やりたい仕事がないと悩んでいる新卒就活生は少なくありません。就活で後悔しないためにも、積極的に行動し、仕事や企業について情報を収集することが大切です。今回は、やりたい仕事が見つからない理由や新卒就活生がやるべきこと、自己分析のやり方などを解説します。
やりたい仕事がないと悩む新卒は多い
新卒就活生の中には、やりたい仕事がなくて悩んでいる方も多いでしょう。やりたい仕事が見つからないと、就活のモチベーションが上がらなかったり、どの企業を受ければよいかわからず困ったりするものです。
実は、やりたい仕事がないと悩んでいる新卒は少なくありません。すべての新卒就活生が、明確な将来の目標を持ち、やりたい仕事を見つけたうえで就活をしているわけではないことを理解しておきましょう。そして、やりたい仕事が見つからないからといって、必ずしも就活に失敗するわけではありません。
やりたい仕事がなくて悩んでいるのは、むしろ将来について真剣に考えている証拠とも言えます。
しかし、志望動機が薄いまま就活を進めると、面接で説得力のある回答ができず、落ちてしまう可能性が高いです。また、やりたい仕事について深く考えないまま適当に就活を進めてしまうと、せっかく入社してもモチベーションを持てず、早期退職につながってしまう恐れもあります。
やりたい仕事が見つからない自分を責める必要はありませんが、仕事を知ったり、積極的に情報を集めたりする姿勢が重要です。
新卒就活生がやりたい仕事がないと思う理由6選
まずは、なぜやりたい仕事がないと思うのか、理由を分析しましょう。理由によって、やるべきことが変わってくるためです。
ここでは、新卒就活生がやりたい仕事を見つけられない、主な理由を6つ紹介します。
1. どのような仕事があるのかわからないため
2. 自分の強みを見つけられていないため
3. 自分に自信がないため
4. 失敗するリスクが怖くて挑戦できていないため
5. 周囲からの評価が気になるため
6. 興味のあることが多すぎるため
1.どのような仕事があるのかわからないため
そもそも世の中にどのような仕事があるのかわかっていなければ、自分に合った仕事を見つけるのは難しいです。
仕事には、非常に多くの種類があります。総務省が発表している日本標準産業分類によると、仕事の種類は大分類で20個、中分類で99個です。さらに複数の仕事に分かれており、実に多くの仕事が存在することがわかります。
自分の趣味や強みを活かせる仕事があるにもかかわらず、そういった仕事の存在を知らなければ、やりたい仕事は見つけられないでしょう。
まずは、世の中にどのような仕事があるかに興味を持ち、積極的に調べることが大切です。
参考:総務省「日本標準産業分類(平成25年10月改定)(平成26年4月1日施行)-分類項目名」
2.自分の強みを見つけられていないため
自分の強みを見つけられていないパターンもあります。自分の強みを理解できていないと、「強みを活かせる仕事は何か」という視点で企業選びを進められません。その結果、自分に合う仕事が見つけられなくなってしまいます。
自分の強みを把握するためには、徹底した自己分析が欠かせません。自己分析の結果、これまで気づいていなかった自分の長所を理解できる可能性が高いです。また、長所をはっきりと認識することで、就活の際に自分をアピールしやすくなります。
自分の強みを明確に理解できていない方は、自己分析を行いましょう。
3.自分に自信がないため
自分に自信がない方も、やりたい仕事を見つけられない傾向にあります。自己肯定感が低く、自分に自信がもてないと「どうせ自分には無理」という思考に陥りがちです。その結果、興味がある仕事や挑戦したい領域があっても、行動に移せず、やりたい仕事を見つけられなくなってしまいます。
すべての就活生が自信をもって就活に臨んでいるわけではありません。自信がないのは自分だけではないことを理解し、思い切ってチャレンジすることが大切です。
4.失敗するリスクが怖くて挑戦できていないため
失敗するリスクが怖くてなかなか行動に移せず、本当にやりたい仕事を見つけられない、という方もいます。完璧主義な方に多いパターンです。
就活生から人気がある業界や、就活難易度が高いと言われている企業に興味があっても、選考に落ちてしまうリスクが怖くて、積極的に動き出せません。挑戦する前からハードルが高いと諦め、企業の選択肢を狭めてしまっています。
就活ではうまくいかないこともあるでしょう。しかし、リスクを過度に恐れて行動を起こさなければ、本当にやりたい仕事を見つける機会を失ってしまいます。
5.周囲からの評価が気になるため
周囲からの評価が気になり、自分がやりたい仕事であるかに従って仕事を選べない方も少なくありません。
