プログラマーとは、プログラミングでシステムを作り上げる人のことです。プログラミングの専門知識のほかに、論理的思考力やコミュニケーション力が求められます。
本記事ではプログラマーの仕事内容やメリット、求められるスキルなどを紹介します。
プログラマーとは
プログラマーとは、コンピューターを動かす言語を使ってさまざまなシステムを作る仕事です。システムエンジニアが作成したシステムの仕様書をもとにプログラムを組み、システムを作ります。
ここではプログラマーの仕事内容や種類、将来性などを見ていきましょう。
プログラミングを行う仕事
プログラマーとは、システムを作るためのプログラミングを行う仕事です。プログラミングで使う言語は、Java、JavaScript、PHPなど多数あり、ジャンルにより使う言語も変わります。
システム上のバグ(プログラムの誤り)を見つけるのもプログラマーの仕事です。システムエンジニアの作成した仕様通りに動かないとき、テストによりバグを発見して処理していきます。
ハッカーとはどう違う?
プログラマーとよく似た言葉に「ハッカー」があります。ハッカーとはコンピューターやネットワークに卓越した技術を持つ人を指す言葉で、プログラマーもハッカーの一部といえます。
近年は政府や企業などのコンピュータシステムに侵入し、データの盗用や破壊などの犯罪的行為を行う者が現れ、ハッカーと呼ばれるようになりました。しかし、そのような悪意をもって不法な行為を行う者は「クラッカー」というのが正しい呼び方です。
プログラマーの種類
プログラマーがプログラミングを行うシステムにはさまざまな種類があり、携わる業務によりプログラマーの仕事も変わります。
担当する業務により、プログラマーは以下のような種類に分類されます。
- 業務システム系:勤怠管理システムや社内用の申請システムなどの開発
- Web:ECサイトや顧客データベースの構築など
- ゲーム系:プログラミング言語を用いたゲームソフトの開発
- アプリケーション系:スマホやパソコンで使うアプリケーション・ソフトなど
- 組み込み系:電化製品や自動車などを制御するために組み込まれているプログラムの開発
- 汎用系:金融機関のシステムなどに使うメインフレーム開発
- オープン系:ネットワーク内のコンピューターが情報にアクセスできるオープン系システムの構築
- 通信系:ネットワーク機器といった通信関連のプログラム開発
- セキュリティ系:情報セキュリティなどのシステム設計や運用
プログラマーの将来性
プログラマーは人材不足が続いており、将来の需要も高い状況です。
IT技術は日々進化しており、人材の需要も増え続けています。しかし、少子高齢化により供給が追いつかず、IT業界では人材不足の状態が続いているのです。
この傾向は、今後さらに深刻になると予想されます。企業のシステム系の商材を作るプログラマーは特に必要とされており、将来性は非常に高いといえるでしょう。
年収や転職の難易度
プログラマーの平均年収は、20代で約300万円、30代で約400万円と、IT関連の職種のなかでは低めです。金額が低いのは、プログラマーの行う仕事がシステム開発の下流工程にあたることが理由のひとつです。
また、人材不足のために未経験者や経験の浅い人材のポテンシャル採用が多いことも、平均年収を下げている理由ともいえるでしょう。
プログラマーの仕事内容
プログラマーの仕事内容は携わるシステムによっても異なりますが、代表的なのはプログラミングとデータベースの構築です。プログラミングでは、コンピューターを動かすためにプログラミング言語を書き込み、システムを作りあげます。
データベースの構築とは、膨大なデータをサーバーに保存し、コンピューター上で管理できるようにする作業です。
プログラマーの仕事内容を詳しく見ていきましょう。
プログラミング
プログラマーの代表的な仕事はプログラミングです。プログラミング言語を使い、コンピューターが自動的に処理する内容を記述します。
コンピューターが動くためには指示が必要であり、その指示を書き出すのがプログラミングです。システムやアプリケーション、ソフトウェアを制作するためにプログラミングは欠かせません。
例えば、指定されたページを表示する、検索した結果を表示する、動画や音楽を再生する、ゲームで遊ぶといった動作は、すべてプログラミングで記述されて初めて実行されます。
このような命令を組み合わせたものをソースコードといい、ソースコードによってシステムやソフトウェアは動いています。
記述したプログラムはテストを繰り返し、バグを発見することもプログラマーの仕事です。最初から完璧なプログラムを書き上げることは難しく、不具合が生じることは想定の範囲内です。トライ&エラーを繰り返してエラーを見つけ、プログラムを修正します。
