履歴書を封筒に入れる際、折り方には決まりがあることをご存知でしょうか。基本的に、履歴書は二つ折りまでというのがマナーです。本記事では履歴書の折り方を中心に、封筒への入れ方や郵送時の注意点、「履歴書在中」の書き方について解説します。ぜひ参考にして、書類選考を突破してください。
center>▼▼▼この記事の要約動画をみる▼▼▼履歴書の折り方に決まりはあるの?
就職・転職活動をする際、まずは志望する企業に履歴書を送付します。しかし、このときに陥りがちな間違いがあります。それは、履歴書や封筒の書き方ばかりに気を取られてしまい、封筒への「入れ方」が適当になってしまっているケースです。履歴書を封筒に入れる際は、折り方にもルールがあります。本章では、履歴書の折り方について解説していきます。
基本的には二つ折りがマナー
結論からいえば、履歴書は二つ折りにするのがマナーです。市販されている履歴書の多くは、A4もしくは、B5サイズでしょう。マナーといえば少し堅苦しいですが、書類を真ん中で折るだけなので、何も難しいことはありません。また多くの履歴書は、市販されているときから二つ折りになっています。履歴書を書き終えたら、また元通りに折れば問題ありません。
三つ折りや四つ折りでは、折り目が文字と被ってしまい、読みにくくなってしまいます。基本的には、二つ折り以外はマナー違反と認識しておきましょう。
パート・アルバイトの場合は三つ折りでもOK
場合によっては、三つ折りでも問題ないというケースもあります。以下のような面接時に使う履歴書は、三つ折りで封筒に入れても構いません。
- パートもしくは、アルバイトの面接
- 人材派遣会社や人材紹介会社へ提出する履歴書
- 選考とは無関係な履歴書を送付する場合
もちろん、いずれの場合も三つ折りでなければならないというわけではありません。二つ折りであっても問題はないため、三つ折りでもよいのか迷ったときは、二つ折りにしておくのが得策です。
二つ折り・三つ折りの方法
履歴書を二つ折りや三つ折りにして、封入する場合には、どのような折り方をすればよいのでしょうか。そこで、まず二つ折りの方法から解説します。
履歴書を二つ折りにする場合は、文字が書かれている面を表にして、真ん中で折ります。採用担当者が封筒から出して、すぐに読めるようにといった配慮も、二つ折りが基本となっている理由です。
三つ折りにして履歴書を送付する場合には、少しコツが必要です。まず二つ折りと同様、履歴書を縦半分に折ります。その後、写真の貼られている面を表にして、上3分の1を折ります。さらに、もう3分の1を折って完成です。横から見ると、アルファベットの「Z」のように折りましょう。
履歴書をきれいに折るポイント
市販の履歴書を利用する場合、すでに二つ折りになっているためそのまま送ります。三つ折りにする場合は自分で折りますが、市販の履歴書には三つ折りのために目安の線が入っているものもあります。その部分を活用して、きれいに仕上げましょう。
ほかの書類も一緒に入れるときは、まとめて折るようにしてください。一枚ずつ折って入れると、それぞれの書類を開くのに手間がかかるためです。
パソコンで作成した履歴書の折り方
市販の履歴書は二つに折られている状態のため、そのまま送れば問題ありません。しかし、パソコンで自作した場合は自分で折り目をつける必要があります。
市販のサイズと同じ見開きA3もしくはB4で印刷し、二つ折りもしくは三つ折りにしましょう。
ここでは、パソコンで作成した履歴書の折り方を解説します。
そもそも履歴書をパソコンで作成してもよいのか
そもそも、履歴書をパソコンで作成しても選考に影響しないか気になることもあるかと思います。基本的に、応募先企業から指定がなければ、手書きでもパソコンで作成しても問題はありません。
ただし、人柄を重視する新卒採用の場合、人物像がわかりやすい手書きを好む企業もあります。
指定はないものの、どちらにするか気になるときは、企業に問い合わせて確認しておけば安心です。
