平均の内々定数は?
厳密に言うと、企業が学生に採用の通知を出すこと自体は「内々定」と言い、それに学生が応じた状態を「内定」と指します。
株式会社マイナビが2021年度に実施した「マイナビ2022年卒内定者意識調査」によると、内々定保有社数は全体平均で2.0社とのことでした。
全体を見ると内々定数は「1社」という学生が多いようですが、実際のところ前年度より「1社」「2社」の割合が減少、代わりに「3社以上」が増加しており、より多くの内々定を獲得した学生が増えていると見るべきでしょう。
内々定は多い方が安心?
もちろん、さまざまな会社を比較し、自分と合った社風や制度を導入している会社に行くことが、あなたのこれからの人生をより良いものにできるでしょう。
しかし、だからと言って無闇に内々定数だけ稼いでいれば安心、という訳でもありません。
どちらにしても自分の体は一つしかなく、行く会社も一つなので、まさに「量より質」。
自分の望む企業から内定を多数もらえたのなら喜ばしいことですが、ただ安心したいがために内定数を増やすのはあまり得策とはいえません。
むしろ丁寧に企業分析、自己分析を行い「ここだ!」と思う会社に内定がもらえたのなら、決して1社でも恥ずべきことではないのです。
内定が多いことは、メリットもあればデメリットも
確かに、自分が入社する会社の選択肢が多いというのは確かな安心材料でもあります。
何より比較ができ、社風や制度、福利厚生や待遇などより「自分に合った」会社を選べることは確かな利点と言えるでしょう。
また内定がもらえなかったよりは、もらえた方が気持ちの安定にもつながります。
人によっては大学の卒論なども控えており、気持ちに余裕があるほうが良いのは事実です。
しかし一方で、選択肢が多いということは、それだけ迷う材料が増えたということ。
なんとか選んで入社した会社で嫌なことがあった場合、「あの時あちらを選んでおけば良かった」と後悔のタネになる可能性があるのも事実。
また自分が仕事をする上で何を一番大事にするかが明確で無ければ、人の意見に流されやすくなり、選択肢が多い分迷うことも多くなります。
きちんと自分が会社に入ってやりたいことをイメージしておく必要はあるでしょう。
会社を選ぶ時のポイント
内々定保有社数は全体平均で2.0社ということは、多くの学生が2つに1つで悩んでいるということ。
極論を言えば、その会社がどのような会社なのかは入ってみなければ分かりません。
自分に取っては良い会社でも、同じように入社した同期には合わないかも。
そこで今回は、「入社してから後悔しない」ことにフォーカスを当て、会社を選ぶ時のポイントをお伝えしていきます。
焦らず、情報を集める
内々定が決まったからと言って、すぐに返事をする必要もありません。
大抵返答期限などが設けられているので、もし明示されていない時は人事の人へ聞いてみるのもありでしょう。
それまでの期間、その会社でOB、OG会が開かれたり、内定者懇談会などが開かれる場合には、ぜひ参加して一緒に働く人をチェックしてみましょう。
特に社風は一度社員の人たちと会ってみなければ分からない部分も多いです。もし内定までのそのような機会があれば、ぜひ参加することをオススメします。
内々定が決まっていれば、ある程度気持ちに余裕を持つこともできます。ぜひ焦らず、自分の進路を考える時間にあててください。
労働条件をきちんと確認する
内定後、労働条件通知書ないし労働契約書にサインすることになります。その時にはきちんとを給与や就業時間、休日などの条件を確認しましょう。
思っていた仕事と違うということになることを防ぐためでもあり、もし不当に仕事が変えられそうになったときも、この契約書を元に話をすすめることができます。
自分が仕事において大切にすることを決める
前述したように、その会社に入ってみなければ分からないことも多く、その中で「想像と違った!」ということも多々出てくるでしょう。
そんな時、「この仕事をやりたかったからこの会社に入社した。だからこの不満に関しては目をつむろう」と、自分の中で大切なことが決まっていれば、折り合いを付けたり、次にやるべきこともみえてきます。
是非会社を選ぶ際は、「より自分が大切にできることを大切にできる」会社を選択してみましょう。
内定後やるべきこと
現在は順序が簡略化されることもありますが、内定に関しては書面の場合もあれば電話など口頭の場合もあるでしょう。
内々定をもらえて嬉しい気持ちは分かりますが、やるべきこともたくさんあります。
辞退はなるべく早めに
内々定をもらうことができても、場合によっては他にも入社を志望する会社があり、選択を迷う、もしくは内定承諾までの時間が短く返事に困る場合もあるでしょう。
一応、内定後、内定承諾書にサインした後でも、内定を辞退することは可能です。
よって本命企業の入社の是非がわからない間に内定承諾の期間が終わるということであれば、先に内定が出ている会社にて内定承諾書をサインするのも一つの手でしょう。
ですが入社するという見込みで企業側も準備を進めますので、できるだけ早く内定を承諾するか否かを伝えた方が、自分も気まずい思いをする必要がなくなります。
入社を希望する場合、内定承諾書にサインをする
内々定が決まった後、企業から内定承諾書が送られてきます。
これに承諾したことで内定をいただいたことになり、来年度からその会社で働くことができるようになります。
内定承諾書が届いたら、サインをして返送しましょう。
内定式に参加する
入社式とは別に、在学中に内定式が行われる企業もあります。
内定式は強制ではありませんが、同期はもちろんのこと、会社の社員や重役も出席されています。
これから共に働く人たちの顔を覚えるため、出席してみるのもありでしょう。
まとめ
今回は就活で内々定をもらった後にすべきことや、選ぶべき会社のポイントをお伝えしてきました。
さまざまなケースがあるかもしれませんが、大事なことは「あなたらしく、生き生きと働ける」会社で働けるようになることではないでしょうか。
ぜひ、企業研究と自己分析をした上で言語化に努め、あなたのままでも入社できる企業を探してみてください。