逆求人サイトはプロフィールを記入するだけで、企業からスカウトが届く転職サービスです。研究や卒論などで忙しい新卒学生でも、良い企業と巡り合う確率を高めてくれます。
今回は新卒が逆求人サイトを活用するメリット・デメリット、おすすめのサイトなどを紹介します。
新卒が逆求人サイトを活用するメリット
逆求人サイトの活用によって企業との接点が広がり、より自分とマッチする会社を見つけやすくなります。
また、求人次第では特別選考を用意してもらえるため、選考フローが短く済み、早期内定を得やすくなるでしょう。
面接の練習機会の確保という観点でも、多くの企業からスカウトをもらえる逆求人サイトは良いツールです。ここでは新卒が、逆求人サイトを活用するメリットについて詳しく解説します。
今まで知らなかった魅力的な企業と出会える
逆求人サイトを利用すれば、ターゲットを絞っている業界や企業以外の優良企業と出会える可能性が高くなります。
企業側も良い人材を採用するために、学生のプロフィールを見て自社で活躍できそうだと感じたら、積極的にアプローチをかけるためです。
しっかりと自己分析や企業研究を行い、応募する企業の軸が定まっている方は、希望以外の会社からのスカウトは煩わしいと感じるかもしれません。
しかし、はじめて就職活動を行う新卒の方は客観的な視点を持てず、本当は自分とマッチしない企業を選択している可能性があります。
最初から選択肢を狭めずに幅広い視野で求人を探してみると、より理想的な企業に出会えるかもしれません。
早期内定につながりやすい
逆求人サイトを通すと、一般的な就職活動と比べて、選考フローが短くなる傾向があります。人事から評価を受ければ、ほかの学生では受けられない特別選考に進める場合があるためです。
実際に一次選考を飛ばして二次選考から始まったため、ほかの学生より早く就活を終わらせられたと満足の声も聞かれます。
通常だと、どんなに優秀な学生でもほかの人と同じ選考フローを強いられるため、内定まで時間を要してしまうでしょう。早く内定を獲得したいと考える人こそ、逆求人サイトの利用がおすすめです。
本命の面接対策にもなる
逆求人サイトからオファーが来た企業へ行く気がなくても、本命の面接対策として選考を受ける価値があります。
友人やゼミの講師などと面接練習をしている方は多いですが、実際に面接を受けると模擬面接以上の経験値を得られるでしょう。
用意した回答で面接官が疑問を抱く箇所はどこなのか分かり、ときには深掘りに対応できず自己分析の甘さを痛感する場面もあるかもしれません。
意中の企業を射止めるには十分な予行練習を行ったほうがよいため、その際に逆分析サイトは効果的なツールとなります。
新卒が逆求人サイトを活用するデメリット
逆求人サイトには特有のデメリットがあり、登録すれば就活が成功するだろうと考えていると、痛い目を見る可能性があります。
プロフィールを入力すれば必ず企業から連絡が来るとは限りませんし、来たとしても良いスカウトではないこともあるでしょう。ここでは逆求人サイトのデメリットについて詳しく解説し、その対策も紹介します。
自己アピールが苦手だとスカウトがこない恐れがある
言葉で伝えるのが不得意だったり、控えめな性格だったりと自己アピールが苦手な場合、条件を満たすスカウトがもらえなくなる可能性もあるでしょう。
スカウトが来なければ逆求人サイトを利用する意味が薄れるため、改善の必要があります。まずは自らの棚卸しをきちんと行い、学生生活を通して身についた経験や知識を明確にしましょう。
アピールすること自体に苦手意識を持つ人もいますが、自分の実績や強みを絞り出せれば、自ずと自信が持てるようになります。
興味がない企業からもスカウトが届く
自分の関心と正反対の会社や、ブラック企業からもスカウトが来る可能性があるので注意が必要です。安易に飛びつくと入社後に後悔することになるほか、早期退職のリスクも生まれます。
ただ、興味がない企業でも魅力的な会社が存在する場合があります。
いきなり切り捨てずに、プロフィールに興味を持ってくれたことに感謝し、コミュニケーションを取ってみると思わぬ良縁に巡り合えるかもしれません。
スキルや価値観、思考と照らし合わせて、主体的に受けるべき企業か判断することが重要です。
逆求人サイトは企業側にも有益な採用方式
今まで学生側のメリットをお伝えしてきましたが、逆求人サイトは企業側にも利点が大きな採用スタイルです。
