会社を辞めたいと考えたとき、気になるのが他の人の退職理由。
「辛抱が足りないのでは?」「主観的すぎるのか」と悩んだときに役立つのが、退職理由ランキングです。
他人の退職理由を知ることで現状を客観的に見られたり、退職時の伝え方の参考にできたりします。ランキングと併せて上司への退職理由の上手な伝え方も紹介していきます。
会社を辞める・辞めたい理由ランキングトップ10
『エン・ジャパン株式会社』が2019年に公表した「退職理由に関するアンケート」によると、退職を考え始めたきっかけは、労働環境の不満や自己成長の停滞など、さまざまな理由があることがわかりました。
ここでは、退職理由ランキングの第1位から第10位まで紹介します。
《第1位》やりがい・達成感が感じられないから
会社を辞める・辞めたい理由として一番多かったのは、現職でのやりがいや達成感を感じられないことでした。
労働環境や評価制度などへの不満とは違い、不透明で解決方法も見出せない場合がしばしば。だからこそ環境をリセットして、心機一転したいという気持ちが強くなるのでしょう。
また、数年働いて同じような仕事しか任せてもらえなかったり、雑務が中心だったりする場合にも、マンネリ化を感じ、退職への気持ちが強まってしまいます。
《第2位》給料が低いから
第2位は低賃金への不満。特に20代から40代に多く挙げられた理由です。
入社時に大体の所得は見通せるものの、ボーナスや昇給に関しては実際に入社してからしかわからず、「想定していたよりも低かった」と感じる人も多いようです。生活していく上で重要な金銭面への不満があると満足度が下がり、転職を考える人が増えるのも納得です。
《第3位》会社の将来性に不安を感じたから
時代の流れが大きく変わる今、従来では安定経営を続けていた企業も、業績が悪化している場合もザラにあります。ボーナスカットや経費削減の動きが大胆になってきたり、人員整理が行われ始めたりすると、不安を感じるのは当然です。
《第4位》人間関係が良好でなかったから
同僚や上司との関係がうまくいかず、働きづらくなって転職を考えるパターン。
仕事にやりがいがあったとしても、周囲と良好な関係を築けていなければ、心身に負担がかかってしまいます。
最悪の場合、人間関係の拗れから出世や評価にも影響する恐れも。人間関係を理由に退職を考える人は、直接的な人間関係のストレスから、将来への懸念まで幅広い理由があるようです。
《第5位》残業・休日出勤が多かったから
第5位は、ハードワークへの不満です。残業や休日出勤が多くなるとプライベートの時間を確保するのも難しくなり、心身ともに疲弊してしまいます。
残業代で一時的に給与が上がっても、満足度は下がる一方。どれだけ好きな仕事であっても、ある程度の自由な時間が確保できなければ、働き続けることは厳しいのでしょう。
《第6位〜第10位》制度や社風への不満など
第6位以下をまとめて紹介します。
第6位:人事制度や評価に不満があったから
第7位:自分の成長が停滞・成長を感じられなくなったから
第8位:社風や風土が合わなかったから
第9位:体調不良になったから
第10位:想像していた仕事とは違ったから
このように会社を辞める・辞めたいと考える理由は、人によってさまざま。それぞれ置かれている環境は違いますし、不満に思うポイントも違います。環境への不満、自分のモチベーション、心身の問題、辞めたい理由はどんなものであっても、後悔しない選択ができれば問題ありません。
ただ、念頭においておきたいのは、次のステージに移るためには現職で円満に退職すること。そうすることで、同業界でも活躍しやすく、清々しい気持ちで次のステージに進めます。
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円満退社しやすい会社を辞める理由の伝え方
円満退社への第一歩は、上司に会社を辞める理由の伝え方です。
たとえ会社の劣悪な環境に不満を抱えていても、それをストレートに伝えてしまえば快く退職を認めてもらえない場合も。上手く理由を伝えることで潔く次に進めるのです。
ここでは会社を辞める理由の上手な伝え方を紹介します。
モチベーション低下・やりがい喪失による退職の上手な伝え方
会社を辞める理由ランキングでも1位だった感情面での退職。
「やりがいが感じられないから」「モチベーションが見出せないから」と上司に伝えると、解決に導くようなアイデアを提案してくれる場合もありますが、快く思われない場合がほとんど。
そんな感情面を理由にした上手な退職の伝え方は、「培った経験を活かして、次のステージで頑張りたいと考えた」「さらなる自己成長を目指し、新しい環境に飛び込んでみたい」など、ポジティブ変換して伝えると、上司も快く退職を受け入れてくれるでしょう。
労働条件・人間関係が原因による退職の上手な伝え方
労働環境や人間関係での退職は、伝えるのがシビアです。伝え方によっては問題が大きくなってしまうことも。穏便かつ円満に退職するためにも、自分のプライベートの背景を退職理由に混ぜると伝えやすくなります。
例えば、「子どもが産まれて生活費をもっと稼ぐ必要ができた」「親が高齢になり、実家に通いやすい職場に転職したい」「学んでみたい分野があるから、もう少しプライベートな時間が取れる環境に移りたい」「自分でスケジュールを立てて黙々と進める仕事が合っているとわかったので、専門性のある仕事に挑戦してみたい」など。こちらも労働環境や人間関係の不満をポジティブに伝える方法です。
言い方次第で角も立ちませんし、「それなら仕方ないな」と言ってもらいやすい理由になります。
会社を辞める理由・伝え方と併せて覚えておきたいこと
会社を辞める理由や伝え方が整理できたら、退職までのスケジュールや在職中の転職活動について知っておきましょう。円満退社するには、業務の引き継ぎや次の転職先との抜かりないやりとりが大切です。
1.退職までのスケジュール
上司に退職を伝える前に、受け持っている仕事を整理し、退職できそうな時期を見据えましょう。あなたが受け持っている仕事は、誰かが引き継ぐもの。
引き継ぎには数日の時間が必要になります。転職先が決まっている場合には、転職先への入社日や残有給数をもとに、逆算してスケジュールを組むのがおすすめです。
もし転職先が決まっていない場合にも、時期を決めるのがベター。
そうでなければ上司や企業側が引き止め、ずるずると会社に残ってしまうことにもなりかねません。退職を決めたのであれば、しっかりと意思と時期を固めて上司に伝えるようにしましょう。
2.上司に退職を伝える時期
上司への退職の申し出は、民法上では期間の提示がない場合、原則2週間以内に伝えれば問題ないとされています。しかし、企業の社内規定には、“退職希望の申し出は1ヵ月前まで”と決まっている場合が多いのです。
業務の引き継ぎもありますから、退職を申し出るのは最低でも退職希望日の1か月前、できれば1か月半前ぐらいの余裕を持って伝えるようにしましょう。
3.在職中の転職活動
在職中に次の転職先を見つけるのはもちろんOK。しかし、表立って転職活動してしまうと、職場での混乱や問題につながりかねません。在職中の転職活動はひっそりと進め、現職に影響が出ないようにしてくださいね。
さいごに
現状に不満や悩みを抱えているのなら、現職に無理にとどまる必要はありません。ただし、何を改善したくて辞めるのか、次の転職先ではその不満を解消できるのかなど、しっかりと考えて向き合うのが大切です。
今回紹介した退職理由の伝え方をはじめ、退職までのスケジュールなどを参考にし、より充実した社会人生活を送れることを願っています。
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