エンジニアといっても、専門とする分野によって業務内容は異なります。マークアップエンジニアとは、Web制作を専門とするエンジニアです。
では、マークアップエンジニアの業務内容はどのようなものなのでしょうか。年収や必要なスキル、将来性などと合わせて解説していきます。
マークアップエンジニアってどんな仕事?
みなさんはマークアップエンジニアについて、どれくらいご存じでしょうか。おそらく、マークアップエンジニアへの転職を志している人は、WEBサイトの制作に必要な職業ということはご存じかと思います。
しかし、転職を考えるのであれば、もっと具体的にマークアップエンジニアという職業について、知っておかなければなりません。
本章では、まず知っておくべき基本として、マークアップエンジニアの役割や業務内容、適性がある(向いている)人、年収、キャリアパスについて解説します。
マークアップエンジニアの役割
マークアップエンジニアの役割は、Webサイトを制作する最終段階である「コーディング」です。
システムと連携していない「静的領域」において、マークアップエンジニアが中心となり、テンプレートの制作をおこないます。また、Webコーダーへ細かい指示を出すことも、マークアップエンジニアの役割です。
マークアップエンジニアには、ただコーディングをするだけでなく、プラスアルファの技術が求められます。
具体的な業務内容
マークアップエンジニアの業務は、基本的にHTMLやCSSを用いたコーディングになります。コンピューターは人間のようにニュアンスを理解できないため、こうした特殊な言語を用いる必要があります。
例えば、タイトルや文章中の重要な部分などは、コンピューターには理解できません。そのため、マークアップエンジニアが細かくコンピューターへ指示を出し、どの部分がタイトルで、どこが重要箇所なのかを説明する必要があるのです。
そして、その指示を出すために用いる言語がHTMLやCSSということです。つまり、マークアップエンジニアの業務内容とは、文章構造やレイアウト、装飾の指定ということです。
マークアップエンジニアに向いている人
マークアップエンジニアに適性のある人は、以下のような能力・性格の持ち主です。
- 成長意欲がある
- チーム全体で成果を出すことを目標にできる
前述したように、マークアップエンジニアにはコーディングスキルに加えて、プラスアルファの価値が求められています。知識を増やしていくことはもちろん、ユーザーに適したデザイン性を追い求められる人は、マークアップエンジニアに向いているでしょう。
またWebサイトは、多くの担当者がチームで制作するものです。そのため、個人だけでなく、チーム全体で成果を上げようとする姿勢が必要となります。
マークアップエンジニアの年収
マークアップエンジニアの年収は、一般的に300万〜500万円だそうです。転職サイトの『マイナビエージェント』が発表している情報によると、マークアップエンジニアの平均年収は385万円とされています。
同じくIT系のエンジニアである「システムエンジニア」や「プログラマー」の平均年収が、443万円であることに比べると、やや低い傾向にあるようです。また、未経験からマークアップエンジニアに転職する場合では、年収300万円に満たない場合もあります。
キャリアパスや将来性
マークアップエンジニアのキャリアパスを含めた、将来性についても、これから転職を考えている方にとっては気になるところでしょう。マークアップエンジニアのキャリアパスとしては「フロントエンドエンジニア」と「Webデザイナー」が考えられます。
また、プログラミング言語の知識を身につけることで「フロントエンドエンジニア」へ、UI・UXのスキルを磨くことで「Webデザイナー」へのキャリアパスが可能です。
似た職種との違い
マークアップエンジニアと似た業務をおこなう職業は、いくつかあります。本章で紹介するのは「Webコーダー」と、先ほどマークアップエンジニアのキャリアパスとして登場した「フロントエンドエンジニア」です。
「自分のやりたいこと」により適しているのは、どんな職業なのか、それぞれの特徴を踏まえて考えてみましょう。
WEBコーダーとの違い
マークアップエンジニアとWebコーダーにおいて最も異なる点は、求められるスキルです。Webコーダーの場合は、デザイナーの指示書通り、忠実にコーディングする能力が求められます。
一方、マークアップエンジニアの場合は、Webサイトの目的に合わせ、独自の改良を加えていくことが一般的です。SEO対策やUIの知識を活かし、デザイナーの指示よりもワンランク上のクオリティを目指します。
フロントエンドエンジニアとの違い
フロントエンドエンジニアとマークアップエンジニアの違いは、必要な知識にあります。マークアップエンジニアもCMSやJavaScript(プログラミング言語)の知識が必要となりますが、より高い専門性を求められるのはフロントエンドエンジニアです。
しかし、企業によってはマークアップエンジニアにもフロントエンドエンジニアと同等の知識を求めるところもあり、その場合は、両者に大きな違いはありません。
マークアップエンジニアに必要なスキル
ここまでマークアップエンジニアについて、職業の概要や似た職業の違いについて解説しました。では、マークアップエンジニアになるためには、どのようなスキルを身につけるべきでしょうか。
本章では、マークアップエンジニアとして働くために、必要となるスキルを4つ紹介します。これからマークアップエンジニアを目指す方は、4つのスキルを磨いていきましょう。
コーディングスキル
マークアップエンジニアに必要なスキルは「コーディングスキル」です。HTMLやCSSを用いたコーディングスキルはもちろん、オーサリングツールを使用した際でも、場合によっては手書きでコーディングできる能力も求められます。
これは、万が一何らかの問題があった場合、手書きによる修正を加えられるかどうかが重要になるためです。
プログラミングの基礎知識
マークアップエンジニアは必要に応じて、JavaScriptなどのプロラミング言語を用いるケースがあります。そのため、プログラミングにまつわる基礎知識は、身につけておかなければなりません。
その理由は、マークアップエンジニアがWebサイトの見た目を整えるだけでなく、ユーザビリティやSEOにも考慮した提案をしなければならないためです。
コミュニケーション能力
Webサイトはフロントエンドエンジニアやデザイナーなど、多くの担当者が協力して作業していきます。つまり、業務の完遂には他部署との連携が必須となり、そこで重要になるものが「コミュニケーション能力」です。
自身の提案をわかりやすく伝える、効果的な意見交換をするなど、日常的に他者とコミュニケーションをとる職業であることを認識しておきましょう。
アクセシビリティとユーザビリティ
デザインやコンテンツの質を、どれほど高めたとしても、ユーザーにとって使い勝手の悪いWebサイトでは意味がありません。
そのため、マークアップエンジニアは常にユーザビリティやアクセシビリティの観点から物事を判断するスキルが必要となります。直接のクライアントではなく、利用者の視点を持つことを忘れないようにしましょう。
マークアップエンジニアに活かせる資格
専門の資格を取得していることで、キャリアアップや収入アップが狙えます。マークアップエンジニアが取得しておきたい資格は、以下の2つです。
- ウェブデザイン技能検定
- CIW HTML5&CSS3・スペシャリスト
ウェブデザイン技能検定は、Webデザイン系の資格のうち、日本で唯一の国家資格です。1〜3級に分かれているため、初心者は3級から挑戦してみてください。
CIW HTML5&CSS3・スペシャリストは国際資格です。合格を目指すことで、HTMLのCSSの知識はもちろん、JavaScriptの知識も学習できます。
役割・将来性を踏まえて転職を検討しよう
マークアップエンジニアについて、職業の概要や必要なスキル、活かせる資格などを紹介しました。通常のコーディングにプラスの付加価値を提供できるかが、マークアップエンジニアの腕の見せどころなので、さまざまな知識を貪欲に求めていきましょう。
また『ハレダス』では、マークアップエンジニアの他にも、多くの業種に関する有益な情報を提供しています。ぜひ参考にして、希望の企業への転職を果たしてください。