問い合わせる際は、「パソコンで作成してもいいですか?」と直接聞くよりも「推奨のフォーマットはありますか?」というように、企業の意向に合わせる姿勢を示すと、印象が良いでしょう。
定規を使って折る
履歴書は端を合わせて折らないと、きれいに折れないこともあります。やり直して折り目がいくつもついてしまった履歴書は、良い印象を与えません。きれいに折るためには、定規を使うことをおすすめします。
まず、二つ折りは以下の手順で折ります。
1. 片付けた机の上に履歴書を置く
2. 履歴書の文章面を外側にして、上の角同士を合わせる
3. 軽く折り目を押さえ、下側の角も合わせる
4. 下から定規を当ててゆっくりと上に滑らせ、しっかり折り目をつける
三つ折りの手順は、以下のとおりです。
1. 上の手順で履歴書を二つ折りにする
2. 同じ大きさの用紙を用意して横向きにし、下に合わせて垂直に重ねる
3. 履歴書の上にはみ出した部分を手前に軽く曲げ、折ぐせをつける
4. 定規を右から左にゆっくりと滑らせ、折り目をつける
5. 重ねた紙を取り、残りの部分を半分に折って同じく定規で滑らせる
履歴書を封筒に入れる方法
履歴書を正しく折ったあとは、封筒に入れましょう。そして、封筒に入れる際にも、いくつかのルールがあります。ルールに従って封入しなければ、履歴書に不要なシワができたり、取り出しづらくなったりする恐れがあるため注意してください。
本章では封筒のサイズをはじめとしたルールを紹介します。これから就職活動をする方は、参考にしてください。
封筒のサイズは「角A4」または「角2」
履歴書を入れる封筒のサイズは、用紙に合わせて「角A4」または「角2」を使用しましょう。大きいサイズの封筒を使うのは、必要最低限の折り目で済むようにするためです。基本的に、封筒に入った書類は、折り目が多いほど中身を確認するのに手間がかかります。
履歴書の折り方や封筒のサイズなどのマナーは、受け取った人が中身を確認しやすいようにするための配慮です。
封筒の色は?
封筒の色は、基本的に「白色」「茶色」「水色」の3色から選びます。デザインや柄の入ったものは避けましょう。色で迷う場合は、白色をおすすめします。白色は封筒に記載された文字が見えやすく、フォーマルな印象を与えるためです。
茶色でも問題はありませんが、ビジネスシーンでも多く使用されている色であるため、履歴書を茶封筒で送ると、ほかの書類に紛れ込んでしまう心配もあります。迅速に受付してもらうためにも、目立ちやすい白色にするとよいでしょう。
クリアファイルに入れよう
履歴書を封筒に入れる際は、クリアファイルを使いましょう。履歴書をそのまま封入するのではなく、クリアファイルに入れることで、郵送中に汚れてしまったり、角が折れ曲がってしまったりといった心配がありません。
また、職務経歴書など履歴書以外の書類を同封している場合でも、クリアファイルがあることでひとまとめにして管理できます。採用担当者が封筒から取り出しやすい点もメリットです。
「〆」マークを使おう
必要な書類をすべて封筒に入れたら、口を閉じます。裏面の封をしっかりと糊付けして閉じた上で、封の中央に「〆」マークを入れます。これは確実に封が閉じられていることを表す「封字」と呼ばれるサインです。封と封筒本体の両方に渡るように記入してください。
書き忘れてしまっても選考に大きな影響はありませんが、社会人として最低限のマナーであるため、しっかりと記入しましょう。
書類は送付状を上にして重ねる
履歴書には、一般的に職務経歴書や送付状も同封します。それらの書類と一緒にクリアファイルに入れて送りますが、重ね方に決まりがあります。
書類をまとめて郵送する場合は、以下の順番で封入しましょう。
1. 送付状
2. 履歴書
3. 職務経歴書
4. その他の書類
封筒に履歴書を入れる際は、書類の向きにも注意が必要です。担当者が封筒から出したときに履歴書をすぐに確認できるよう、宛名を書く封筒の正面と顔写真のある履歴書の正面を揃えて入れます。
向きだけでなく、上下も間違えないようにしてください。履歴書の顔写真が封筒表面の左上になるように入れるのが、正しい入れ方です。
送付状とは?
