大学進学を機に都心部に引っ越した学生にとって、地元に帰って就職するか、このまま現在、住む近辺で就職するかは悩みのタネのひとつですよね。
そこで今回は、コロナ禍もあって変わりつつあるUターン就活のリアルから、Uターン就活のメリット・デメリットをご紹介していきます。
Uターン就活のリアル
コロナ禍を受け、就職活動のみならず、社会全般でオンライン化が普及した現在。
株式会社リクルートの調査研究組織「就職みらい研究所」がまとめた「就職白書2022」(※1)によれば、企業のWeb面接の実施割合は78.4%で、2021年卒に比べ8.6ポイント増加したとのことでした。
※1 就職みらい研究所 「就職白書2022」
約6割の学生がUターン就職を希望している
そのこともあってか、株式会社マイナビが運営する「マイナビキャリアリサーチLab」が発表した「マイナビ 2022年卒大学生Uターン・地元就職に関する調査」(※2)によれば、今回の調査では57.8%の学生が地元就職を希望していると回答し、2017年卒以来5年ぶりに増加に転じたとのことでした。
オンライン面接が増えたことでよりUターン就活がしやすくなり、Uターン就職希望者が増えているのが現状と言えます。
※2 マイナビキャリアリサーチLab「2022年卒大学生Uターン・地元就職に関する調査」
Uターン就活はしやすくなった
またマイナビキャリアリサーチLabの調査(※2)によれば、昨年度は学生の26.0%がUターン就活の障害として「交通費」を上げていたが、今年度の調査では13.3%と、前年比12.7pt減となっていることがわかりました。
前述したように、コロナ禍を受けオンライン面接を導入した企業が増えたことで、Uターン就活がしやすくなったのは事実でしょう。
解像度が上がるのはやはり「対面」
しかし、就職みらい研究所(※1)の調査によれば、就職先が確定した学生に、就職することへの納得度を聞いたところ、入社予定企業との面接が「対面のみ」「対面・Web両方」「Webのみ」だった学生ごとに比較した場合、「対面・Web両方」の納得度が最も高い結果となっており、やはり実際に行って職場の雰囲気を確かめることは重要なようです。
企業側も同じような悩みを持っているようで、同調査(※1)によれば、Web選考と対面選考を比較して伝えづらくなった情報の1位は「職場の雰囲気や組織風土」であり、より納得して入職するためにも、1度は本社を訪れてみることが必要だと伺える結果でした。
Uターン就活のメリット
コロナ禍によって変わりつつあるUターン就活。その変化も踏まえて、まずはUターン就活のメリットをご紹介していきます。
実家という頼れる場所がある
Uターン就活の大きなメリットのひとつが、「実家」ではないでしょうか。
もちろん実家に頼れない方もいらっしゃるでしょうが、頼れる方は宿泊費や食費が浮きますし、もしUターン就職して地元で就職となった場合、しばらくの間実家で暮らすことで家賃生活費を浮かすことができますから、低月給の新人にとっては強い味方と言えるでしょう。
そのため、実家との仲が良好で、家族と共に暮らしていきたい、将来的にも支えていきたい、という方はUターン就職がぴったりと言えるでしょう。
Uターン手当のある企業も
地方企業は特に若手を必要としているため、Uターン就職の際、引っ越し手当などを支給してくれる企業も多数あります。また土地代が都心部より安価な分、実家で暮らさなくとも低価格の家賃で暮らしていける他、寮完備の企業も散見されます。その時の交通費はかかりますが、将来的に見れば安いのが、Uターン就活の特徴とも言えるでしょう。
志望動機が書きやすくなる
就活の際、頭を悩ませる「志望動機」。Uターン就活であれば、「地元で就職したい」「慣れた土地で家族と生きていきたい」という一つ大きな理由ができる分、志望動機も書きやすくなります。
もちろん、「なぜその企業に勤めたかったか」という点も重要なポイントですが、「地元で働ける企業を探していて、この会社であれば特に自分のやりたいこと/自分の得意なことを活かせそうだと思った」と話が広げやすくなるので、この点もUターン就活のメリットと言えるでしょう。
Uターン就活のデメリット
では続いて、デメリットをご紹介していきます。
やはり交通費はかかると思うべき
いかにオンライン面接が普及したとは言え、前述したように、入社納得度が最も高いのは「対面」と「Web面接」両方やった場合という結果も出ています。
確かに感染の危険性もまだまだありますし、交通費も下手をすれば万を超えかねませんので億劫になる気持ちは分かりますが、もし入社したい、と強く思う企業が今の居住地から離れている場合、1度は直接会社に伺って職場の雰囲気などを体感した方が、将来的に良いと言えるでしょう。
より相互理解に努める必要がある
前述したように、企業側もオンライン面接が普及したことで費用の削減に繋がったものの、「職場の雰囲気や組織風土」が伝えづらく、また就活生の「人柄や魅力」が把握しづらくなった(※1)と考えているようです。
そのため企業が持っていた皆さんへのイメージと皆さん自身が乖離している可能性があり面接で上手く噛み合わない、思ったような手応えが無い・・・・・・。と感じる場面も増える可能性があります。そのためUターン就活ではより言語化に努め、自分の言いたいことがきちんと相手に伝わるよう努力する必要性が高くなったと言えるでしょう。
Uターン就職の思わぬ落とし穴とは?
ここまでメリット・デメリットをご紹介してきましたが、そもそもUターン就職はただ「今住んでいる都心部から地元に帰ってくる」ということではなく、「労働者」としてそこに住むことを指します。
地元で住んでいた記憶というのは実家で過ごしていた頃の記憶が大半かと思いますので、意識しておらず思わぬ落とし穴にはまる可能性も。下記にお伝えしていきますので、ぜひ参考にしていただけたらと思います。
都心部の利便性に慣れてしまっている
都心部と違い、地方でのウーバーイーツの普及はまだまだです。それに加え、居住地からコンビニやスーパーと言った『買い物できる』場所がかなり離れている可能性もあります。
実家で暮らす分は問題ありませんが、もし地元に帰ってきて実家の近くで一人暮らしを始めるのであれば、まずどれだけ気軽に食事ができるかはきちんと把握しておきましょう。
また、職場の距離によっては公共交通機関より車が便利となってくるかもしれません。このあたりもきちんと意識して就活を進めましょう。
イベントはまだまだ都心部中心
いくらオンライン化が進んだとはいえ、実際のライブやイベントの開催地は大阪・東京と言った都心部や府内に集中しています。また歓楽街やテーマパークもその例に漏れず、娯楽が少なく感じることもあるでしょう。このあたりは人それぞれですが、自分が何を大事にしたいのか考えてUターン就活を行いましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回はUターン就活のリアルから、Uターン就活のメリット・デメリットをお伝えしてきました。
ぜひ今回ご紹介したポイントを活かし、あなたのよりよい未来を描いていただけたらと思います。