「本当はベンチャー企業に行きたいが、大企業にいかないと評価されないのでは」「やりたい分野は年収が低く、バカにされるのでは」などの考えにより、本当にやりたい仕事は何かわからなくなってしまいます。
もちろん、就活では周囲の意見を聞くことも重要です。しかし、周囲からの評価のみが就活の軸になってしまわないよう、自分の意思を貫くことも求められます。
6.興味のあることが多すぎるため
興味のあることややってみたいことが多すぎて、逆に仕事を決められないというパターンもあります。好奇心旺盛で、やりたいことが次々と変わる方に多いです。
「今興味があるのはこの分野でも、将来変わるかもしれない」という思いから、本当に自分に合った仕事が何かわからなくなってしまいます。
この場合は、興味のある企業について徹底的に調べ、自分のことを戦力として求めてくれる企業を見つけることがポイントです。
やりたい仕事がない新卒がやるべきこと7選
やりたい仕事を無理に見つけようとする必要はありません。しかし、世の中にどのような仕事や企業があるか、自分の興味関心や強みは何か、などを理解することは、キャリア選択で後悔しないためにも重要です。
ここでは、やりたい仕事が見つからない新卒がやるべきことを7つ紹介します。
1. 自己分析を行う
2. やりたくない仕事を考える
3. 身につけたいスキルや理想像から考える
4. 企業説明会やインターンシップに参加する
5. OB・OG訪問で社員から話を聞く
6. 就活エージェントに相談する
7. 大学在学中にさまざまなことに挑戦する
1.自己分析を行う
やりたい仕事を見つけるためには、自己分析を徹底的に行うことがポイントです。 以下の観点から自分について深堀し、自分自身を理解しましょう。
● 好きなものや熱中できることは何か
● これまで達成感や充実感があったできごとは何か
● これまで努力したことは何か
● 挑戦してみたいことは何か
自己分析の詳しいやり方は、次の章で解説します。
2.やりたくない仕事を考える
やりたい仕事はなかなか思いつかなくても、やりたくない仕事はある、というケースは少なくありません。その場合は、逆にやりたくない仕事から考えてみることで、選択肢を絞れます。
たとえば、「人前で話すのがあまり得意ではない」という場合は、営業職や接客業が選択肢から外れるでしょう。「体力に自信がない」という場合は、デスクワーク中心の仕事や、在宅ワークができる仕事など、肉体労働を伴わない仕事を選ぶ必要があります。
まずはやりたくない仕事を洗い出し、それ以外の仕事について調べてみるのがおすすめです。
3.身につけたいスキルや理想像から考える
身につけたいスキルや、将来こうなりたいという理想像から逆算して考えるのも効果的です。理想を実現するために必要な経験やスキルは何かを考えると、挑戦すべき仕事が見えてきます。
たとえば、「ライフステージが変わっても仕事を続けたい」という理想像がある場合は、在宅でパソコンがあればできる、ライターやWebデザイナーなどの仕事が候補に挙がります。そこから、編集や広報、エンジニアなど、選択肢を広げていくことが可能です。
4.企業説明会やインターンシップに参加する
やりたい仕事を見つけるためには、仕事や企業について深く理解できるよう、企業説明会やインターンシップに参加しましょう。
漠然と興味がある業界を中心に、企業説明会やインターンシップに幅広く参加して、情報を積極的に収集することが大切です。
企業説明会では、実際に現場で活躍している社員が、実務の内容や企業の雰囲気などを教えてくれます。インターンシップでは、実際に仕事を体験できるプログラムもあり、仕事に適性があるかを見極めるのに有効です。
仕事について深く理解し、自分の強みや興味のあることなどと照らし合わせながら考えると、やりたい仕事を見つけやすくなります。
5.OB・OG訪問で社員から話を聞く
より仕事や企業への理解を深めるためには、OB・OG訪問を活用し、実際に働いている社員の声を聞きましょう。
インターネットやパンフレットの情報だけで、やりたい仕事かを判断するのは難しいです。OB・OG訪問で、先輩社員から生の情報を得ることで、仕事への具体的なイメージを持て、やりたい仕事が見つかることもあります。目標に向かって日々仕事を頑張っている先輩社員に憧れ、将来なりたい社会人像が明らかになる場合も多いです。
また、OB・OG訪問を行った回数が、志望度や熱意のアピールにつながるというメリットもあります。
6.就活エージェントに相談する
就活を1人で進めるのが難しいと感じたら、就活エージェントに相談するのがおすすめです。就活エージェントは、これまでの経験や自身の夢などの情報から、自分に合った仕事を提案してくれます。
第三者の意見を聞くことで、これまで知りもしなかった仕事を見つけられることも少なくありません。
