
企業の欲しい人材は?
同調査の採用意向では、やはり即戦力となる経験者の採用意向が高いのは事実です。ですが前述の通り、異業種への転職成功者はほぼ半数と、未経験からでも転職に成功している方が半数近くいるのも事実。
そのため、企業のニーズを把握(企業研究)した上で、自分のスキルや志望理由をきちんと言語化(自己分析)し、的確なアピールをすることが必要となってくるでしょう。
※2株式会社マイナビ 中途採用実態調査(2021年)
スキルや経験をアピールしよう!
即戦力がほしい企業に対しては、スキルや経験のアピールが有効です。
と言っても無闇にアピールするのではなく、企業のニーズを把握し、どのような人材が欲しいのかを見極める必要があります。
よって今回は、どの企業でも概ね受け入れられやすい「コミュニケーション」と「ディレクション」に着目し、アピール方法をお伝えしていきます。
コミュニケーションスキル
例えば、チームワークが多い職種の場合、ストレス耐性やコミュニケーション力、折衝業務を期待している企業もあります。
さまざまな意見や考えを持つ人々と気持ち良く働くためにどのような努力をしてきたか、コミュニケーション能力や報連相の徹底などをアピールすることは非常に有効的な手段といえるでしょう。
ディレクション
パートやフリーランスが多い職場では、正社員は若くしてディレクション業務に就くことも珍しくありません。そのため人の上に立つ役職についていた方なら、その経験をアピールすることも有効でしょう。
ただ職場が異なれば求められる能力にも差があり、人も異なります。そのため単に役職をアピールするのではなく、なぜ役職についたのかを説明することで、よりあなたの能力をイメージしてもらうことができるでしょう。
また役職についていなかった方も、現場をまとめるポジションで働いた経験がある方は、現場をまとめる上で気を使っていたこと、この職場でも気をつけていきたいことなどをアピールすることで、よりあなたと一緒に働くイメージを持ってもらうことができるでしょう。
熱意・意欲をアピールしよう!
しかし、スキルをアピールしようにも自信が無い、うまく言語化できる自信が無い・・・という方もいらっしゃるかと思います。
厚生労働省が行った調査(※3)によれば、企業が若年(15歳~34歳)の中途採用者を採用する際、最も重視する点は「職業意識・勤労意欲・チャレンジ精神」が75%以上と最も高くなっていました。
次いで「コミュニケーション能力」「マナー・社会常識」「組織への適応性」「業務に役立つ職業経験」となっており、第二新卒のような若手で、なおかつ未経験歓迎の求人であれば「意欲の高さ」をアピールすることは大変有用だということがわかります。
そこで、下記に熱意の大きさや意欲の高さをアピール出来るポイントをご紹介していきます。
※3 厚生労働省 平成30年若年者雇用実態調査の概況
かねてからの夢だったとアピールする
新卒採用では無理だったけど、再度チャレンジしたい!という職種がある人は少なくないのではないでしょうか。そのため年収が下がってもチャレンジしたい、とアピールすることは、熱意のアピールにつながるでしょう。
ただ、再度チャレンジしたい職種であったとしても、例えばクリエイティブ職はスキルや経験が高く評価される業界であり、未経験歓迎の求人は少ないと言わざるをえません。
その場合は、パートやアルバイトからじっくり経験を積む、また専門学校に通ってスキルを習得するなど、ことが熱意のアピールにもなりますので、自分のライフプランを考えて転職を考えていきましょう。
きっかけをアピールする
またかねてからの夢でなくとも、偶然、あるいは働く中で知った「ここで働いてみたい」という企業もあるかと思います。
ただ働きたいと思った「きっかけ」は適当に流すことなく、きちんと言語化に努めるべきポイントです。なぜなら衝動的に感じられる内容は計画性の無さと捉えられ、採用につながりにくい可能性があるからです。
きちんと自分のライフプランを考えていることをアピールするためにも、業界に興味を持ったきっかけは丁寧に答えましょう。
そうすることで、異業種からの転職というのは、逆に今までのキャリアを捨てても来たいという「意欲」のアピールになります。
「きっかけ」のアピールで気をつけるべきポイント
前述したように、ただ「良いなと思ったから」などという理由はアピールになりません。
なぜ「良いな」と思ったのか、なぜ「働きたい」と思ったのか、きちんと言語化する必要があります。
主体は自分にしよう
そもそも転職したい、ということは、今の現状になんらかの不満や閉塞感がある場合が多いです。
それを打破できる会社だと思ったからこそ「良いな」「働きたい」と思うのであり、その場合「会社に不満があった」ではなく、自分は「この業界でならこういうことができると思った」など、前の会社の不満を前面に押し出すことなく、主体は自分に置くことで、より意欲の高さのアピールにつながるでしょう。
リサーチは念入りにしよう
株式会社ビズヒッツが「異業種または異職種へ転職した経験がある500人」を対象にした調査(※4)によれば、異業種・異職種への転職活動で後悔していること1位は「リサーチ不足」とのこと。
もっと色んな会社を調べておけばよかった、という後悔がある方も多いようです。そのため、異業種だからこそ業界研究を行うことで後悔する可能性も減り、また「これだけリサーチしてきた上でここを選んだ」という点も意欲の高さのアピールになるので、リサーチは念入りに行いましょう。
※4 株式会社ビズヒッツ 異業種・異職種への転職理由とは?成功や失敗も含めたランキングの紹介【500人アンケート調査】
まとめ
今回は異業種からの転職の実態と、転職理由として使える「きっかけ」に関して、気をつけるべきポイントご紹介してきました。
ぜひ今回ご紹介したポイントを活かし、あなたのよりよい未来を描いていただけたらと思います。