就活のなかで、すでに決まっている面接の日程を、なんらかの理由で変更してもらわなければならないケースも考えられます。面接の日程変更は、採用の評価に悪影響を及ぼさないのかなどの疑問も生じるでしょう。
本記事では、メールで面接の日程変更を申し出る際の注意点や例文などを解説します。
面接の日程を変更することは可能だが注意が必要
一度決まった面接の日程は、変更してもらえるのでしょうか。基本的には、面接の日程を変更してもらうことは可能です。
しかし、日程変更をお願いする場合は、時期や連絡などに注意しなければなりません。たとえば、2回以上の日程変更を申し出てしまうと、心証が悪くなる可能性があります。
また前日や当日など、ギリギリになってから変更しなければならないケースでは、メールではなく電話でその旨を伝えましょう。
面接の日程変更が理由で落とされることはない
面接の日程変更をお願いしても、それが選考に直接的な影響を及ぼすことはありません。企業の採用担当者も、スケジュール調整が難しい場合があることを理解しているためです。
重要なのは、その際にどのように対応するかです。誠実な態度は、好印象を与える可能性もあるため、日程変更の依頼がマイナス評価につながる心配はありません。
ただし、日程変更をお願いする際の対応が良くないと、変更した事実よりも態度によって、マイナスな印象を与えてしまう可能性もあります。面接当日と同様のため、基本的には誠実な対応をしていれば問題ありません。
日程変更を複数回希望すると心証が悪くなる
同じ企業に何度も日程変更をお願いしてしまうと、採用担当者は「またか」と感じてしまいます。担当者が、スケジュール管理能力や志望度に疑問を持つ可能性があります。
基本的には、日程変更を避けるように心掛けましょう。そのうえで、やむを得ない場合は1回まで日程変更をお願いする場合は問題ありません。
就職活動の際は、各企業の選考スケジュールを事前に把握しておくことが重要です。日程変更を申し出る際は、他の企業の選考や大学の授業などが入らない確定した日時を提案しなければなりません。
「無理そうなら、日程変更してもらえばいい」と、軽々しく考えないように注意しましょう。
前日や当日など直前であれば電話で連絡する
通常、企業との連絡は電子メールで問題ありません。しかし、緊急の場合は、メールよりも電話で連絡するほうが望ましいでしょう。
面接の前日や当日に、急用や体調不良、交通事情などで面接に参加することが難しくなる可能性も考えられます。直前の連絡にもかかわらずメールを送ってしまうと、面接日時までに担当者が欠席の連絡メールを読んでいない場合は、無断欠席とみなされる可能性もあります。
時間的な余裕がない場合、まずは電話で担当者に伝えることが大切です。電話で連絡した後は、内容を確認するためのメールを送ることも忘れずに行いましょう。
面接の日程変更のお願いをメールで連絡する際の注意点
日程の変更を依頼する際には、マナーを重視する必要があります。日程変更の連絡は直前ではない限りメールで行いますが、メールの書き方にもマナーがあるため注意が必要です。
本章では採用担当者に配慮し、円滑なコミュニケーションを図るためのポイントを紹介します。
まず謝罪する
こちらの都合で変更のお願いをするため、まずは謝罪をしましょう。そのうえで企業とのやりとりにおいて、メールや電話などのコミュニケーション手段を問わず、何よりも「丁寧な文体と言葉遣い」を心掛けることが重要です。
日程変更自体は、評価に大きく影響しないかもしれませんが、その際の礼儀やマナーは企業担当者によって評価されます。乱雑な文章や言葉遣いが目立つと、好印象を与えられません。
また面接の日程変更とは、企業側の採用スケジュールを変更してもらうことで、つまり採用担当者だけでなく、面接を予定していた面接官の予定も変わってしまいます。
自分のために時間を確保してくれた企業の担当者のスケジュールに、影響を及ぼすことを理解しておきましょう。
候補日は3つ以上挙げる
日程変更をお願いするならば、必ず次のスケジュールを準備してからにしましょう。なおかつ、候補日は3つ以上用意してください。仮に候補日を1〜2つだけ提示してお願いしても、先方の都合と合わない可能性もあるためです。
他の面接の予定など企業側にも都合があり、企業側のスケジュールを変更することになるため、必ずしも希望通りに調整できるとは限りません。他の学生との予定や、面接官が複数いる可能性もあります。