企業は当然メリットがあることを把握しており、熱心かつ丁寧に学生に対してアプローチをかけています。逆求人サイトを利用する企業がどのような狙いを持っているか、解説します。
意欲が高い学生と効率的に接触できる
企業側にとって、意欲的で優秀な人材と接触しやすいのが大きなメリットです。なぜなら、逆求人サイトを利用する学生は就職活動に対する熱意が高い場合が多いためです。
また、一人ひとりのプロフィールを確認することで強みを把握できるので、自社の求める人物像に合致した人材へのアプローチができます。
学生への理解が深まった状態で接触できるため、その人を必要とする理由をしっかりと言語化でき、より心に響くように口説けるかもしれません。
自社に興味を持ってもらうきっかけになる
逆求人サイトは、自社を知らない、または興味がないものの採用条件を満たす優秀な人材と接触できるよい機会です。
通常の採用活動では学生の自発的な応募がスタートになるため、自社の認知を得られていないと、選考の場に載せられません。
逆求人イベントに参加すれば、そこに居合わせた自社とフィットしそうな学生と1on1で話すことが可能です。最初は興味がなかった企業でも熱心なアプローチを続ければ、心変わりが生まれる場合もあります。
スカウトメールをもらえない学生の特徴
プロフィールが魅力的ではないと、スカウトメールが届かないリスクが高まります。まず、第一印象を左右する写真の映り方は大切な要素です。
清潔感や明るさなどの基本を押さえながら、一緒に働きたいと感じてもらえる人柄が伝わる写真を選びましょう。
プロフィールの内容は強みだけでなくその根拠も伝えることや、伝えたい事柄を冒頭で書くなどが重要です。ここでは逆求人サイトでの就活を失敗させないために、良くないパターンを詳しく解説します。
写真で魅力を伝えられていない
プロフィールに掲載する写真は、あなたの人柄や雰囲気が伝わるような写真を選びましょう。
写真選びで押さえるポイントは「顔がはっきり映っていること」と「自分らしさをアピールできていること」です。
複数人で映っていたり、顔が判別できないほど小さかったりするのはNGです。また、輪郭や表情がはっきりしていても、清潔感がないものや陰気そうな写真は適切ではありません。
自分で問題ないか判断できない場合は、ほかの人に見てもらうことをおすすめします。
なお「自分らしさをアピールする」とは、素顔が垣間見られるような写真が必要だということです。履歴書やエントリーシートに使用するような、硬い写真を用いる必要は基本的にはありません。
部活やサークル、アルバイトなど何でも良いので、自然に笑えている写真を選びましょう。
プロフィール文の記入内容が少ない
プロフィールの文章があまりにも端的な場合は、オファーが届く確率が下がってしまうでしょう。長すぎるのも良くありませんが、あなたの強みとその根拠がきちんと伝わるボリュームは必要です。
自分の強みを第三者に納得感を持ってもらえるように伝えるには、具体的なエピソードも書き添える必要があります。
どのような壁が立ちはだかり、乗り越えるために何をしてきたか詳細に書いていきましょう。
逆求人サイトのプロフィールは自分の魅力を表現できる場とも言えるので、少ない文章で済ませてしまうのはもったいないことです。
文章が分かりづらい
企業側は短時間に何人もの学生のプロフィールを見て回るため、文章が分かりづらいとそれだけで離脱を招きます。
重要なのは、伝えたい事柄を冒頭で単刀直入に伝えることです。企業側は「この学生のアピールポイントは何か?」「自社でその魅力を活かせそうか?」という観点でプロフィールをチェックしています。
例えば、自己PRであればまず「私の強みは~~です」と、冒頭で明らかにしたほうが好ましいでしょう。
自分が書いた文章が全て読まれるとは思わずに、そもそも企業は読む気がないという前提で構成を組み立てる必要があります。
またダラダラと長い文章も、読みにくい印象を抱かせます。プロフィールを開いた瞬間に文章の塊に出くわすと、企業の担当者を憂鬱な気持ちにさせてしまいかねません。
一文で伝えたい内容をひとつに絞る、適度に改行を入れて空白を持たせるなど、ちょっとした心遣いでグッと見やすくなるのでぜひ実践してみてください。
新卒におすすめの逆求人サイト5選
企業から学生にアピールできる、逆求人サイトを活用した就職活動が注目を集めています。
基本的に新卒の方は逆求人サイトをはじめて活用するため、どのサイトを選べばよいか分からず、不安を感じるかもしれません。
