内定を控えた最後の面接。「最終面接はお互いの意思確認のようなもの」だと思っている方もいるのではないでしょうか。しかし、一概にそうとは言えず、何らかの理由でお見送りになってしまう場合も。
そこで今回は、新卒、中途入社に分けて最終面接で落ちる理由を紹介します。併せて不採用時に見られるサインや面接対策も紹介していきます。
《新卒採用》最終面接落ちる理由
最終面接での採用見送りには、いくつかの理由があります。まずは新卒者によくある最終面接で落ちる理由から紹介していきます。
1.志望度の低さ
最終面接で落ちる原因のひとつに志望度の低さがあります。
もちろん、これまでの面接でも志望度は見られていますが、特に最終面接では重要視されています。企業は内定を出した学生には入社して欲しいもの。
しかし、その学生の志望度が低く、内定を出しても断られるのであれば、労力や費用の無駄遣いとなってしまいます。そんなリスクを背負わないためにも、面接時点で入社意欲を探り、志望度が低いと感じれば採用を見送るのです。
2.企業との方向性の不一致
最終面接までは、適性検査や人柄に問題がなければひとまず通過させるという方法をとる企業も。しかし、最終面接となると人柄をベースに企業と方向性が一致しているかを念入りにみられます。
なぜかというと、企業のビジョンや価値観に一致していない場合、せっかく入社しても早期退職してしまう場合が多いからなのです。学生側も方向性の違う会社に入社し心労を抱えないよう、事前に入念な企業研究をするのがベターです。
3.砕けすぎた態度
説明会や面接を重ねると、顔見知りの社員ができたり、企業に親近感が生まれたりと緊張感がなくなってしまう場合も。自然体で本来の自分のまま面接に臨めるのが一番ですが、あまりにもリラックスしてしまいすぎると「礼儀がない学生」だと思われてしまいます。
自分の部下になる存在ですから、礼儀や常識のない学生は、お見送りの対象になります。「最終面接は入社確認程度」だと甘く考えず、気を引き締めて臨んでください。
《中途採用》最終面接落ちる理由
続いて、中途採用者の最終面接で落ちる理由を紹介します。
1.スキル・経験の不一致
育成枠として採用される新卒者と違い、中途採用者は前職での経験やスキルをチェックされます。入社後にはできるだけ即戦力として働いて欲しいと考える企業も多く、新卒時よりもスキルや経験が採用を大きく左右します。
たとえどんな優秀なスキルをもっていたとしても、そのスキルが企業の求めているものと違っていれば、採用が見送りになる場合が多いのです。
2.一貫性の無さ
一貫性のある発言は相手に信頼感を与えます。
最終面接の場でもそれは同様で、キャリアプランと志望動機が一致していたり、強みと志望理由が一致していたりすると、企業も安心して採用を決意できるのです。だからこそ、最終面接に臨む前には就職活動や自分の軸をしっかりと振り返っておくことが大切です。
3.曖昧なキャリアビジョン
最終面接は、企業と求職者がどのようなキャリアを描いていきたいのかを確認する場でもあります。
「入社後挑戦したい仕事はありますか?」「1年後、3年後、5年後のキャリアビジョンを教えてください」といった質問に対して「どんなことでもやります」、「ひとまず目の前のことを精一杯頑張りたいです」、などの具体性のない回答は、信頼感と信憑性にかけ、不採用となる場合があります。
最終面接で落ちるときに見られるサイン
最終面接では、不採用時に見られる傾向やサインがあるのだとか。どんなサインがあれば、採用見送りの可能性が高いのか紹介していきます。
1.趣味やプライベートに関する質問
仕事に関する質問よりも趣味やプライベートなどの質問が多い場合は注意。
一見興味を持ってもらえているように思いますが、時間稼ぎとして当たり障りのない質問をしているだけの可能性が高いのです。
なぜ時間稼ぎをするのかというと、面接官のミッションは、採用できない人材にも顧客として会社を好きでいてもらうこと。そのため、短い時間で面接を終わらせて、「邪険に扱われた」と感じさせないように時間稼ぎをするのです。
2.過度な煽て
「素晴らしい経歴をお持ちですね」「うちにはもったいない人材です」など、過度にチヤホヤされるような場合にも注意が必要です。上述したように、企業にとって求職者は一お客様なのです。
不採用通知を出したとしても、面接のときに好印象をもってもらっていれば、顧客離れにつながらない可能性が高いもの。だからこそ、採用を見送る相手とも良好な関係を築いたまま面接を終えるためにも、過度に持ち上げる傾向が見られます。
最終面接に落ちないための対策
最終面接で落ちないようにするためには、いくつかのポイントがあります。ポイントを押さえ対策することで、内定に近づきやすくなるでしょう。
1.徹底的な自己分析
落ちる理由で挙げた、発言の一貫性のなさや曖昧なキャリアビジョンなどは、不十分な自己分析による場合が多いです。そのため、「自分はなぜこの仕事をしたいのか」、「どんなキャリアを築いていきたいのか」など、働く軸を整理しておくことが最終面接を突破するためのポイントだと言えます。
2.企業の情報収集
企業との方向性の不一致での採用見送りを防ぐためには、事前に業界の情報を集め、企業研究しましょう。業界での立ち位置や強み、企業理念や社風などは押さえておく必要があります。
自分が賛同できるビジョンかも併せて確認し、目指す方向が同じだと伝えることが、最終面接を突破するためのポイントだと言えます。
3.熱意をしっかりと伝える
面接の最後には、「聞きたいことや伝えておきたいことはありますか?」と質問される場合がほとんど。その質問は、会社への熱意や自分のアピールポイントを再度伝えるチャンスだと思い、上手に活用しましょう。
最終面接までに自分のアピールポイントが十分に伝えられていると感じる場合は、「面接を通じて社員の方々のお人柄、社風、業務内容に惹かれ、御社で働きたい気持ちがより一層強くなりました。一次面接から最終面接に至るまで、真摯に向き合っていただきありがとうございました。何卒よろしくお願いいたします。」といった会社への敬意と入社への熱意を伝えるのがベストです。
もし、もう少し自分をアピールしておきたいなと感じているのであれば、「一次面接から最終面接に至るまで、真摯に向き合っていただきありがとうございました。御社での業務内容をお聞きし、前職で培った知識やスキルが活かせると確信しています。ぜひ、御社で力を発揮させていただければと思います。」のように、自分経験やスキルが会社にマッチしているということをしっかり伝えるのが大切です。
最後に
最終面接で落ちる理由は、自己分析・企業研究の不十分をはじめ、企業への熱意がうまく伝わらないという場合がほとんど。
求職者同様、企業にとっても最終面接は慎重になる場面ですので、採用の決め手に欠けたり、発言に引っかかりがあったりする場合には、採用を見送るのです。最終面接までに働く軸を定め、企業とマッチするビジョンを見つけて、想いを伝えることが大切です。