できるだけ同じ週間のなかで、3つ以上の候補日を提示するのが良いでしょう。電話で連絡した場合も同じです。「いつに変更しますか?」と質問された場合に備えて、メモを用意しておいてすぐに答えられるようにしましょう。
メールを作成する際は慎重に言葉を選ぶ
面接の日程変更のお願いに限りませんが、企業を相手にメールをするなら言葉遣い・文章は慎重に行いましょう。とくにメールの文面は、記録に残るものです。また必ずしも、採用担当者1人だけが見るとは限りません。
誤字脱字がないことはもちろん、敬語・礼儀などに注意を払わなければ、印象を悪くしてしまいます。繰り返し読み返すだけでなく、間違った言葉遣いをしていないかなどもチェックしましょう。自信のない方は、例文などをベースにしてメールを作成するのがおすすめです。
最後にお礼の一言を添える
こちらの都合で日程変更をお願いしているため、相手の時間を割いてもらっていることを忘れないよう、最後にきちんとお礼の言葉を述べましょう。きちんとお礼の気持ちを伝えることで、好印象を与えられます。
たとえば、日程変更のお願いに応じてもらった場合、「日程を調整していただき、感謝申し上げます」などのようなお礼の一文を返信に含めるなどです。
やりとりが膨らんだ際には「何度も調整していただき、誠にありがとうございます」などと、相手が時間を割いてくれたことに対する感謝の気持ちを示しましょう。このような丁寧な一文を使うことで、人柄のよさもアピールできるかもしれません。
面接の日程変更をお願いするときのメールの例文
本章では、「すでに決定した面接日を変更したいとき」「企業が提示した日以外を希望するとき」「体調不良でやむなく変更をお願いするとき」といった3つのケースについて、メールの例文を紹介します。
なお、3つ目は電話連絡の後に送るメールの例文です。ぜひ参考にしてください。
すでに決定した面接日を変更したいとき
「すでに決定した面接日を変更したいとき」に、企業へ送るべきメールの礼文を解説します。ポイントは、こちらから候補日を提示することです。メール作成に自信がない方は、以下の例文を参考にしてください。
件名:◯月◯日の面接日程変更のお願い/氏名
◯◯株式会社
人事部 採用担当
◯◯様
お世話になっております。
◯月◯日に面接のお約束をさせていただいている◯◯(氏名)と申します。
お忙しいところ誠に申し訳ございませんが、急遽ゼミの発表が決まったため、貴社にお伺いすることが難しくなりました。
誠に勝手なお願いで恐縮ではございますが、以下の日程で面接を再調整していただくことは可能でしょうか。
◯月◯日(〇)△時~△時
◯月◯日(〇)△時~△時
◯月◯日(〇)△時~△時
お忙しいところ大変お手数ではございますが、ご検討のほど何卒よろしくお願いいたします。
※以下に個人情報を記載※
・大学名(学科まで)
・氏名
・住所
・電話番号
・メールアドレス
企業が提示した日以外を希望するとき
次は「企業が提示した日以外を希望するとき」には、どのようなメールを送れば良いのでしょうか。メールの文面に悩んでいる方は、以下の例文を参考にしてください。
件名:企業からのメールの件名をそのまま返信(冒頭にRe:がつく形にする)
◯◯株式会社
人事部 採用担当
◯◯様
お世話になっております。◯◯大学の(氏名)と申します。
このたびは面接の機会をいただき、誠にありがとうございます。
大変申し訳ございませんが、あいにく学校の授業があり、ご案内いただいた日程で貴社にお伺いすることができません。
勝手なお願いで恐縮ではございますが、もし可能であれば、下記日程にて面接の日時をご調整いただくことは可能でしょうか。
◯月◯日(〇)△時~△時
◯月◯日(〇)△時~△時
◯月◯日(〇)△時~△時
お忙しいところお手数をおかけして申し訳ございません。ご検討のほどよろしくお願いいたします。
※以下に個人情報を記載※
・大学名(学科まで)
・氏名
・住所
・電話番号
・メールアドレス
体調不良でやむなく変更をお願いするとき
最後に、「体調不良でやむなく変更をお願いするとき」の例文を紹介します。直前になって日程を変更しなければならないケースでは、メールの前に電話をしましょう。
件名:◯月◯日の面接日程変更のお願い/氏名
◯◯株式会社