テストには単体テストや総合テスト、単体テストなどさまざまな種類があり、プログラマーは主に単体テストや結合テストを行います。
データベースの構築
データベースの構築もプログラマーの仕事です。データベースとはデータを整理して格納した入れものを指します。
データベースの構築は、使いたいときに必要な情報が取り出せるようにする作業です。情報をデータベース化することでデータをまとめて管理でき、簡単に探すことができるようになります。
データベースを操作するのはSQLという言語です。データベースには数多くのデータが保存されており、SQLを使うことでデータの挿入や追加、検索など効率的に操作をすることができます。データベースの構築では、SQLとプログラム言語を用いて実装していきます。
プログラマーのメリット
プログラマーの仕事につくメリットは、自分の作り上げたシステムが動いたときの達成感です。システムが実際に使われ、人の役に立つことにやりがいを感じます。
また、スキルをつけていくことで高収入を得られることも高いポイントです。需要が高く、転職しやすいのもメリットといえるでしょう。
ここでは、プログラマーになるメリットについて紹介します。
システムを作ることの達成感
プログラマーはシステムが正常に動くようプログラムを記述する仕事です。自分が書き上げたプログラムでシステムができあがったときは、達成感があるでしょう。そのシステムが実際に使われ、社会の役に立つということにやりがいを感じられるのがプログラマーのメリットです。
近年はITの進化により、人々の身の回りにはプログラミングされたものであふれています。例えば、炊飯器や冷蔵庫、洗濯機、電子レンジなど、家電製品の多くはプログラムによって制御されています。パソコンやスマホ、ゲームはもちろんのこと、自動車や駅の券売機、自販機など、プログラムが組み込まれているものを数えればきりがありません。
AIやIoT化の促進により、これからの社会は、ますますプログラムによる制御が加速していくでしょう。自分がプログラムした製品が世の中で活躍することで、プログラマーとしてのやりがいは強いものになっていくに違いありません。
スキルにより高収入が得られる
プログラマーの平均年収はあまり高くないものの、スキルを高めることで高収入が得られるのがメリットです。プログラミング言語の種類は多く、記述できる言語によって市場価値も異なります。ニーズの高い言語を習得することで、年収アップを図ることができるでしょう。
スキルアップのためには、以下のスキルを向上させることが大切です。
- システムアーキテクチャのスキル
- ミドルウェアの知識
- ハードウェアとネットワークに関連するスキル
システムアーキテクチャとは、システムを構成する要素であり、プログラムソースの設計をする際に必要な知識です。
また、システム開発はプログラミング言語だけでなくWebサーバーやデータベースなどさまざまなミドルウェアも使うため、その知識も求められます。
今後はIoT(モノのインターネット)の開発が進むと予想され、IoTのシステム開発に携わる場合はハードウェアとネットワークに関するスキルも必要です。
需要が高い
プログラマーは今後も需要が高いこともメリットです。2019年に行われた経済産業省の調査によると、2030年にはITの人材が約79万人不足すると考えられています。
また、プログラマーは量の不足以上に質の不足を感じている企業も多く、より質の高いプログラマーが求められている現状です。
特に情報セキュリティなどの高度なスキルや、AI・IoTなど新しい分野に対応できる人材が強く求められている傾向があります。このような、今後の社会で求められるスキルを身につけておけば、転職先に困ることは少ないでしょう。
参考:経済産業省「IT人材需給に関する調査」
プログラマーに求められるスキル
プログラマーにはプログラミングのスキルが求められますが、プログラミング言語の種類は数多く、すべての言語をマスターするのは難しいでしょう。まずは担当したいシステム領域の言語を習得することが大切です。
また、基本的なスキルとして論理的思考力とコミュニケーション力も求められます。
ここでは、プログラマーに必要なスキルについて見ていきましょう。
プログラミング言語の知識
プログラマーに必要な基本的スキルは、プログラミング能力です。システムを構築するために、プログラミング言語を使ってコードを記述するスキルです。
プログラミング言語にはさまざまな種類がありますが、プログラミング能力を発揮するには携わりたいシステム領域で使う言語のスキルが必須です。
各システムが扱うプログラミング言語の一例を見てみましょう。
- Web系:JavaScript。JPHP、Ruby、Pythonなど
