採用選考の際にグループワークを実施する企業は少なくありません。どのような種類があるのか、また、進め方や役割分担、評価のポイントを理解しておくことで、苦手意識を持たれることが多いグループワークにもスムーズに対応しましょう。
グループワークとは?主な種類を紹介
グループワークとは、グループで課題に取り組むことです。近年ではグループワークを採用選考や研修に取り入れている企業も多いので、就職活動の際にはグループワークの対策もしておくほうがよいでしょう。
ケースによっても異なりますが、5~6人程度でグループを組み、特定の課題に対して30分ほど取り組ませるスタイルが一般的です。
グループワークにはいくつか種類があります。その中でも次の3つの種類は、採用選考や研修に用いられることが多いでしょう。
- 作業型グループワーク
- ビジネス型グループワーク
- ゲーム型グループワーク
作業型グループワーク
作業型グループワークとは、グループに与えられた目標を達成するために協力して作業するグループワークです。
例えば、企業をアピールするためのポスターを制作する、段ボール箱を使って子どもが遊べる家を作るなどの目標が与えられ、グループで取り組みます。
目標を達成するということも重要ですが、グループ内で協力するということも重要です。すべてのメンバーが作業に関わっているかという点についてもチェックされるでしょう。
ビジネス型グループワーク
ビジネス型グループワークとは、与えられた課題に対して解決策を話し合い、グループで出した結論に基づいてプレゼンテーションを行うグループワークです。
課題の把握から解決策の提示、そしてプレゼンテーションの一連の流れは実際のビジネスの流れと同様なので、採用選考や新人研修などにも用いられる場合があります。
また、「売上を伸ばすにはどうすればよいか?」「需要を拡大するには?」のようにビジネスと関連するテーマが与えられることも、ビジネス型グループワークの特徴です。
いくつかのグループに分けて同じテーマを与え、最後にプレゼンテーションを通してお互いの結果が分かるようにすることもあります。
ゲーム型グループワーク
ゲーム型グループワークとは、グループでゲームに取り組むグループワークです。さまざまなゲームに取り組みますが、その中でもコンセンサスゲームは比較的よく実施されます。
コンセンサスゲームとは、特定の状況においてどのような選択をするのか、グループで話し合いながら決定していくゲームです。例えば、無人島に行くときに何を持っていくのか、何を置いていくのかグループで決めたり、優先順位を決定したりします。
なお、ビジネス型グループワークや作業型グループワークでは、どのようにワークに取り組むかに焦点が当たるため、結果や成果物に対してはあまり重視されないことも珍しくありません。
しかし、コンセンサスゲームでは模範解答や採点基準が決められているので、協力しているかどうかだけでなく、理想的な結果を導き出すことも重要です。
グループワークの進め方
グループワークはグループで協力することが大切ですが、それだけが重要なのではありません。成果を出したりプレゼンテーションを行ったりすることも求められるので、あまりゆっくりと取り組んでいては最終目標に到達できず、評価が下がることにもなります。
事前にグループワークの進め方を知っておくと、スムーズに取り組めるでしょう。以下の4つのステップに従い、効率よく進めていきます。
- テーマに基づいて議論をする
- 役割分担をする
- 結果をまとめる
- プレゼンテーション
1.テーマに基づいて議論をする
グループワークでは、特定のテーマが与えられ、グループで解決すること、あるいは目標に向かって作業をすることが求められます。
まずは与えられたテーマに対してグループ全員で議論を行い、どう解決すべきか、どのように作業を進めていくのか決めましょう。なお、グループワークによっては、テーマもグループで設定しなくてはいけないケースもあります。
例えば「地球温暖化を止める方法を1つ選び、その方法を推進させる具体的なプランについてプレゼンテーションする」という課題であれば、議論のベースとなる地球温暖化を止める方法の選定から検討し始める必要があるでしょう。
また、いくつかのテーマを提示され、いずれかのテーマについて議論するというふうに、選択肢を選ぶことから始めるケースもあります。
2.役割分担をする
テーマについて議論をするときも、皆が自分の意見を述べるだけでは、結論にたどり着くことは難しいでしょう。司会進行を行う人、書記をする人、論点がずれてきたときに調整する人など、いくつかの役割を決めておくとスムーズに進めやすくなります。
議論をする中、自然発生的に役割分担ができれば良いのですが、初めて会ったメンバーではうまくはいかないかもしれません。
メンバーのうちの誰かが「役割分担をしてから進めよう」と声をかけることで、役割分担ができ、より効率的にグループワークを進めていけるようになります。