人事部 採用担当
◯◯様
お世話になっております。◯◯大学の(氏名)と申します。
さきほどお電話にてご連絡させていただきましたが、念のためメールでもご連絡させていただきます。
本日◯時より面接をお願いしておりましたが、インフルエンザの診断を受け、1週間の外出禁止を言い渡されてしまいました。
お時間を取っていただいたにもかかわらず、大変申し訳ございませんでした。
本来であれば選考を辞退すべきですが、私はぜひ貴社に入社したいと思っており、あらためて面接の機会をいただきたいと思っております。
来週◯日以降で、再度ご検討をお願いいたします。私の都合で大変恐縮ではございますが、何卒よろしくお願いいたします。
※以下に個人情報を記載※
・大学名(学科まで)
・氏名
・住所
・電話番号
・メールアドレス
企業からの返信に対してお礼をするとき
上記のいずれの場合でも日程を変更してもらった際は、お礼の返信メールをしなければなりません。その際の文面は、以下の例文を参考にしてください。
件名:Re:(最初に使っていた件名そのまま)
◯◯株式会社
人事部
◯◯様
お世話になっております。◯◯大学の◯◯(氏名)と申します。
面接の日程について調整いただきまして、誠にありがとうございます。
それでは、▲月▲日(▲)の▲時に貴社にお伺いいたします。
この度は、私の都合でお手数をおかけし、申し訳ございません。
面接当日は、どうぞよろしくお願いいたします。
※以下に個人情報を記載※
・大学名(学科まで)
・氏名
・住所
・電話番号
・メールアドレス
就活で企業にメールの送信・返信をする際のマナー
就職活動をする際、企業と何度もメールのやりとりをするケースもあります。日程変更のお願いのみならず、メールをする機会の多い、就活生として押さえておくべきマナーがあります。
本章では企業にメールの送信や返信をする際のマナーについて解説するため、参考にしてください。
宛先が間違っていないかを確認する
対人関係において、相手の名前を間違えるのは失礼です。メールを送信する前に、会社名や前株・後株、部署名など、それぞれが正式名称で正確に記入できているか確認しましょう。
なお宛名を書く場合は、会社名→部署→フルネームの順で記載してください。担当者が複数名いる、フルネームが分からないといった場合は「採用担当チーム 御中」や「採用ご担当者様」といった書き方でOKです。
就活・大学用のメールアドレスを使う
メールの本文だけでなく、メールアドレスにも注意しなければなりません。いかにもプライベートで使用するようなアドレスでは、公私混同とみなされてしまう恐れがあります。たとえば、アルファベットの羅列が趣味にまつわるものなど、プライベートに関するものはNGです。
なお、大学で就職活動用のアドレスが用意されている場合は、それを利用するのが無難です。ただし卒業後には、このアドレスが使用できなくなってしまうため、注意しましょう。
分かりやすい件名にする
自分からメールを作成する場合は、件名を分かりやすくしましょう。企業は毎日、数多くのメールを受け取っています。本文を開かなければ要件が確認できないメールでは、必要以上に手間がかかってしまうかもしれません。
受け取った側が件名を見ただけで、「要件・誰からか」分かるようにしておくことが重要です。なお、最初に企業からメールが送られてきた場合、返信の件名は変更せず、Re:をつけたままで構いません。
本文は簡潔に記載する
本文は冗長にならないよう、簡潔に記載するのが無難です。宛先や挨拶、用件、そして締めの順序を意識して書くことで、冗長な情報が含まれず、まとまりのある内容になります。
太字や文字装飾などの書式設定は使わず、プレーンテキスト形式で作成してください。文が長くなりすぎないように注意し、適宜改行を入れることで読みやすいメールになります。これらの点に気をつけるだけでも、相手に伝わりやすいメールとなるでしょう。
やりとりの引用を適宜行う
メールの返信をする際は、それまでのやりとりを残して引用する(引用返信)のがおすすめです。担当者が多数のメール対応をしていても、これまでの経緯が分かりやすくなります。
引用返信とは、受信したメールの本文を署名以下にそのまま記載することです。企業の担当者は多くのメールに対応しているため、引用返信を利用することで、どのような経緯で返信が来たのかを確認する手間が省けます。
