就活に要する費用は約10万円です。コロナ禍に入りリモート面接が主流になったため、以前と比べて必要な金額に低下が見られます。
今回は就活のお金を節約する方法や、逆に就活で稼ぐ方法、やってはいけない資金調達の手法などを紹介します。
就活にお金はいくらかかる?
事前に必要な金額を準備するために、就活に要する平均的な費用を把握しておくことは大切です。オンライン面接への移行に伴い、就活の費用相場やお金がかかる項目にも変化が生じています。
ここでは平均的な就活費用およびその内訳について紹介します。
平均的な費用は約10万円
NHKの調査によると、2021年卒業の学生が就活に要した費用は約10万円です。前年と比べておよそ4万円も金額の減少が見られます。これはコロナ禍で企業に出向く交通費が節約できたことが理由です。
金銭的な負担が軽減した一方で、採用方式がオンラインに切り替わったことで、情報収集の難易度上昇や、気持ちの切り替えが難しくなるなど新たな問題点が生じています。
日常生活を送っている空間と面接の場所が異なるため、モチベーションの維持が難しくなりやすい点が課題です。
就活でお金がかかる項目
従来の就活では、交通費や宿泊費、スーツや鞄の調達といったところに費用が割かれていました。
オンラインに移行したことで移動費を考えなくて済むようになりましたが、反面、オンライン面接の環境作りに費用を投じている人が増えています。
パソコンを持っていなかった学生は新たに調達の必要に迫られますし、採用担当者からの印象アップのために別途、照明機材を準備する方も。
他には昼食代やカフェで休憩した時の利用料金、飲み物代などの飲食費用も発生することに注意が必要です。
コロナ禍が今後も収束しなければ、就活でお金がかかる項目に大きな変化は生じないでしょう。
就活にかかるお金を節約する方法
「就活には10万円かかるとのことだけど、そんなに貯金がない……」と危機感を覚えている場合は、費用の節約を考える必要があります。
交通費や宿泊費がかさみやすい地方在住の学生はなおさらでしょう。ここでは、就活にかかるお金を節約する方法を5つ紹介します。
就活関連の書籍は先輩からのお下がりに頼る
自己分析やSPI対策の本は自分で購入せずに、先輩から譲り受けるようにするのがポイントです。
「部活やサークルに所属している」「アルバイトをしている」という学生なら、就活が終わった先輩とも出会いやすいでしょう。
企業の選考内容は基本的に毎年似通っているため、先輩からのお下がりでも十分対策は可能です。
古い本では難しい時事問題の対策も、新聞やネットニュースを普段から読んでいれば、お金をかけずに実施できます。
説明会や面接を同じ日に入れる
交通費・宿泊費を節約するために、複数の企業の説明会や面接は同じ日に入れるようにしましょう。
ある企業の説明会で東京に行った翌日に、別の会社の面接でまた東京に出向くのは金銭的にもったいない行為です。
説明会や面接の日程を揃えるためには、応募する企業選びの時点で注意が必要です。とにかくたくさんの企業にエントリーすると、その分交通費がかさみやすくなります。
オンライン面接が主流になった昨今、重要度は以前より低下したかもしれませんが、押さえておきたいポイントです。
就活シェアハウスを活用する
地方在住の学生が就活にかかるお金を抑えるためには、就活シェアハウスの活用がおすすめです。就活シェアハウスに済めば、比較的安価で就活の期間だけ利用できる仮住まいを確保できます。
地方の学生は面接や説明会のたびに、新幹線や飛行機で都会に出てきていては費用がばかになりません。
アルバイトや大学の授業との兼ね合いもあるため、簡単にはいかないかもしれませんが、節約に重きを置いているなら思い切ってシェアハウスを活用するのもアリでしょう。
お弁当を作ってお昼代を抑える
1回当たりの金額は大したことがなくても、積み重なると無視できないのが食費。就活のお金を節約したければ食費にも気を遣う必要があります。
昼食はコンビニや外食の利用を控え、お弁当を持参するようにしましょう。さらに飲み物も節約して、マイボトルを持っていくのもおすすめです。
飲食代はついつい浪費してしまいやすい部分であるため、万全を期したいなら意識して抑えるようにしましょう。
夜行バスを使って交通費を抑える
地方在住の学生が交通費を抑える手段として、夜行バスがあります。新幹線と比較して、夜行バスはグッと費用を抑えられます。交通費だけでなく宿泊費も削減できるため、使っておいて損はない方法です。
ただし、夜行バスは十分に休憩できず、体力を使ってしまうかもしれません。アイマスクやバス用の枕を準備して、快適に過ごせるよう配慮しましょう。
夜行バスは目的地に朝イチで到着するため、就活の予定を詰め込みやすいのもメリットです。
就活でお金を得る方法
今まではいくら費用がかかるかという話が中心でしたが、逆に就活でお金を得る方法も存在します。対価を受け取ればトータルの費用を抑えられてお得です。
これまでの学生生活で遊び過ぎてお金がないという人でも、無理なく就活できますよ。ここでは、就活でお金を得る方法を4つ解説します。
交通費支給の選考を積極的に受ける
貯金がない学生は、選考の交通費を支給してくれる企業を重点的に受けることがおすすめです。
NHKの調査によるとオンライン採用に移行したとたん、就活の平均的な費用が大きく減少しています。この調査結果から分かるのが、就活のお金で大きなウェイトを占めているのが交通費であるいうことです。