就活エージェントは、キャリア相談以外にも、面接対策やES添削など、幅広いサポートをしてくれます。プロの力を借りで就活をスムーズに進めたい方は、ぜひ就活エージェントを活用してみてください。
7.大学在学中にさまざまなことに挑戦する
就活までまだ少し時間があるという場合は、大学在学中にさまざまな経験を積むことを重視しましょう。就活のことを考えすぎることなく、少しでも興味を持ったことに挑戦することが大切です。
幅広い経験を積むことで、思いがけずやりたい仕事が見つかることもあります。自分に向いていることだけでなく、向いていないこと、やりたくないことが明らかになる場合も多いです。
また、「とにかくチャレンジしてみる」という姿勢を身につけることも、就活において自身の選択肢を狭めないためにも重要です。
やりたい仕事を見つける自己分析のやり方3ステップ
前述のとおり、やりたい仕事を見つけるためには、特に自己分析が重要です。やみくもに自己分析に取り組んでも、中途半端な分析で終わってしまったり、結局やりたい仕事が見つけられなかったりします。
はじめて自己分析を行う方は、以下の3ステップで取り組むのが効果的です。
1. 自分の情報を書き出して整理する
2. それぞれの情報を深掘って具体化する
3. 過去と現在の情報を将来に当てはめて考える
1.自分の情報を書き出して整理する
まずは、自分に関する情報を書き出して整理しましょう。その際は、以下の2つを作成するのがおすすめです。
● 自分史
● モチベーショングラフ
自分史とは、今までの出来事を、時系列でまとめた、自分に関する年表のことです。小学生から現在まで、印象的な出来事や頑張ったこと、失敗したことなどを書き出していきましょう。自分史を作成するうちに、自分に対する理解が深まります。また、出来上がった自分史のうち、頑張ったことの共通点を見つけることで、自分の価値観や強みなどが明らかになることも多いです。
モチベーショングラフは、横軸を時間、縦軸をモチベーションとし、モチベーションの上がり下がりを可視化したグラフです。幼少期から現在までのモチベーションの推移と、上下した理由を書き込むことで、自分のモチベーションの源泉を理解できます。自分のモチベーションが高まる要因を把握し、仕事や企業選びに役立てましょう。
2.それぞれの情報を深掘って具体化する
自分の情報について書き出したら、それぞれの情報に「なぜ?」と問いかけ、具体的に深掘ってください。
たとえば、以下のように情報を具体化できます。
テニス部での活動と受験勉強の両立を頑張った→なぜ頑張ったのか?→部活を言い訳に受験勉強をサボるのが恥ずかしいと思ったため/国立に行って少しでも親孝行したかったため
ここから、完璧主義な気質があることや、人のためならハードなことも続けられるという特徴が見えてきます。
プラスの情報だけでなく、マイナスな情報についても深掘りましょう。自分が意思決定の際に重視している価値観がわかります。
3.過去と現在の情報を将来に当てはめて考える
最後に、ステップ1と2で明らかになった自分の情報を、将来に当てはめて考えましょう。
過去と現在の情報から、適性がある仕事や自分に合った企業の特徴が明らかになります。さらに、将来に当てはめて考え、自分がどうなりたいか、どのようなスキルを身につけるのがよいかなどを分析することが大切です。
過去、現在、将来の情報を整理することで、自分がやりたい仕事を見つけやすくなり、一貫した自己PRや志望動機の作成にも役立ちます。
やりたい仕事がないときは条件面から探すのも効果的
就活に向けて動き出したものの、なかなかやりたい仕事が見つからない、ということもあるでしょう。
その場合、必ずしもやりたい仕事にこだわって就活する必要はありません。給与水準や福利厚生、勤務時間、勤務地、働き方などの条件面から探すのも1つの方法です。
年収や勤務時間、働き方などは、仕事選びのうえでは重要なポイントです。実際、仕事の安定性や収入を重視して仕事を選んでいる方も多く存在します。
ただし、志望動機として「希望条件がいいため」と伝えても、熱意や企業への理解度が低いとみなされ、落とされてしまう可能性が高いです。
条件面から挑戦したい企業が見つかったら、自身がその企業で活躍しているイメージが持てるまで企業研究を重ね、明確な志望動機を作成しましょう。
やりたい仕事がない新卒は就活エージェントに相談してみよう
やりたい仕事を見つけるのは簡単なことではありません。しかし、やりたい仕事がわからないまま就活を進めてしまうと、面接で説得力のある志望動機を話せなかったり、入社後に後悔したりする可能性があります。
やりたい仕事を見つけるためには、自身について詳しく理解すること、企業や仕事についての情報を積極的に収集することが欠かせません。
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