成約率を高めるためには、営業トークとヒアリング力を磨く必要があります。コツを押さえておけば、トップセールスを実現することも可能です。
ここでは、商談の成約率を高める営業のコツや、課題の解決法を紹介していきます。
営業が抱える悩み・課題
営業職は成約をとるために、日々さまざまな努力や取り組みを行なっています。しかし、成約できない課題に直面する場面も多く、多くの悩みを抱えがちです。どうすれば課題を解決できるのか、その方法がわからず、困っている方も多いでしょう。
ここでは、多くの営業職が直面しやすい主な3つの課題や悩みについて紹介します。
うまく設明できず成約につながらない
自社の商品やサービスについて頑張って説明しても成約につながらず、悩んでいる営業職は多いです。商品の魅力を伝えきれていないために、成約を逃しているケースもあります。
顧客に商品やサービスの内容を正確に理解してもらえないことや、競合他社との違いを理解してもらえないことが、成約を逃す主な原因です。なぜこの商品が必要なのか、この商品を使用するとどのようなメリットがあるのかを伝えられれば、成約につながらない課題も解決できます。
顧客の課題がわからない
顧客が商品やサービスを検討している顧客は、何らかの課題を抱えています。その課題を解決するために商品やサービスを探しているのですが、顧客自身も課題についてうまく理解できていないことがあります。
顧客の課題を理解するには、相手の話をよく聞いて課題を引き出す必要がありますが、営業担当者と顧客との間で信頼関係を構築できていなければ、課題を聞き出すことは難しいでしょう。まずは、顧客との信頼関係を構築することが大切です。
アポイントが取れない
営業を成功させるためには、まず商談の機会を作らなければなりません。テレアポやメール営業などをしても、なかなかアポイントが取れずに悩んでいる営業職は多いです。アポイントが取れなければ、商品やサービスを提案するきっかけさえ掴むことができません。
メール営業ならテレアポよりも多くの顧客へ一斉にアプローチできますが、その分リード獲得率が少なくなります。テレアポも数をこなさないと1件のアポイントにつなげられないため、忍耐力がない人には苦痛に感じてしまうでしょう。
このような課題を解決するには、顧客に商品やサービスを購入したいと思ってもらえるような魅力的な提案をするプロセスが必要です。
商談の成約率を上げる営業のコツ3つ
商談で成約を上げるために必要なことは、顧客を見極める力をつけて営業トークを磨くことです。見込みのない顧客相手に商談を続けても無意味なので、成約につなげられそうな顧客を見極めるスキルを磨きましょう。そして、その顧客に対して商品を購入してもらえるような営業トークを身につけることが大切です。
ここでは、成約を勝ち取るための営業のコツを紹介します。
1.顧客を見極める
リストに挙がっているすべての顧客に対して、同じ熱量で営業活動を行うのは非効率的です。効率よく営業活動を進めていくには、契約確度の高い顧客を見極める必要があります。
ニーズが曖昧な顧客や、商品購入の権限を持っていない顧客を相手にしても、話は先に進みません。商品購入の本気度も見極めながら、注力すべき顧客により多くの時間を充てるようにしましょう。成約につながる顧客を見極められれば、営業活動全体を効率化できます。
2.会話ではヒアリングを重視する
顧客が抱える悩みや課題を解決するには、まず相手のことを知る必要があります。話し上手になるよりも聞き上手になって、相手の話をしっかり聞くことが大切です。しかし、こちらが黙っていては、相手も自分のことを話してくれません。聞き上手になるためには、相手に質問して考えや要望を引き出す必要があります。
商談時にヒアリングを行い、相手に課題内容を話してもらいましょう。ヒアリングした後に自分なりの仮説を立て、それを確認するために相手に質問するといった会話を心がければ、相手をより深く知ることができます。
相手をよく理解して、相手の立場に立って考えることは、信頼関係を構築するために大切です。事前に相手のことをよく調べたり、共通の興味を見つけたりしておけば、よりスムーズに顧客との関係を構築できるでしょう。
3.相手が話しやすい質問をする
顧客のニーズや本音を引き出すには、トーク力よりもヒアリング力が必要です。相手の意見を聞き流さずに、しっかりと耳を傾けましょう。真剣に相手の話を聞くことができれば、自然に相槌もできて、さらに深い話を引き出すことができます。