- 組み込み系:C言語、C++、アセンブリ言語など
- アプリケーション系:Java、Kotlin、Swift、Objective-Cなど
- ゲーム系:C#、C++など
できるだけ多くの言語を習得しておくことで、活躍の場を広げることができます。
論理的思考力
プログラミングは、コンピューターに対する指示を順序立てて考えながら構築する作業です。スムーズに遂行するには、論理的思考力がなければなりません。
複雑なものをシンプルに解釈してわかりやすく伝えられる能力は、チームでプログラミングをする際にも必要なスキルです。
また、論理的思考力はプログラマーに限らず、ビジネス一般に求められる能力でもあります。論理的思考力があればタスクの優先順位を判断し、タスクとタスクの繋がりも考えながら効率的に処理することができます。プログラミングだけでなく、すべての作業で能力を発揮することができるでしょう。
コミュニケーション力
プログラマーの仕事は黙ってパソコンと向き合うだけの仕事ではありません。周りと協調するコミュニケーション力も求められます。
システム開発は基本的に、ほかのプログラマーやシステムエンジニア、Webデザイナーなどのメンバーとチームを組んで構築することがほとんどです。他の人が作成したプログラムについての確認や細かい部分の調整など、コミュニケーションをしなければ業務は円滑に進まないでしょう。自分の考えを正確に伝えるには、言葉にしてうまく伝える能力も欠かせません。
また、プログラムを発注する取引先とやり取りする場面もあるでしょう。クライアントの要望に合う仕事を遂行するために、コミュニケーション力が必要になります。
プログラマーにあると便利な資格
プログラマーは資格取得が必要な職種ではありませんが、あると便利な資格はあります。未経験であれば、資格試験の勉強をしながら基本的な知識を身につけることができるでしょう。採用の場面でも、資格があることで有利に働く可能性があります。
ここでは、プログラマーに転職する際、取得しておけば便利な資格を3つ紹介します。
情報処理技術者試験
基本情報技術者試験は、ITエンジニアの基本的知識が問われる国家試験です。経済産業省所管の IPA (情報処理推進機構) が主催しています。
情報技術を活用した戦略立案やシステムの設計・開発・運用に関して、基本的な知識が要求される試験です。また、上位者の指導のもとで担当業務を遂行できる能力が求められます。
出題範囲は広く、IT技術だけでなく経営戦略や法務などビジネスの知識も問われるのが特徴です。
試験は午前と午後、それぞれ150分で行われます。午前の試験は80問の択一試験で、午後は長文問題が11問出題され、そのうち5問解答します。ともに100点中60点以上が合格点です。
ITの基本的知識をつけるためにも、資格を取得しておくとよいでしょう。
ITパスポート試験
ITパスポート試験は、ITに関する基本的な知識を証明する国家資格です。AIやビッグデータ、IoT などの新しい技術やアジャイルなどの新しい手法に関する知識をはじめ、経営戦略やマーケティング、財務、法務といったビジネス知識など、幅広い分野の総合的知識が問われます。
試験はコンピューターを利用して実施するCBT方式で行われます。受験者は試験会場に行き、コンピューターに表示された試験問題にマウスやキーボードを使って解答する形式です。
ITパスポート試験はITの基礎知識を体系的に習得できるため、社員教育の手段として活用している企業も少なくありません。資格を取得しておけば、転職活動でも有利になる可能性があります。
PHP技術者認定試験
プログラミング言語のひとつ、PHPのスキルを問われる民間資格です。PHP技術者認定機構が実施している試験で、資格を取得することによりPHPエンジニアとしてのスキルを証明でき、転職の際にアピールできます。
PHPは主にWeb開発や業務システム開発、ゲーム制作などで使われる言語で、これらのシステム領域を目指す方にとっては必須の資格といえるでしょう。
試験は「初級」「上級」「認定ウィザード」の3種類があり、初心者でも試せるのがメリットです。
プログラマーは将来性のある仕事
プログラマーはコンピューターを動かすプログラム言語を使い、システムを構築する仕事です。携わるシステムの内容により、目指す業界や習得するべき言語は異なります。
IT技術の進化に伴い、今後も需要が高くなると予想されますが、希望する会社への転職を成功させるには、転職エージェントの利用がおすすめです。業界に詳しいスタッフが、転職成功のためのノウハウをアドバイスしてくれます。
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