職場の雰囲気に馴染めない方は、実は多くいるようです。職場は基本的に仕事をする場所ですが、大勢の人間がチームを組んで業務を進める以上、良好な人間関係を築くことは欠かせません。
本記事では職場に馴染めないと悩む方に向けて、よくある悩みや対処法などを解説します。
転職・入社直後に「職場に馴染めない」と感じる人は多い
職場に馴染めないと悩む方は多くいますが、とくに多いのが転職または入社直後であるケースです。転職・入社直後が不安な気持ちから、マイナスな思考に陥りがちです。
新しい環境に馴染むには、誰でも相応の期間が必要なため仕方はありませんが、それを分かっていても「自分だけがなかなか馴染めていないのでは」と不安に感じてしまうかもしれません。
では、他の人は職場に馴染むまで、どのくらいの期間がかかっているのでしょうか。以下で、詳しくみていきましょう。
職場に馴染むまでに平均3か月程度かかる
数多くの求人サービスを提供している「doda」が2018年におこなった調査では、転職した方が「職場に馴染めてきた」と感じるまでにかかった期間の平均は約3か月。多くの方が職場に馴染むには、3か月はかかると考えたほうがいいでしょう。
転職前に、どのようなところに不安を感じているのかという質問に対しては88.7%の人が「人間関係」、また82.3%の人が「職場に馴染めるか」と回答しました。ほとんどの人が、新しい職場に馴染めるのかどうかをとくに心配しているようです。
参考:doda「つらい・なじめない・辞めたい…転職1ヶ月、「新しい職場に馴染む」ためにしたい5つのこと」
転職直後はマイナス思考になりがち
とくに転職後は、さまざまな不安を感じてしまうタイミングです。キャリアチェンジした方ならば、新しい仕事を覚えることも不安かもしれませんし、同じ仕事であっても、職場が変わることにはある程度のストレスがかかります。
ここまでと同様にdodaが実施した調査によると、全体の80.7%の人が「新しい職場にストレスがあった」と答えています。逆に「(新しい職場に)ストレスはなかった」と回答した方は、全体のたった19.3%でした。
つまり、ほとんどの方が新しい環境にストレスを感じているといえるでしょう。
参考:doda「転職“3ヶ月の壁”を乗り越えるには?転職後に感じるストレスと効果的な解消・克服法」
職場に馴染めないと悩んでいる人の悩み
ひと言で「職場に馴染めない」といっても、その内容はさまざまです。単に仕事を覚えるのが大変で人間関係にまで気を配れないという場合もあれば、同僚たちの「ノリ」が自分に合わないと感じている方もいらっしゃるでしょう。
ここでは「職場に馴染めない」と感じている方が、具体的にどのような悩みを抱えているのか紹介します。職場に馴染めず悩んでいるのは、あなただけではありません。他の人の例も踏まえて、少し気楽に構えてみてはいかがでしょうか。
職場の人とノリが合わない
職場の同僚と「ノリ」が合わないことも、悩ましい問題でしょう。たとえ同じ業界であっても、会社ごとに社風や部署によって、一緒に働く同僚たちのノリは千差万別です。
同僚たちのノリに対して、直感的に「合わない」と感じてしまうと、なかなか馴染むのが難しくなってしまいます。またノリについては、仕事のようにやり方を覚えたからといって、スムーズにことが進むものではありません。
ノリが合わないと感じる職場に居続けるのは、大きなストレスとなってしまいます。
既にできあがったグループに入りづらい
転職によって新しい職場となった場合には、社内には既にいくつかのグループができあがっています。既にあるグループの輪に、後から入るのは勇気のいることです。
自ら積極的に話しかけなければグループに入ることが難しいため、控えめな性格の方は戸惑ってしまうこともあります。
また、自分が話しかけたことによって、グループの雰囲気に影響してしまうのではと不安を感じることもあるでしょう。疎外感を抱いてしまうことも職場に馴染めないと悩んでしまう理由です。
仕事についていくだけでも大変
これまでの仕事とは違う業務についた場合、初めの頃は仕事を覚えるだけでも精一杯です。また同じ業界であっても、会社によってやり方が異なることもあるでしょう。細かなルールなども会社によって異なるため、最初は覚えることが多くあります。
新しい人間関係を構築していくことも重要ですが、職場ではまずは仕事を覚えることが最優先です。うまくいかないことへの焦りが原因で、余計に仕事についていけなくなってしまう悪循環に陥る可能性もあります。
まずは無理せず、仕事をこなすことに集中してもいいかもしれません。
自分が周囲からどう思われているかが気になる
周囲の人から自分が、どのように思われているのかを気にしすぎることも職場に馴染めない理由としてあげられます。相手からどうみられているのかを意識することは大切ですが、気にしすぎると、かえって何もできなくなってしまうでしょう。
必要以上に人の目を気にすることは、マイナス思考に陥る原因のひとつだといえます。空気を読むことは大切ですが、ときには少しラフに構えることも重要です。
自分がどう思われているのか気になってしまうのは仕方がないことですが、「考えないようにする」という心構えをしてみてください。
そもそも人付き合いが苦手で馴染めない
そもそも人付き合いが苦手な方にとって、新しい職場で一から人間関係を構築するのは大きなストレスとなります。相手からどんどん話しかけてもらえる場合はラッキーですが、反対にテンションが低い方の場合は、なかなか難しいかもしれません。
表情が暗い方は、周囲からは怒っているようにも見えてしまうため、知らないうちに話しかけにくい雰囲気を作ってしまっていることもあります。
また、暗い表情のほかにも「疲れた」や「辛い」といった、マイナスワードが頻発する方は、周囲から付き合いにくい人と思われてしまうこともあるため注意が必要です。
職場に馴染めないと感じたときはどうすればよい?