一方的にこちらから話してしまうと売り込みの印象を与えてしまうので、相手が話しやすいような質問や話し方を心がけましょう。相手に興味を持ってもらえそうなエピソードを話すなどして、相手につくす姿勢を示せば、心を開いてもらいやすくなり、うまくヒアリングできます。相手の話を聞くことに注力できれば、自然にトーク力も磨かれていくでしょう。
営業トークの流れ
顧客相手に営業トークをする際に、いきなりオファーをするのはよくありません。顧客に安心感を与えて話を聞いてもらうには、流れに沿ってトークを展開する必要があります。
ここでは、クロージングにいたるまでの営業トークの流れを解説します。営業トークが苦手な方、思うような成果を挙げられずに悩んでいる方は参考にしてみてください。
挨拶・雑談
顧客に落ち着いて話を聞いてもらえるように、まずは挨拶から始めましょう。丁寧な印象を与えるために90度のお辞儀をして、自分の名前や会社名などを伝えます。初対面の相手の身元がわかるだけでも顧客の安心感は高まるため、必ず自分が何者なのかを最初に伝えましょう。
最初に丁寧な挨拶をすれば、不信感も和らぎ、顧客が応じてくれる可能性が上がります。丁寧な挨拶をしたからといって必ずしも話を聞いてもらえるわけではありませんが、門前払いを受ける確率は減ります。
挨拶が済んで顧客が話を聞いてくれそうな雰囲気なら、すぐに雑談に入りましょう。挨拶を終えた後、すぐに商談を始めるのはNGです。まずは相手との距離感を縮めるために、他愛のない世間話で印象をよくしましょう。
雑談の内容は顧客の気分が良くなる話題や答えやすい話題がおすすめです。きれいな庭を褒めたり、顧客の体調を気遣ったりして、顧客の気分を高めましょう。
ヒアリング
雑談が済んでも、すぐに商品の話を始めるのではなく、まずは顧客が抱えている課題や悩みを聞き出しましょう。顧客の現状を無視して商品の説明を始めても、成約につなげることはできません。事前に顧客の悩みをヒアリングして、その悩みを解消するために自社の商品が役立つことをアピールしたほうが、成約率も高まります。焦らずに、まずは顧客の話をじっくり聞くことに集中しましょう。
営業の使命は、顧客の課題を聞き出して解決方法を提案することです。商談をするときには、相手がどんな課題を抱えていて何を要望しているかをしっかり聞き出すことが大切です。相手から課題を聞き出すトークができれば、商談もスムーズに進みます。
顧客自身も自分が悩んでいる課題をしっかり把握できていない場合があるため、会話をしながら課題を洗い出すトークも必要です。ただし、顧客と会話できる時間は限られているので、課題を引き出せるまで長々と話すことはできません。短時間で効率良くヒアリングができるように、事前に情報収集などをしておきましょう。
オファー
顧客の悩みを一通り聞き出したら、商品やサービスの説明に移ります。ここまでしっかり話を聞いていれば、顧客から一定の信頼を得ているため、営業トークをしてもさほど嫌な気はしないでしょう。
商品の説明をするときは、商品の特徴を一方的に話すのではなく、顧客の悩みを解決できる内容を中心に話すことが大切です。商品を買うと顧客の生活がどのように良くなるのかといった、成約した後の生活をイメージさせながらオファーしてみましょう。鮮明にイメージできれば納得感が生まれるので、成約につなげやすくなります。
商品を説明している途中で顧客が不安に感じていることがあれば、その都度フォローしましょう。
クロージング
クロージングのポイントは、強引に成約させるのではなく、購入の判断を顧客に委ねることです。強引に成約した顧客よりも、自分の判断に任せて成約した顧客のほうが、付き合いを長く続けやすくなります。新規客を獲得するのは大変なので、同じ顧客に再度購入・継続利用してもらったほうがコスパは良好です。
顧客から次の顧客を紹介してもらうことができれば、新規客獲得の効率も向上します。顧客と継続して良い関係を築いていくためにも、強引なセールスは避けましょう。
営業トークの3つのコツ
成約を勝ち取るうえで重要になるのは、営業トークのスキルです。いくら会社が優れた商品やサービスを保有していても、その存在を知ってもらうことができなければ売れません。営業トークでは商品の魅力を伝えることも大事ですが、顧客に信頼してもらえるような話し方を心がけることも大切です。
