転職活動を転職中に行うか、退職後に行うか、お悩みの方も多いのではないでしょうか。今回は在職中、退職後の転職活動のメリット・デメリットとを踏まえた上で、転職活動を在職中に行った方が良いケースと、退職後に行った方が良いケースをお伝えしていきたいと思います。
在職中の転職活動のメリット・デメリット
まず大前提として、日本では職業選択の自由が法律として定められているため、在職中の転職活動は基本的に問題ありません。
もちろん社内で大っぴらに公表することは円満な退職にはつながりにくいので推奨しませんが、自分の次のキャリアを見据え転職活動を行うことはあなたの人生の糧ともなるでしょう。
まずはメリットをご紹介していきます。
在職中の転職活動のメリット:金銭的な余裕がある
就職活動でも経験済みだと思いますが、就活とはお金がかかるもの。今でこそWeb面接が普及し直接会社に訪問する回数も減りましたが、それでも最終面接は本社に伺う場合がほとんどです。そこに向かうための交通費や、場合によってはスーツ代などの経費がかかります。
貯蓄に余裕があったとしても、転職活動が長引けばとりあえず給料のため別の会社に入社、ということになりかねず、それでは本末転倒と言えます。貯蓄など金銭的な余裕がない方は、基本的に在職中の転職活動をオススメします。
在職中の転職活動のデメリット:時間に余裕がない
金銭的に余裕があるということは、働いているということですから、どうあっても自由に使える時間は制限があります。加えてほとんどの場合、自分が休みの時は相手方の企業も休日なので、面接の機会がかなり限定されるのも事実です。
有給取得を試みるか、土日、平日夕方の面接が可能かどうか問い合わせする必要はあるでしょう。
また在職中の会社への報告タイミングが難しく、場合によっては引き継ぎなどが不十分な状態で、退職を言い出しにくいパターンもあります。
円満な退職を心がけるなら、早めの準備を心がけ、場合によっては在職中の会社で、次の年度末まで勤め続けるのも一つの手段です。
退職後の転職活動のメリット・デメリット
続いて、退職後の転職活動のメリット・デメリットをお伝えしていきます。退職後は再就職支援として雇用保険などの社会保障制度があります。こちらも活用しながら、充実した転職活動を進めていきましょう。
退職後の転職活動のメリット:時間を有効に使える
退職後は、在職中とはうって変わり自分のために使える時間が増えますその間に企業研究を行い、履歴書や自己PRなどに打ち込むことも可能でしょう。面接の時間日程も決めやすく、複数の会社に応募することも容易なので、スケジュールを立てやすいのも特徴です。
またスキルアップのため学校に通ったり、資格取得に打ち込めるのも利点です。次のキャリアを見据え、計画的にブランク期間を過ごせる人は、退職後の転職活動をオススメします。
退職後の転職活動のデメリット:ブランク期間の説明が必要
退職後すぐに転職先が決まれば問題がありませんが、突発的な辞職や準備不足でブランク期間が空いた場合、再就職の際「なぜこれだけブランク期間を取ったのか」と質問されることもあります。その際きちんとした理由を説明できなければ、不採用につながる可能性も高いです。
前述したように収入を求めて本意でない会社に就職することになれば、それは本末転倒というもの。離職後の転職活動のイメージがはっきりとしていない方は、在職中からの転職活動をオススメします。
あなたはどちらのパターン?
「在職中に転職活動を行った方が良いケース」と「退職後に転職活動を行った方が良いケース」はその人の置かれている環境でさまざまですが、そもそも転職とは「自分にとってより良いキャリアを描く」きっかけにすぎません。自分の状況と照らし合わせ、最善の方法を選んでもらえたらと思います。
在職中に転職活動を行った方が良い方:金銭的な余裕がない方
前述したように、転職活動にはお金がかかります。雇用保険もありますが、申請は離職日から1ヶ月後で、しかも自己都合での退職の場合給付期間は3ヶ月と、やはり蓄えがなければ難しいのは事実です。
また在職中であれば、もし転職活動が上手くいかなくても今の会社に勤め続けるという選択ができ、生活も一定水準に保たれます。
もし退職後に転職活動が上手くいかず、金銭的な余裕もなくなってくれば、心も蝕まれ、適当な会社に入社してしまうおそれも。それではあなたのより良いキャリアアップにはつながりません。
貯蓄が心許なく、金銭的に余裕がない方は在職中から転職活動を行った方が良いでしょう。
退職後に転職活動を行った方が良い方:計画的にキャリア形成を行える方
金銭的な余裕が必要なのはもちろんですが、それに加え離職中の長いブランク期間というのは、再就職の際不利に捉えられがちです。
しかし、このブランク期間を有意義に使うことができれば、それはあなただけのアピールポイントにもつながります。例えば次のキャリア形成のため資格取得の勉強に打ち込んでいたり、知見を広げるため旅行に行ったり、家族との時間を過ごしていた、など。
ブランク期間をきちんと説明できる理由があり、それが再就職のアピールにつながるのであれば退職後の転職活動は充分に有意義なものとなるでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回はメリット・デメリットを踏まえた上で転職活動を在職中に行った方が良いケースと、退職後に行った方が良いケースをお伝えしました。
そもそも転職とは、人生をより良いものにする手段のひとつにすぎません。転職したからすべてがうまくいく、というのはあまりに楽観的すぎる考えであることは事実です。突発的に辞職を選択せず、冷静に自分の立ち位置を振り返ることも必要でしょう。
その上で明確な転職理由や自分の経歴の言語化に努めれば、転職で多彩なキャリアが描けるのも事実です。ぜひ今回ご紹介したポイントを活かし、あなたのよりよい未来を描いていただけたらと思います。