コロナ禍の面接はマスク着用で臨むのが基本的なマナーです。マスクによって鼻より下が隠れてしまう中、良い印象を与えるためにはさまざまな工夫が必要です。
今回は面接におけるマスク着用マナーや事前準備、好印象を残すテクニックなどを解説します。
面接時のマスク着用は基本的に問題ない
事前に指示を受けておらず、面接にマスクをつけていくか迷ったときは着用して臨みましょう。企業によって対応が異なるケースはありますが、感染防止の姿勢を見せたほうが無難です。
ただしマスクによる印象悪化を避けるために、声のトーンを上げたりジェスチャーを織り交ぜたりといった対応が必要です。
「マスクをつけたまま」が基本マナー
コロナ禍での面接は、企業側から特別な指示がない限り、マスク着用で臨むのが基本です。
「顔を隠した状態で会話するのは失礼じゃ…」と思われるかもしれませんが、かえってマスクをつけていないほうが評価を落とすリスクがあります。
ただ必ずマスクすべきだと言い切れないのも事実です。新型コロナウイルスへの考え方や対処法は常に変化しており、ビジネスシーンでのマスク着用について定着しているルールがあるとはいえません。
企業によってはマスクを推奨していないケースもあるので、面接を受ける会社がどのように考えているのか事前の情報収集が必要です。
マスク着用の面接は印象面の配慮が必要
着用の有無や種類で合否が左右されることはありませんが、なるべく良い印象を残せるよう配慮しましょう。
マスクをつけると表情が見えづらく、声も聞こえづらくなるため、印象アップに努めることが大切です。声をワントーン高めに、早口で聞き返されることがないよう通常の会話よりペースダウンして話しましょう。
表情の読み取りにくさを改善するには、アイコンタクトとジェスチャーが有効です。業務説明や逆質問の回答など面接官の話を聞くときはもちろん、自分が話すときも相手の目を見るのが基本です。
指や腕を使い、具体的なジェスチャーを交えることによって、話の内容を補完できる場合もあります。
マスク面接の事前準備
コロナ禍の面接では、次の準備が必要です。
- マスクを着用すべきか企業に事前確認を行う
- (着用の場合)外すことを想定してマスクケースを持っていく
事前確認に適したタイミングや例文、マスクを外す際の注意点などを解説します。
日程調整の段階で事前に確認をしておく
日程調整の段階でマスクを着用していくか確認するのがおすすめです。このタイミングであれば、やり取りの手間を増やさずにスムーズに進められるからです。
電話にしろメールにしろ、次のような文章で問い合わせしてみましょう。
<例文>
面接の日時について、〇月〇日〇〇時〜で承知いたしました。
お忙しいところ恐れ入りますが、当日は宜しくお願いいたします。
なお、面接でのマスク着用についてどのようにすべきか迷っています。
御社としての希望や方針を教えていただけますでしょうか。
外す場合を想定しマスクケースを準備しておく
面接時にマスクの着用を想定している企業でも、本人確認のため一時的に外すよう指示を受ける場合があります。外したマスクはテーブルの上に置かず、準備しておいたマスクケースへ収納するのがおすすめです。
マスクは菌やウイルスが付着している可能性が高いので、取り扱いの仕方によっては面接官が不快だと感じる恐れがあるためです。
また、髭そりや歯磨きなど口周りの清潔感を心がけ、急にマスクを外しても良い印象を与えられるよう努めましょう。
【対面面接】マスク面接当日の基本マナー
面接当日の基本マナーとして押さえてほしいのは、次の2つです。
- 面接にふさわしい色や柄のマスクを着用する
- (面接時)着席の前に、マスクをつけたまま話すことに断りを入れる
面接に適したマスクの種類や、断りを入れるときの例文を紹介します。
面接に適したマスクを着用する
面接で着用するマスクは、選考の場面にふさわしい種類を選びましょう。顔の半分を覆うマスクは、面接官があなたに対して抱く印象に大きく関わります。
色については派手な印象を与える恐れがあるので、黒や紫など濃い目のカラーは避けるようにしてください。たとえワンポイントだとしても、キャラクターデザインやロゴが印字されたマスクもやめたほうが無難です。
形状はどのようなものでも構わないと考えられているので、マスクと口元の間に空間ができて話しやすい立体型がおすすめです。
面接時、着席する前に一言断りを入れる
指定の有無にかかわらず、当日着席する前に面接中はマスクをしても構わないか断りを入れたほうが無難です。
本来面接時にマスクをするのはマナー違反と考えられるので、確認をとったほうが常識的なふるまいです。
入室して簡単な挨拶を済ませたタイミングで「このようなご時世なのでマスクをつけたままお話しします。聞き取りにくい部分がありましたら、どうぞ仰ってください」と伝えると良いでしょう。
【Web面接】マスク面接当日の基本マナー
対面面接ではマスク着用が基本的なマナーでしたが、オンラインで対応するWeb面接はつけなくても問題ありません。
Web面接でマスクをつけたまま臨むと、他の候補者より表情が見えにくく、プラスの印象を与えるのは難しくなるでしょう。
通信状態によっては音声が聞き取りにくい場合もあるため、円滑なコミュニケーションのためにもマスクを外して臨むのがベターです。