ここでは、成約につなげるための営業トークの3つのコツを紹介します。
1.ゆっくり話す
営業トークをする際は、声の大きさやスピードに注意しましょう。早く成約したいからといって早口になったり、まくし立てるような話し方をしたりするのはよくありません。早口は聞き取りにくいうえに、相手に切迫感を与えてしまいます。一方、声が小さいと何を言っているのか理解できず、相手を苛立たせる可能性があります。
商品やサービスの魅力を顧客にしっかり理解してもらうためにも、明るく大きな声でゆっくり話すことを心がけましょう。ゆっくり話したほうが落ち着いた印象を与えられます。話す内容も分かりやすくなるため、成約率アップにつなげやすいでしょう。
営業トークは自分のリズムで話すのではなく、自分の言葉を理解してもらえるように相手のことを考えて話すことが大切です。声の大きさやトーン、スピードなどを相手の話し方に合わせれば、一体感が生まれて信頼関係を築きやすくなります。
2.デメリットやリスクも話す
商品やサービスのメリットだけアピールしても、顧客の信用を得られません。都合の悪い事実を伏せて商品を購入させようとしても、印象が悪くなるだけです。デメリットやリスクも隠さずきちんと話したほうが誠実さが伝わり、成約のハードルも低くなります。正直な会社だと評価されて、企業全体のイメージアップにもつながるでしょう。
契約前にデメリットやリスクをきちんと話していないと、会社の信用問題に発展する可能性もあります。良い影響よりも悪い影響のほうが大きいため、メリットとデメリットの両面をきちんと伝えることが大切です。
価格面は顧客から聞きづらい内容でもあるため、聞かれるまで待つのではなく、自ら説明することをおすすめします。
3.商品を売り込み過ぎない
一方的に商品を売り込むような方は、顧客に敬遠されがちです。自分の話を聞いてくれない人だと判断されて、信頼関係を構築するのが難しくなってしまいます。あれもこれもと説明しすぎてしまうと、相手に嫌悪感が生まれる可能性もあります。
自社の商品やサービスを一方的にアピールするのではなく、事前のヒアリングによって相手の悩みや要望を把握し、それに沿った商品を提案する方法が適切です。重要な点に絞って説明し、相手から質問があった部分を追加で説明するというようにメリハリをつけて話せば、相手に過度な負担を与えることもありません。
聞く方が一度にイメージできる内容には限界があるので、相手の立場になって説明をすることが大切です。商品を売りたいからといって焦らずに、ゆっくり顧客との信頼関係を構築していきましょう。
営業ヒアリングの2つのコツ
成約につなげるには、トーク力だけでなくヒアリング力も必要です。売れる営業マンは顧客との会話の中で、信頼関係を構築しながら、うまく本音を引き出しています。一方的な商品説明にならないように、顧客の話にしっかり耳を傾けましょう。
ここでは、売れる営業職が実践しているヒアリングの2つのコツについて紹介します。
1.相手の意見や話を否定しない
顧客の悩みを聞き出したり商品を提案したりしている途中で、顧客から否定的な意見を言われることがあります。たとえ自分と違う意見を言われても、すぐに「いえ」「しかし」と否定するのではなく、「そうですね」「なるほど」などと一旦は相手の意見を肯定しましょう。
人は相手に否定されると不快感や不安感を持ってしまい、心を閉ざしてしまいます。顧客に信頼してもらうためには、相手の意見を否定せずに、肯定して安心させることが大切です。否定せずに話をつなげながら、問題解決へ導きましょう。
2.誘導しようとしない
商品を購入させるために顧客に回答を誘導するのは禁物です。例えば、「このような商品があれば便利だと思いませんか?」というように、顧客から「はい」という回答を取りにいくと、一気に不信感を持たれてしまいます。
ヒアリングをする際は、回答を誘導するための質問をするのではなく、顧客の課題を解決するための質問をしましょう。顧客にとって好意的な質問ができると、本音で話してくれるようになります。
営業前に準備しておくこと
顧客との信頼関係を構築して成約を勝ち取るには、営業トークをスムーズに進めるための準備が必要です。少し工夫をするだけで相手の印象も大きく変わるので、しっかり準備してから営業に向かいましょう。