ここでは選び方で失敗しないために、厳選した優良逆求人サイトを5つ紹介します。強みや魅力が分かるように解説するので、ぜひ納得いく判断の参考にしてください。
1.OfferBox(オファーボックス)
株式会社i-plug (アイプラグ)が運営するOfferBoxは、登録企業の数が多い人気サイトです。
中小・ベンチャー企業だけでなく大手企業の掲載もあり、業界を絞ることで第一志望の企業からもスカウトをもらえる可能性もあります。
また、OfferBoxがほかの逆求人サイトと異なる点は、登録者に対する一斉スカウト配信機能がないことです。企業にはメールは1通ずつ、一社100通までしか送信できないというルールが課されています。
限られたなか、自社に見合う人材を確保しようとするため、基本的には採用確度が高い人にしかメールを送りません。必然的に、良質なオファーが大部分を占めるようになるのです。
2.キミスカ
キミスカは、株式会社グローアップが運営する国内有数の逆求人サイトで、他社の選考状況を登録してアピールできるのが特徴です。
例えば「〇〇の二次面接まで進みました」と書けば、「そこまで辿り着いたのなら力がある人材のはずだ」と優良企業からスカウトをもらえるかもしれません。
また企業と学生をつなぐ、マッチングイベントを開催しているのもキミスカの特徴です。
コンセプトの「ありのままの自分を好きだと言ってもらえる喜びを、キミへ。」の言葉通り、偽らずに自分の魅力を伝えましょう。
3.dodaキャンパス
dodaキャンパスは株式会社ベネッセi-キャリアが運営する、サポートの手厚さに定評がある逆求人サイトです。
例えば、教育大手のノウハウを活かした適性検査が無料で受験できるため、自己分析に役立てられるでしょう。
また自己PRの添削も行っており、企業に評価してもらえるプロフィールの書き方も指導してくれます。
企業からのオファー受信率が97%と非常に高いことも魅力で、プロフィールをしっかり記載すれば、ほぼ確実にスカウトがもらえるといえるでしょう。
受け身の状態でも企業と接触しやすいため、特に忙しい方におすすめのサービスです。
4.iroots
irootsは、人材会社大手エン・ジャパン株式会社が運営する逆求人サイトです。
登録されているのは厳選された上位10%の企業であり、ブラック企業に出くわす確率が限りなく低いことが魅力といえます。
本業の製品・サービスには、自社独自の正義があるかという観点から企業の順位を決めているため、熱い信念を持つ会社と高確率で出会えるでしょう。
またirootsは、有能な性格診断ツールを利用できる点もメリットです。115万人以上が受験した信頼性が高い診断ツールで、あなたのありのままの姿を他人と比較して特徴や強みを定量的に把握できます。
5.理系ナビ
理系ナビはその名の通り、理系の就活生に特化した逆求人サイトです。通常の就活情報サイトとしての機能のほか、逆求人サービスも組み合わされています。
ITやメーカーなど理系の専門的な人材を求めている企業のほか、金融やコンサル、商社、出版などの求人もあります。専門性を活かしたいという方のみならず、自分の可能性を探りたい人にも適したサイトです。
逆求人サイトを使って自分に合った企業を見つけよう
さまざまな企業と接触できる逆求人サイトは、本当に自分に合った企業を見つけられる就職サービスです。
選択肢を自ら狭めてしまうのはもったいないので、興味がない企業からコンタクトが来ても一度きちんとコミュニケーションを取ることをおすすめします。
思わぬ優良企業が見つかり、そのまま内定を獲得するケースもあるためです。特別選考に進めれば、就職フローを飛ばして早期内定を獲得するのもできます。
ただブラック企業からもスカウトが届く場合があるため、メールをくれた会社ならどこでも良いと考えていると、後で後悔する恐れもあるでしょう。確固たる軸を持って、自分なりのフィルターをかけることは大切です。
逆求人サイトを使ってみたけど、どの企業の選考を受けるべきか判断がつかないという方は転職のプロであるキャリアアドバイザーに相談してはいかがでしょうか。
ハレダスでは、働くことに関する悩みにアドバイザーが親切にお答えします。
「やりたいことが決まっていない」「魅力的なプロフィールの書き方が分からない」など何でも構いませんので、気軽にご相談ください。
各アドバイザーの経歴や重視していることもホームページに記載しているので、良いなと感じる担当者を見つけたら、ぜひ相談してみましょう。