そのうえで、メールソフトやメーラーの設定で引用返信機能をオンにしておきましょう。引用返信の方法が分からない場合は、受信した本文をすべてコピーして貼りつけておくと便利です。
署名を忘れずに入れる
メールの最後には、氏名や所属(大学名など)、連絡先を明記しなければなりません。本記事でご紹介した例文のように、記号を使って罫線を作成し、メール本文と明確に区切ることで読みやすさが向上します。
メールソフトやメーラーの設定で、事前に署名を登録しておくと、スムーズに署名を挿入できます。くれぐれも署名を忘れることがないよう、注意してください。
24時間以内に返信する
企業へのメールでは、送信と返信のタイミングに注意が必要です。通常、企業の担当者は営業時間内にメールを確認します。そのため早朝や昼休み、または仕事が終わった後の時間帯は、極力避け、営業時間内に送信しましょう。
また企業からのメールへの返信は、24時間以内に行います。受信したメールを見たら、後で返信するつもりであっても忘れないように気をつけてください。
メールのやりとりは、自分が送信したメールで終わらせるようにしましょう。ただし、受信したメールに「また何かございましたらご連絡ください。」や、「ご了解いただけましたら、返信は不要です。」といった文面がある場合は、返信しなくても構いません。
企業から面接の日程変更のお願いがあった場合の対処法
就職活動では、時折、企業側から面接日程変更の連絡があります。企業側から日程変更を提案されるケースは、実はあまりありません。
しかし、企業から日程変更の打診がきた場合でも、基本的なポイントは自分からお願いする場合と同様です。企業の提案に従いつつ、謙虚な態度で応じることを心掛けましょう。
本章では、具体的な対処法を解説します。
評価とは関係ないため気にしない
企業から面接日程変更の要請があったからといって、自分の評価が低いことが理由で後回しにされたことではありません。
変更の理由はさまざまですが、一般的には採用担当者のスケジュールの都合が合わなくなっただけと考えるのが妥当です。
自分の評価には関係ないため、もし企業から「面接日程をずらしたい」と連絡を受けても、慌てずに柔軟に対応しましょう。
企業から候補日の提示がなければこちらから提示する
万が一、企業から日程が提示されない場合は、自分から3つの希望日程を提案しましょう。複数の日程を示すことで、何度も連絡を取り合う手間を省けます。新しい日程をスムーズに決定できるため、あなたの印象もアップするかもしれません。
また、同日の違う時間帯に対応できる場合は、「14時から17時」「15時以降」といった伝え方をすると良いでしょう。
直前の変更のお願いは電話が望ましい
やむを得ず直前で日程変更をお願いするなら、電話が望ましいでしょう。メールの場合は、担当者がどのタイミングで確認するか分からないため、電話で連絡するほうが確実です。
電話で日程変更をする際は、電話をかける時間帯に気をつけてください。相手の忙しい時間帯を避けるなど、相手の業務の負担にならないようにしましょう。
まずは名前を名乗る
企業に電話をかける際は、担当者が直接出る可能性は低いことがあります。他の方に取りついでもらうことが一般的であるため、まずは自分が何者なのか名乗りましょう。
たとえば、「お忙しいところ失礼します。私は◯◯大学の◯◯と申します。採用担当の◯◯様はご在席でしょうか」と丁寧に話し、取次ぎを依頼します。
日程変更の旨と謝罪の気持ちを伝える
電話で日程調整を伝える際には、最初に日程変更の希望を伝えるよう心掛けましょう。担当者は多忙で他の業務も抱えているため、結論ファーストで用件を伝えるのが望ましいです。
その後、変更の理由と謝罪を丁寧に述べましょう。日程変更によって担当者に負担をかける可能性があるため、謝罪の言葉も忘れずに伝えてください。
面接の日程変更のお願いはメールで良いが注意は必要
面接の日程変更は難しいと感じるかもしれませんが、伝え方次第では「ビジネスマナーが身についている人」といった印象を与えられます。やむを得ず日程を変更せざるを得ない場合でも、面接を担当する方の立場を考慮し、適切に対応することで評価へ影響を及ぼすことなく、選考を進められるでしょう。
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