ここでは、営業前に準備しておくべき2つのポイントを紹介します。準備がしっかりできれば、心にも余裕ができて営業トークを進めやすくなります。
身なりを清潔にしておく
初対面の相手の印象を決める要素として大きいのは見た目です。ネクタイが曲がっていたり、シャツが寄れていたりすると、マイナスの印象を抱かれてしまいます。一度悪い印象を持たれてしまうと、話を聞いてもらうのが困難です。せっかく高い営業スキルを身につけていても、見た目で損することもあるので注意が必要です。
相手に好印象を与えるためにも、シャツにはアイロンをかけるなど、身なりを清潔にしましょう。自分では問題ないと思っていても、寝癖が付いていたり、スーツにシワがあったりして、相手に不快感を与えてしまう可能性があります。
ほかにも、以下のような点に注意する必要があります。
- 眉毛
- ヒゲ
- 爪
- 体臭
商談をする前には鏡で必ず身だしなみを確認して、常に見た目に配慮することが大切です。服装だけでなく、目に見えない体臭にも気を付ける必要があります。口臭なども注意して、エチケットに常に気を配るようにしましょう。
雑談ネタを用意しておく
営業トークをスムーズに進められるように、日頃から情報収集を行い、雑談のネタをいくつか用意しておきましょう。顧客との距離を縮めるうえで雑談は大いに役立ちます。
少し笑える話題や心が和む話題を持ち掛ければ、相手の緊張感もほぐれて、スムーズなコミュニケーションを図れるでしょう。家族構成や生活習慣など、さまざまなケースに対応できる雑談ネタを調達しておけば、会話が滞ってしまうこともありません。
新規営業の雑談ネタとして使えるのは、時事ネタや相手の出身地などに関することです。時事ネタといっても、政治や宗教の話はトラブルにつながる可能性もあるので、初対面で話題にするのは避けたほうが無難です。顧客が興味や関心を持ちそうな話題をリサーチして、雑談ネタをストックしておきましょう。
営業の質を高めるコツ
営業で好成績を収めている人は、自分の実力を最大限に発揮するための環境作りに力を入れています。日頃から努力を積み重ねているからこそ、本番でもスムーズに営業トークを展開することができ、成約を勝ち取れるのです。
ここでは、営業の質を高める2つのコツを紹介します。商談に集中できる環境を作って、常に好成績を残していきましょう。
顧客に十分な情報を提供する
営業の仕事をスムーズに進めていくには、顧客を育てる作業も必要です。新しい顧客を見つけられたとしても、しっかりと育てていかないと思うように成長してくれません。
顧客を育てる方法として有効なのは、十分な情報を顧客へ提供することです。顧客が求めていそうな情報をメールなどで定期的に配信したり、電話でヒアリングを行ったりして、顧客と営業担当者との良好な関係を維持しましょう。
準備を積み重ねておくと、的確な提案ができるようになり、結果的に成約を勝ち取る可能性も高まります。
商談を必ず振り返る
商談の結果に関係なく、毎回帰社した後は商談を振り返って、良かった点と悪かった点を振り返りましょう。何かのスキルを上達させるには、実践した後に振り返ることも大切です。
商談で振り返ることは、以下のような点です。
- 自分の立ち振る舞い
- 依頼者の要望・課題の理解度
- 提案した内容の適切さ
- わかりやすい説明の有無、など
商談の結果に一喜一憂するのではなく、改善点を明確化して次の商談に活かしていけば、スキルを継続的に向上できるようになります。上司や先輩などに相談しながら商談を振り返れば、より多くの学びを得られるでしょう。実践と改善を繰り返すことが、営業スキルを高めるために必要です。
営業のコツを知って転職に活かそう
成約率を高めてトップセールスを実現するには、トーク力だけでなくヒアリング力を磨く必要があります。相手が抱える課題などを聞き出して、その課題を解決できる商品を魅力的に紹介できれば、成約率も自ずと高まります。
成約率が上がらずに困っている方は、まずは自身の商談を見直してみましょう。営業トークの進め方に問題はないか、相手の意見を聞かずに一方的に話していないかなど、自分の商談に問題点を見つけ出して改善することが大切です。商談後に必ず振り返って改善し続ければ、営業に必要なスキルも向上します。
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