適性に合う役割に分担することが大切
役割分担さえすれば、グループワークが効率的に進むのではありません。メンバー各自の適性に合うように役割を割り振ることが必要となります。
しかし、会ったばかりのメンバーで適性を見極めるのは困難です。役割ごとの特徴を理解し、各自が自分に適した役割を選ぶことでスムーズに役割分担を進めていきましょう。各役割の仕事内容と適性を紹介するので、ぜひ参考にしてください。
役割 | 仕事内容 | 適性 |
司会進行 |
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書記 |
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調整役 |
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.結果をまとめる
グループ内で出た意見を、ひとつにまとめます。複数の意見が出たときは、どの意見をグループの意見にするのか、話し合いによって決めるようにしましょう。
たとえ多数決で決める場合でも、時間に余裕があるときは多数決が好ましいのかどうかを全員で話し合って決めるようにします。全員の意見を尊重する形でまとめると、より公平性が高い結果になるでしょう。
4.プレゼンテーション
グループでまとめた意見をプレゼンテーションします。プレゼンテーションでは、単に結論を述べるのではなく、問題提起から途中経過、どのような思考の流れによって結論にたどり着いたのかすべて紹介するようにしましょう。
余すところなく、かつ簡潔にプレゼンテーションをまとめるためには、書記が丁寧に話し合いの記録を取っておく必要があります。
意見交換が白熱すると話すスピードが上がり、書き漏らす可能性があるため、書記は2人以上配置しておくほうがよいかもしれません。
企業はグループワークで何を評価する?
企業側が見るのはグループワークで得た成果物だけではありません。グループワークを進行しているときも何度も席を回って、どのように議論をしているのか、どうメンバーの意見をまとめているのかチェックしています。企業が評価するポイントとしては、次の4つが挙げられるでしょう。
- 積極性
- コミュニケーションスキル
- 論理的思考力
- 対応力
積極性
積極的に議論やプレゼンテーション作成に参加しているのかについて、企業は注目します。積極的に意見を言うだけでなく、積極的に他のメンバーが意見を言えるように促しているか、積極的な姿勢でメンバーの意見を聞いているのかという点も重視されるでしょう。
コミュニケーションスキル
意見を言うだけ、意見を聞くだけといった一方通行の行為は好ましいとはされません。グループで課題に取り組むためにも、メンバーと適切なコミュニケーションを取っているのかもチェックされます。
論理的思考力
意見を述べる際、まとめる際に、論理的な思考に基づいているのかチェックされます。意見に飛躍があったり、感覚で意見を整理していたりすると、評価が下がるかもしれません。
対応力
グループ内で意見がまとまらないとき、あるいは意見があまり出ないときなど、何かしらの不具合が起こったときに、どう対応するのかについてもチェックされるでしょう。解決策を思いつくだけでなく、実行する力にも注目されます。
グループワークが得意になるための2つのポイント
採用選考において、グループワークが実施される機会は低くはありません。特に大手などの採用希望者が多い場合は、一度に大勢の希望者を評価するためにもグループワークの手法が用いられます。グループワークに対して得意意識を持つためにも、次の2つのポイントに留意して準備をしておきましょう。
- グループワークを実践する
- 役割に応じて参加する姿勢を示す
1.グループワークを実践する
グループワークが得意になるための方法は、何度もグループワークを行って慣れることしかありません。友人やサークルのメンバーなどで集まって、グループワークの練習をしてみましょう。
2.役割に応じて参加する姿勢を示す
グループワークでは役割に応じた振る舞いが求められます。すべての人にリーダーとしての力量を求められているのではないので、書記を担当したときは書記の業務に専念することが必要です。
しかし、他のメンバーが役割を果たさないときは、それとなくフォローすることも重要でしょう。自分の能力を誇示するのではなく、すべてのメンバーが能力を発揮できるようにサポートすることを意識すると、グループワークで高評価を得やすくなります。
就活の疑問はお仕事相談会で相談してみましょう
グループワークが得意になると、就活に対する不安をひとつ消すことができます。ぜひ何度かグループワークを実践して、コツをつかんでいきましょう。
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