職場に馴染めない場合は、どうすればいいのでしょうか。場合によっては考え方を少し変えるだけで、気持ちが楽になることもあります。しかし、それでもうまくいかない場合は、思い切って環境を変えてしまうことも方法の一つです。
一人で抱え込んでしまわないように、本章では職場に馴染めない場合はどうすればいいのか、その打開策をいくつか紹介します。
「職場は仕事をする場所」と割り切る
職場に馴染めないという悩みに対する、最もシンプルな解決方法は「割り切ってしまうこと」です。職場に馴染めないことを、「気にしない」というのも手段の一つといえます。
前提として、職場とは仕事をする場所です。そのため、仕事さえしっかりしていれば、多少コミュニケーションが不得意であっても、会社としては何も問題ありません。会社が求めることは、あくまでも「仕事で成果をあげること」です。
仕事に支障をきたすほど人間関係が悪化している場合は別ですが、それほどでない場合は「職場=仕事をする場所」と割り切ってしまいましょう。
自分を変える努力をする
自分自身を変えようと、努力をすることも必要です。コミュニケーション能力が高い上司や同僚がいて、頻繁に話しかけてくれる場合はいいですが、このようなケースは珍しいでしょう。
とくに転職などによって、もともとグループができているなかに入る場合はよりいっそう、受け身な姿勢のままでは周囲に馴染めません。まずは、積極的に話しかける努力をしましょう。
思い切って環境を変える
職場に馴染むため、あれこれと努力をしても状況が変わらないケースもあります。「仕事をするところ」と割り切ることも簡単なようで、非常に難しいでしょう。
どうにもならないと思い詰めてしまう場合は、思い切って転職を考えるのもひとつの手段です。
労働政策研究・研修機構が実施した調査によると、若手社員が新卒で入社した会社を辞めた理由として多いものが「人間関係がよくなかったため」です。
人間関係を理由に会社を辞める方は多いため、会社に馴染めないことは退職理由として珍しいものではありません。
「職場は仕事をする場所」と割り切るメリット
職場は仕事をする場所と割り切ることには、以下のようなメリットがあります。
- 精神面の安定がはかれる
- 仕事以外のトラブルを回避できる
- オフィシャルとプライベートを分けられる
無理に職場に馴染もうとせず、割り切って考えることでストレスを軽減できます。人間関係は親密になればなるほど、あらゆるトラブルに巻き込まれてしまう可能性が高まるでしょう。そのようなストレスも避けられる点は、大きなメリットです。
また、オフィシャルとプライベートを分けることも、オンオフの切り替えができるため精神的に楽になるでしょう。
職場に馴染めないと感じたときに実践したいこと
職場に馴染めない場合、まず自分から行動してみましょう。気持ちを切り替えて割り切ることも必要ですが、職場に馴染んで楽しく働きたいと考えるならば、行動を起こすことが大切です。
本章では、職場に馴染めない方が実践すべき3つの行動を紹介します。
徹底して自分から挨拶をするよう心がける
まずは、徹底して自分から挨拶するよう心がけましょう。いきなり世間話をしたり、冗談を言い合ったりするのはハードルが高いものです。
しかし、「おはようございます」「お疲れ様でした」などの挨拶ならば、自分から声をかけるハードルは一気に下がります。
「毎朝◯人に挨拶をする」など、自分に課題を課して実践してみるのもオススメです。
職場の人間関係を観察する
職場の人間関係を、しっかりと観察しておくことも重要です。職場の中でグループの中心にいる人や、他の人から頻繁に相談を受けている人といった「キーマン」を探してみましょう。
聞きやすい同僚に、アドバイスをもらうことも手段のひとつです。しかしこの場合は、聞いた相手の主観が混ざってしまう可能性もあるため、あくまでも参考程度にしておきましょう。
日頃から口角を上げて過ごす
表情を明るくするだけでも、周囲からみるあなたの印象は大きく変わります。人はたとえ会話をしていなくても、相手の表情などから感情を読み取ります。
意識的に口角をあげて過ごしているだけでも、「話しかけにくい人」から「気軽に声をかけられる人」へと印象を変えられるでしょう。気がついたときに口角を上げるよう心がけるだけでも、周囲の印象は大きく変わります。
根本的な解決策は割り切るか、変わるか、環境を変えるか
職場に馴染めないと悩む方へ向けて、打開策などを提案しました。
しかし、職場に馴染もうとして抱えるストレスは、気持ちを完全に割り切るか自分が変わるか、環境を変えるかのいずれかしかありません。どうしても職場に馴染めない場合は、思い切って転職してしまうのもオススメです。
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