送付状とは、ビジネスシーンで書類を送るときに添付する書類です。郵送時の挨拶の役割をするもので、本来であれば実際に書類を持って相手先を訪ねて挨拶するべきであるところ、その代わりとして添えるのが送付状です。
また、送付状は封筒の中身を相手方に知らせる役割もあります。応募書類を受け取る担当者は、送付状が添付されていることで何が送られてきたかをすぐに確認できます。
送付状がなければその都度中身をチェックしなければならず、負担をかけてしまうでしょう。送付状は最低限のビジネスマナーであり、忘れないようにしてください。
送付状の書き方など就活に関する悩みは、「ハレダス」にご相談してみてはいかがでしょうか。
ハレダスには専門のキャリアアドバイザーが在籍し、就活生一人ひとりの悩みに寄り添って、就活をサポートしてくれます。
履歴書を送る封筒の書き方
履歴書を送るときは、封筒の書き方にも注意が必要です。担当者が最初に見る部分であり、第一印象を左右します。マナーに沿って、丁寧に書きましょう。
ここでは、封筒の書き方を解説します。
表面の書き方
封筒の表面には、宛名と中身が履歴書であることを示す「履歴書在中」の文字を記載しましょう。
ここでは、宛名の記載内容と「履歴書在中」の書き方を解説します。
宛名の書き方
封筒の宛名には、以下の内容を記載します。
● 郵便番号
● 宛先の住所
● 宛名
郵便番号は、記入欄にきれいに収まるように記載します。記入欄がない場合は、「〒」のマークをつけず、わかりやすく郵便番号だけを記載しましょう。宛先の住所は、都道府県を省略せずに書き、2行になる場合は1字下げて記載します。
採用担当者個人名に宛てる場合は「〇〇様」として、部署や会社宛の場合は「〇〇御中」と記載します。担当者の役職がわかる場合は「〇〇課長」など役職名を記載し「様」はつけません。
「履歴書在中」の書き方
履歴書を含めた必要書類をすべて封入し、必要事項の記入が完了したら、封筒の表に「履歴書在中」または「応募書類在中」と記載します。この記載があることで、受け取り側は封筒を開けずに中身の確認ができます。
記載する位置は封書の表面の左下です。右から順に、住所と宛名、履歴書在中の文字となり、それぞれの行頭を順に下げていくと美しく仕上がります。
封入されている書類が履歴書だけでなく職務経歴書など他の書類も含まれている場合は「応募書類在中」と書きましょう。
「履歴書在中」の記載は赤のペンで記入し、枠線で囲みます。フリーハンドではなく、必ず定規を使ってきれいな罫線を引いてください。100円ショップなどで販売されている「履歴書在中」のスタンプを用いるのもおすすめです。
裏面の書き方
封筒の裏面には、次の内容を記載します。
● 提出日
● 郵便番号
● 自分の住所
● 自分の氏名
裏面の左下に、表面よりも小さな字で記載します。住所は都道府県や建物名、番地などを省略せずに記載しましょう。
郵送の場合は発送日、手渡しする場合であれば提出日の記載も忘れないようにしてください。履歴書が最新情報であることを示すためです。
履歴書を送るときの注意点
ここまで、履歴書の折り方や封筒への入れ方について解説しました。履歴書をはじめとした公的書類を送付する場合は、他にも細々としたルールがあります。本章では一度、履歴書送付にまつわる注意点をまとめて紹介します。
普通郵便が一般的
履歴書を郵便で送る場合は「普通郵便」を利用しましょう。万が一、期限に間に合うか不安な場合は「速達」を利用することも可能です。しかしその場合は、封筒に「速達」と記載されるため、企業へ期限にギリギリであったことが伝わってしまいます。
期限にゆとりがある場合は、普通郵便を利用してください。また、確実に履歴書が届けられたのか確認したい方は「特定記録郵便」の利用がおすすめです。
料金不足に注意
郵送の際は、料金不足に注意してください。必ず郵便局の窓口へ行って重さを測ってもらい、正しい郵便料金を支払うようにしましょう。
自宅で測って重量を間違え、郵便料金が不足してしまうと、先方に不足分を支払わせることになります。配達されずに戻ってくることもあり、応募締め切りに遅れることにもなりかねません。
履歴書のコピーを保存する
提出する履歴書は、コピーを取って保存しておくことをおすすめします。コピーを残しておくことで、面接の前に志望動機や自己PRなどを確認し、回答が履歴書の内容と矛盾することがないように対策できます。
また、希望の会社に採用されなかったとき、履歴書のコピーがあれば何が問題だったかを考えられ、次回に活かすこともできるでしょう。
履歴書を持参・手渡しするときの注意点