以前より数は少なくなったかもしれませんが、依然として対面での面接を実施する企業はあります。こういった会社を受けるか迷ったときは、交通費支給の有無を判断材料にしても良いかもしれません。
有給インターンに参加する
有給インターンへの参加は、非常に価値が高い就活スタイルだといえます。なぜなら好きな企業で働く経験を積める上にお金も支給されるため、一石二鳥といえるからです。
さらに人脈を形成できれば、就活の仲間作りや情報収集においても有利に働くでしょう。大手の有給インターンシップでは、一度参加するだけで数万円の費用が支給される会社もあります。
ただしみんなが応募するため倍率が高くなりやすいことには注意が必要です。なお、有給インターンシップは、インターネットから簡単に探せます。
お金をもらえる就活イベントに参加する
就活説明会を実施している企業は、参加者にQUOカードや図書カードなどの参加特典を渡すところがあります。
こういった就活イベントに参加すれば、貯金がなくて精神的にも余裕がない学生でも好きな企業の情報を入手できます。
説明会に参加する段階ではまだ就活の軸や入社したい企業が明確になっていないケースが多いです。
説明会の時点ではできる限り費用を抑えたいと考えるのが自然だとも言えるため、支給型のイベントに参加することを推奨します。
いくつもの説明会に参加すれば、理論上お金を稼ぐのも不可能ではありませんが、本来の目的とは異なるためおすすめではできません。
就活体験記を投稿して稼ぐ
就職サービスの中には、企業の選考に参加した体験談を募集しているところがあります。就活体験記を投稿したユーザーに対して、報酬を支払ってくれる点が特徴です。
基本的には好きなときに好きなだけ投稿できるため、就活が長引いている人こそ価値が高い方法です。しかし、1件当たりの報酬が多いとはいえないため、これだけで稼げるかどうかは微妙です。
自身の経験がそのままお金になるのが就活体験記を書くメリットといえます。全ての企業で実施しているわけではありませんが、興味が向いた方は利用してはいかがでしょうか。
やってはいけないお金の調達方法
「絶対に良い企業に就職したいけど、貯金がゼロで困っている」というような切羽詰まった状況に陥った場合、つい「何でもよいからお金が欲しい!」と考えてしまうかもしれません。
しかし、いくらお金に困っていても、やってはいけない資金調達方法もあります。NGの方法に手を出してしまったら、就活の成功以前に社会的落伍者となってしまうかもしれません。
ここでは、絶対に手を出すべきではない資金調達方法を3つ紹介します。
必要以上に生活費を削る
お金がないと生活費を削ろうとするかもしれませんが、行き過ぎた節約は身を滅ぼす原因となります。食費や身だしなみなど最低限必要な費用までカットすると、精神的にも肉体的にも大きな負担がかかるためです。
例えば毎食カップ麺にしたり、冷暖房を使わずにしのごうとしたりするのは好ましくありません。こういった無理な生活費の削減は体調不良を引き起こすため、かえって治療費や病院代などの負担が増します。
節約は嗜好品をはじめ、なくても生活に支障がない項目にとどめましょう。また生活費を抑えるために、他人を頼りすぎるのも良くありません。
先輩や友達に何度も何度もおごってもらっていては、人間関係が破綻する原因になってしまいます。
ギャンブルやFXに手を出す
資金確保のためにギャンブルやFXに手を出すのはかなり危険です。大金を稼げる夢があるのは事実ですが、投じたお金が一瞬で消えてなくなるリスクもはらんでいます。
余裕資金ではじめるならまだしも、就活費用のように必要不可欠なお金を確保する目的では行わない方が無難です。
ちなみに、就活で趣味を聞かれた時に、ギャンブルと答えるのも避けたほうがよいでしょう。
ギャンブルに悪い印象を持つ方がいるため、本当にそうでも、面接というオフィシャルなシーンでは口外しないことをおすすめします。
ネットワークビジネスをはじめる
就活の資金調達方法として、ネットワークビジネスもおすすめできません。ネットワークビジネスとは簡単にいえば、会員の口コミによって商品を広めていくビジネスのことです。
知り合いや友人、親族などに特定の商品を紹介して、その人が購入したら紹介者が報酬をもらうという仕組みです。
ネットワークビジネスもギャンブル同様、多くの方が良い印象を抱いていません。勧誘がしつこかったり、特に興味がない商品の説明を長々とされたりする場合が多いためです。
ネットワークビジネスに携わっていることが原因で友人から距離を置かれた方もいるため、勧誘を受けてもきっぱりと断りましょう。
就活のお金は工夫すれば抑えられる
就活にかかる平均的な費用は約10万円と聞いて、たじろいでしまった人もいるかもしれません。しかし、工夫すれば就活のお金はもっと抑えられます。
本記事で紹介した方法を実践して、賢く効率的に就活を行いましょう。費用以外に就活で多くの人を悩ますポイントに挙げられるのが、自己分析や企業選びです。
「自己分析がうまくできない」「就活の軸が定まらず応募先を判断できない」などの悩みを持つ方は、弊社の転職相談チョイスを利用してはいかがでしょうか。
転職相談チョイスでは就活・転職にまつわる幅広い悩みに対して、プロのキャリアアドバイザーが丁寧に答えています。相談は無料で対応しているので、ぜひお気軽にお問い合わせください。