パティシエから転職するには、どうすれば良いのでしょうか。本記事ではパティシエから転職したいという方へ向けて、おすすめの転職先や成功のコツ、注意点などを解説します。パティシエを辞めたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
パティシエの転職理由とは？
パティシエには、華のある職業といったイメージがあります。しかし、パティシエの中には「ブラックなので転職を考えている」という方もいるようです。
製菓専門学校を卒業し、製菓業界で長年キャリアを積んでいく方は限られています。パティシエ職を離れ、異なる分野に転身する方も多いようです。
ではなぜ、パティシエを辞めたいと思うのでしょうか。具体的な理由を見てみましょう。
1.給与への不満
パティシエとして働く際、避けては通れない課題が「収入」です。月給制の正社員として勤務していても、基本的にボーナスはありません。また月給から保険料などが差し引かれ、手取りが15万円以下になることも珍しくないようです。
製菓業界において、新人は「職人としての修行」をする立場とされており、長時間の残業にもかかわらず、残業代が支給されないケースもあります。
生計面で、かなり苦しい状況に陥っている方も多いです。労働時間が長いため、「割に合わない」と感じて転職を検討するケースも見受けられます。
2.将来への不安
結婚や介護などライフステージの変化がきっかけとなり、パティシエから異なる職種に転身するケースが増えています。より安定した生活を目指し、将来への不安を解消するためです。
一旦はパートタイムのパティシエとして業界に残った方のなかにも、経済的不安を拭えずに異業種への転職を希望する方も多いでしょう。
「将来、家族を支える立場になる予定だ」「子どもが生まれたら一緒にクリスマスを過ごしたい」といった家族像を設計し、異なる職種に転職することを選ぶようです。
3.労働時間が長い
パティシエが不満を感じやすいのは、長時間労働である点です。基本的に労働時間が長いパティシエは、1日あたり、13時間から17時間働くこともあります。「週に1日しか休みがない」という職場も多いです。
個人店で働いている方の場合、繁忙期であればお店に泊まり込みになることもあるとされます。
また長時間の立ち仕事によるヘルニアや、一定の作業を長時間続けるために腱鞘炎に悩まされるなど、パティシエは体の不調も多い職業です。上下関係が厳しい業界ゆえに、精神的な不調を訴えるパティシエもいます。
転職相談をご希望の方はこちらパティシエにおすすめの職場5選！
パティシエにおすすめの職場は、いくつかあります。結婚式場やレストラン・カフェ、食品メーカーや料理教室、レシピサイトの運営元などはパティシエで培った経験を活かせる職場といえるでしょう。なかには福利厚生がしっかりし、かつ製菓の技術を磨ける職場もあります。
本章ではこれらの職場が、なぜパティシエからの転職におすすめなのか、理由を解説していきます。
1.結婚式場
パティシエにおすすめする職場の一つに、結婚式場があります。ウエディングケーキは、新郎新婦のリクエスト合わせて作られることが多いです。クリエイティブなスキルを発揮したい方や、飴細工やマジパン細工を得意とする方にとって、結婚式場は素晴らしい職場となるでしょう。
個人店よりも会社としての規模が大きいため、福利厚生がしっかりとしている職場が見つけやすいかもしれません。
2.レストラン・カフェ
イタリアンやフレンチのレストランもまた、パティシエにおすすめする職場です。コース料理の最後を飾るデザートは、お客様にとっても特別な一皿となるでしょう。
パティシエのスキルを生かし、カフェで働くことも可能です。カフェでもまた、多くのパティシエが活躍しています。ショーケースに並ぶケーキは、訪れる方を幸せな気持ちにするでしょう。
3.食品メーカー
食品を取り扱っていた経験を活かせる食品メーカーの営業職への転職は、パティシエからの転職における一つの選択肢でしょう。
食品メーカーでのルート営業ポジションに転身することも可能です。既存の小売店に製品を供給するためのルート営業であれば、食材に関する知識や情熱を生かして転職がスムーズに行える可能性があります。
営業職への転身には未経験者でもチャンスが多くあり、大幅な給与向上が期待できる職業です。
4.料理教室
料理教室で、講師のキャリアを築くこともおすすめです。接客や人との対話が好きな方には、とくにこの仕事をおすすめします。
ケーキや菓子の作り方を教えるだけでなく、レシピの作成や営業活動も含まれる仕事です。そのため、幅広い業務に挑戦できるでしょう。実際に予約が埋まったり、レッスンの内容が好評だったときには、非常にやりがいを感じることでしょう。
5.レシピサイトの運営元
レシピサイトの運営元も、パティシエにおすすめの転職先です。とくに企画・運営職は、パティシエが活躍できる職種といえるでしょう。