カフェのような周囲に人がいる場所で面接を受ける場合、マスクをしていないと注意される恐れがあります。事前にWeb面接を行っても良いか、店員に確認をとってから臨みましょう。
より良い印象を残すための細かい配慮・テクニック
マスク面接では通常以上に好印象を残すための工夫が求められます。表情や声の伝わりにくさというデメリットを払拭するには、身振り手振りや笑顔、声の大きさなどに気を配る必要があります。
ここで紹介するのは細かい配慮ですが、効果を期待できるテクニックばかりです。ぜひ参考にしてください。
僅かな時間だけマスクを外して「笑顔」を見せる
より良い印象を残すためのテクニックとして実践してほしいのが、あえてマスクを外して笑顔を見せることです。
終わりの挨拶のときにわずかな時間だけマスクを取り、笑っている表情を見せることで印象が良いまま面接を締めくくれます。
「本日はマスクを着用したまま対応させていただきましたが、私の顔はこのようなものです。」と一言添えれば、いきなりマスクを外しても驚かれることはないでしょう。
マスクをつけている面接中も笑顔を作りながら話してみてください。面接官に好印象を与えるには、目の表情にも気を向けることが大切です。目元も含め、顔全体で笑顔を作るためには常に口角を上げておくことがポイントです。
顔が見えやすい髪型にする
マスクで顔が見えにくい中でも表情がわかりやすいよう、髪型には工夫しましょう。目や眉毛がよく見えるために、髪のかからないヘアスタイルが好ましいです。
男性の場合、前髪を眉毛と同じ高さまで切りそろえるほか、整髪料を使っておでこを出すようセットするのがおすすめです。長髪や茶髪はWeb面接にかぎらず選考の場ではNGなので、黒髪・短髪を基本と考えてください。
女性であれば横に流して眉毛と高さを合わせたり、ななめに分けてピンで留めたりする方法が適しています。サイドの髪は耳にかけるようにすると、顔周りがスッキリして快活な印象を与えやすいです。
ジェスチャーは大きめを心がける
マスクをつけた状態の面接は話す内容・リアクション・表情がわかりにくいので、大きめのジェスチャーを心がけましょう。身振り手振りを交えれば、強調したい部分や話の理解度を伝えられます。
ジェスチャーと同様、相槌を大きくするのもポイントです。ただでさえ相手に反応が伝わりにくいマスク面接では、相槌やうなずきを大きくし、回数を増やすことが求められます。
しっかりと話を聞いていると相手に示すためにも、普段より大きな動作を意識しましょう。
大きな声でゆっくりハキハキと話す
マスク着用によって、口の動きが見えにくいだけでなく、声がこもって伝わりにくくなってしまいます。
面接官にストレスを与えないためにも、普段より大きな声で、ゆっくりハキハキと話すよう心がけましょう。好印象を残すためのコツは、単にボリュームを上げるだけでなく、口も大きく開けることです。
マスクで口を開かない状態で大声を出すと、聞き取りにくくなってしまう恐れがあるからです。プラスで腹式呼吸も意識すると、聞き取りやすい良い声が出せるでしょう。
面接では面接官もマスクをしているので、相手の話した内容を聞き取れないケースがあります。
何を言われたかわからないときは、焦らずに「申し訳ありません。聞き取れなかったので、もう一度お願いしても良いでしょうか」と丁寧にお伺いを立てるのがおすすめです。
面接時に着用すべきマスクの色・種類
アパレル業界のようなファッション性を重視する企業でもない限り、ビジネスマナーとしてふさわしいとされるマスクの色・種類があります。
最も適したタイプを挙げるならば「白の不織布マスク」です。清潔感が第一なので、飛沫対策に適した不織布でないと悪印象を抱かれる恐れがあります。
清潔感のある白いマスク
面接にしていくマスクは清潔感がある白いマスクを選びましょう。ライトブルーのような薄い色あいも、ビジネスシーンには適しています。
柄は無地が無難で、柄やレースがあしらわれたものは印象を悪化させる可能性があるため避けてください。
薄い色のマスクにはオレンジやピンクなどもありますが、白が最適です。人柄や意欲、強みなどアピールしたい部分に着目してもらうために、マスクはシンプルイズベストが基本です。
不織布マスク
マスクの素材はウレタンや布地などいくつか種類がある中でも、不織布が適しています。飛沫対策の観点から、不織布以外のマスクに抵抗を抱く企業もあるためです。
逆に避けるべき素材としては、フォーマルな場面にマッチしにくいレースやデニム、皮などです。
マナーや清潔感を重視する企業では、マスクの種類が採用に影響を与える可能性がなきにしもあらずなので、注意してください。
白の不織布マスクは市販されている使い捨てタイプで問題ないので、しっかりと準備して臨みましょう。
マスク着用でも面接官の印象に残るように対策しよう
マスク着用の面接では、声や表情が伝わりにくい中、面接官に好印象を与える工夫が求められます。髪型は目や眉毛がよく見えるようスッキリと整え、声は大きく口を開けてゆっくりと話すことが大切です。
また、ジェスチャーを交えて、言葉だけでなく身振り手振りで伝えると円滑なコミュニケーションが促進されます。面接の終わりにマスクを外して笑顔を見せるのも、去り際の印象が良くなるのでおすすめです。
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