履歴書は郵送だけでなく、応募する企業に持参して直接手渡すこともあります。アルバイトやパートではよくあるケースです。
履歴書は選考のための大事な書類であることを意識し、封筒に入れて丁寧に扱うことが大切です。また、手渡しする際のマナーもしっかり心得ておかなければなりません。
ここでは、持参して手渡しする際に注意したい点を確認しておきましょう。
剥き出しで持っていかない
履歴書を当日持参する場合でも、剥き出しで持参してはいけません。渡す前に書類が汚れることのないよう、封筒に入れるようにしてください。
郵送をするときと同じく、クリアファイルに挟んでから封筒に入れましょう。履歴書は選考のために確認してもらう重要な書類です。取り出したときにシワがついていたり汚れていたりする状態では、印象が悪くなることは避けられません。
「履歴書在中」を記載する
手渡しの場合は直接のやり取りのため、宛名を書く必要はありません。ただし、どのような書類が入っているのかわかりやすくするため、封筒の左下に「履歴書在中」の記載は必要です。
郵送の場合と同じく赤色で記入し、文字の周りを長方形で囲みます。誰の応募書類なのか確認できるよう、封筒の裏面に住所・氏名を書いておくのを忘れないようにしましょう。
「送付状・糊・〆」は必要ない
履歴書を郵送する際は必ず送付状を入れますが、持参する場合は必要ありません。送付状は、送る際の挨拶や封筒の中身を伝えるために必要なものです。手渡しの場合は直接挨拶できるため、送付状をつけなくても問題ありません。
受付で渡すことになっても、糊付けや封をした印である「〆」の記入は不要です。担当者がすぐ開けられるようにするためです。
直接受付や面接官に渡す場合
受付や面接官に直接渡す場合は、それぞれ守るべきマナーがあります。
ここでは、それぞれの渡し方について解説します。
受付で渡す場合
履歴書を持参する際はきれいな状態で手渡すため、折り目がつかないようクリアファイルに挟み、封筒に入れて持参します。
入れるカバンも封筒がきれいに収まる余裕のあるサイズを選ぶとよいでしょう。雨の場合は、ビニールなどに入れて封筒が濡れない工夫をしてください。
受付で渡す場合は、履歴書を封筒に入れたまま相手側に向けて渡します。封筒ごと渡すことで、面接官のもとへ届くまでに履歴書が折れたり汚れたりするのを防げます。
手渡しの場合は、封筒に宛先の記入は不要です。どこの部署宛の書類かは受け取る企業側もわかっていることで、あえて宛名を書く必要はありません。
ただし、宛名以外は郵送の場合と同じく記載する必要があります。封筒の表面には、左下に「履歴書在中」と赤色のペンで記入し、枠で囲みます。封筒の裏面には、左下に自分の住所・氏名を書いておきましょう。
履歴書はすぐに取り出せるよう、封の糊付けは必要はありません。
先にいる面接官に渡す場合
面接官がいる部屋に入室する場合、面接官の目の前で封筒から履歴書を取り出し、クリアファイルに入れたまま封筒に重ねて渡します。
面接官はその場で履歴書を見ることが一般的であり、相手の手間を省くことによって、配慮ができる人物というアピールにもつながるでしょう。
渡すタイミングは、入室して挨拶を交わしたあとです。手渡す際は両手を添え、面接官が読める方向に向けて渡します。渡す際に「履歴書はこちらです。本日はよろしくお願いいたします」といった言葉を添えると、礼儀正しい印象になります。
手渡す際にもたつくと、事前に準備できていない印象を与えることにもなるため注意しましょう。
面接官が後から入室する場合
面接官よりも先に面接会場に通された場合には、あらかじめ履歴書を入れた封筒を机の上に置き、書類一式をクリアファイルに入れたまま封筒から取り出して用意しておきます。
面接官の入室後、指示を受けた時点で封筒・履歴書をともに手渡しましょう。
入室してから面接が終わるころまで提出を促されない場合は、終了間際に「履歴書はいかがいたしましょうか?」と声掛けするようにしてください。
なお、履歴書は事前にコピーを取り、面接当日に持っていくことをおすすめします。面接までの移動時間などの空いている時間に書いた内容をチェックでき、原本を出し入れして汚す心配もありません。
折り方のマナーを守って、履歴書を送ろう
履歴書の折り方について解説しました。履歴書は二つ折りが基本であり、封筒に入れる際は、クリアファイルを用いることや書類の順番、「〆マーク」と「履歴書在中(応募書類在中)」の記載を忘れずにおこないましょう。
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