ただし、大手企業のレシピサイトでの仕事は求人が限られており、競争が激しいかもしれません。しかし自身のレシピのアイデアを活かし、献立を作成するため、大いにやりがいを感じられます。
これまで培ってきた経験が存分に活かされる仕事は、パティシエとしての表現する場として素晴らしいキャリアの一つです。
パティシエが転職を成功させるコツ
パティシエの転職を成功させるためには、いくつかのコツがあります。やみくもに転職先を探しても、自分の希望にあった職場はなかなか見つかりません。本章では、以下の3つを具体的に解説します。
● 身につけたスキルを分析する
● ある程度の期間をかける
● プロに相談する
これから転職しようと考えている方は、チェックしてください。
1.身につけたスキルを分析する
まずはパティシエの経験をとおして、自分自身に身についたスキルがどのようなものか分析しましょう。一般的に、パティシエをしていて身につくとされているスキルは、以下の通りです。
● 手先の器用さ
● 接客力（コミュニケーション力）
● クリエイティブ性
● 忍耐力
これらのスキルのうち、自分自身が「活かせる」「活かしたい」と思うスキルがどのようなものか考え、転職先へアピールしましょう。
2.ある程度の期間をかける
パティシエから異業種へ転職する際は、ある程度の期間がかかることを覚悟する必要があります。じっくりと時間をかけて転職するのは、成功率を高めるために必要な期間と捉えてください。優れた企業は、適切な人材を採用するために1か月以上の時間をかけるのが一般的です。
転職活動を始めてから実際に退職するまでには、以下のような時間がかかります。
● 書類作成（2週間）
● 応募と面接（約2か月）
● 内定から退職（1か月半）
3.プロに相談する
「転職にあまり時間をかけたくない」「できるだけ良い会社に転職したい」という方には、エージェントの利用がおすすめです。転職のプロが相談に乗ってくれるため、効率がよい転職が集うを実現できます。転職エージェントを活用するメリットは、以下の通りです。
● プロしか入手できない情報がある
● 無料で登録・相談ができる
● 履歴書や職務経歴書をチェックしてくれる
● 登録するだけで転職先を提案してくれる
ただし転職エージェントを利用する際は、どのような会社を利用するのかしっかりと吟味しなければなりません。またいくらエージェントを活用したとしても、転職先は数日で見つからないでしょう。エージェントを利用していても、ある程度の期間が必要なことは留意してください。
転職相談をご希望の方はこちらパティシエから転職する時の注意点
パティシエに限らず、転職には注意点があります。企業選びを間違えてしまうと、パティシエとして働いていた頃とあまり変わらない労働環境であったり、やりがいをまったく感じられなかったりして、長続きしません。
本章ではパティシエからの転職において、注意すべき3つのポイントを解説します。本章で紹介する注意点に該当する企業は、慎重に検討しましょう。
1.知人の紹介で転職する
同僚や知り合いを介しての転職には、注意が必要です。同僚や知人から得た情報が、必ずしも正しいもの、また最新のものとは限りません。製菓業界は非常に狭く、同じ地域にいるシェフ同士が知り合いであることがよくあります。
あなたが転職を考えていることを知って、特定の店舗や以前の職場について話す機会もあるでしょう。こうした情報は、有益なものもあれば、根拠のない情報もあります。あくまで参考程度に受け止めて、自分自身でもしっかりリサーチしましょう。
2.常に求人を募集している企業
常時募集中であったり、頻繁に募集を更新していたりする企業は、慎重に検討すべきでしょう。離職率が高い可能性があるためです。
各種求人情報は、転職活動の貴重な情報源となります。業務拡大や繁忙による人手不足などの明確な理由がある求人は問題ありません。そうでない場合は職場になんらかの問題があるかもしれないため、注意しましょう。
3.面接回数が少ない企業
求職者が電話やメールで応募したあと、直ちに面接日時を設定し、「履歴書を提出してください」という求人にも、注意が必要です。一見素晴らしいと思えるかもしれません。しかし、採用側が慌てて人員を探していることを意味します。
もしかすると、「誰でも良いから即座に雇いたい」という状況なのかもしれません。同様の理由により、面接が1回しかない職場なども避けるべきでしょう。
パティシエからの転職を成功させよう！
パティシエからの転職について解説しました。パティシエは、華がある職業です。一方で、「低賃金で過酷な労働環境」といった現実があります。
将来のことを見据えて転職する際は、結婚式場やレストラン・カフェ、食品メーカーや料理教室、レシピサイトの運営元などがおすすめです。
本記事の内容を参考に、転職活動を始めてみてください。なおハレダスでは、就職活動に関連する情報を多数、発信しています。他の情報も知りたい方は、以下をチェックしてください。
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